2021年04月11日公開
2021年04月11日更新
【ハウルの動く城】サリマンとハウルの関係は?母親説・黒幕説や声優も紹介
ジブリ映画「ハウルの動く城」に登場するサリマンは、魔法学校の校長・王室付きの魔女であり、ソフィーの恋心を見抜いた名言で広く知られ、戦争の黒幕説とも言われています。本文では、ジブリ映画「ハウルの動く城」から、サリマン先生ことマダム・サリマンの概要と名言、弟子・ハウルとの関係や母親説、劇中で描かれた戦争の黒幕説、サリマンのアニメ声優のプロフィールなどを紹介します。
目次
ハウルの動く城のサリマンとは?
「ハウルの動く城」に登場するサリマンは、魔法学校の校長・王室付きの魔法使いであり、ハウルの師匠に当たります。以下では、ジブリ映画「ハウルの動く城」から、マダム・サリマンの概要と名言、弟子・ハウルとの関係や戦争の黒幕説、サリマンのアニメ声優について紹介します。
ハウルの動く城の作品情報
2004年11月公開のアニメーション映画「ハウルの動く城」は、宮崎駿監督・スタジオジブリ制作によるファンタジー作品です。「ハウルの動く城」は、イギリス人作家による小説「魔法使いハウルと火の悪魔」を原作とし、映画オリジナル要素として戦争描写やヒロインの恋が加えられました。
ハウルの動く城の概要
2001年公開の「千と千尋の神隠し」に次ぐ興行収入を記録した「ハウルの動く城」は、元SMAPのメンバーで、俳優として活躍する木村拓哉さんの起用や、過去の作品にはない一線を画す実験的な作風が、人気に拍車をかけました。
ハウルの動く城のあらすじ
町で兵隊に絡まれていた所をハウルに助け出されたソフィーは、彼をつけ狙う荒れ地の魔女に呪いをかけられ、90歳の老婆に変えられてしまいます。その後、町を出たソフィーは、ひょんなことからハウルの城と出会い、呪いを解く方法を探すべく、掃除婦としてハウルたちと共同生活を送り始めます。
サリマンのプロフィール
ハウルの師匠で、魔法学校の校長である魔女で、ハウルからは「マダム・サリバン」と呼ばれています。「ハウルの動く城」の中盤から登場し、ハウルに代わって王宮を訪れたソフィーと対面しました。車いすを利用していることや、小姓たちに身の回りの世話をさせていることから、かなり高齢とも推測されるも、その魔力はハウルや荒れ地の魔女を上回り、王国付きの魔法使いとして戦争に関わっています。
サリマンの性格
温厚かつ聡明であり、ソフィーとの対面やハウルが変装して温室を訪ねた際にも、終始冷静沈着な態度を取っていました。また、相手の考えや行動を読み、先手を打つなど洞察力にも優れています。一方、高齢のため身体が不自由なためか、お付きの犬・ヒンを使いに出してソフィーの様子を探らせるなど、自分から手を下すことはほとんどありません。
サリマンの仕事は?先生と呼ばれている?
サリマンは、王宮付き魔法使いとして、王宮の安全確保や、隣国との戦争を支援するために魔法を用いています。また、「ハウルの動く城」では、王宮内に広大な温室を与えられたり、ラストでは、戦争を終結させるべく、総理大臣・参謀長を呼ぶように要請しており、国の政治への影響力が高いことも示唆されています。
また、サリマンとハウルの関係は、師弟関係にあり、ハウルは彼女の最後の弟子であり、才能あふれる若き魔法使いを、自分の後継者にと考えていました。しかし、ハウルは、火の悪魔・カルシファーと契約を交わし、いずれは荒れ地の魔女の如く、身も心も食い尽くされてしまうことを心配するサリマンは、ハウルの悪魔との契約を断ち切ろうとしていました。
一方のハウルは、サリマンを先生として尊敬しつつも、悪魔との契約の件をきっかけに先生を避けるようになります。また、ハウルに王宮への出頭要請が来ても、一向に向かおうとしない理由は、戦争への協力を嫌っていたことに加えて、サリマンを恐れるあまり、1人で行けなかったためとも考えられます。
サリマンの名言「ハウルに恋してるのね」
荒れ地の魔女の呪いにより、90歳のおばあちゃんに姿を変えられたソフィーでしたが、ハウルの思いつきから、ハウルの母親=ペンドラゴン夫人として王宮入りしました。しかし、強靭な魔力を秘めるサリマンの目をごまかすことはできず、同時に、ソフィーの呪いやハウルへの想いも見抜き、本来の姿に戻ったソフィーへ核心を突く名言を放ちます。
また、ソフィーの本来の年齢を見抜いたような発言や、バカげた戦争を終わらせるべく、総理大臣・参謀長を呼ぶように言いつけるなど、登場シーンこそ少ないものの、物語のキーとなる名言を数多く残しています。
ハウルの動く城のサリマンとハウルの関係や黒幕説
「ハウルの動く城」にて、印象深い名言で知られるサリマンは、ハウルの魔法使いの師匠であり、先生と呼ばれる一方、弟子への執着から、ハウルとの関係や戦争の黒幕説が浮上しています。以下では、サリマンとハウルの関係や、黒幕説について考察しました。
サリマンはハウルの母親?執着する理由を考察
王宮の温室で、愛弟子との対面を果たしたサリマンでしたが、ハウルが温室を脱出後も、お付の犬・ヒンを監視に付けさせ、執拗にハウルの行方を追い続けました。サリマンのハウルへの想いは、ソフィーとの対面で語られているものの、物語ラストまで執着し続けた動機は、謎に包まれています。
考察①執着するのはハウルの母親だから?
「先生」という呼称から、サリマンとハウルは、魔法使いの師弟関係にあり、ハウルのことは自分の後継者として特に可愛がっていたことが示唆されています。しかし、サリマンの行動に着目すると、ハウルを管理・統制していると捉えることができ、母子関係を彷彿させることから、ハウルの母親説が浮上しました。
しかし、ハウルの動く城の原作小説での王宮付きの魔法使いは、ベン・サリヴァンという男性の魔法使いであり、サリマンとは別人とされています。また、原作にてサリマンに相当する人物は、ペンステモン婦人ではと推測され、サリマンとハウルの母子関係を示す伏線がないことから、この説は否定的な見方が強いです。
考察②執着するのはハウルが特別優秀だったから?
出典: https://prcm.jp
サリマンにとってハウルは、最後の弟子であり、やっと自分の後継者に相応しい魔法使いに巡り合えたと、将来を期待していました。しかし、数ある弟子の中で、特別優秀だったと思われるハウルの現状を嘆く言動をしており、それがサリマンの心の重荷になっていた可能性も高いでしょう。
考察③執着するのは自分の後継者をハウルにしたいから?
王宮付きの魔法使いであるサリマンの魔力はとてつもなく大きく、荒れ地の魔女も彼女の魔力に歯向かうことはできず、魔力を奪われてしまいました。一方、ハウルは、サリマンの魔力の強靭さを感じつつも、対等に渡り合うシーンから、ハウルの魔力はサリマンに匹敵するものと考えられます。
また、サリマンもハウルにならば、安心して自分の後を託せると感じていたことや、ハウルに次ぐ魔力を持つ弟子が他にいなかったとも推測でき、ハウルを後継者にしたいがために、彼に執着していたでしょう。
考察④執着するのはハウルに恋をしているから?
ハウルに執着する4つ目は、ハウルに恋をしているとも考えられ、その理由は、サリマンに仕える小姓たちの姿から浮上しました。彼らは、金髪におかっぱ頭の美少年たちで、物語初期のハウルに似ているでしょう。しかし、原作でのサリマンは男性なので、ハウルへの恋心も否定的な見方が出来、サリマンのハウルへの執着は、複雑な要素が絡み合った結果でしょう。
サリマンが戦争を起こした?黒幕?
「ハウルの動く城」の後半のテーマとなる戦争は、結末ラストでのサリマンのセリフから終結を迎えることが示唆された一方、サリマンの黒幕説が浮上しました。サリマンは、ハウルとカルシファーの契約を望んでおり、ハウルも誓いにより、有事の際にはサリマン先生の元に駆けつけなければなりませんでした。
一方、サリマンを恐れるハウルは、先生の元に訪れることを避けており、戦争は激しさを増しています。また、カカシのカブに姿を変えられた隣国の王子の存在も、戦争の引き金になったと推測でき、サリマンの魔法であれば、王子の行方をくらませることも可能でしょう。しかし、サリマンの言動からは、戦争に対して消極的だったとも捉えられ、戦争の黒幕ではないとも考えられます。
ハウルの動く城のサリマンのアニメ声優
ソフィーの核心を突いた名言が印象的な、「ハウルの動く城」のサリマンのアニメ声優のプロフィールを紹介します。
加藤治子のプロフィール
サリマンのアニメ声優・加藤治子さんは、1922年東京都出身の女優で、2015年11月に逝去されました。少女松竹歌劇団を経て、1939年に、「花つみ日記」で映画デビューを果たしました。戦後は、舞台やテレビドラマを中心に活躍、ホームドラマの母親役を当たり役とし、日本を代表するお母さん女優として人気を博しました。
加藤治子の主な出演作品
声優としても活動した加藤治子さんは、ジブリ映画「魔女の宅急便」にて、孫娘宛にニシンのパイを届けるように依頼した老婦人役を演じました。女優業では、ドラマ「寺内貫太郎一家」や時代劇「大岡越前」、映画「とおうと」をはじめ、多数の作品に出演しました。
ハウルの動く城のその他のキャラ一覧
以下では、ジブリ映画「ハウルの動く城」に登場するキャラクターと、サリマンとの関係を紹介します。
キャラ一覧①ソフィー
「ハウルの動く城」のヒロインで、父親が遺したハッタ―帽子屋のお針子として働く3姉妹の長女です。荒れ地の魔女の呪いを受け、18歳から90歳の姿に変えられたことから、呪いを解く方法を見つめるべく、ハウルの城で掃除婦として生活を始めます。性格は、消極的でやや卑屈であったものの、老婆になってからは大胆かつ積極的な性格になりました。ソフィーのアニメ声優は、倍賞千恵子さんです。
サリマンとは、ハウルの母親を装って対面しており、対話の途中で本来の姿に変化しつつあったものの、サリマンに図星を突かれたことで、再び老婆へと逆戻りをしました。一方、サリマンは、ソフィーの呪いやハウルへの恋心を見抜いており、ソフィーのことを「随分と若いお母さま」と評しています。
キャラ一覧②ハウル
「ハウルの動く城」の主人公で、街では「美女の心臓を食べてしまう」と噂される魔法使いです。性格は弱虫で見栄っ張りと精神的に未熟な面があり、偽名を使い分けることで嫌な事から逃げ回る生活を送るも、ソフィーとの生活を通じて、人間的な成長を見せます。終盤では、ソフィー達を守るべく、自ら戦地へ身を投じていきます。ハウルのアニメ声優は、木村拓哉さんです。
サリマンとは、師弟関係にあり、ハウルは彼女のことを「先生」と呼んでいます。サリマンからは、後継者として期待されるも、悪魔と契約を結んだことや、ハウルが魔王になってしまうことを危険視されています。
キャラ一覧③荒れ地の魔女
ソフィーを90歳のおばあちゃんに変えた張本人であり、若さや美しさに執着し、ハウルの心臓を求める魔女です。サリマンによると、かつては優秀な魔法使いであったが、50年前に悪魔と契約したことで王宮を追放されたことが判明しています。50年ぶりに王宮にのぼった際には、サリマンの罠にはまり、全ての魔力を奪われ、本来の年齢・姿に戻されました。
中盤以降は、ソフィー達の介護を受けながらハウルの城で生活を送るも、サリマンの罠や企みに気が付くなど、鋭い洞察力を発揮しました。荒れ地の魔女のアニメ声優は、美輪明宏さんが担当し、1997年公開のジブリ映画「もののけ姫」のモロ役では、主人公を叱咤する名言が、一躍注目を浴びました。
キャラ一覧④カルシファー
ハウルと契約を交わした火の悪魔で、ハウルの心臓と対価で、自身がハウルに魔力と城の動力を供給しており、城のかまどに縛り付けられ使役されています。ハウルの心臓と直結していることから、ハウルの危機的状況を誰よりも心配し、2人の契約内容を見抜いたソフィーの手で、両者の契約は解除されました。カルシファーのアニメ声優は我修院達也さんで、2001年公開の「千と千尋の神隠し」では蛙役を担当しました。
キャラ一覧⑤マルクル
ハウルの弟子で、8歳~10歳くらいの少年です。外出時や応対時には、フード付きのマントを被り、小柄な老人に変装することが特徴で、当初は背伸びした言動が目立ったものの、ソフィーに懐いてからは、年相応の振舞いを見せるようになりました。マルクルのアニメ声優は神木隆之介さんで、ジブリ映画では、「千と千尋の神隠し」坊役、「借りぐらしのアリエッティ」翔役を演じました。
ハウルの動く城のサリマンに関する感想や評価
印象深い名言や戦争の黒幕説など、謎めいた存在感が注目される「ハウルの動く城」のサリマンに関する感想や評価を紹介します。
感想1:サリマンの魔力はかなり強い
#サリマン は悪魔とかの契約無しであんなにすごい魔法使いなの? #ハウルの動く城 #ハウル
— Ruth (@Ruth__________) August 10, 2018
「ハウルの動く城」では、ハウルや荒れ地の魔女の魔力は相当高いことが示唆されるも、2人は悪魔との契約の影響の結果とされています。一方、サリマンの魔力は、悪魔との契約がないため純粋なものと言えるでしょう。また、先生の魔力に圧倒されたハウルのその後の様子からも、サリマンの魔力の強さがうかがえ、王室付きの魔法使いに恥じない実力を有しているでしょう。
感想2:サリマン先生の小姓がハウルに似ている
サリマン先生の世話をする小姓たちは、少年時代のハウルと同じ顔をしています。
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) April 2, 2021
サリマン先生は、魔法学校にいたころのハウルが好きだったため、魔法で作りだしたものと思われます。#ハウルの動く城 pic.twitter.com/Gz3K34eD9v
サリマンと言えば、彼女に仕える小姓たちにも注目が集まっており、ハウルに似ていると言われています。一部では、サリマンが魔法学校時代のハウルが好きだったから、小姓たちをハウルに似せているとも考察されています。一方、サリマン先生の小姓は、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のハクにも似ているとも指摘され、親しみあるキャラデザが人気を高めています。
感想3:サリマンのアニメ声優の声が良い
加藤治子さんの声、好きだなあ。ずいぶん前に、あちらに旅立たれたんだけれど、こうして作品にいらっしゃる。#魔女の宅急便 #奥さま #ハウルの動く城 #サリマン
— うまら (@umara_aa) April 2, 2021
「ハウルの動く城」でマダム・サリマンの声を担当した加藤治子さんは、「魔女の宅急便」の老婦人役でも知られ、穏やかな口調や雰囲気が、ジブリファンを魅了しています。また、サリマンと言えば、ソフィーの恋心を見抜いた名言が有名であり、加藤治子さん演じるサリマンの一言は、物語のターニングポイントとなったでしょう。
ハウルの動く城のサリマンまとめ
ジブリ映画「ハウルの動く城」のサリマンの概要と名言、ハウルとの関係、戦争の黒幕説、サリマンのアニメ声優などを紹介しました。ハウルの師匠であり、王室付きの魔法使いとして活躍するマダム・サリマンは、ソフィーの呪いや彼女の本心を見抜いた優れた洞察力と冷静さで国を支える、偉大な魔女です。