【炎炎ノ消防隊】伝道者の正体とは？伝導者一派の目的やアドラバーストとの関係は？

「炎炎ノ消防隊」とは、自然発火現象によって焔ビトと化した元・人間の脅威に立ち向かう特殊消防隊の活躍を描いた、サイエンス・ファンタジー作品です。以下では、消防SF漫画という新たなジャンルを生み出した「炎炎ノ消防隊」から、伝道者一派を束ねる謎多きキャラクター・伝道者の正体のネタバレ考察や、一派の目的や、大災害・アドラバスターとの関係、キャラ一覧のネタバレなどを紹介します。

大久保篤先生の漫画「炎炎ノ消防隊」は、2015年から「少年マガジン」で連載されている消防士SF作品であり、単行本は、2021年3月時点で計27巻が刊行されています。「炎炎ノ消防隊」は、2019年からアニメ放送が行われ、2020年12月までにアニメ2期が制作・放送されました。

本編の12年前に、突然の火事で母親と生後まもない弟を失った主人公・シンラは、自分の家族のような犠牲者を出さないため、自宅に放火した犯人を捕まえるべく、消防士を目指します。そして、訓練校を卒業したシンラは、第8特殊消防隊に配属され、仲間たちと訓練や消火活動に励むと共に、謎の組織・伝道者一派や、謎の男・ジョーカーたちとの戦いにも、身を投じていきます。

「炎炎ノ消防隊」の伝道者とは、伝道者一派を束ねる異界アドラから来た存在であることが示唆され、劇中では「気が遠くなるほど昔から、人類の思想を歴史の裏で操り、大災害以前に存在した神々を作り上げたもの」と推測されています。以下では、女性的な容姿と白装束が特徴の「炎炎ノ消防隊」の伝道者の正体について、ネタバレを交えながら考察しました。

白装束と女性的な容姿から伝道者の正体は、能力者や焔ビトではない人間だと考えられ、その人物像は、過去に深い闇があったり、何かしらの理由で消防隊に恨みを持っていると推測されます。そして、伝道者が普通の人間だった場合、シンラたち消防隊の目を眩ませることも可能で、自ら被害者を装うことで、彼らの騙すこともできます。

しかし、能力者で構成された消防隊が相手では、ふとしたきっかけで素性がバレる確率も高くなる欠点があります。また、伝道者の示す伏線について、「炎炎ノ消防隊」では、アドラバーストを持たない人間は、その姿を見ただけで目が焼かれる、伝道者に触れた者は「神」と感じたとされ、これら現象を考えると、伝道者が人間である可能性は否定的でしょう。

伝道者の正体が人間以外の存在と判明しつつも、その真相はいまだ謎のベールに包まれており、焔ビト説が浮上しています。焔ビトは、人体発火現象が発生し、炎の怪物となった元・人間の呼称であり、自我を失った焔ビトは、命が尽きるまで自身と周囲を焼きつくす特徴があります。また、焔ビトには、ごくまれであるが自我を持つ焔ビトも存在します。

そして、伝承者の正体が焔ビトと考えた場合、自我を持つ焔ビトの手で、自我を持たない焔ビトが作られた可能性も浮上し、ある目的を果たすべく、人間や能力を持つ消防隊に干渉する動機にもなりうるでしょう。

シンラの父親は、「炎炎ノ消防隊」では、いまだ姿を見せていないだけでなく、どこで何をしているのかも一切分からない謎多き人物です。一方、限られた人物しか有していないアドラバースト能力を、シンラ・ショウ兄弟が持っていることから、彼らの父親も、アラバースト能力について何かしら知っていた可能性が高いでしょう。

また、アドラバーストの目覚めのタイミングが、シンラ・ショウ共に同じであったことから、父親の策略で能力者になったとも考えられます。そして、シンラとショウは共に柱であり、アドラと深いつながりを持っている点は、父親の正体を示す伏線とも捉えられ、シンラの父親＝伝道者説を裏付けているでしょう。

伝道者の正体候補として、一派と対峙する消防隊の中に潜んでいる可能性も考えられます。特殊消防隊のメンバーならば、消防隊の情報を怪しまれることなく入手できるだけでなく、シンラへの接触も容易となり、伝道者の目的であるアドラバーストを持つ主を集めることができます。

そして、消防隊のメンバーで、シンラ以外でアドラバーストを持つ人物と言えば、シスターアイリスであり、ドッペルゲンガーとの噂も立っていることから、彼女が伝道者の正体、または何かしらの事情を知っていると考えられます。

ジョーカーとは、消防官新人大会を襲撃し、シンラに接触した謎の男です。「ジョーカー」は、特殊消防隊に付けられた名称で、炎やタバコの煙を操り、トランプを形作る能力を持っています。「炎炎ノ消防隊」では、聖陽教会の暗部（暗殺部隊）・聖陽の陰に所属、少年時代から暗部として活動、ずば抜けた実力の持ち主とも言われ、十数年前にバーンズとのアドラリングで左目を失明しています。

また、本編の12年前、シンラが母親と弟を失った火事現場にも姿を見せており、シンラからは火災の原因ではないかと目を付けられています。一方、ジョーカーは、火災の原因はシンラかショウのどちらかにあると見抜いており、劇中では、物語となる情報をシンラに漏らしています。そして、目的を果たすために、アドラバーストを集める伝道者にとって、シンラとの接触は有益なことと考えられます。

伝道者の正体と考察される6人目は、シンラの弟で、灰焔騎士団団長・ショウが挙げられます。ショウは、12年前の火災で亡くなったと言われていましたが、後に火災のどさくさに紛れて、伝道者一派に誘拐されていたことが判明します。誘拐されたショウは、一派によって記憶が抹消されてしまうも、赤ん坊の頃に誘拐したならば、わざわざ記憶を消す必要はなく、一派の行動に疑問が生じます。

一方、伝道者一派によるショウの記憶の抹消は細部にまでわたり、ショウの誘拐は、彼をいずれ伝道者一派の長にすることを目論んでいたためと考察できるでしょう。そして、ショウの記憶喪失は、ハウメアの能力と考えられ、それらは伝道者による精神の乗っ取りの影響という可能性も浮上します。

謎多き伝道者の正体がショウだった場合、ショウの体を利用して一派に指示を与えていたことが考えられます。また、伝道者の正体がショウだと断定されれば、ショウが伝道者一派で、もっとも高い地位を与えられていることにも納得がいくでしょう。

白装束こと伝道者一派のトップでありながら、そのその正体はいまだ謎のベールに包まれている伝道者ですが、「炎炎ノ消防隊」では、伝道者の目的やアドラバーストとの関係が明かされつつあります。以下では、その正体が少しずつ明るみに出てきた「炎炎ノ消防隊」の伝道者（白装束）の目的や、大災害・アドラバーストの関係を、作品のネタバレを交えながら考察しました。

伝道者の目的は、当初は、大災害を引き起こして世界を破滅に導くことと推測されましたが、後に、「地球を太陽にすること」を最終目的とし、地球と異界アドラの2つの世界を同化させるべく、暗躍していることが明かされました。地球とアドラの同化について伝道者一派は、「太陽も同じようにできた」と指摘しています。
 

一方、伝道者一派の言葉の解釈を変えれば、地球とアドラの2つの世界が繋がることで、世界は炎に包まれることも意味します。これらは、本編の250年前に起きた、大災害との関連を匂わせる伏線とも考えられる一方、何故、地球とアドラを同化して太陽にしたいのか、その動機はいまだ謎に包まれています。一方で、伝道者の目的を知る鍵として、焔ビトが注目されています。

地球人にとって焔ビトは、非常に厄介な存在である一方、アドラにいる人間は、地球にいる人間のドッペルゲンガーであり、アドラから地球に来た時の姿が、焔ビトの正体にあたります。また、焔ビトは、全身を炎でおおわれていることから、惑星そのものが燃えている太陽は、焔ビトにとって住みやすい環境だと推測できます。

よって、地球と異界アドラの同化による太陽化には、焔ビトにとって住みやすい世界を生み出すためのものと考えられるでしょう。そして、250年前に、伝道者はその目的を果たそうとしたものの、世界の同化を行なう途中の段階で不完全になってしまい、結果、大災害を引き起こしてしまったと考察できます。また、世界の同化には、柱と呼ばれる生贄を捧げる必要があり、伝道者はアドラバーストを持つ柱を探し求めています。

アドラバーストとは、シンラやショウなど第三世代能力者の中でも、わずか数名した発生させることができない炎であり、特殊な素質を秘めている証と言われています。「炎炎ノ消防隊」では、神に選ばれし聖なる炎・穢れなき炎など、神聖な意味合いが込められてた名称で呼ばれています。そして、アドラバーストを有する者は、アドラと繋がることができるアドラリンクを持っていることも特徴に挙げられます。

このように、アドラバーストの使い手には、地球と異界アドラをつなぐ能力があると推測され、伝道者による地球とアドラの同化に欠かせない存在となり、彼らは伝道者から「柱」と呼ばれています。「柱」は、人柱のように神に捧げる生贄という意味も含まれ、アドラバーストの使い手は、地球とアドラの同化のために捧げられる生贄と捉えられるでしょう。

地球とアドラを同化するためには、柱と呼ばれるアドラバーストの犠牲が必要と推測され、250年に起きた大災害は、柱の数が少なかったために同化に失敗したことが、「炎炎ノ消防隊」で言及されています。そして、同化に必要な人数は、伝道者一派が探し求めている8人と断定でき、一方で、アドラバーストの最低人数とも推測されます。

必要人数が8人に至った経緯は不明ですが、アドラバーストの使い手自体が希少であることから、柱8人を見つけ出すことは、手間と時間がかかる工程と言えるでしょう。また、アドラバーストこと柱が8人揃った時には、250年前の出来事と同じ現象が起きると予想され、地球とアドラの同化に成功により、伝道者の目的が達成されるシナリオが浮上します。

特別消防隊と対峙する伝道者一派とは、伝道者と呼ばれる人物に従う白装束の集団であり、焔ビトに関わる事件との関連を匂わせています。白装束とも呼ばれる組織は、地球を第二の太陽にすることを最終目標に掲げ、アドラバーストの使い手・8柱を集めるべく、活動しています。以下では、「炎炎ノ消防隊」の白装束こと伝道者一派のキャラ一覧をネタバレ紹介します。

伝道者一派の柱は、アドラバーストという能力を持つ人物で構成され、伝道者の目的ネタバレ考察にて紹介したように、地球とアドラの同化のための生贄となる運命が定められています。メンバーは、一柱目・天照、二柱目・ハウメア、三柱目・ショウ・クサカベ、五柱目・インカ・カスガタニ、七柱目・シスター・スミレです。残り四・六柱目は、シンラとナタク孫と判明するも、8柱目の正体は不明とされています。

伝道者一派の守り人（モリビト）は、柱を護るために構成された組織です。メンバーは、ハウエアの守り人・カロン、ショウの守り人・アロー、インカの守り人・リツです。

伝道者一派・屠り人（ホフリビト）は、対能力者戦にて、伝道者の矛として戦う戦闘のエキスパートで、鬼の焔ビトを単身で鎮魂できる強さを有する最強部隊です。メンバーは、ゴールド・ストリーム・ドラゴンで構成されています。

灰焔騎士団は、柱であるショウ・クサカベ率いる伝道者一派の1つで、騎士団員には、遊撃隊のヨナ、フレイル・ミラージュ・ハラン・アサルトが所属しています。

紫煙騎士団は、伝道者一派に属する騎士団の1つで、団員は、アイアン・オロチ・サソリが所属しています。また、伝道者一派は、白装束を纏う者以外にも、烈火星宮やDr.ジョヴァン二のように、特殊消防隊に紛れ込んでいる者もおり、伝道者一派＝白装束とは限りません。

「炎炎ノ消防隊」の黒幕とも言える伝道者（白装束）は、本編での情報が非常に少なく、その正体はもちろん、組織の目的など、詳しいことは言及されておらず、もっとも謎めいたキャラクターとして描かれています。以下では、「炎炎ノ消防隊」の伝道者のその他の謎、伝道者の討伐を目指す教皇庁や、東京皇国の地下（ネザー）、一派で一番強いキャラを、あらすじを交えながらネタバレ考察しました。

「教皇庁」とは、「炎炎ノ消防隊」にて国教に定められた「聖陽教」の中枢であり、天照が鎮座する東京皇国中央区にあります。教皇庁は、東京皇国の首都とも呼べる場所に建てられ、教皇庁のトップは、東京皇国の現皇王であるラフルス三世が就任しています。「炎炎ノ消防隊」では、烈火星宮による人工焔ビト製造発覚を機に開かれた、「特殊消防隊大隊長会議」の会場として登場しました。

事態を聞きつけたラフルス三世は、集結した各隊の大隊長に対して、伝道者討伐の命令を下しています。伝道者による白装束の暗躍について、ラフルス三世は「太陽神の加護を汚す行為」と認識しています。しかし、裏では、聖陽教にも伝道者との関係を匂わせる描写もあります。

伝道者一派の拠点とされる地下（ネザー）は、皇国の地下に存在する空間で、消滅してしまった地下鉄の跡地とされています。地下（ネザー）は、「太陽神の光の届かない不浄の地」と位置付けられ、一般人は勿論、特殊消防隊の立ち入りも厳しく禁じられた、禁忌の場所です。

しかし、聖陽教会の許可を得れば、地下（ネザー）の内部に足を踏み入れることが可能であり、その先には、伝道者一派の実験場などが存在していたことが、示唆されています。

特殊消防隊に苦戦を強いらせる伝道者一派は、強者揃いとも評されており、どのキャラクターも高い戦闘力を有しています。その中でも、特殊消防隊として潜入してきたDr.ジョヴァンニや、戦闘のエキスパート・屠り人のゴールド、柱のショウ・クサカベの強さは、他の一派と比べて別格と言えるでしょう。

まず、Dr.ジョヴァンニは、第三特殊消防隊に潜入した一派で、自らの身体に人体実験や機械化を施し、炎で改造した身体を操作する戦闘スタイルが特徴です。Dr.ジョヴァンニの強さは、「炎炎ノ消防隊」が進むごとにパワーアップし、地下潜入作戦時には、アドラの生物とされる蟲と融合した姿を披露し、昆虫の能力を駆使した技を見せつけました。

伝道者の矛となって戦う屠り人・ゴールドは、第2のアーグ大隊長の瞬殺や、第8の複数相手にも屈しないなど、伝道者一派でも上位に位置する強さの持ち主です。また、ゴールド自身の能力や、対能力者戦に長けた戦闘員なので、炎への耐性が高く、特別消防隊に苦戦を強いらせました。

そして、Dr.ジョヴァンニやゴールドより最強とうたわれるのが、一派の幹部であり、シンラの弟でもあるショウ・クサカベです。ショウの能力は、宇宙の熱膨張に干渉することで、自分の周囲の時間を流れを他者より遅くし、周りの動きがとまったような状態で、攻撃を繰り出すものです。一方、ショウの周りの時間の流れは、通常なので、相手は一瞬のうちにショウの攻撃を全て受けたような感覚になります。

自分と相手の時間の流れを変えることができるショウの能力は、回避不可能ともいえ、特殊消防隊にとって、もっともやりにくい相手でしょう。しかし、「炎炎ノ消防隊」では、兄・シンラとの再会を果たしたことで、ショウは伝道者一派を裏切るような行動を取っており、特別消防隊か伝道者一派か、ショウの行く末が両者の戦況を大きく変えるでしょう。

以下では、その正体が謎のベールに包まれている、「炎炎ノ消防隊」の伝道者（白装束）に関する感想や評価を、作品のネタバレを交えながら紹介します。

これまで謎めいた存在だった白装束や彼らを束ねる伝道者の目的は、ストーリーを追うごとに少しづつ明らかにされましたが、彼らの真の目的は一向に解明されず、「炎炎ノ消防隊」の最大の謎と言われています。また、白装束が焔ビトを作り出す目的が、宗教的な要素を感じさせるとも評されており、ミステリアスな雰囲気が興味を引き立てています。

2021年3月現在までに単行本・計27巻が刊行された漫画「炎炎ノ消防隊」は、読者の間では終盤を迎えつつと言われる一方、伏線が回収されるごとに物語は複雑化していたとの指摘も見られます。また、特別消防隊と白装束との全面対決を予想する感想も投稿されており、物語最大の謎である伝道者の正体や組織の真の目的なども明かされるのではと、期待が寄せられています。

2020年7月～12月にかけて「炎炎ノ消防隊」のアニメ2期が放送され、作画の美しさや迫力ある展開が、人気を呼びました。また、アニメ2期のラストは、白装束との戦いを予感させた結末が描かれ、アニメ3期への期待を更に高めています。アニメ3期の放送は、2021年3月時点では未定ですが、原作漫画での対白装束との戦いや、伝道者の正体を知る伏線にもなり得るアニメ声優等に注目が集まっています。

「炎炎ノ消防隊」の伝道者の正体のネタバレ考察、伝道者の目的や大災害・アドラバーストとの関係、伝道者のその他の謎のネタバレ考察、伝道者一派のキャラ一覧などをネタバレ考察しました。特別消防隊と伝道者一派との全面対決に期待が高まる一方、肝心の伝道者の正体はいまだ伏せられたままであり、「炎炎ノ消防隊」の最大の謎として、その正体や目的の解明に期待が高まっています。