【聲の形】島田一旗と石田将也の関係は？声優や助けた理由・最後を考察

「聲の形」の島田一旗とは、石田将也の小学校時代の友人で、西宮硝子のいじめに加担していたクラスメイトでしたが、いじめ問題発覚後は、石田をいじめる立場に回り、石田のトラウマとなった人物です。以下では、「聲の形」の島田一旗の概要や劇中での行動、高校編にて転落した石田を助けた理由、警察に逮捕されたデマの真相、アニメ声優等を紹介します。

大今良時先生の漫画「聲の形」は、聴覚障害といじめをテーマにした作品で、2011年に「別冊マガジン」に掲載されました。2013年に「週刊少年マガジン」にてリメイク版の掲載を経て、2013年～2014年にかけて連載され、単行本は全7巻で構成されています。

いじめっ子・いじめられっ子を主人公に据え、人とコミュニケーションを取ることの難しさや、2人の成長を描いた「聲の形」は、2015年版「このマンガがすごい!」のオトコ部門第1位をはじめ、数多くの賞を受賞しました。また、2016年にはアニメ映画が公開され、幅広い世代から多くの反響を呼びました。

小学6年生となった石田将也のクラスへ、聴覚障害を持つ西宮硝子が転校し、石田を皮切りに西宮へのいじめがクラスで発生します。その後開かれた学級会議では、石田1人に罪が擦り付けられ、今度は石田へのいじめが勃発します。かつていじめていた西宮の痛みを身をもって知った石田は、西宮に対する罪を償うべく、自身の心の弱さと向き合い始めます。

「聲の形」の島田一旗は、小学校時代に石田将也と仲が良かった男子生徒です。厳しい家庭環境で育った影響から、自由奔放な石田との交流は島田にとって癒しとなっており、橋から川へ飛び込むなど、スリリングな遊びを楽しんでいました。性格は、冷静で観察眼に優れ、いわゆる世渡り上手とも言える一面も見せています。

「聲の形」の序盤では、に西宮・石田をいじめる悪い奴とされてきた島田でしたが、物語後半では重傷を負った石田を助けたシーンからは、彼の心境の変化も垣間見えるでしょう。以下では、聲の形の島田一旗と石田・広瀬との関係等を紹介します。

島田と石田は幼馴染の関係にあり、広瀬啓祐とはクラスが一緒になったことを機に仲良くなりました。その後は、ガキ大将タイプの石田を中心に、スリリングな遊びを楽しむも、来年からは中学校に通うことから、島田は塾に通い始めるようになります。そして、石田との遊びから離れようとした時に、聴覚障害を持つ西宮硝子が、島田たちの小学校に転校してきました。

母親の教育方針から普通校でのインクル―ジョン教育を選択した西宮でしたが、なかなかクラスに溶け込むことができず、後に石田のいじめのターゲットにされてしまいます。いじめの中心グループには、島田や広瀬もいましたが、島田は直接手を下すことはせず、石田のいじめを傍観していました。また、時には石田を諫めることはあっても、島田はいじめをやめるように強く止めることはしませんでした。

そして、西宮のいじめは、彼女の存在を疎ましく思うクラスメイトにも波及し、補聴器紛失事件を機に学級会議が開かれ、事の発端となった石田へ制裁が下されました。一方、石田のいじめに加担していた島田・広瀬は、手の平を返したように石田をいじめの対象に仕立て上げ、中学校でも石田の小学校時代の悪事を吹聴して、彼を精神的に追い込んでいきました。

また、島田の石田へのいじめは、島田の日頃の素行の良さが災いし、石田の訴えを教師たちは受け入れようとせず、かつて西宮にしたいじめを、そのまま石田にしてみせるなど、島田のいじめはエスカレートしていきました。島田のいじめは、やがて西宮が受けた痛みを石田に知らしめることにつながり、石田のトラウマを植え付けました。

同時に、西宮への謝罪と、学級裁判後も変わらず接してくれたことへの感謝を伝えるべく、石田は独学で手話を勉強、人生をかけて西宮へ罪を償うことを決意します。そして、石田の決死の行動は、やがて2人と関わるかつての同級生にも影響を与え、島田の卑劣が行為は、それぞれの人生の歯車を動かす起爆剤に変貌しました。

島田と石田の小学校時代の同級生で、西宮のいじめにも加担していた植野は、島田と石田の仲を修復するきっかけを作るべく、島田がアルバイトをする遊園地の売店に誘導します。しかし、島田・石田に生じた溝は、想像以上に深く、トラウマが頭をよぎった石田は元気を失います。同時に、島田も植野の行為をおせっかいと評しています。

お互いに過去の出来事にけじめをつけていれば、何事もなかったように接することが出来たでしょうが、石田はまだ、西宮への罪悪感や島田に植え付けられたトラウマから抜け出せずにいました。島田のそっけない態度からは、どん底から這い上がりきっていない石田への配慮とも捉えられるでしょう。

「聲の形」では、嫌なキャラクターとして認知されている島田一旗ですが、いつも眠たそうな眼や萌え袖がかわいいと、コアなファンから人気を集めています。「聲の形」の島田は、無気力で掴みどころのない雰囲気を漂わせながら、内面では周囲を鋭く観察し、時には冷酷な決断を下すこともあり、島田は良いキャラか、それとも悪い奴なのか、見る人によって評価が分かれやすいキャラクターです。

島田は、西宮のいじめに直線的に手を下すことはしなかったものの、石田の行為を笑って容認していた行為も、立派ないじめでしょう。しかし、学級会議や以降の島田は、何食わぬ顔で今度は石田をいじめのターゲットに仕立て上げます。可愛らしい外見をしていながら、心の内では何を考えているのか分からない、ギャップの大きさも島田一旗の魅力です。

「聲の形」の小学校編では、ずる賢く、冷酷な一面が目立った島田でしたが、彼がそのような性格になった背景には、厳格すぎる家庭環境が原因だと推測されます。動きやすさより、身なりの良さを重視した服装が多く、ピアノを習っていたり、6年生からは塾通いを始めた島田の家庭環境は、他の子より厳しいものだったでしょう。

また、島田の言動からは、大人の顔色を窺い、彼らが欲しいと思う回答を考えて発している様子も見られ、それらが島田の人格に影響を及ぼしたでしょう。西宮のいじめに加担していながらも、自分が不利にならないように線引きをし、自分は安全な場所から石田を非難する、厳格な環境で身に着けた島田の処世術でしょう。

以下では、アニメーション映画「聲の形」にて、中高時代・小学校時代の島田一旗を演じた、アニメ声優2人を紹介します。

中学・高校時代の島田一旗を演じた西谷亮さんは、大阪府出身の声優で、2014年から声優活動を行なっています。声優・西谷亮さんの主な出演作品は、アニメ「ジュエルマスターズ」シャチョー役、「BORUTO」メタル・リー役、「キャプテン翼（第4作）」長野洋役等です。

小学校時代の島田一旗を演じた小島幸子さんは、1979年生まれ、千葉県出身の声優・女優で、1987年から芸能活動を行なっています。声優・小島幸子さんの主な出演作品は、アニメ「亜人ちゃんは語りたい」小鳥遊みどり役、「ポチっと発明 ピカちんキット」カンクロー役、「アサティール 未来の昔ばなし」ライアン役等です。

「聲の形」での石田に対する仕打ちから、一部では警察に逮捕されたとのデマ情報も浮上した島田でしたが、西宮を助けて川に転落した石田を助けた理由は、最後まで明かされませんでした。以下では、聲の形の島田一旗が石田を助けた理由や、警察に逮捕されたネット情報の真相、島田の最後を考察しました。

石田と島田の関係は、高校進学を機にお互いに距離を置くようになりましたが、花火大会の夜に起きた石田の転落事故後のシーンでは、警察に紛れて石田を助けたとみられる島田の姿がありました。しかし、石田を助けた島田の行為は、謎とされています。

永束が企画した映画の撮影中、あるトラブルがきっかけで石田と周囲の関係が悪化する事態が起きます。トラブルの原因は、石田の勘違いでしたが、自分の存在が石田を苦しめていると察した西宮は、花火大会の夜、自宅のベランダから飛び降りようとします。西宮は、その場に居合わせた石田に救出されるも、その反動で石田が転落し、昏睡状態に陥ります。

しかし、警察が現場に駆けつけると、そこには全身ずぶ濡れ状態の島田・広瀬の姿があり、石田は偶然居合わせた2人が助けました。かつて一緒に遊んでいた仲だった3人でしたが、いじめ問題をきっかけに、島田・広瀬が石田をいじめる側に回りました。中学校でも石田を孤立させるべく、告げ口をしていたものの、高校進学を機に、石田への執着は消えていました。

島田・広瀬は、最初に西宮を目撃し、興味本位で後を付けていた所で、石田の落下を目撃しました。石田が落ちた先は川の中でしたが、地上4階から落下した時の衝撃により、重傷を負ってしまいます。島田には、このまま石田を見捨てる選択肢もありましたが、2人は石田を救助し、駆けつけた西宮にもこの事は話さないように、口止めします。

島田のこの行動からは、石田とは関わりたくないという想いが推測される一方、いじめ問題で自分だけが逃げ、石田をどん底に陥れたことに対する罪悪感もあるでしょう。元を辿れば、島田・石田の友情の破綻は、島田がきっかけであり、島田なりのけじめをつけてから、もう一度石田と向き合いたいという想いがあったでしょう。

石田たちが作った映画は、残念ながら選考会で落選し、審査員から酷評を受けます。結果に納得のいかない石田に対して、音響担当の島田は、「糞みてーな奴らに認められて嬉しいのかよ」と言い放ちます。一見するときつい一言ですが、裏を返せば自分で最高と思えばそれでいい、人に認めてもらうことが全てではないとも解釈でき、島田なりの想いが込められているでしょう。

主人公・2人を中心に、周囲の人々の心境や成長を描いた「聲の形」では、島田の心境について、原作はもちろん、映画でも一切語言及されることはなく、作者自身も分からないと話しています。一方、島田の存在は、石田にいじめられることの辛さを体験させ、彼を改心させる役目を担ったキャラクターとも捉えられるでしょう。

原作及びアニメーション映画にて、聲の形の島田の最後は曖昧にされ、石田との関係も最終的にどのように発展したのかも、言及されていません。一方、「聲の形」での石田に対するひどい振舞いから、一部では島田の最後は警察に逮捕されたなど、デマ情報も飛び交っています。以下では、聲の形の島田の最後について紹介します。

一部のネット情報では、聲の形の島田は警察に逮捕されたなど、目を疑うような投稿も見られますが、島田一旗の最後は、「聲の形」にて間接的に明かされており、警察に逮捕された情報は、完全なデマです。このような情報が広まった背景には、「聲の形」での島田の行動に対する、一部のファンのネガティブな感情が、島田一旗のありもしない最後を生み出す引き金となったでしょう。

一時は完成が危ぶまれた自主製作の映画は、西宮の働きかけでなんとか関係し、高校の文化祭でも高評価を獲得しました。しかし、新人映画賞の選考会では酷評を受けたものの、島田一旗の意味深なセリフにより、石田は立ち直ることは出来ました。聲の形の島田の最後は、高校卒業後に、フランスへ留学し、音楽修業に励んでいることが示唆されています。

一部では警察に逮捕されたとのデマ情報も浮上した島田でしたが、ミステリアスな雰囲気は、見る者の関心を引き寄せずにはいられません。以下では、聲の形の島田一旗に関する感想や評価を紹介します。

「聲の形」でもっとも本心が読めないキャラ・島田一旗は、西宮いじめの罪を石田に擦り付けた、いわゆる悪い奴という印象が強いでしょう。一方で、聲の形・高校編からの島田は、川に落ちた石田を助けたりするなど、石田への態度が変わっています。聲の形の島田一旗は、本当は良いキャラなのか、それとも悪い奴だったのか、見る人によって評価がもっとも分かれやすい、ミステリアスなキャラクターです。

「聲の形」全体を通じて、島田一旗のキャラクター性は、卑劣で悪い奴と言う印象が強い一方、自主製作映画での島田が放った石田への一言は、多くの注目を集めています。一見すると、きついセリフにも取れる島田の言葉には、物事の本質を見抜いた島田らしい考えが詰まっており、島田一旗は嫌いでも、この一言だけはかっこいいと称賛の声が上がっています。

聲の形の島田一旗に対する評価は、いまだ厳しい声も多く、中には島田・広瀬の方が、石田よりも悪質ないじめだと訴える怒りの投稿も見られます。石田の行為も許されないものですが、彼はいじめられる側になったことで、人の痛みを知り、やがて改心して罪を償う行動に出ました。しかし、島田たちには、石田をいじめたことに対する反省の言葉もなく、聲の形の島田に対して嫌悪や怒りを生み出したでしょう。

「聲の形」の島田一旗の概要や石田との関係、川へ転落した石田を助けた理由と島田の最後、警察に逮捕された情報の真相や、アニメ声優等を紹介しました。島田一旗の石田への行為もいじめであり、彼の行為も決してゆるされないことです。しかし、島田のいじめは、石田にいじめられる辛さを教えると同時に、石田の改心と西宮への謝罪と和解へ導いた、「聲の形」には欠かせない嫌われ役でしょう。