【東京卍リベンジャーズ】未来の千冬はペットショップの経営者？場地の夢だった？

この記事で特集する松野千冬は、漫画「東京卍リベンジャーズ」の人気キャラクターの1人です。テレビアニメでは、回を追うごとに存在感が増していく人物です。そんな千冬の話題に入る前に、まずは東京卍リベンジャーズの作品情報を紹介しましょう。最初に作品概要、そして簡単なあらすじへと続きます。

「東京卍リベンジャーズ」は、和久井健による日本の漫画で、講談社の週刊少年マガジンの2017年13月号より連載中の作品です。また、同じく講談社のWEB漫画サイトアプリ「マガジンポケット」では東京卍リベンジャーズの最新話が順次配信されています。作品は、主人公の青年が暴走族に殺害された中学時代のガールフレンドの運命を変えるため過去にタイムリープするSFサスペンス漫画となっています。

東京卍リベンジャーズの単行本は、2021年9月現在で既刊24巻、累計発行部数は4000万部を超えています。また、メディアミックス展開としては、テレビアニメが制作され2021年4月11日から9月19日まで毎日放送などで放送されました。そのほか、2021年7月9日に実写版映画が公開され、同年8月には東京・大阪・横浜の3会場で舞台作品が上演されました。2020年には第44回講談社漫画賞にて少年部門を受賞しました。

2017年の東京で物語は始まります。26歳のフリーター・タケミチは、住まいのボロアパートとバイト先をただ往復する毎日を送っていました。ある日テレビのニュースを見ていると中学2年の時の彼女・橘ヒナが暴走族の抗争で殺されたことを知ります。その後タイムリープの能力を手に入れたタケミチは、ヒナの運命を変えるため12年前の2005年に戻り抗争事件を起こした暴走族・東京卍會の門を叩きます。

ここからは、いよいよ本題の東京卍リベンジャーズの千冬の話題に移っていきます。最初は千冬のプロフィールから紹介していきます。

• 名前：松野千冬
• 性別：男性
• 生年月日：1991年12月19日
• 年齢：現代…25歳～26歳、12年前（中学2年生）…13歳～14歳
• 身長／体重：168cm／58kg
• 好きなこと：ペットと遊ぶこと、航空雑誌を読むこと
• 尊敬する人：場地圭介
• 将来の夢：パイロット

東京卍會で壱番隊副隊長を務める千冬。中学入学時に場地圭介と出会い、その後暴走族・男打羅の集団に襲われたところを助けられてから彼のことを尊敬し慕うようになりました。詳しくは後述しますが、「血のハロウィン」では場地を救えず死なせてしまったものの場地の遺志を受け継ぎ、彼の後任の壱番隊隊長にタケミチを指名します。

血のハロウィン後の現代では、タケミチの相棒としてタケミチが「天竺」の四天王・鶴蝶に殴り殺されそうになるのを阻止するなど活躍しますが、稀咲の策略により万次郎に銃殺されます。一方、関東事変後の現代では死亡せず生存しており、参番隊隊長・林田春樹の結婚式に出席したり、念願のペットショップ経営にも乗り出しています。

千冬の乗る愛車のバイクは、スズキGSX250E、通称ゴキです。かつて場地の乗っていたバイクを貰い受けました。

1980年に発売されたゴキは、並列2気筒DOHC4バルブ方式した「４ストのスズキ」を世のバイク好きに知らしめた2輪で、当時は暴走族にも人気だったそうです。

ここからは、暴走族の暴走の抗争からは一旦離れて、現代で千冬が経営するペットショップの話題に移っていきます。千冬が現代でペットショップを経営する理由はなぜなのでしょうか？

まずは、現在までに24巻が刊行されている東京卍リベンジャーズの単行本の中で、千冬がペットショップでバイトとして働いているのは何巻なのかを紹介します。千冬がペットショップでバイトとして働いているのは、単行本の24巻209話になります。そして、千冬がペットショップを経営しているシーンは、前後しますが22巻197話に登場します。

次に千冬がバイトではなく経営者として関わるペットショップの名前ですが、「XJランド」といいます。この「XJランド」というペットショップの名前は、後述する千冬の愛猫の黒猫の名前・「ペケJ」から取ったものです。ペケをXに置き換えて「XJランド」としています。

バイトをしていた頃からの夢だったペットショップの名前にも使うくらいですから、愛猫ペケJがいかに千冬の人生の中で大きな位置を占めていたのかわかるのではないでしょうか？

それでは、東京卍會で壱番隊副隊長にまで昇りつめた千冬が、関東事変後の現代でペットショップを経営することになった理由はなぜなのでしょうか？

東京卍リベンジャーズの単行本23巻198話では、東京卍會解散時に埋められたタイムカプセルが登場します。そのタイムカプセルに千冬がなぜペットショップを経営することになったかの理由が隠されていました。

千冬はタイムカプセルに、愛読していた航空雑誌と共に未来の自分にあてた手紙を入れています。その手紙にはパイロットになりたいという彼の夢がしたためられていました。このことから、タイムカプセルが埋められた12年前には千冬にペットショップのバイトや経営という夢は未だなかったことがわかります。

千冬がなぜペットショップ経営に乗り出したのか？その理由がなぜなのかを探る手掛かりは、彼が高校生時代にしていたバイトにありました。

タケミチがマイキーに触発されて10年前にタイムリープした時、ペットショップでバイトする高校生の千冬を目撃しています。12年前にはパイロット志望だった千冬ですが、その後の2年間で何らかの理由により彼の中で将来の夢に対する変化が起きたのかも知れません。

千冬がなぜペットショップ経営に乗り出したのか？その理由がなぜなのかを探る手掛かりの2つ目は、彼が尊敬する人物・場地圭介です。東京卍リベンジャーズの公式キャラクターブック「天上天下」によると、場地は大の動物好きでした。自室を野良猫のために解放していたくらいです。

そんな場地の夢はペットショップでバイトでもいいので働くことでした。千冬は、場地の愛車だったスズキのバイクを受け継いでいます。場地に心酔する千冬のことですから、場地の将来の夢を引き継いでも不思議ではないでしょう。ただ、そうだとしても場地の夢を引き継ぐだけならペットショップで働けばいいはずです。ペットショップの経営に乗り出した理由はなぜなのでしょうか？

その謎を解くカギは、マイキーがタイムカプセルに入れた未来への手紙の内容にありました。実は、マイキーがタイムカプセルに入れた手紙には、元東京卍會の仲間たちの未来の職業のことが書かれていました。本作199話「Sincerely yours」のシーンになります。

開封されたマイキーの手紙をタケミチが代読します。千冬の未来の職業についてマイキーは具体的には示さず、「きっと場地のことを想って何かしているはず」とだけ書いていました。この時の千冬のとても驚いた表情は、図星だったことを現わしているのではないでしょうか？

千冬がペットショップを経営するに至った理由がなぜかというと、ペットショップにバイトとして勤めているだけではきないこと、それは従業員を雇うことです。場地が命がけでかばった羽宮一虎の居場所をつくってあげたいという意思が千冬に芽生えたのでしょう。場地が生きていたらそうするであろうことを想像し、バイトとして働くのではなくペットショップを自ら経営する道を選択したのかも知れません。

千冬が飼っている猫は、全身が真っ黒の猫で名前をペケJといいます。下の画像は単行本の14巻124話のペケJ登場シーンで、千冬の足元で丸くなっています。

また、先ごろ発売されたアニメ東京リベンジャーズのBlu-ray&DVD第5巻では、付録の特製ブックレットに千冬とペケJの出会いが書かれています。千冬は、捨て猫状態だったペケJに偶然出会い保護したようです。

千冬の飼い猫はペケJという名前の黒猫です。この少し変わった名前の由来ですが、ヤマハ発動機がかつて製造・販売していた排気量400CCクラスのオートバイ「XJ400」から取られていると考えられます。愛好家の間では型式のXJのX（エックス）を「ペケ」と読んで「ペケJ」と発音する人もいるそうです。

ただし、この「XJ400」は1984年には製造を終了していますから、東京卍リベンジャーズのメンバーが乗っていた可能性は低いでしょう。千冬が1980年代のオートバイに憧れを持っていて名づけたのか、あるいは黒猫から「XJ400」のベースカラーであるニューヤマハブラックをイメージしたのかも知れません。

中学入学時には、周りの不良から一目置かれる存在だった松野千冬。喧嘩が滅法強く中学を留年した不良がいると聞きつけ、千冬はさっそくシメてやろうとその不良を訪ねていきます。ところが、そこにいたのは髪の毛を七三分けにして牛乳瓶の底のようなメガネをかけたガリ勉タイプの生徒でした。しかし、そのガリ勉は「虎」という漢字を書けません。千冬はその生徒に漢字を教えてあげました。

狐につままれたような気持ちでしたが、千冬はその場を後にします。しかし千冬はそのガリ勉のことが気になって片時も頭から離れませんでした。ある日のこと、暴走族「男打羅（まんだら）」の精鋭20人が千冬に襲いかかってきました。奇襲攻撃を受けてさすがの千冬も成す術がありません。千冬は窮地に追い込まれます。

その時です。あの時のガリ勉が現れ、あっという間に1人で20人ものゴロツキを叩きのめしてしまったのです。1度漢字を教えたことがあるだけで特に深い親交があったわけでもないのに「仲間だ」と言って自分を守ってくれた場地。千冬の中に強烈な印象を残しました。

後にそのガリ勉の正体が判明するのですが、彼こそは東京卍會の壱番隊隊長・場地圭介その人だったのです。噂には聞いていたものの、実際にその強さを目にして千冬は茫然とします。そして、一瞬にして場地のかっこよさの虜となった千冬は、場地についていこうと心に決めました。近づいてきた千冬に向かって、場地は言いました。「千冬ぅ、ペヤング好き？」。これが千冬と場地との出会いでした。

千冬は場地圭介に心酔していきました。ところが、ある時、場地は、突然千冬に馬乗りになって殴りかかると、ボコボコにしてしまいます。それは、稀咲の企みを探ろうとして芭流覇羅に入るためにあえてやった事でした。マイキーの兄・真一郎が殺害された事件を受けて、稀咲の企みを暴いて東京卍會を壊滅に追い込もうとしていたのです。

ボコボコに殴られながら、千冬は場地の考えていることを理解します。何よりも仲間を大切に思い、仲間のために行動する場地。以心伝心で考えていることがわかるほど、千冬と場地の間は固い絆で結ばれていました。

場地圭介の最後は、2005年10月31日に起きた東京卍會と芭流覇羅との血で血を洗う抗争、いわゆる血のハロウィンでのことになります。稀咲を倒すため東京卍會を抜けた場地。裏切ったと考えた羽宮一虎が場地の背中をナイフで刺しました。出血量は多く、場地は意識を失いかけます。

しかし、万次郎が一虎を撲殺しようとしたのを目にすると、場地は自身の腹部にナイフを突き刺し自決を図りました。死因は出血多量による失血死です。それでは自決した理由なぜなのでしょうか？それはなぜかというと、一虎に刺されて死ぬと一虎が殺人を犯したことになります。場地は一虎が殺人罪で逮捕されることを避けるために自決という選択をしたのでした。

駆け寄ってきた千冬に向かって、場地は喉から絞り出すようにして言葉を発しました。「ペヤング食いてぇな。……半分コ、な？」。2人の出会いを想起させる言葉に思わず涙する千冬。3日後の誕生日11月3日を目前にして、場地は逝ってしまいました。

場地が死亡したことで隊長を失ってしまった東京卍會壱番隊。はからずも組織のトップとなった副隊長の千冬は、隊長には誰がふさわしいのか悩み考えた末に結論に達します。

「自分のついて行きたい奴ぁ、自分が指名する」と宣言した後、タケミチを壱番隊隊長に指名します。その上で副隊長として、タケミチに従っていくことを誓うのでした。

こうして、千冬が心の底から信頼していた場地隊長時代は終わり、タケミチに引き継がれました。しかし、タケミチが隊長に就いた時、本体の東京卍會は以前の組織ではなく腐りきっていました。そんな中、千冬は場地が守り続けてきた東京卍會を取り戻そうと孤軍奮闘していました。

奸智に長けた稀咲に謀反を気づかれ、千冬とタケミチは殺されそうになります。銃を突きつけられても千冬は怯むことなく、タケミチに場地の思いのすべてを託し、稀咲に立ち向かっていきました。場地が命がけで守った東京卍會を大切に思い、殺される寸前でもタケミチを信じてすべてを託す千冬の生きざまがわかるシーンと言えるでしょう。

稀咲と闘う千冬が殺される未来を知っているタケミチ。自分を支えてくれる千冬を見るたびに胸が張り裂けそうになりました。思いつめた表情をしていたタケミチを千冬は連れ出し、言葉をかけてあげます。「楽しくいこうぜ」。たった一言でしたが、タケミチの気持ちは随分と楽になりました。それと同時に、心の中に閉じ込めておいた事実をこの男になら教えてもいいのでは？と気持ちが傾いていきました。

タケミチは、過去の世界の人間に初めてタイムリープのことを明かします。普通なら一笑に付されてしまうような荒唐無稽な話しでしたが、千冬は真剣なまなざしで最後まで聞き信じてくれました。

場地が死ぬことをわかっていながら助けることができなかったと悔やむタケミチを、千冬は「すげぇなオマエ」と逆に称賛します。誰も見てないのに敵から逃げずに命を張って頑張ったと、タケミチを尊敬するとまで言う千冬。この言葉に、タケミチはどれだけ救われたことでしょうか？

場地にとって最高の相棒であった千冬は、後任のタケミチにとっても最高の相棒となります。場地のことでいささかも責めることをせず、タケミチがこれまで抱えてきた苦悩をすべて受け入れる千冬。タイムリープの事実を知りタケミチことをより深く理解した千冬は、誰よりもタケミチを近くにいて支えていこうと誓うのでした。

2005年12月25日の聖夜決戦で東卍の問題を解決したタケミチは、未来へと戻ってきます。ところが、未来はタケミチの予想に反して最悪の状況になっていました。再度過去に戻ったタケミチは苦しみ泣き叫びます。

その場を目撃した千冬はタケミチに駆け寄り、彼の胸の内を聞いてあげました。千冬は泣き続けるタケミチに向かってこう言いました。「オレはうれしいよ…だってまた会えたじゃん」と。その後、千冬はタケミチの語った未来を変えるために何をすればよいかを一緒に考えてくれました。

未来のタケミチを知り、タケミチの頑張りにより奇跡が起こるに違いないと信じて誠心誠意ささえていく千冬。名実ともにタケミチの相棒となった千冬を見ることのできるシーンでした。

ここまで東京卍リベンジャーズの千冬特集をお届けしてきましたが、最後に千冬に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介する東京卍リベンジャーズの千冬に関する感想・評価は、場地と千冬の夢をつぶやくツイートからです。千冬の夢は空を飛ぶパイロット、場地の夢はペットショップで働くこと。

ところが、現代では千冬は場地の夢を引き継いでペットショップを経営し、場地は空に昇っていきました。そう考えると、言葉では言い表せない素敵な気持ちになるのではないでしょうか？

続いて紹介する東京卍リベンジャーズの千冬に関する感想・評価は、ペットショップを経営する千冬に思いを馳せるツイートからです。辛いことばかりな東京卍リベンジャーズですが、ペットショップを経営する千冬が毎年確定申告をしていると思うと少し気分が楽になったと言います。暴走族の世界から離れたことがホッとさせるのかも知れません。

最後に紹介する東京卍リベンジャーズの千冬に関する感想・評価は、場地の偉大さを称えるツイートからです。場地に影響を受けて成長した千冬がタケミチの相棒になり、タケミチをパワーアップさせ、いろんな人が助けられています。そう考えると、場地は間接的にいろんな人を助けていることになるということでした。

ここまで、東京卍リベンジャーズの千冬にスポットを当て、彼がなぜペットショップを経営することになったのかの理由を軸に、彼の愛猫やバイトの話、そして場地への思いやタケミチとの関係をネタバレで解説してきました。いかがでしたでしょうか？

千冬がなぜペットショップを経営することになったのかについては、2つの理由が考えられます。1つは、千冬が高校生の時にペットショップでバイトをしていたこと。そしてもう1つは、東卍のために命を落とした場地の夢を引き継ごうとしたことです。また、バイトではなくなぜ経営者の道を選んだのかについては、場地が命を張って守ろうとした一虎を雇って彼の居場所を作ってあげようという優しい気持ちがありました。

千冬は場地を心から尊敬しており、2人は固い絆で結ばれていました。この記事では、そんな2人が「ペットショップ」というキーワードでつながっていることがわかりました。殺伐とした暴走族の世界で鎬（しのぎ）を削る2人ですから、意外な一面が判明したのかも知れません。