【エヴァンゲリオン】ニアサードインパクトとは何？サードインパクトとの違いは？

2007年に始動したエヴァのリビルド（再構築）版・ヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズ。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q」は、シリーズ第3作として2012年11月17日に公開されました（略称：「ヱヴァQ」など）。2021年公開の完結編シン・エヴァンゲリオンへとつながります。

前作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の14年後の世界が描かれ、反NERV組織「ヴィレ」の登場など旧テレビアニメシリーズや旧作劇場版場版アニメとは異なるストーリーが展開されていきます。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズ4部作は、第1作「序」を皮切りに2009年公開の「破」、2012年公開の「Ｑ」へと続いていきました。そして完結編として登場したのがシン・エヴァンゲリオン劇場版です。当初シン・エヴァンゲリオンは2020年6月27日公開予定でしたが、コロナ禍で延期を余儀なくされ約1年後の2021年3月8日に公開される運びとなりました。

シン・エヴァンゲリオンの制作スタッフには、監督の鶴巻和哉・中山勝一・前田真宏3名が名を連ね、他の3部作同様原作・脚本を手がけた庵野秀明が全体を統括する総監督を務めています。

ここからは、本記事のメインテーマであるニアサードインパクトの解説に移っていきいます。ニアサードインパクトはなぜ起きたのでしょうか？なぜ起きたのかという発生の原因を探っていきます。

ニアサードインパクトとは、ヱヴァ新劇場版シリーズの第2作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」ラストで発生した大災害のことをいいます。なぜ起きたのか？発生の原因はシンジの取った行動にありました。事の発端は第10の使徒を攻撃した綾波レイが逆に捕食され取り込まれてしまった事件。レイを助けるために碇シンジの初号機が覚醒してガフの扉が開いたことが原因となりニアサードインパクトが引き起こされたのです。

ニアサードインパクトは、渚カヲルがMark.06に乗り込みカシウスの槍で発生原因のニアサードインパクトのエネルギーを吸収し止めました。ちなみになぜニアサードインパクトと呼ばれるかというと、このニアとはサードインパクトには成りきっていないという意味のnear（近い）になります。

ニアサードインパクトがなぜ起きたのか？発生原因が分かったところで、次にサードインパクトとの違いについて考えてみましょう。エヴァンゲリオンでは、サードインパクト、ニアサードインパクトと似たような単語が出てきます。違いがよく分からないという方もいらっしゃるようですから、ここで両者の違いについて解説してみます。

ニアサードインパクトは、エヴァンゲリオン新劇場版第2作「破」で登場。シンジが乗る初号機の覚醒により発生しています。そして、渚カヲルがカシウスの槍を初号機に突き刺して停止させました。

それに対してサードインパクトは、新劇場版「破」から「Ｑ」までの”空白の14年”に、シンジの父ゲンドウがMark.06をセントラルドグマへ落としたことで発生しています。まず発生の過程が違います。そして、加持リョウジが自らの命を犠牲にして停止させました。この点も違います。

しかし、ニアサードインパクト、サードインパクトどちらも途中で強制停止をかけられていますので、未完成という点では違いはありません。その意味ではいずれも「ニア」になるのですが、ここでは名前の違いで両者を区別していると考えるのが自然でしょう。

エヴァンゲリオンには、これら以外にもインパクトと名がつく災害が発生しています。次にニアサードインパクト以外のインパクトについて解説します。

最初はファーストインパクトからです。それは今からさかのぼること、およそ40億年も前のこと。宇宙の果てより使徒アダムが地球支配をもくろみ襲来しす。そして、未だ生命の存在していない地球に使徒と呼ばれる生命体を創造しました。

ところが、後に第2使徒・リリスが地球にやって来て衝突し、アダムと使徒の活動を停止させました。これをファーストインパクトと言います。リリスは自らの体液・L.C.Lを使って様々な生命体を生み出していきます。こうして人間もリリスのL.C.Lから誕生したのです。

西暦2000年9月13日南極大陸で大爆発が発生、津波や噴火、地殻変動が引き起こされ、最終的には人類の半数が死亡するという大惨事に発展します。セカンドインパクトとは、この時の大爆発のことを言います。

爆発の原因は人為的なものでした。南極大陸でアダムを発見した秘密結社ゼーレが、人類滅亡を防ぐためゲンドウと共にアダムをロンギヌスの槍で卵の状態にまで戻そうとしたときに大爆発が発生したのです。

ファーストインパクトで眠りに就いたアダムは、セカンドインパクトで肉体と魂が分離してしまいます。魂には新たな体が与えられ、その結果誕生したのが渚カヲルです。

最後は、ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Qで発生したフォースインパクトです。第12の使徒を吸収することで覚醒したエヴァ第13号がトリガーの渚カヲルと接触しフォースインパクトが始動しました。

自身がトリガーだと気付いたカヲルは、インパクトを停止させるためDSSチョーカーを使って自死します。ところが、第13号機が墜落したものの停止には至らず、8号機に搭乗するマリがエントリープラグを強制射出したことでフォースインパクトはようやく収まりました。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版の第3作で、完結編シン・エヴァンゲリオンへとつながるエヴァＱ。次に、ニアサードインパクトが登場するエヴァQが意味不明と言われる理由について考察してみます。

もともとエヴァンゲリオンは謎が多い事で知られており、それが作品の魅力の一つにもなっていました。ところが、エヴァＱでは謎を通り越してストーリーが理解できないという事態に陥っていると言われています。その原因は、何の説明もないままに物語が進行していくところにあります。

テレビアニメや旧作劇場版シリーズなどを観て基礎知識を得ていないと、展開についていけないという声も聞かれます。人によっては、過去の作品を観たり読んだりしていても理解できない場合もあるようです。このことから作品自体の評価も分かれているようです。

次に、シン・エヴァンゲリオンの前編であるエヴァ「Ｑ」がエヴァ「破」の続きではないという点について考察していきます。

それを証明するには、渚カヲルの正体を解明する必要があります。エヴァ「序」で登場したカヲル、なぜか一度も会ったことのない碇シンジがEVAを操るサードチルドレンであることを知っていました。このことから渚カヲルは旧作エヴァンゲリオンから時空を超えてきたと考えられるのです。

眠りから目が覚めた時、カヲルの入っていた棺の横の4つは空になっていました。アダムの魂を受け継ぐカヲルですが、この時現れたのは5番目の渚カヲルであると推測されます。彼の正体は旧作エヴァの世界から碇シンジを助けるために現れた存在と言われています。以上のことから、エヴァ「Ｑ」は「破」の続編ではなく旧作劇場版からの続きであると考えるのが自然なのではないでしょうか？

シン・エヴァンゲリオンの前編であるエヴァ「Ｑ」がエヴァ「破」の続きではないという件について、別の角度から考察してみます。

そのキーとなる人物が惣流・アスカ・ラングレーです。彼女はエヴァＱでは、式波・アスカと名前を変えて登場しています。さらにな目だけでなく外見にも変化がありました。左側の目に眼帯を装着しているのです。

振り返れば旧作劇場版でアスカはエヴァンゲリオンと戦い、左目を負傷していたのです。こうしたことからも、エヴァ「Ｑ」が「序」の続編ではなく、旧作劇場版からの続きであることがわかるのではないでしょうか？

ヱヴァンゲリヲン新劇場版の第3作で、完結編シン・エヴァンゲリオンへとつながるエヴァＱ。ここからは、ニアサードインパクトが登場するエヴァQのネタバレあらすじを解説していきます。

宇宙では、アスカとマリがエヴァンゲリオン初号機を回収する作戦を展開していました。衛星軌道上に初号機を見つけたアスカらは、Mark.04の攻撃を受けながらも回収した初号機をヴィレの艦隊ヴンターへ運び込むことに成功します。ヴンダー副長・赤城リツコは、持ち込まれた初号機から発見されたのはシンジだけで綾波レイがいなかったことを告げました。

意識を回復したシンジは、自身が救出したレイがいないことに合点がいきません。シンジの管理には鈴原トウジの妹・サクラが就き、再度エヴァンゲリオンに乗り込んで覚醒を起こそうと企んだ場合、彼の首に巻かれたDSSチョーカー爆発することを告げます。

ある時、ヴンダーにNERVのMark.09が襲撃してきました。シンジが聞き耳を立てると、Mark.09からはレイの微かな声が聞こえてきました。シンジはミサトが止めるのも聞かず、レイの声を頼りにMark.09に乗ると艦隊ヴンダーから離れていきました。

シンジが意識を取り戻した時、目の前には探していたレイが立っていました。レイに案内されてNERVの施設・ジオフロントを歩いていくと、碇ゲンドウが現れます。彼はシンジに渚カヲルとともにエヴァンゲリオン13号機に搭乗するよう命じました。

その後、シンジはカヲルに頼んで第3新東京市を見せてもらいました。そこにはかつての街の風景はなく、荒廃した赤い大地がどこまでも続いていました。シンジは、レイを救出するために起こしたニアサードインパクトによって、人類が絶滅してしまったことを知ります。

その後、シンジはカヲルに頼んで第3新東京市を見せてもらいました。そこにはかつての街の風景はなく、荒廃した赤い大地がどこまでも続いていました。シンジは、レイを救出するために起こしたニアサードインパクトによって、人類が絶滅してしまったことを知ります。

自分の行動が人類を滅亡へと導いたことを知ったシンジ。エヴァ13号に乗り込むというゲンドウの命令を拒みます。そんなシンジの心を変えさせたのは、渚カヲルでした。

彼女は、シンジの首のDSSチョーカーを外すと自分の首に巻きつけました。そして、サードインパクトを引き起こしたロンギヌスとカシウスの槍を入手すれば、NERNはインパクトを起こせなくなり壊滅した世界の修復も可能であると力説。カヲルの熱意にほだされ、シンジはカヲルと共にエヴァ13号機に搭乗する決意を固めました。

エヴァに乗り込んだシンジとカヲルは、サードインパクトの爆心地に到着します。早速、Mark.06と第2の使徒リリスに突き刺さった槍を引き抜くシンジ。カヲルが2本ともロンギヌスの槍であることに気づきますが、時すでに遅し。これはゲンドウが仕掛けた罠だったのです。

エヴァ13号は覚醒し、フォースインパクトが始動します。インパクトのトリガーとなっていることを知ったカヲルは、覚醒を止めるため自らの命を犠牲にすることを決断。DSSチョーカーを起動し命を絶ちました。

ところが、それでもなおフォースインパクトは停止しません。マリがエヴァ13号機のエントリープラグを強制射出させることで何とか停止に成功しました。エントリープラグはシンジもろとも地表に落下します。アスカはシンジを救出すると、Mark.09から出てきたレイも加わり3人で助けを求めて歩き出しました。

ここまでエヴァンゲリオンのニアサードインパクト特集をお届けしてきましたが、最後にニアサードインパクトに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するニアサードインパクトに関する感想や評価は、SSでの書き込みを修正した方のツイートからです。なぜ大地が浄化されたのか？その原因をニアサードインパクトと誤って書いたことに気づいたそうです。

この記事でもしょうかいしましたが、エヴァンゲリオンには、なぜ？とか原因のわかりにくい筋書きが多いようです。なぜなんだろう？とモヤモヤした気分の視聴者も多いのではないでしょうか？

つづいて紹介するニアサードインパクトに関する感想や評価は、何かにイラついている方のツイートからです。エヴァ初号機で何もかも破壊したいと過激なことを呟いています。しかし、ニアサードインパクトが起きたらシンジのように後悔するのでは？と冷静になり思いとどまったようでした。

最後に紹介するニアサードインパクトに関する感想や評価は、シンジを擁護している方のツイートからです。碇シンジは、ニアサードインパクトを起こして結果として人類を滅亡させてしまいました。

しかし、それはゲンドウの策略に乗ってしまいレイを助けるために起こしたこと。シンジの後悔の様子を目にして、擁護する気持ちになったのかも知れません。

ここまで「エヴァンゲリオンのニアサードインパクトとは何？」と題して、なぜ起こったか？その原因やサードインパクトとの違いを中心に解説してきました。いかがでしたでしょうか？

内容に関する解説がほとんどなくストーリーが展開していく「ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q」。旧作や新劇場版シリーズに精通した上で、シン・エヴァンゲリオンのストーリーを考察するのが得意な人向けの作品とも言われています。

一度観てもよくわからなかった方は、この記事で解説したことを理解した上で作品を鑑賞し直してはいかがでしょうか？楽しむことができれば、作品への評価も変化するかも知れません。