2021年11月23日公開
2021年11月23日更新
【シン・エヴァンゲリオン】シキナミタイプとは?惣流・アスカとの違いを比較考察
「シン・エヴァンゲリオン」に登場する用語のシキナミタイプとはどんなものなのでしょうか?2021年に「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」が公開され、長く続いてきたエヴァンゲリオンシリーズが完結しました。しかし、難解な作品ということもあり完結したあともさまざまな考察がされています。今回は「シン・エヴァンゲリオン」のシキナミタイプとはなにかについてや、惣流・アスカとの違い、クローン説などの考察をするのでチェックしてみてください。
目次
シキナミタイプが話題のシン・エヴァンゲリオンとは?
シン・エヴァンゲリオンの概要
「シン・エヴァンゲリオン」はエヴァンゲリオンシリーズのラストを飾る作品として2021年3月8日に公開された劇場版アニメです。正式名称は「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」で庵野秀明監督が総監督、脚本、製作総指揮を務めます。また、2021年6月12日に映画本編映像のカット単位の細かな修正や差し替えを行った新バージョン「EVANGELION:3.0+1.0」が公開され話題になりました。
シン・エヴァンゲリオンのあらすじ
ニアサードインパクトにより赤く荒廃したパリ市街地、その上空にWILLEの旗艦ヴンダーから艦隊とマリの乗るEVA8号機、赤木リツコが率いる作業員たちが「ユーロNERV第1号封印柱」の復旧作業のために降下します。作業中にNERVの妨害がありますが、それはエヴァンゲリオン8号機が撃退しました。復旧作業が成功しパリは元の姿に、そしてWILLEはエヴァ8号機改造のパーツと2号機修復のパーツを獲得しました。
シキナミタイプとは?正体や惣流・アスカ・ラングレーとの違いを考察
考察①式波・アスカ・ラングレーはクローン?
ここからは「シン・エヴァンゲリオン」のシキナミタイプとはなにかについて考察します。まずは式波・アスカ・ラングレーがクローンかどうかについてです。シキナミタイプという言葉は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の入場者特典に登場しています。この入場者特典の小冊子は、式波・アスカ・ラングレーが描かれているためファンの間では「アスカチラシ」と呼ばれています。
そしてアスカチラシの裏面には「ネタバレ注意」と書かれています。アスカチラシに書かれているネタバレのなかに、シキナミタイプがありました。このアスカチラシに書かれているシキナミタイプの説明とは、シキナミタイプはアスカのクローンであるということです。また、アスカチラシにはシキナミタイプのほかにも、アヤナミタイプについて書かれています。
アヤナミタイプとはなにかについては「シキナミタイプとアヤナミタイプにはどのような違いがある」の項で詳しく紹介します。そして、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の劇中で、エヴァンゲリオン13号機と式波・アスカ・ラングレーが対峙したときに「シキナミタイプ…私のオリジナルか」という意味深な発言をしています。この発言の意味は、エヴァンゲリオン第13号機にクローンのオリジナルがいるということです。
実際に、「シン・エヴァンゲリオン」の作中で式波・アスカ・ラングレーはシキナミタイプと呼ばれるクローン人間であることが判明します。碇ゲンドウによると、シキナミタイプとアヤナミタイプはアディショナルインパクトのために造られたクローンであるとのことです。しかし、シキナミタイプとアヤナミタイプというクローンが造られた理由については明確になっていません。
ちなみに「シン・エヴァンゲリオン」のアディッショナルインパクトとは、碇ゲンドウが自分自身の目的を果たすために起こそうとしたものです。その目的は初号機に取り込まれた碇ユイと再会することでした。クローンのシキナミタイプは幼いころからエヴァンゲリオンのパイロットになるべく育てられてきました。そのなかでかなりのシキナミタイプがいなくなる描写があります。
そのため「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」に登場するクローンのシキナミタイプは、同じクローンのなかでも優秀な個体であるとされています。
考察②シキナミタイプのオリジナルは惣流・アスカ・ラングレー?
「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」では式波・アスカ・ラングレーの名前で登場するシキナミタイプのアスカですが、もともとアニメ版の「新世紀エヴァンゲリオンシリーズ」などでは惣流・アスカ・ラングレーの名前で登場します。それでは惣流・アスカ・ラングレーがクローンのオリジナルなのでしょうか?先ほどの項で紹介したように「シキナミタイプ…私のオリジナルか」というセリフが登場します。
このセリフを言ったのはシキナミタイプのクローンで、言われたのがシキナミタイプのオリジナルです。このオリジナルとなった存在が惣流・アスカ・ラングレーではないかという説があります。しかし、惣流・アスカ・ラングレーがシキナミタイプのオリジナルであるという明確な証拠はないようです。
シキナミタイプと関係があるアスカの過去や謎を考察
考察①惣流・アスカ・ラングレーと式波・アスカ・ラングレーの過去
ここからはシキナミタイプと関係があるアスカの過去や謎を考察していきます。まず考察するのが惣流・アスカ・ラングレーと式波・アスカ・ラングレーの過去です。惣流・アスカ・ラングレーはテレビ放送版の「新世紀エヴァンゲリオン」や漫画版「シン・エヴァンゲリオン」などで登場したキャラクターで、その過去について描かれています。それによると、惣流・アスカ・ラングレーは4歳のときにエヴァパイロットに選出されました。
英才教育を受けた惣流・アスカ・ラングレーは14歳で大学を飛び級で卒業するという優秀さをみせます。そののちに日本へ渡り、碇シンジたちと一緒に戦うようになります。そんな惣流・アスカ・ラングレーがエヴァンゲリオンのパイロットを目指した理由は、母親の惣流・キョウコ・ツェッペリンが精神崩壊を起こしてある人形をアスカだと思い込み、惣流・アスカ・ラングレーを娘だと認識しなくなったことが原因です。
自分自身を認識してくれない母親を振り向かせるための行動が、エヴァンゲリオンパイロットになることでした。しかし、惣流・アスカ・ラングレーがエヴァンゲリオン弐号機のパイロットに選出された日に悲劇が起こります。それは、惣流・キョウコ・ツェッペリンがアスカだと思い込んでいる人形とともに首つり自殺をしたことです。彼女にとってそれは、娘のアスカと心中したつもりでした。
愛する母親が自殺をしたこと、それも母親が娘だと思い込んでいる存在、つまり惣流・アスカ・ラングレーを殺したことがトラウマになりました。それからの惣流・アスカ・ラングレーは「自分自身は優秀なエヴァンゲリオンパイロットである特別な存在だ」ということに依存するようになりました。また惣流・アスカ・ラングレーの父親は、惣流・キョウコ・ツェッペリンが亡くなったあとに再婚します。
続いては式波・アスカ・ラングレーの過去について紹介します。「シン・エヴァンゲリオン」で描かれた式波・アスカ・ラングレーの過去は惣流・アスカ・ラングレーの過去よりかなり少ないです。その過去のシーンとは、冬の日に幼少期の式波・アスカ・ラングレーが1人で歩いていて、対照的に碇シンジが碇ゲンドウと碇ユイとともにいるものです。そしてエヴァンゲリオンパイロットの訓練を受けています。
惣流・アスカ・ラングレーのように母親に対するトラウマのシーンは描かれていませんが、孤独な幼少期を過ごしたことは同様のようです。そして、新劇場版で「あたしをちゃんと見てくれる人ははじめからいないし」と語っていることから、孤独だったことは間違いなさそうです。
考察②式波・アスカ・ラングレーが父親だけを求める理由や母親との関係
続いて考察するのは式波・アスカ・ラングレーが父親だけを求める理由や母親との関係です。母親に対するトラウマをもっている惣流・アスカ・ラングレーは、母親を求めていたことが描かれています。それは旧劇場版の「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」で、弐号機の中にある母親の魂に気づくシーンです。それに対して式波・アスカ・ラングレーは母親を求めていないようです。
しかし、「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」のラストでケンスケに対して「ただ撫でて欲しかった」と言っています。これが父親からの愛情が欲しかったことからくるものだとされています。ちなみに、惣流・アスカ・ラングレーもまた年上の加持リョウジに好意を抱いていたことが、父親を求めての行動だとされています。それでは、どうして式波・アスカ・ラングレーは父親だけを求めたのでしょうか?
その理由とは、式波・アスカ・ラングレーはすでに母親の愛情を獲得したと感じているからとされています。その愛情を得た理由には2つの説があるようです。1つ目の説は、式波・アスカ・ラングレーがエヴァンゲリオンパイロットになったことを報告したとき、まだ自殺していなかった母親が式波・アスカ・ラングレーのことを娘だと認識できて、このときに母親の愛情を得られたことです。
2つ目の説は、テレビアニメ版と同じように母親がエヴァンゲリオンパイロットになったことを報告したときにすでに自殺しているが、旧作と違い早い段階でエヴァンゲリオン弐号機に母親の魂があることに気づいていたからというものです。どちらの説が正しいのか、それともまた別の説があるのかもしれませんが、すでに母親の愛情を感じていることは間違いなさそうです。
シキナミタイプとアヤナミタイプにはどのような違いがある?
考察①アヤナミタイプとは?
アヤナミタイプとは、綾波レイのクローンのことです。アニメ版「エヴァンゲリオン」において惣流・アスカ・ラングレーはクローンであることは描かれていませんが、綾波レイに関しては旧作の時点でクローンであることが描かれています。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」と「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」に登場するアヤナミレイ(仮称)はアヤナミタイプの初期ロットです。
ちなみにこのアヤナミタイプのクローンはアヤナミレイ(仮称)の(仮称)までが正式名称です。アヤナミレイ(仮称)と出会った式波・アスカ・ラングレーは「アヤナミタイプの初期ロットか」と言っていることから、アヤナミレイ(仮称)がクローンであることを知っていたことがわかります。
考察②シキナミタイプとアヤナミタイプの違い
アヤナミタイプは先ほども紹介した通り、アニメ放送版でもクローンとして登場しています。もちろん新劇場版でもアヤナミタイプはクローンとして登場し、複数体の存在を確認できます。そんなアヤナミタイプとシキナミタイプの大きな違いのひとつが、シキナミタイプはアニメ放送版では登場しないことです。そもそも、式波・アスカ・ラングレーという名前は新劇場版で初登場となっています。
そして、クローンとして複数体登場するアヤナミタイプに対して、シキナミタイプである式波・アスカ・ラングレーは1人しか登場しません。この理由は明確になっていませんが、プロトタイプのアヤナミタイプに対して、実践型として正式に採用されたのがシキナミタイプだからではないかという説があります。
その理由は、それぞれが搭乗するエヴァンゲリオンにあります。アヤナミタイプこと綾波レイが搭乗するエヴァンゲリオン零号機は、エヴァンゲリオンシリーズのプロトタイプとされています。それに対してシキナミタイプや惣流・アスカ・ラングレーが搭乗するエヴァンゲリオン弐号機はアスカ自身も「世界初の本物のエヴァンゲリオン」と言っています。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」の終盤で、幼少時代のアスカがエヴァのパイロットとしての訓練を受けているシーンがあります。そこで徐々に訓練を受けている人が減っていく姿が描かれます。これは、実践型のためシキナミタイプのなかでもっとも優秀な個体を選び出すためのものだったのではないかとされています。
シキナミタイプに関する感想や評価
シンエヴァで気になってるところは浜辺のアスカがどのアスカなのかと幼少期アスカがオリジナルなのかシキナミタイプなのかとかかな
— ロッキー (@Rocky12012) August 14, 2021
シキナミタイプは綾波みたいに成体で作られるだろうし幼少期はなさそうだよなあ
オリジナルかって言ったところも惣流なのか式波なのか
シキナミタイプが新劇場版に登場しましたが、詳しく掘り下げて描かれたわけではありません。そのため、シキナミタイプについて考察されている方がたくさんいました。
あとさ、アスカの「シンジのこと好きだったんだと思う」っていう台詞、超好き。アスカはシンジが凍結されてた14年間ずっとシンジに対する自分の気持ちと向き合ってきたんだろうな…自分はシキナミタイプだから仕組まれた感情なんだろうなって客観的に分かってただろうし
— うみくろん (@umicron55) July 21, 2021
アスカの「シンジのこと好きだったんだと思う」というセリフが好きと言う感想がありました。シキナミタイプとしてつくられたことを自覚しているアスカならではの名言とされています。
式波・アスカ・ラングレーはシキナミタイプのクローン
— nozomi (@210Rnk_523) March 20, 2021
惣流・アスカ・ラングレーはオリジナル
名前が違う理由がようやく分かって鳥肌が立った…
新劇場版でアスカの名字が惣流から式波に代わり、どういう意味なんだろうと考察されてきました。それがシキナミタイプということが判明して驚いたといった感想があります。
シキナミタイプまとめ
「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」に登場した式波・アスカ・ラングレーやシキナミタイプについて紹介しました。「シン・エヴァンゲリオン」でいろいろ謎が解明されましたが、まだまだ考察が盛んにされています。シキナミタイプに注目して、「シン・エヴァンゲリオン」を視聴してみてはいかがでしょうか?