千と千尋の神隠しの坊の正体・父親は？名言・名セリフや声優も紹介

千と千尋の神隠しの坊といえば、坊という文字の入った赤い腹掛けをした巨大な赤ちゃんで、初登場のシーンからインパクトが絶大のキャラクターです。今回はそんな坊の正体を様々な角度から探ると共に、坊の名セリフもご紹介していきます。

宮崎駿監督が手掛けるスタジオジブリ作品の「千と千尋の神隠し」。2001年に公開した作品ですが、前年のもののけ姫の影響もあり、興行収入304億円、観客動員数2200万人を記録した、21世紀最初のジブリ作品が千と千尋の神隠しです。

千と千尋の神隠しは作品としても高い評価を得ていて、アカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞しました。また、公開から20年近くたった今でも金曜ロードショーで千と千尋の神隠しが放送される度にSNSで話題になるほどの人気作品です。

まずは、千と千尋の神隠しのあらすじについておさらいしましょう。10歳の少女・千尋は、両親と車で引っ越しの移動中、森にひっそりと佇むトンネルを見つけます。なにか異様な雰囲気を感じ取り、トンネルを抜けることを怖がる千尋をなだめ、両親はトンネルの向こう側へ向かいます。

そこは神様たちの住む世界で、人間が住む世界とは別の次元の世界でした。それを知らない両親は、立ち並ぶ無人の店にあった食べ物を口にしたことで、豚の姿へと変貌してしまうのでした。

いつの間にか帰る道無くなってしまい、元の世界に戻ることができなくなった千尋はパニックに陥りますが、そこで出会った謎の少年ハクにこの世界での生き方を教えてもらいます。それは魔女の湯婆婆が経営している、銭湯「油屋」で働くということ。千尋は湯婆婆との契約を交わし、「千」という新たな名前を与えらることになります。今回掘り下げていくのは、この湯婆婆の息子「坊」についてです。

千と千尋の神隠しの坊の声の正体は、なんと当時8歳の神木隆之介さんだったのです！「サマーウォーズ」、「ハウルの動く城」、「君の名は。」など多くのアニメ映画の声優に抜擢され、今や長編アニメ映画の声優として欠かせない存在となっていますが、坊の声優が神木隆之介さんだったことを知らない人も多いのではないでしょうか。しかし、8歳にして坊の傲慢さや弱さを演じきっているなんて、まさに天才子役というべきでしょう。

俳優としても大活躍をしていますが、今やアニメ映画の世界には欠かせない声優となった神木隆之介さん。そんな彼の声優としての魅力は、その声質にあります。少し息の多いやわらかい声が気弱な中高生の主人公を演じるのにぴったりです。さらに特筆すべきは演技力です。通常のアニメの声優よりも、ドラマや映画に近いナチュラルな演技がジブリ作品などのアニメ映画の声優として引っ張りだこになっている理由なのでしょう。

では千と千尋の神隠しの坊の正体をプロフィールから探っていきます。坊の見た目といえば「坊」という漢字が入った赤い腹掛けを着た大きな”赤ん坊”です。赤ん坊です。ということは年齢も０歳からどんなに大きくても３歳くらいまでと予想できます。千と千尋の神隠しの作品に登場した当初のセリフも「ああー」とか「んんー」というようなものばかりですから、初めはそのくらいの年齢を想像していてもおかしくありません。

言葉として認識できない発音をしていた坊ですが、ハクを追って千尋が窓の外から転がり込んできた時、坊は機転を利かせて千尋をクッションの中にかくまいました。その知恵があることも驚きです。そして、そのあとに言ったセリフが「おまえ病気をうつしにきたんだな」です。しかも想像よりもハッキリとです。これまではただ大きいだけの赤ん坊だと思われていた坊ですが、実は生まれてから数年は経過している可能性があります。

では千と千尋の神隠しの坊の身長と体重はどうでしょうか？まず、身長に関してですが、千尋や湯婆婆と比べてもかなり大きいことがわかります。千尋と坊が並んでいるわかりやすい構図が見つからないため、まずは湯婆婆の身長について考察していきます。千尋の身長を10歳の女の子の平均身長140㎝だと仮定した場合、湯婆婆の身長（ほぼ顔の大きさ）は、千尋よりも若干大きい程度ですので、約150㎝前後だと言えます。

湯婆婆の身長を大まかに設定できました。では、坊と比べてみましょう。この画像を見ればお分かりの通り、坊は湯婆婆のことを上から見下ろしています。湯婆婆の盛られたヘアースタイルを身長に含めるのかは一旦置いておきますが、湯婆婆の身長+30㎝は大きいのではないでしょうか。そうなるとなんと坊の身長は180㎝もあることになってしまいます。180㎝といえば俳優の速水もこみちさんと同じくらいの身長ということになります。

身長が180㎝だとした場合のあの体型ですから、もちろん体重もとんでもないことになっているに違いありません。千と千尋の神隠しの坊に近い体型の有名人を調べてみると、一番近いのがなんと”マツコ・デラックスさん”です！

マツコ・デラックスさんは身長178㎝、体重140㎏です。ということは千と千尋の神隠しの坊の体重も140㎏くらいあってもおかしくないということになります。180㎝、140㎏の赤ん坊が目の前に現れたらただただ恐怖です。

さらに、千と千尋の神隠しの坊は自分の体重140㎏を支えるだけの筋肉があるということですから、0歳から3歳では支える筋力がないことはもちろんのこと、先程の考察でお話しした”生まれてから数年経っている”という説も覆る可能性が出てきました。

140㎏の巨体を支える筋力がついているということは、ある程度の筋力がつく中学生から高校生くらいの年齢でもおかしくありません。プロフィールを考察しただけでも、千と千尋の神隠しの坊の正体がますますわからなくなってきました。

ディズニーランドに行くとテンションが上がるのが「かくれミッキー」です！そんな気付くとちょっと得した気分になるかくれ○○が、この「千と千尋の神隠し」内にも存在しています。代表的なのは釜爺のところで働くススワタリたちのキャラクターデザインが、となりのトトロに出てくるまっくろくろすけに酷似しています。では、坊の暮らしている部屋からその正体を探ってみましょう。

千と千尋の神隠しの坊の部屋の中にあるかくれジブリから、坊の正体に繋がるヒントを探していきます。まずは「アルプスの少女ハイジ」の白ヤギゆきちゃんのぬいぐるみがひっくり返っています。さらにクッションの絵柄が「魔女の宅急便」の黒猫ジジになっています。

そしてこの坊の部屋、丸天井に太陽の絵柄があります。宮崎駿監督が手掛けた「ルパン三世カリオストロの城」で、クラリスが幽閉されていた塔の部屋にそっくりです。千と千尋の神隠しを分析するにあたって、必ず出てくるのが「千と千尋の神隠しと干支の関係」です。

千と千尋の神隠しの冒頭千尋の両親は豚の姿に変えられ、後ほど詳しく紹介しますが、坊はねずみの姿に変身させられます。地域によっては猪年の猪は豚に例えられることも多く、その次の干支であるねずみの姿に変身したのには、千と千尋の神隠しの中で大きな役割を担っているというのが、この「千と千尋の神隠しと干支の関係性」の話です。

しかし、千と千尋の神隠しの坊の部屋の中にあるヤギ・黒猫・翼竜などは干支とは遠い動物ですので、あまり関係がないと言えます。さらに坊の正体を探るという意味ではヒントにもならない情報でしたが、千と千尋の神隠しの中に度々登場するかくれジブリの存在は、見ている人を楽しませるスタジオジブリの粋だと言えるでしょう。

千と千尋の神隠しの坊の正体を探る上で切ってものが湯婆婆です。湯婆婆といえば、黒柳徹子さんのような大きな玉ネギ頭に、2等身のフォルムに大きな鼻とイボという強烈なインパクトを持つキャラクターです。しかも、油屋の経営者と魔法使いという2つの職をもつという異色のキャラクターですが、実は坊はそんな湯婆婆の息子です。湯婆婆に甘やかされて育った坊は作品中のようなわがままな性格に育ってしまいました。

千と千尋の神隠しの坊は、湯婆婆の双子の姉である魔女、銭婆にわがままで聞き分けのない性格を咎められ、罰として魔法でねずみに変えられてしまいます。湯婆婆の過保護さによってわがままに育った坊ですが、その反面外に出ることを怖がってしまう一面があります。

これは湯婆婆が「外は怖くて汚いところだから、病気になってしまう。」と脅かされていたのです。湯婆婆はその歪んだ愛情で坊を支配していました。姿が変わることで、支配から逃れることができ、また千尋と一緒に様々な経験をすることで、坊は初めて成長し親離れをすることができたのです。

ここまで千と千尋の神隠しの坊は湯婆婆の息子だが甘やかされて育ったということ、銭婆の魔法でねずみに変身した後は精神的に成長することをお伝えしましたが、では実際に坊の正体は何というお話になります。千と千尋の神隠しの作品内では、坊の正体に関しては触れていませんので、あくまで憶測でしか語ることができません。しかし、作品内に転がるヒントを元に坊の正体に関する一般的な説というのも導き出されているのです。

先にお伝えした坊が初めて言葉として喋った「おまえ病気をうつしにきたんだな」というセリフからもわかるように、坊は湯婆婆から「外は怖くて汚いところだから、病気になってしまう。」という極度の洗脳を受けています。

また、年齢の考察をした際にも出てきたように、千と千尋の神隠しの坊の見た目は赤ん坊の姿をしていますが、ある程度の言語能力があることから、実際の年齢はもっと上だろうという判断ができます。そのため、坊の正体は、母親の息子を溺愛するあまりの束縛心から、赤ん坊のままの魔法をかけられていた湯婆婆の息子ということです。

実は千と千尋の神隠しの坊の父親については劇中ではなにも語られていないのです。湯婆婆のことを「ばーば」と呼ぶことから、そもそも湯婆婆も実の母親なのかとうことすら疑問になってきます。

その為、一部では湯婆婆は本当の母親ではないとか、湯婆婆は母親ではなくおばあちゃんなんではないかという説がでています。しかしながら、実はスタジオジブリの公式の設定で「湯婆婆は坊の母親」ということが出ています。逆に言えば、坊の父親も含め家族構成は湯婆婆は坊の母親ということ以外はわかっていません。

千と千尋の神隠しの坊の父親は誰なのかということをインターネットで調べてみると、父親は千と千尋の神隠しの中に出てくるキャラクターはなのではないかという意見をみかけます。ストーリーの最後に坊を銭婆のところから連れ戻すことを条件に、千尋の両親を開放するよう要求しました。

しかし、それがなぜか「ハクが坊を助けに行った。」という勘違いになり、”ハクが坊の父親だ！”という意見や、”え、カオナシが坊の父親だよ？知らなかったの？”なんていう支離滅裂な意見も出てきます。しかし、どの父親情報にも信憑性がありませんので、この線は薄いでしょう。

千と千尋の神隠しの坊が千尋との旅を終えて湯婆婆のもとへ戻った際に、湯婆婆の気になる一言がありました。「呪いが解けない」という言葉です。先程お伝えした内容で、坊は湯婆婆に成長できない魔法をかけられているといいました。

しかし、実は坊の父親が外の世界の住人で、外の世界の父親と交わることで坊は成長できない呪いにかかってしまったという説があります。そうなると、外の世界を旅することによって少し呪いが解けて成長できたということも筋が通ります。千と千尋の神隠しの公式サイトでは触れられていませんが、かなり有力な坊の父親の説と言えるでしょう。

ハクを追って千尋が窓の外から転がり込んできた時、坊は機転を利かせて千尋をクッションの中にかくまいました。その直後に言ったセリフが、「おまえ病気うつしにきたんだな。おんもには悪いばい菌しかいないんだぞ。おんもは体に悪いんだぞ。ここにいて坊とおあそびしろ！おんもにいくと病気になるからここにいるんだ。」でした。坊が初めてしっかりした言葉を話した瞬間ですので、覚えている方も多いのではないでしょうか。

このセリフは、わがままな性格を咎められ、銭婆の魔法によってねずみの姿に変えられた坊が、千尋（千）とともに外の世界を旅した後に、油屋に戻ってきた坊が、赤ん坊の姿に戻った時に行ったセリフです。坊は千尋のことが好きになっていて、そんな坊を溺愛していた湯婆婆はこのセリフにうろたえます。これまでわがままで狂暴な性格に育っていた坊が、初めて親離れし成長できたというのが垣間見えたセリフでした。

いかがでしたか？最初はわがままで狂暴で、思い通りにいかないことがあると泣き叫ぶというただただ千と千尋の神隠しの中でも特に”やばい奴”なんて印象を持っていた方も多いのではないでしょうか。

しかし、掘り下げてみると千と千尋の神隠しの坊は、実は湯婆婆の間違った愛情によって勘違いしていただけだったようです。千尋との旅のなかでその呪いから徐々に開放され、成長していく姿に愛嬌すら感じる方もいるようです。そんな坊は声優の神木隆之介さんの演技力も相まって、千と千尋の神隠しの中でも魅力的なキャラクターなのです。