【文スト】芥敦は敵対キャラのカップリング？公式エピソードをまとめて紹介

文豪ストレイドッグス（文スト）のカップリングの中でも高い人気を誇るカップリングの組み合わせが芥敦です。今回はそんなカップリングの組み合わせを紹介していきます。

文豪ストレイドッグス（文スト）は2013年からヤングエースで連載されている、異能力バトルアクション漫画です。歴史に名を残す文豪がキャラクター化しそれぞれの作品名がそのまま異能力になるというアイデアが話題を集め高い人気を誇る作品になっています。文豪がテーマである事も相まって小説で過去編などを展開するなどもしている作品となっています。

通常のメディアミックス展開も積極的に行われており、2016年から3度に渡って行われているアニメ化、2018年に公開された劇場版映画化の他、ゲーム化や実写舞台化なども行われています。元の文学作品の文庫カバーとしてそれぞれのキャラクターを用いるコラボするなど他の作品のメディアミックス展開とはまた少し異なる展開なども話題になりました。

中島敦は孤児院を追放されヨコハマの街を放浪する中で太宰治と出会います。彼との出会いをきっかけに中島敦は異能集団である武装探偵社に協力をする事になります。月下獣を追っているという武装探偵社でしたが、実は中島敦の異能力こそが月下獣でした。中島敦は異能力を制御出来ておらず無意識に月下獣となっていた事が明らかになります。その事を太宰治を通じて知った中島敦は武装探偵社に入社する事になるのでした。

ファンから芥敦と呼ばれるカップリングは主人公中島敦と彼の所属する武装探偵社と敵対関係にあるポートマフィアのメンバーとして登場する芥川龍之介のカップリングです。

芥川龍之介はポートマフィアの中でも首領直属の遊撃隊の1つ「黒蜥蜴」を指揮する20歳の青年です。一般人を巻き込むことも厭わない冷酷無情な性格をしており、部下にも非常に厳しいですが、その一方で部下のピンチには自ら援護する事も多いキャラクターです。異能力羅生門は自身が纏っている外装を不定形で何でも喰らってしまう「黒獣」に変化させる能力で、矛としての能力はもちろん防御力も非常に高い攻防一体の異能力です。

中島敦は18歳の少年であらすじで紹介した経緯で武装探偵社するも、その能力性故に他の組織からも狙われる身にあるというキャラクターです。武装探偵社入社後は社員の尽力もあって月下獣を制御出来るようになり、銃弾をも通さない頑丈な皮膚と人間離れした俊敏性、そして身体の一部を失っても瞬時に復元される程の驚異の回復能力を秘めています。

後にファンから芥敦の愛称で呼ばれる事になる中島敦と芥川龍之介の2人が文豪ストレイドッグス（文スト）の中で初めて出会う事になったのが1巻4話のエピソードです。武装探偵社のメンバー、ナオミと谷崎と共に初めての依頼を受ける事になった中島敦。この依頼に出向く際に国木田独歩から注意するようにと言われる形で名前が登場したのが芥川龍之介でした。

実はこの依頼こそがポートマフィアの罠で、依頼人である樋口一葉はポートマフィアからの刺客でした。ナオミを傷つけられ谷崎が樋口一葉を抑えようとする中、姿を見せたのが芥川龍之介です。彼は中島敦を「人虎」と呼び彼に多額の懸賞金が懸けられている事、そして「生きているだけで周囲を巻き込む存在」であると着けつけます。その芥川龍之介の言葉に中島敦は絶望する事になるのでした。これが芥敦の出会いです。

上記のエピソードでは周囲の助けもあってなんとか芥川龍之介の手を逃れる事が出来た中島敦ですが、その後ポートマフィアから送り込まれてきた刺客泉鏡花との出会いも相まって再びポートマフィアに捕られる事になります。密輸船に連れ込まれた中島敦の前に姿を見せたのが芥川龍之介でした。

生け捕りであれば痛めつけるのは厭わないと芥川龍之介は中島敦にダメージを与えていき、さらには「貴様の意思など知らぬ。弱者に身の振り方を決める権利など無い」「弱者は死ね。死んで他者に道を譲れ」と言った暴言をぶつけます。なんとか隙を伺う中島敦でしたがそこに泉鏡花が救援に現れます。しかし芥川龍之介は圧倒的な力で泉鏡花との戦いも優勢に進める事になるのでした。

芥川龍之介の数々の暴言は着実に中島敦の心にダメージを与えていきます。心が折れかかった中島敦を立ち直らせたのは泉鏡花でした。泉鏡花の助けで逃げ出す事に成功した中島敦でしたが泉鏡花を助けるべく今一度芥川龍之介の前に立ちはだかります。立ち直った中島敦はポートマフィアの中でも屈指の実力者である芥川龍之介と互角のバトルを繰り広げていきます。

そんな中で芥川龍之介の中島敦に対しての憎悪の根幹にあるのが太宰治である事が明らかになりました。ネタバレすると太宰治は元ポートマフィアのメンバーであり、芥川龍之介は当時の太宰治の部下で彼の教えで育った存在だったのです。そんな太宰治が自らの元を去り中島敦に目をかけている事が許せない、そんな嫉妬心に燃えているのが芥川龍之介でした。

その後、文豪ストレイドッグス（文スト）のエピソードがギルドも加わった三社戦争に発展すると芥川龍之介はギルドの拠点にてホーソーンとミッチェルの2人組と戦う事になります。その戦いの中で深手を置いながらも芥川龍之介は「僕の希望は或る言葉、或るヒトからの、極詰まらぬ一言だ。その一言の為、地を舐め泥を啜るかの如き敗北を幾度も抜けてきた」と語ります。

最終的にこの戦いに勝利を収める芥川龍之介。しかし深手を負った芥川龍之介の頭によぎるものがいました。それが中島敦です。上記の或る言葉とは中島敦が言った「人は、誰かに「生きていていいよ」と云われなくちゃ生きていけないんだ」という言葉だった事が明らかになります。この時点で芥川龍之介は上記のエピソードで見せていた中島敦への嫉妬心が薄れているようにも描かれていました。

上記の6巻の公式エピソードの後、同時刻に行われている他の戦いがメインで描かれる事になりますが、その後芥川龍之介は白鯨に乗り込む事になります。この時中島敦もまた白鯨を止めるという作戦の為に白鯨に潜入していました。目的は違えど同じ白鯨に潜入した2人は運命に引き寄せられるように再会する事になります。

再会した2人はお互いに一気に戦闘モードに突入し衝突します。その衝突により、両者が共に以前戦った時よりも成長している姿を確認します。一方で感情には少し違いがあり、以前は芥川龍之介に対し「怯え」が強かった中島敦がより明確な敵意を持って芥川龍之介に話しかけるのでした。この公式エピソードの中で芥川龍之介の「打倒中島敦」という思いの強さがより鮮明に描かれる事になります。

これまで敵対し続けてきた芥川龍之介と中島敦、そんな2人が公式エピソードの中で初めて共闘する事になったのがギルドの団長フィッツジェラルドとの対決です。この戦いは当初フィッツジェラルドと中島敦によって繰り広げられており、そこに芥川龍之介が後から駆けつけた形です。芥川龍之介が駆けつけた時、フィッツジェラルドの口からは中島敦の知られざる過去が語られていました。

それにより中島敦の事を理解した芥川龍之介は「自分が中島敦を倒す」という目的の為にフィッツジェラルドの元から中島敦を助け出そうとします。2人はお互いに口論をしながらもフィッツジェラルド相手に共闘する事になるのでした。この戦いで初めて芥川龍之介は自らの中にある太宰治への思いを中島敦に対してぶつける事になっています。

芥敦のこれまでとは少し違う形が描かれたのが文豪ストレイドッグス（文スト）10巻でした。このエピソードでは中島敦がかつて住んでいた孤児院の院長先生が殺人事件に巻き込まれてしまい亡くなってしまいます。この事件について、太宰治が情報提供者と会う約束を取り付けたとして中島敦を派遣しますがなんと約束の場所に居たのが芥川龍之介だったのです。

これまで出会えば衝突を繰り返してきた芥敦ですが、この日の芥川龍之介は違いました。素直に「太宰さんに伝えよ、事故死だ」と情報を提供したのです。そのまま帰ろうとする芥川龍之介を呼び止める中島敦でしたが、「今の腑抜けた貴様など倒しても何の戦果にもならぬ」と遠回しに早く立ち直るように激励して去っていくのでした。

偶発的な共闘はあってもライバルとして鎬を削り続けてきた芥敦ですが、初めて明確にコンビを組む事になったのが文豪ストレイドッグス（文スト）13巻です。このエピソードでは武装探偵社とポートマフィアそれぞれのトップである福沢諭吉と森鴎外にウイルス型の異能が組み込まれた事で2社が共闘関係を築く事になります。その一環として中島敦と芥川龍之介がコンビを組む事になったのです。

すぐに口論になってしまう芥敦ですが、お互い手の内を知り尽くしている相手だけに連携はバッチリであり、芥敦の活躍もあって事件は無事に解決する事になります。別れ際両者は「六ヶ月後に貴様を殺す、十全に備えよ」、「六ヶ月間、お前は一人も殺すな」と約束をして別れる事になるのでした。

芥敦は前衛型の異能力を持つ中島敦と後衛型の異能力を持つ芥川龍之介の組み合わせでもあります。上記で紹介した公式エピソードでの共闘シーンなどではお互いの能力を把握しているからこその連携を見せています。

2人が初めて見せたあわせ技が月下獣羅生門 虎叢です。月下獣の能力で腕を虎にした中島敦に芥川龍之介が羅生門の叢をあわせる事でより高い殺傷能力を持った能力になっています。

月下獣羅生門 虎叢をより強化した形のあわせ技が月下獣羅生門 黒虎絶爪です。両手両足を虎にする中島敦の「月下獣半人半虎」を使用した状態で羅生門をまとわせる事で「全てを切り裂く」能力である羅生門の効果に、月下獣の爪の「異能を切り裂く力」である月下獣の能力が合わさる事で、「物理的にも異能でも防ぐ事が出来ない防御不可能な攻撃」になります。

アニメ文ストにて芥川龍之介の声優を担当したのが小野賢章さんです。子役として俳優デビューをした後、2001年に「ハリー・ポッターと賢者の石」にて日本語吹き替えを担当し声優としてデビューしました。長きに渡るハリー・ポッターシリーズでの吹き替えによりより声優としての演技について考えるようになり、その後は声優としても俳優としても活動していく事になります。

男性声優の中でも特に高い歌唱力を持っている声優さんの1人でもあり、キャラクターソングを手掛ける一方で、小野賢章個人名義でも歌手デビューも果たしている声優さんでもあります。2020年には2017年から交際している事が知られていた花澤香菜さんと結婚した事も発表されています。

小野賢章さんがこれまでに出演した作品と演じたキャラクターとしては「黒子のバスケ」の黒子テツヤ役、「聲の形」の永束友宏役、「終わりのセラフ」の白夜ミカエラ役、「ジョジョの奇妙な大冒険黄金の風」のジョルノ・ジョバァーナ役、「ダイヤのA」の轟雷市役、「ポケットモンスター」のアラン役、「マギ」の練白龍役、「遊戯王ARC-V」の榊遊矢役などがあります。

小野賢章さんが近年演じたキャラクターとしては「2.43 清陰高校男子バレー部」の灰島公誓役、「バック・アロウ」のビット・ナミタル役、「Dr.STONE」の西園寺羽京役、「SE∞エスケーエイト」の菊池忠役、「セスタス-The Roman Fighter-」のルスカ役、「ヴィンランド・サガ」のクヌート役、「啄木鳥探偵處」の平井太郎役、「体操ザムライ」のレオナルド役などがあります。

アニメ文ストにて中島敦役の声優を担当したのは上村祐翔さんです。1999年、4歳で子役として劇団に入所し、2002年に声優としてデビューしました。長らく俳優として活躍しましたが声優デビュー作である映画「ぼのぼの クモモの木のこと」で声優を演じた事で声優という仕事を意識するようになり、声優としての活躍が多くなっていった声優さんです。

上村祐翔さんがこれまでに出演した作品と演じてきたキャラクターとしては「アイカツスターズ」の五十嵐望役、「僕のヒーローアカデミア」の天喰環役、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のリオン・ステファノティス役、「BORUTO」のシンキ役、「ヴィンランド・サガ」のトルフィン役、「風が強く吹いている」の城次郎役などがあります。

太宰治は文ストの武装探偵社に所属する自殺マニアと一風変わった青年です。基本的にはマイペースな性格をしていますが、頭がかなりキレ、身のこなしも作中でもかなり高めになっています。武装探偵社に入社する前にはポートマフィアの幹部だったという経歴を持っており、文スト作中ではその経歴を生かした行動をする事も多くなっています。

異能力「人間失格」は触れた異能力を無効化する能力で、例外なく全ての異能を無効化する事が出来る非常に強力な異能力です。触れる事が条件である為、基本的に太宰治に異能力による攻撃は一切通じませんが、その反面自身にとって有用でる与謝野晶子の治療の異能力なども無効化してしまう欠点があり、治療の際には仮死状態にしなければならないとされています。

中島敦にとって太宰治は命の恩人であり、武装探偵社では上司と部下の関係にあります。自身の判断で入社させた為、中島敦の事を常に気にかけ、必要とあらば自らの身を一時、敵に預けてでも中島敦を守るための交渉をするなどしています。その太宰治の行動が芥敦の関係の悪化の一因にもなっている程です。

太宰治が元ポートマフィアである事は上記でも説明した通りですが、彼がポートマフィアで幹部になった際、スカウトした事でポートマフィアに加わったのが芥川龍之介です。芥川龍之介が愛用している黒の外套はこの時に太宰治がプレゼントしたものです。ポートマフィア時代の太宰治は武装探偵社入社後とは違い、冷徹な一面も持ち合わせており、彼の元で厳しく鍛えられたのが芥川龍之介でした。

芥川龍之介にとって見れば上司であり師匠とも言える存在ですが、当時の太宰治は冷徹な面が強かった事に加えて芥川龍之介の独断専行しがちな性格を抑える事もあってあまり褒められるような事はありませんでした。だからこそ芥川龍之介は太宰治に認めてもらう事にこだわっており、認められているように見える中島敦に対して必要以上に食ってかかるきっかけにもなっています。

ここからは既に文豪ストレイドッグス（文スト）を視聴している人の芥敦についての感想を紹介していきます。文ストでは公式カップリングと云われる組み合わせが他にもいくつかありますが、その中でも芥敦は文スト作中でも徹底的にバチバチやり合う関係性である事、そんな関係性ながらも両者がライバルと認め合う関係になっているのが良いという声が非常に多くなっています。

お互いの存在がお互いを高め合う要素になっているという関係性だからこそ、公式エピソードでも描かれている気遣う場面などがグッとくると言われる関係を構築しています。

芥敦は個別で見ても高い人気を誇るキャラクターであり、特に中島敦は文ストの主人公でもあるので表紙でも描かれる事が多くなっています。特に単行本20巻はそれまで基本的に対立関係にあった2人が共闘するような構図にも見えるとして高い人気を誇る表紙になっています。表紙の1枚絵ですら魅せる力があるのが芥敦の魅力だとする声も或るほどです。

それぞれの思想から対立関係にある芥敦ですが、同時に太宰治との関係性がさらにその魅力を高めているとする声も多いです。太宰治が間に入る事でより芥敦の関係性が強くなっているとされており、太宰治の存在があればこそただの敵ではなくライバル的な関係を築けたのではないかとする声も多くなっています。

文豪ストレイドッグス（文スト）の芥敦は主人公中島敦とそのライバル芥川龍之介のカップリングの名前です。中島敦が文ストの主人公という事も相まって公式に2人が衝突するエピソードも非常に多く、それがファンから愛される要因になっています。初対面からやりあってきた関係性だからこそ、お互いを助け合うシーンや共闘するシーンなどは見ていて熱いものがあるとも言われているカップリングです。

文ストの物語の中核にある関係性と言ってもいいのでまだ文豪ストレイドッグス（文スト）を視聴していないという人は中島敦と芥川龍之介、通称芥敦の関係性にも注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか？