2021年04月16日公開
2021年04月16日更新
【GTO】上原杏子はどんな人物?イジメていた吉川との関係や演じた声優・女優も紹介
反町隆史主演のテレビドラマで有名なGTO。このドラマには出ていなかったのですが、原作漫画やリメイク版ドラマに登場する上原杏子をご存じでしょうか?手の付けられない不良少女でしたが、ある出来事をきっかけに変貌を遂げたというのです。これから上原杏子の人物像や彼女がイジメていた吉川との気になる関係、さらにはアニメやドラマで杏子を演じた声優・女優の情報までお届けしていきます。GTOの魅力がよくわかる内容になっていますので、この機会にぜひご覧ください!
上原杏子とは?
GTOの作品情報
出典: https://jmty.jp
藤沢とおるによる漫画作品「GTO」。本記事のメインテーマはGTOに登場するキャラクター・上原杏子ですが、その話題に入る前にまずは作品情報を紹介します。作品概要、そして簡単なあらすじへと続きます。
GTOの概要
住んでみたい街の上位にランクされる東京・吉祥寺を舞台に、元暴走族の教師・鬼塚英吉の活躍を描く学園漫画「GTO」。少年週刊マガジン1997年2号から2002年9号まで掲載されました。その後7年の時を経て2009年28号より「GTO SHONAN 14DAYS」とタイトルを変えて復活し、2011年42号まで連載されました。
その後も、2012年には番外編「GTO」が、2014年には「GTOパラダイス・ロスト」がそれぞれ連載されています。また、1998年には反町隆史主演でテレビドラマ化され大きな話題となりました。さらに、1999年にはテレビアニメ化されフジテレビ系列で放送されました(全43話と総集編)。そのほか、2012年はリメイク版ドラマがAKIRA主演で制作・放送されています。
なお、タイトルの「GTO」は、モータースポーツのGTカテゴリ(GranTurismoOmologata)の意ではなく、「GreatTeacherOnizuka」の頭文字を取ったものです。
GTOのあらすじ
不良生徒の吹き溜まりのような学校として知られる湘南極東高校で番長を張っていた男、鬼塚英吉が本作の主人公です。替え玉受験で大学に合格した鬼塚は、その後教師を目指すことになります。
卒業を翌年に控え就職活動に精を出す鬼塚。彼に目を付けたのは、東京吉祥学苑理事長の桜井良子でした。彼女の経営する学校は、存続の危機ともいえる問題を抱えていたのです。
学内に蔓延する不正の数々、陰湿ないじめやそれを見て見ぬふりをする教師たち。そうした問題に真正面から取り組むには、鬼塚のような型破りで理屈よりも道理を大切にする人材が必要だと考えたのです。こうして、鬼塚英吉の破天荒な教師生活が始まることになりました。
上原杏子のプロフィール
母親が有名な教育評論家という家庭に育った上原杏子。学園でもPTA会長を務める母親の意に背くかのように、教師も手を焼く不良少女になっていました。しかも上原杏子の場合は、古いタイプの不良、いわゆるスケバンのような恰好と性格をしています。
好き嫌いがはっきりしており、気に食わない相手には徹底して攻撃的になる上原杏子。その反面、気に入った相手は大切にするといった仲間思いの一面を持ち合わせていました。
また、作中での上原杏子の描かれ方には、原作漫画とアニメ・ドラマとでは違いがあります。以下にそれぞれの特徴をまとめてみました。
アニメでの上原杏子
アニメでは茶髪のセミロング姿で登場する上原杏子。ただし髪の毛はサイドを髪留めで結いつけています。原作漫画に見られる不良少女の雰囲気はありません。
ドラマでの上原杏子
概要欄で触れたとおり、GTOは2度ドラマ化されています。最初は1998年の反町隆史主演のもの、そして2012年のAKIRA主演によるリメイク版です。
1998年のドラマでは上原杏子の登場はありませんでした。2012年版では登場しますが、原作の茶髪とは打って変わり黒髪のセミロングというシックな髪形です。そこにはスケバンという雰囲気はありません。原作漫画のような反抗的な性格は影を潜め、鬼塚のよき理解者として描かれていました。
上原杏子は吉川のぼるをイジメていた?その後は?
上原杏子は吉川のぼるをイジメていた?
上原杏子の紹介を終えたところで、今度は吉川のぼるとの関係について解説していきます。吉川のぼるは、上原杏子と同じ3年4組の生徒です。新任の鬼塚に対して心を開き、最初の理解者となった男子生徒です。鬼塚とは好対照のひ弱な体格で男女どちらからもイジメを受けていました。吉川の事を毛嫌いし酷いイジメを繰り返していた一人が、上原杏子だったのです。
しかし、作中ではそんなイジメの加害者上原杏子の悲しい一面が描かれていました。有名な教育評論家として八面六臂に活躍する多忙な母親。それに加えて弁護士をしている父親も、家庭を顧みる余裕はなかったようです。そんな家庭にあって、上原杏子は一人孤独を感じていました。
また、原作の回想シーンでは、杏子の兄の雄一が父親から暴力を振るわれていたことが描かれています。兄はそうしたストレスから逃げるように、妹の杏子に対して虐待を繰り返すようになります。いわゆる暴力の連鎖です。そうした家庭環境にいた杏子が次第に暴力的になり、吉川への凄惨なイジメにつながっていくことは容易に想像できるのではないでしょうか?
上原杏子と吉川のその後
イジメの加害者と被害者という関係にあった上原杏子と吉川のぼる。そんな2人のその後はどのようになったのでしょうか?実は、2人の関係性に変化が訪れるきっかけとなった出来事がありました。原作漫画やアニメとドラマではシチュエーションが異なりますが、印象的な出来事であることは共通です。
原作GTOでは、その出来事は修学旅行先の沖縄で起きました。鬼塚の評価を下げ失脚させたい上原杏子。吉川のぼるを密林地帯で迷子にしてしまおうと考え、実行に移します。ところが自分自身も道に迷ってしまうのです。岩場から海に転落してしまう杏子。その時、危険を顧みずに海に飛び込み彼女の命を救ったのが吉川のぼるでした。この出来事をきっかけに、杏子は吉川に淡い恋心を抱くようになりました。
その後、自身に芽生えた心の変化を確かめようと、杏子はのぼるを夏祭りに誘います。そこでも感じられた吉川のやさしさや、二度とイジメられっ子に戻りたくないという強い意志を感じた杏子は、吉川に対する恋心をさらに募らせていくのでした。それに伴い、彼女の顔の表情が穏やかになっていくのも興味深いところでしょう。
ドラマ版GTOでは、原作とはかなり設定が異なります。ヤクザにドラッグを注射されそうになった上原杏子。そこへ乗り込んできた吉川のぼると鬼塚栄吉に助け出されるのです。この出来事がきっかけで仲直りをする上原杏子と吉川のぼる。しかし、ドラマGTOではその後杏子に恋愛感情が芽生えることはなかったようです。
上原杏子のアニメ声優
岡村明美のプロフィール
ここで、アニメ版GTOで上原杏子の声を演じた声優を紹介します。アニメで上原杏子を演じたのは、声優の岡村明美(おかむら・あけみ)です。以下にプロフィールと声優としての主な出演作品を紹介します。
- 本名:西園明美(にしぞの・あけみ、旧姓:岡村)
- 出生地:東京都
- 生年月日:1969年3月12日
- 年齢:52歳(2021年4月現在)
- 身長:162 cm
- 職業:声優
- 事務所:マウスプロモーション
小学生の頃より朗読が好きで、近所の子供たちに紙芝居を読み聞かせていたという岡村明美。このころから声優としての資質を表し始めていたのかも知れません。特技の朗読を生かし声優を目指した彼女は東京アナウンスアカデミーに入学。同校卒業後はマウスプロモーション付属養成所で声優としての研鑽を積みます。
1992年にマウスプロモーションの所属となった岡村は、声優としてのキャリアをスタートさせました。少女から大人の女性の声まで幅広く担当する岡村ですが、「おじゃる丸」の石清水健太郎など少年役を演じることもあります。
岡村明美の主な出演作品
- カリメロ(プリシラ)
- 金田一少年の事件簿(最上葉月、桐島レオナ)
- ONE PIECE(ナミ)
- ふたりはプリキュア Splash Star(フープ、霧生薫)
- たまごっち!(まきこ、たまステっちなど)
- ROMANCE DAWN(アン)
- 紅の豚(フィオ・ピッコロ)…劇場版アニメ
上原杏子の実写ドラマの女優キャスト
1998年版のドラマでは上原杏子の登場はない?
上原杏子のプロフィール欄でも簡単に触れましたが、1998年の反町隆史主演・ドラマGTOでは上原杏子の登場はありません。ただ、このドラマでもイジメられっ子役で吉川のぼるが登場します。
吉川へのイジメの中心人物として描かれているのが「相沢みやび」という女子生徒です。この相沢の母親も教育評論家でPTA会長をしており、ドラマ版上原杏子と言っても良いくらい共通点は多いようです。視聴者の中には、この相沢みやびに対して上原杏子以上に嫌な奴という感想を持つほど強烈なキャラを示していました。
2012年のドラマの上原杏子役キャストは新川優愛
2012年のリメイク版ドラマGTOで上原杏子を演じたのは女優の新川優愛です。1993年12月28日埼玉県生まれの新川は、2021年4月現在27歳。2007年に劇団東俳に入団した彼女は、女優としてのキャリアをスタートさせます。
晴れて女優となった新川のドラマデビューは、2008年2月の「長男の結婚」(テレビ朝日)でした。また、2010年6月には「瞬 またたき」で映画女優デビューを飾ります。さらに女優としてのキャリアを積んでいく新川優愛。2018年4月には「いつまでも白い羽根」(東海テレビ・フジテレビ系)でドラマ初主演を果たしました。
また、新川優愛の活躍は女優業に留まりません。2010年7月「ミスマガジン2010」でグランプリを受賞。翌年「ミスセブンティーン2011」に選ばれると雑誌「Seventeen」の専属モデルのオファーを受け、女優とモデル兼業の多忙な生活に入ります。さらに、2015年からは「non-no」の専属モデルを務めており、女優・新川優愛の活躍には今後も目を離せないことでしょう。
上原杏子の家族
上原杏子の家族①杏子の母
上原杏子特集の最後に、彼女の家族について解説していきます。まず最初は母親からです。教育評論家で杏子の通う学園ではPTA会長を務めている杏子の母親。教育の専門家であるにもかかわらず、我が子が抱えている問題には気づいていませんでした。
吉川のぼるがイジメの被害を訴えた時も、フェイク・捏造だと決めつけていました。さらに、イジメられる側の気持ちをわからせようと鬼塚が杏子にした制裁に対しては激怒し、鬼塚を退職に追い込もうとします。
アニメでは、杏子のイジメを示すテープの音声を聞いた母親が杏子に問い正すシーンがあります。この時杏子は、自分がイジメっ子になったのはあんたのせいだと母親を責めました。
上原杏子の家族②杏子の父
次に杏子の父親ですが、回想シーンのみでの登場となります。弁護士をしているという父親でしたが、自分の都合や価値観を一方的に子供に押し付ける、自己中心的な人間として描かれています。
兄の雄一が杏子をイジメているシーンで現れた父親。いきなり雄一を殴り倒します。しかし、それは杏子への行為を罰するものではなく、雄一の学業成績が悪かったことに対する怒りから出たことでした。殴った後で「何のために、高い金を払って私立に通わせている」と怒鳴ります。我が子の行っていたイジメ・虐待には関心が無いようでした。
上原杏子の家族③上原雄一
上原杏子の家族、最後は兄の上原雄一です。こちらも回想シーンのみで登場します。幼い杏子に虐待を加えたり、彼女が大切にしている人形を引き裂いてしまう場面が描かれています。
杏子がイジメっ子となる引き金を引いた人物ですが、彼もまた父親からの暴力や暴言の被害者でもありました。
上原杏子に関する感想や評価
ここまでGTOの上原杏子特集をお届けしてきましたが、最後に上原杏子に関する感想や評価をTwitterより紹介していきます。
GTOの漫画も割と読んでたな。吉川と上原杏子のラブコメ話が好きだった。吉川がオタクなのに女の子を気遣って男らしさを見せるとこはカッコいいし、上原杏子も自分の気持ちに気付くまでの描き方がよかった。あと藤吉と雅の関係も良かったな。
— サカモト (@suica_act3) November 12, 2018
GTOの上原杏子に関する感想や評価、最初に紹介するのは、以前読んていた漫画GTOの中で吉川のぼると上原杏子のラブコメ話が好きだったという方のツイートからです。
とりわけ女の子を意識して男らしさを見せるようになった吉川がカッコよかったといいます。また、吉川に対する気持ちに気づくまでの杏子の描き方など、漫画GTOの繊細な筆のタッチがお気に入りだったようです。
GTOの漫画、初めて見たのたぶん小学校高学年頃だったんだけどいじめの主犯格の杏子とそのいじめられっ子の男が恋愛関係になったの結構混乱したし興奮しましたね…。
— どえす子 (@0405furan) March 3, 2021
続いて紹介するGTOの上原杏子に関する感想や評価は、小学生の頃に漫画GTOを読んでいたという方のツイートからです。
イジメの加害者と被害者が、その後恋愛関係に至るGTOのストーリー展開に混乱したと言います。恋愛などの経験が乏しい小学生には、いささか難しいシチュエーションだったのかも知れません。
GTOの中でも杏子ちゃんとよしかわはくっついて欲しい。杏子ちゃん。見た目可愛かったから最初からいいなって(見た目は)思ってたんだけど、胸糞クソビッチだったし、鬼塚に説教食らってた時は視聴者側からしてみるとざまぁ。としか感じなかったが、最後の方だとただの恋する乙女になっててなんだ好き。
— あいまい (@Aimai_0808) March 30, 2018
GTOの上原杏子に関する感想や評価、最後に紹介するのは、作中では結末が描かれていない杏子と吉川の関係が成就してほしいと願っている方のツイートからです。
イジメを繰り返す不良少女の杏子に、初めは好きになれなかったそうです。そんな杏子が吉川への思いを募らせていくうちに、恋する健気な乙女に変化していきます。その姿がいじらしくて好感を持てたということでした。
上原杏子まとめ
ここまでGTOの上原杏子に焦点を当て、彼女の人間像やイジメの被害者吉川との関係、さらにはアニメやドラマで杏子を演じた声優・女優を紹介してきました。いかがでしたでしょうか?
はた目には立派な教育評論家の母と弁護士の父を持つ杏子。それなのに学園では教師が手を焼くほどの不良少女になっていました。しかも、同級生の吉川のぼるに凄惨なイジメを行います。誰もがうらやむような家庭環境に思われましたが、そこで育った杏子の素行の悪さが、家庭内に潜む問題の深刻さを表していたようです。
そんな杏子がある出来事をきっかけに、それまでイジメの対象でしかなかった吉川に淡い恋心を抱きます。それが恋愛へと発展していく過程で、彼女の言動は変化し、顔の表情も穏やかになっていきました。経済的な豊かさではなく、豊かな心を育む家庭環境が重要であること、人を愛することがその人を変えていくことなどをGTOの作者は教えてくれているのかも知れません。