【ジョジョ】東方鳩はどんな人物？スタンド「ウォーキング・ハート」の能力や元ネタは？

ジョジョ8部とは、荒木飛呂彦による人気漫画作品「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの第8部の通称です。本記事のメインテーマである東方鳩の話題に入る前に、まずはこのジョジョ8部の作品情報から紹介します。作品の概要、そしてあらすじと続きます。

「ジョジョリオン」というタイトルが付けられたジョジョ8部は、集英社の青年向け漫画雑誌「ウルトラジャンプ」にて2011年5月から連載されている作品です。7部「スティール・ボール・ラン」の続編という位置づけになっていますので、様々な設定において共通点が見られます。

また掲載雑誌が週刊少年ジャンプより青年向けのウルトラジャンプに移ったこともあり、それ以前の作品にはなかった大人のムード漂うシーンが登場。また、ストーリー展開にミステリー作品を思わせる謎解きが加わったことも8部の魅力の一つと言われています。

8部のタイトルとなっている「ジョジョリオン」ですが、作者自身が単行本2巻にてその語源について解説しています。要約すると「ジョジョ」と「lion（リオン）」の合成語。「lion」とはラテン語で福音とか祝福されるものを意味します。主人公の定助が祝福された存在としてこの世に生まれたという意味を込めているとされています。

8部の舞台は東北地方の架空の町、杜王町。4部「ダイヤモンドは砕けない」と同様に、作者の出身地である仙台市がモデルになっています。実は、8部の構想段階で3.11東日本大震災が発生、仙台市も被災しました。このことについて作者は「舞台を杜王町にすることはもともと決めていたのですが、杜王町は被災地である仙台市がモデルなので避けて通ることは出来ませんでした」と東日本大震災との関連について語っていました。

ジョジョ7部から120年後の2011年3月11日、東北地方にかつてない甚大な被害をもたらした大震災が発生します。物語の舞台となる杜王町では、地震の影響で地面が盛り上がり断層が出現。この断層は後に「壁の目」と呼ばれることになりました。

その大震災から半年ほどが経過したある日の事、大学生の広瀬康穂は「壁の目」に埋まっていた全裸の青年を発見します。青年は過去の記憶をすっかり失くしており、自分が誰なのか、なぜそこにいるのかはもとより自分の名前すらわかりません。その後、青年は由緒正しい名家として知られる東方家に引き取られ、定助と名付けられました。定助は、恩人である広瀬の助けを借りて自分の正体を探っていくこととなります。

ここからは、本記事の主役である東方鳩（ひがしかた・はと）の話題に移っていきます。東方鳩は、主人公の青年が引き取られた東方家の長女です。ファッションモデルとして活躍する24歳、雑誌の表紙を飾るほどの人気者。いつもタイツのようなブランド物の服や高価なバッグを服を身につけています。仕事であのフィギュアスケートの女王こと荒川静香と共演したことがあり、彼女はたいそう誇りに思っていました。

そんな東方鳩ですが、彼女にはいわゆる”天然系”なところがありました。ハワイに家族旅行に出かけることになった時のこと。ハワイが日本にあると思い込んでいた鳩は、パスポートが必要になるとは露ほども思わず、せっかくの家族旅行をふいにしてしまった過去を持ちます。目に入れても痛くないほど可愛がっていた父親の憲助も、この時ばかりは「俺の娘がこんなにバカだとは思わなかった」と思わず口にしたくらいです。

母親の花都が逮捕されたとき、すでに9歳だった鳩は当時の事を理解しよく覚えていました。その後、花都が出所し戻ってきた際、定助や弟の常秀たちに母の犯した罪について説明しています。

次に、東方鳩のスタンド能力とその元ネタについて解説していきます。東方鳩のスタンドはウォーキング・ハートと名づけられた女性型のスタンドです。名前にあるように、ウォーキング・ハートは胸にハートマークが付いた藁人形のような見た目をしています。

ウォーキング・ハートの能力は、スタンド本体の両足を硬質化させ、4メートルほど伸ばすこと。その際、足に履いている靴ごと硬質化されるのが特徴です。そして硬く鋭く伸びた足（靴のヒール）を使い、蹴りで相手を攻撃します。鳩は、この硬質化した靴のヒールを中世ヨーロッパで使われた片手剣レイピアのように伸ばして使っていました。

一瞬の内に硬く伸びたヒールは人の体を紙のように貫き、堅牢な家の天井をも一撃でぶち抜くほど強力です。さらに鳩は、靴のヒールを壁に突き刺してそのまま垂直に上っていくという芸当を披露し、このスタンドの強力な能力を誇示していました。いずれにしてもジョジョリオンの中では攻撃に特化したスタンド能力と言えますが、実戦で真価を発揮したのは、後述の田最環との戦いのみでした。

東方鳩の強力な攻撃能力を持つスタンド「ウォーキング・ハート」。そのスタンド名の元ネタは、1990年に31歳の若さでこの世を去ったアメリカの画家キース・ヘリングの作品ウォーキング・ハートです。

1980年にニューヨークの地下鉄構内の掲示板にチョークで絵を描く、いわゆるストリートアートの先駆者であったキース・へリング。AIDS撲滅活動や貧困にあえぐ子供たちへの支援活動など社会奉仕活動家としても有名です。日本では、キースの作品をプリントしたユニクロのTシャツで広く知られています。

東方鳩が作中で大活躍するのは、ジョジョ8部ジョジョリオンのコミックス13巻に収録された第54話と第55話です。東方鳩がボーイフレンドの田最環を家に招いたことがきっかけとなり、東方家存亡の危機が訪れるのです。

ここで、もう一人のキーマン・田最環（だも・たまき）について解説しておきます。田最は、サングラスがトレードマークの青年です。自称23歳でクリーニング店の店員をしています。モデルの仕事をしていた鳩とは偶然出会い、交際がスタートしました。小太りで薄毛という冴えない風貌でしたが、彼に夢中な鳩は薄毛も気にならない様子。順調に愛を育んでいるように見えましたが、この交際には隠された意図がありました。

東方鳩が恋心を寄せていた田最環の正体は、皮膚の水分を一気に乾燥させ岩のように硬くなる岩人間で、ロカカカ密売団のリーダーでした。彼が使命としていたことは、仗世文の殺害と東方家を皆殺しにすること。そのため鳩に近づき、ボーイフレンドとして東方家に侵入したのです。

吉良吉影と仗世文がロカカカの枝を盗んだことをきっかけに、密売団リーダーの田最環との間に確執が生まれます。手下を使って吉良を始末するものの仗世文には逃げられてしまいます。その後、仗世文の消息を追っていた仲間4人が行方不明になると、東方家の人間の仕業に違いないと考えた田最は憎しみを募らせていきました。東方家に復讐するために目を付けたのが、東方家の長女・鳩だったのです。

屋敷への侵入に成功した田最環は、スタンド・ビタミンCを発動し東方憲助を捕まえます。執拗な拷問を続け、夜霧らを殺した犯人・仗世文の所在を聞き出そうと躍起になります。憲助はシラを切りとおしますが、愛娘の鳩を目の前で殺してやると脅されてはひとたまりもありません。ついに憲助は口を割り、定助の真実を話してしまいます。記憶を失っていた定助が実は仗世文だったということを。

そこへ定助の制止を振り切って鳩がやって来ます。定助は田最環が危険な男だということを理解させようとしたのですが、恋心を抱く鳩の耳には届かなかったようでした。しかし、そんな彼女に容赦なく攻撃を加える田最環。「私が歩くのに邪魔だろうが」と怒鳴ると、スタンド能力を発動します。ビタミンCの能力で鳩の体はドロドロに溶けてしまいました。

今度は定助に攻撃の矛先を向けた田最環。定助も必死になって反撃しますが、田最のサングラスを割るのが精一杯でした。絶体絶命のピンチに陥る定助。ところが、次の瞬間、後方に大きなシャボン玉が浮かびました。シャボン玉の中には、キズが癒え元どおりの姿になった鳩の姿がありました。定助が能力を使って彼女を運んだのです。

復活した東方鳩は、硬化させた靴のヒールで玄関扉を突き破ると、そのヒールを田最の喉に突き刺しました。言い訳をする田最を尻目に、ヒールをスパイク代わりにして壁を垂直に上っていきます。そして屋根に上がると、田最に攻撃を仕掛けます。田最は憲助を使って応戦しますが、いち早く鳩のヒールが田最の脳天を貫きました。これにより田最のビタミンCの効果は消失、東方一家はドロドロ状態から元に戻ることができました。

最初に紹介するのは、ハワイへの家族旅行が鳩のせいで中止になった時に鳩が放った名言です。ハワイを日本にあると思っていた鳩は、パスポート取得の手続きをしていなかったのです。

続いての東方鳩の名言は、東方家でのある朝の会話からです。仕事で荒川静香さんとアイススケートする予定があるので、「キメていかなきゃ」と念入りにメイクにいそしむ鳩。おもむろに鏡をみて放った名言がこちらでした。

最後に紹介するのは、ボーイフレンドの田最環を初めて東方家に招いた際に飛び出した名言です。小さな声でボソボソと自己紹介する田最に対して、鳩の弟・常秀は「ブツブツ何言っているのか聞こえねーぞ」とヤジります。常秀を睨みながら放ったのがこちらの名言です。姉弟の日頃の関係がよくわかる名言でした。

続いて東方鳩と他キャラの関係を見ていきましょう。最初は東方家の次男で広瀬康穂の幼なじみ、鳩の弟・東方常秀との関係からです。

カッとしやすく嫌味な性格の常秀。康穂に優しくされている定助を嫉妬から殺そうとしたこともあります。そんな弟・常秀と鳩は喧嘩が絶えず、犬猿の仲とされています。ところが、長年刑務所に入っていた母・花都が出所してきた時には、兄弟の中でただ一人母の記憶があった鳩は、常秀ら弟に母がどんな人間なのかきちんと話し聞かせています。しっかりお姉ちゃんを務めていたようです。

次は東方鳩とジョジョリオンの主人公東方定助との関係です。定助との関係は、良くも悪くもなくごくごく普通。恋心を抱くでもなく、また互いに争いを演じることもありません。

しかし、鳩が田最環に騙されていると気付いた定助は、彼の毒牙から鳩を引き離そうと懸命になります。血の繋がりこそありませんが、世話になっている憲助の娘ということで大切な身内という意識があるのかも知れません。

また、田最環との闘いにおいては息のあった連係プレイをみせています。ビタミンCでドロドロに溶かされそうになった鳩を、定助はシャボン玉にいれて外に逃がします。また、定助が追い詰められると鳩はウォーキング・ハートを発動、彼女の硬質化したヒールは扉をぶち抜いて田最の脳天を貫き、定助を危機から救いました。

ここまでジョジョ8部に登場する東方鳩特集をお届けしてきましたが、最後に東方鳩に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介する東方鳩に関する感想や評価は、ジョジョのスタンド名について語り合っているツイートからです。ハンターハンターが邦楽の楽曲名を元ネタにしていること多いのに対して、ジョジョではほぼ全てが洋楽を元ネタにしていると指摘。

その上で東方鳩のスタンド名の元ネタがウォーキング・ハートではなく、SOUL'd OUTの14枚目のシングル「ヴードゥーキングダム」が元ネタだったら嬉しかったと感想を述べていました。

続いて紹介する東方鳩に関する感想や評価は、ボーイフレンドだと思っていた田最環を自らのスタンドで倒した東方鳩の悲哀を呟いたツイートからです。

さめざめと泣きながら憎しみや悲しみを言葉にすることなく静かにケリをつけた鳩の心情をおもんぱかり、すごくつらいと呟いていました。

最後に紹介する東方鳩に関する感想や評価は、東方鳩の性格をよく理解している方の妄想的ツイートからです。

仮に自身のアカウントにアンチのコメントが付けられても、楽天的でノー天気な東方鳩のこと。悪く解釈したりせず、「私が美人だから嫉妬しすぎてるんでしょう」と前向きに捉えると踏んでいるようでした。

ここまでジョジョリオンに登場する東方鳩というキャラクターにスポットを当て、東方鳩の人物像から作中での活躍、彼女が操るスタンド能力とその元ネタまで紹介してきました。いかがでしたでしょうか？

主人公・東方定助が引き取られた東方家の長女に生まれたのが東方鳩です。ファッションモデルとして活躍する彼女は、雑誌の表紙を飾るほどの人気者。しかし、その反面ハワイが日本にあると思っているなど天然系なところもありました。そんな鳩が操るスタンド「ウォーキング・ハート」は、硬質化させて4mほどに伸ばした足を使い相手を攻撃します。スタンド名は、アメリカの画家キース・ヘリングの作品から採ったものでした。

ジョジョにはウォーキング・ハート以外にも様々なスタンドが登場します。漫画の中で明らかにされることはありませんから、本記事のようにその元ネタをご自身で探ってみても面白いかも知れません。