2021年03月24日公開
2021年03月24日更新
【聲の形】最後の光の意味を考察!ラストシーンで石田将也が感じたこととは?
第19回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した『聲の形』。そんな『聲の形』の最後のシーンでは、最後の光という意味深な表現がされているようですが、最後の光が表す意味とは一体どのようなものなのでしょうか?そこで今回は、『聲の形』の最後のシーンで描かれた、最後の光の意味についてを考察すると共に、ラストシーンで主人公・石田将也が感じたことや物語のラスト結末について調査してみました。
目次
聲の形の石田将也とは?
『第19回手塚治虫文化賞新生賞』や『このマンガがすごい!』など、多くの賞を受賞している漫画・『聲の形』。そんな『聲の形』に登場する主人公は石田将也というのですが、一体どのようなキャラクターなのでしょうか?まずは、『聲の形』の作品情報と、主人公・石田将也のプロフィールについてチェックしてみましょう。
聲の形の作品情報
聲の形の概要
『聲の形』は、オリジナル版が別冊少年マガジン2011年2月号、リメイク版が週刊少年マガジン2013年12号、週刊連載版が講談社コミックスマガジン2013年36号・37合併号〜2014年51号にかけて連載された大今良時による漫画作品です。
全日本ろうあ連盟監修のもと道徳教材化され2015年に30分の実写DVD化されたり、2016年9月にはアニメーション映画が公開されました。そんな『聲の形』は2015年版『このマンガがすごい!』オトコ編で第1位、『マンガ大賞2015』で第3位、『第19回手塚治虫文化賞新生賞』を受賞するなど、幅広い世代に注目されています。
聲の形のあらすじ
高校生の少年・石田将也は、自分が過去に犯してしまった罪から、一人の少女の行方をずっと捜し続けていた。その少女というのが、石田将也が小学生時代にいじめていた聴覚障害者の少女・西宮硝子です。しかしある時をきっかけにいじめっ子だった石田将也がいじめられっ子になってしまい自殺を決意します。自殺をする前に石田将也は自分が犯した『罪』の贖罪をしようとする…。
石田将也のプロフィール
小学生時代の石田将也は粗暴なガキ大将タイプでコミュニケーションが下手な少年でした。元々退屈を極度に嫌い、それに対抗するかのように河川に飛び込んだり自分より体格の大きな者に喧嘩を売ったりするなど度胸試しを好む悪癖ががあり、西宮硝子に対しても好奇心からいじめを行ってしまいます。
聲の形の最後の光の意味・最後のシーンを考察
『このマンガがすごい!』や『マンガ大賞2015』などを受賞し、注目された『聲の形』。そんな『聲の形』の最後のシーンでは、何か意味がありそうな光が描かれています。この、最後の光とは一体どのような意味を表しているのでしょうか?お次は、『聲の形』の最後の光の意味・最後のシーンを考察してみましょう。
考察①自らの殻を破りバツ印を剥がした
『聲の形』の最後の光の意味・最後のシーンを考察1つめは、『自らの殻を破りバツ印を剥がした』です。石田将也は、聴覚障害者の西宮硝子をいじめていた主犯格です。しかし、いざ学校で西宮硝子をいじめていた犯人さ探しが始めると、一緒になっていじめていた者たちは簡単に裏切り、石田将也一人がいじめていたとされてしまいます。
その後は、これまで仲良くしていた仲間たちから逆に石田将也がいじめられるようになります。小学時代、中学時代は無個性なまま淡々と過ごし、そして高校生になっても心はボロボロのままで、人間不信に陥った石田将也はいつしか無意識に他人の顔にバツ印を付けて、耳を塞ぐことでコミュニケーションを断絶するようになりました。
出典: https://festy.jp
元はと言えば、西宮硝子をいじめていた石田将也に原因はあったのですが、その後は罪悪感や人間不信に陥るなど、元いじめっ子とは思えない思考になって行きます。ずっと心を閉ざし続けていた石田将也ですが、西宮硝子と再会したことで良い方向に進んで行きます。小学校時代のあの事件以来、他人に心を閉ざし続けていた石田将也ですが、西宮硝子との再会を機に、少しずつ友人を作り、心を開いていくようにになります。
最終的には、自分が殻に閉じこもっている状態に気付き、その殻を破ることで壁を乗り越えて、これまで他人の顔にバツ印をつけていたクセを無くすことができました。このように、石田将也が前に進んだことが、最後のシーンで登場する最後の光に関係しているのではないかと考察されています。
考察②ラストシーンで石田将也が感じたこと・泣いた理由
『聲の形』の最後の光の意味・最後のシーンを考察2つめは、『ラストシーンで石田将也が感じたこと・泣いた理由』です。これまでの石田将也は無意識に他人の顔にバツ印を付けて、耳を塞ぐことでコミュニケーションを断絶していました。
人間不信になり、殻に篭ることで自分自身の精神を守っていました。そんな石田将也がラストシーンで涙を流します。この、ラストシーンで涙を流した理由が最後の光と関係していると考察されています。これまで石田将也は殻に篭って自暴自棄になっていました。
しかし、これまで自分自身が殻に篭っていたことに気づいた石田将也は他人に壁を作らず、『目で見て耳で聞く』ことを意識するようになります。映画ラストシーンの文化祭で、友達に自ら「一緒に見て回りたい」と意見を言います。
ごった返す周囲の人間たちの顔や声に意識を集中させると、以前はみんな自分の悪口を言っていると思っていたのに、みんなが笑って楽しそうにしている明るい世界が目の前に広がって見えました。バツ印が消えたということは、石田将也が長年抱え続けた闇が消えた、つまり心が解放されたと考察されます。抱えてきた闇が消え、美しい世界が広がったことが、最後の光として表現されたのではないかと考えられます。
考察③暗闇の描写
『聲の形』の最後の光の意味・最後のシーンを考察3つめは、『暗闇の描写』です。前述した、ラストシーンで石田将也が泣くシーンでは、暗闇の描写がありました。この暗闇の描写が意味するものは、石田将也の孤独な姿です。西宮硝子をいじめたことがきっかけで仲間たちからも裏切られ、どんどん孤立していってしまった石田将也は、行き場をなくして行きます。そんな孤独な姿を暗闇で描写しました。
考察④友達が出来たことで一筋の光が見えた
『聲の形』の最後の光の意味・最後のシーンを考察4つめは、『友達が出来たことで一筋の光が見えた』です。先ほどご紹介した暗闇の描写は石田将也の孤独な姿を意味すると考察しましたが、暗闇の描写の中にも一筋の光がありました。しかし、この一筋の光はぼやけていて小さな光でした。この、小さくてぼやけている光は、人生にもがき苦しんでいる石田将也の姿を意味しています。
小さくてぼやけていた光ですが、少しずつ大きくなって行き、大小異なる大きさの二人の影が映し出されていくようになります。この二人の影というのが、西宮硝子と石田将也ではないかと考えられています。孤独で暗闇の中にいた石田将也ですが、西宮硝子と再会したことで少しずつ前を向けるようになっていく事を表現しています。
考察⑤光の正体は罪悪感ではなく希望?
『聲の形』の最後の光の意味・最後のシーンを考察5つめは、『光の正体は罪悪感ではなく希望?』です。ラストシーンに近づくにつれ、光は大きくなって行きました。この、光の正体は罪悪感ではなく、石田将也の希望を意味しているようです。光が大きくなっていく過程で石田将也はたくさんの友達を見つけます。
ひとりぼっちだった石田将也の世界がどんどん、友達によって広がっていったことを、光の強さで表現していると考えられます。暗闇で孤独だった石田将也が大きな光に包まれて、『これから先は友達と明るい未来を歩める』という希望を表したのではないかと考えられています。
聲の形の結末と最後の手話の意味ネタバレ!その後は?
『聲の形』の最後の光の意味・最後のシーンについてはわかりましたが、物語の結末は一体どのようなものとなっているのでしょうか?また、ラストシーンでは、最後に手話があったのですが、どんな意味があるのでしょうか?お次は、『聲の形』の結末と最後の手話の意味をネタバレチェックしてみましょう!
聲の形の結末ネタバレ
まず、『聲の形』結末ラストのネタバレをチェックしていきましょう。一つ目の結末ラストネタバレは、石田将也に友達ができることです。孤立し、他人がバツ印でしか見えなかったほど追い詰められていた石田将也ですが、西宮硝子との再会を機に、友人が出来て救われました。二つ目の結末ラストネタバレは、石田将也と西宮硝子が分かり合うことができたことです。
小学生時代、西宮硝子をいじめていた石田将也ですが、西宮硝子をいじめた理由は好奇心でした。自分とは違う人との接し方が分からず、ちょっかいを出し続けた結果だったのですが、大人になり、お互いが好意を持ったことでわかりあえるほどの仲になりました。
聲の形の最後の手話の意味
「自分が生きるのを手伝って欲しい」と言う石田将也の思いに必死で手話を伝える西宮硝子。そんな最後の手話が意味することは、『約束』です。小指を重ねて約束しました。つまり、西宮硝子は石田将也が生きることを側で支え、支えられる関係として約束したということになります。
聲の形のその後は?
『聲の形』のその後は描かれていないのかと言う声が多いようですが、『聲の形』の続編は現段階ではないようです。『聲の形』は単行本7巻と比較的短い漫画なのですが、結末としては、成人式を迎えた石田将也と西宮硝子が手を繋いで扉に向かっていくシーンで完結しています。
小学生時代に出会い、いじめっ子だった石田将也といじめられっ子だった西宮硝子が20歳と言う節目に手を繋いで未来に向かっていく姿は、物語としても綺麗にまとめられており、続編という形が描かれる可能性としては低いのではないかと考えられています。読者たちの声としては、石田将也と西宮硝子が付き合った姿や結婚した姿が見たかったという声も少なくないので、いつか番外編として描かれる可能性も0ではないかもしれません。
聲の形の石田将也がナツキスバルに似てる?
『聲の形』の主人公である石田将也。そんな石田将也は、『リゼロ』のナツキスバルに似ていると読者の間で言われているそうです。石田将也と似ていると言われる、『リゼロ』のナツキスバルとは一体どのような人物なのでしょうか?お次は、『聲の形』・石田将也が似ていると言われる『リゼロ』のナツキスバルについてチェックしてみましょう。
リゼロのナツキスバルとは?
石田将也に似ていると言われている『リゼロ』のナツキスバルとは、『Re:ゼロから始める異世界生活』という作品の主人公です。ナツキスバルは学校へは登校せずに好きなだけ寝て遊ぶ怠惰な生活を送っていた少年です。いわゆる中二病の傾向があり、神話や星の名前などに詳しいようです。
石田将也とナツキスバルを比較
さて、そんな『リゼロ』のナツキスバルと『聲の形』の石田将也。似ていると言われる二人は、黒髪の単発や平凡な顔立ち、目つきの悪さなどが共通しています。普段の表情はもちろんのこと、笑った顔も似ていると言われているようです。
聲の形の最後の光に関する感想や評価
『聲の形』の結末は、とても評価されているようでしたが、結末の中でも重要となる最後の光について、世間の人々は一体どのような感想や評価を抱いているのでしょうか?最後に、『聲の形』の結末の中でも重要な最後の光に対する世間の人々の感想や評価をチェックしてみましょう。
109シネマで聲の形上映中と知って、観てきた。
— コーラ (@kora_1207) June 7, 2020
中盤まで心をえぐられる展開が続くけど、最後希望の光が差すところで終わって良かった。
障がいを扱っているけど、テーマは心を通わせること、人と向き合って関係を築くこと、って感じたな。
また観たい。
こちらの方は『聲の形』の最後の光について「109シネマで聲の形上映中と知って、観てきた。中盤まで心をえぐられる展開が続くけど、最後希望の光が差すところで終わって良かった。障がいを扱っているけど、テーマは心を通わせること、人と向き合って関係を築くこと、って感じたな。」とツイートしています。中盤までは心がえぐられる展開が多いですが、結末はとても綺麗に終わり、よかったと評価している方が多いようでした。
聲の形めちゃツラいけど最後光で終わるのがいいな〜
— 穏やか (@sushitohakumai) July 31, 2020
こちらの方は『聲の形』の最後の光について「聲の形めちゃツラいけど最後光で終わるのがいいな〜」とツイートしています。いじめっこといじめられっこの双方が描かれている『聲の形』ですから、辛いところも多いですが、最後は光が差し込んで終わるというほっこり展開が良いと感じている方は非常に多いようです。
聲の形…繊細なのに力のある作品だと思う。
— 宮 (@MiyamPuni2) July 31, 2020
難しいテーマをいくつも含みながらも、綺麗な映像演出で調和させて、最後は光ある世界に繋げてる。現実的ではないのかもしれないけど、かえってアニメの本領発揮で、アニメだからこそ人の気持ちを動かせたのかもしれないなぁなんて。
こちらの方は『聲の形』の最後の光について「聲の形…繊細なのに力のある作品だと思う。難しいテーマをいくつも含みながらも、綺麗な映像演出で調和させて、最後は光ある世界に繋げてる。現実的ではないのかもしれないけど、かえってアニメの本領発揮で、アニメだからこそ人の気持ちを動かせたのかもしれないなぁなんて。」とツイートしています。現実は厳しいけれども、アニメだからこそ本領発揮できた作品だと評価する方もいました。
聲の形の最後の光まとめ
『聲の形』の最後の光についての意味考察・結末ラストのネタバレについてはいかがでしたか?『聲の形』はとても重たいテーマを扱っており、物語の流れとしても心がズキッと痛むような描写が多いようでしたが、最後に光が差し込んでいたり、結末ラストでは石田将也と西宮硝子がわかりあえる仲になり、みんなが前を向いて歩けるようになったりと、暖かくなる展開になっているようでした。
また、ラスト展開には様々な想いが込められているようで、石田将也の心や成長もしっかりと描かれていることも評価されているようでした。様々な賞を受賞し、話題を集めた『聲の形』、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。