2021年01月21日公開
2021年01月21日更新
【嘘喰い】 密葬課の箕輪勢一は矢沢永吉似でかっこいい!強さの秘密や最後は?
迫稔雄による漫画作品「嘘喰い」。ギャンブルやゲームで繰り広げられる主人公たちの頭脳戦やギャンブルがらみの暴力が描かれていきます。この嘘喰いに登場するキャラで、日本を代表するロックスター矢沢永吉に似ていると話題の箕輪勢一をご存知でしょうか?これから箕輪の驚異的な筋肉量や強さの秘密、そして彼の隠された過去やその最後について解説していきます。この機会にぜひご覧ください。
目次
嘘喰いの密葬課の箕輪勢一は矢沢永吉似でかっこいい
嘘喰いの作品情報
本記事のテーマ・密葬課の箕輪勢一の話題に入る前に、まずは嘘喰いの作品情報を解説していきます。最初に作品概要、そしてあらすじへと続きます。
嘘喰いの概要
迫稔雄による漫画作品「嘘喰い」。週刊ヤングジャンプにて2006年24号より2018年3・4号合併号まで掲載されました。コミックスは全49巻、累計発行部数は2016年時点で535万部超となっています。
嘘喰い作中では架空のものも含めて様々なギャンブルやゲームが登場、その中で主人公たちが頭脳戦を展開します。また、ギャンブルがらみの暴力や権力が描かれており、アクション漫画の一面も持っています。さらに読者をあえてミスリードする手法が多用され、最後にどんでん返しが待っていることも本作を語る上で忘れてはなりません。
嘘喰いのあらすじ
ギャンブルに明け暮れ多重債務に陥っていた青年・梶隆臣は、サラ金や闇金の取り立てから逃げ回る日々を送っていました。ある日のこと、パチンコ屋でパチスロに悪戦苦闘していた男・斑目貘(まだらめ・ばく)と出会います。実はこの斑目こそ、嘘喰いと呼ばれる伝説のギャンブラーでした。
過去には秘密結社「賭郎」の長の座を賭けた「屋形越え」に大敗し、金も権力も失ったことのある斑目。捲土重来を期して、再び屋形越えに挑戦する好機を窺(うかが)っていました。ギャンブル狂の青年・梶は、そんな斑目を側で支えていくことを決意します。
箕輪勢一のプロフィール
ここで本記事で取り上げる嘘喰い・箕輪勢一のプロフィールを紹介します。箕輪勢一は、警視庁密葬課に所属する中年の職員です。(コミックスでは10巻から14巻に登場)。
中肉中背の冴えない外見からは想像できない強靭な筋力や瞬時の判断・状況分析力を有しており、戦闘能力は極めて高いレベルにあります。その能力を買われて、密葬課や迷宮ギャンブルを統括する警視長・天真(あまこ)征一の側近として活躍します。
矢沢永吉に似ている?
本記事のタイトルにもあるように、SNSでは箕輪勢一が矢沢永吉に似ていてかっこいいと評判になっています。それでは、ここで矢沢永吉をご存じない方のために矢沢について簡単に紹介しておきます。
矢沢栄吉は、「時間よ止まれ」などの大ヒット曲で知られる日本のロックボーカリスト、ミュージシャンです。1975年のソロデビュー以来ライブを中心に活躍している矢沢。テレビの音楽番組には出演しないことでも有名で、日本ロック界のカリスマ的な存在となっています。そんな矢沢の狷介孤高な生き方が、見た目以上にどこか箕輪と重なるのかも知れません。
密葬課とは?メンバーも紹介
箕輪勢一が所属している警視庁密葬課。もちろん漫画「嘘喰い」で設定された架空の組織ですが、国の権力者や警察組織の意に添わず脅威となるような人間を始末する、いわば暗殺部隊です。この密葬課には箕輪以外にも個性の強い”濃い”メンバーが数多くいますので、以下に紹介します。
嵐童公平(らんどう・こうへい)
密葬課機動隊所属の嵐童、通称ランペイジ。筋骨隆々たる巨漢の青年です。ただし、一般にイメージされるスポーツマンとは異なり、健康的な明るさはなくボーっと虚ろな目をして何事かを呟いていたり、どこか異様な雰囲気に満ちています。幼い頃から他人に暴力を振るうことがよくありましたし、また知的水準も低いことから何らかの障害を抱えていると考えられます。
また、変わった癖や特定の事にこだわりがあるのも彼の特徴の一つ。指導者からの教えに従い敵の最後の言葉に異常に執着を抱いたり、過去に読んだ本にあったセリフ「そう言うと、踊り続けました」を意味不明になってもかまわず言葉の最後に付けたりしていました。
ある時、暴漢に襲われそうになった女性を助けた嵐童。ところが、その女性から感謝されるどころか暴漢以上に恐れられてしまう始末。報われない人生を歩んでいました。そんな嵐童の良き理解者は彼の母親ただ一人。母親に買ってもらったオルゴールの音は、過去の懐かしい記憶として彼の頭の中で鳴り響いていました。
ところが、そんな母親からも自身の存在を否定するような言葉を投げかけられてしまいます。誰一人自分を理解してくれないと悟った嵐童は、過去を振り切るように機動隊の職務に没頭。ついには賭郎の掃除人と壮絶な死闘を繰り広げることになります。
三鷹花(みたか・はな)
密葬課の高齢女性課員で、その後賭郎の参拾號立会人となり、さらに拾號へと転身した三鷹花(通称:鷹さん)。中国武術に長けており、小柄な体を生かして俊敏な動きで敵を仕留めます。
若い頃は香港を拠点に暗躍していた伝説の殺し屋で、中国読みで鷹(イン)と呼ばれていた過去を持ちます。ある時、同業の殺し屋・百龍の襲撃を受けるも油断した隙をついて撃退します。ところが、これが縁で百龍と夫婦の契りを結ぶことに。
その後子供を身ごもると殺し屋稼業から足を洗うことを誓い、百龍のもとから姿を消してしまいます。生まれてきた子は産後間もなく先天性の病で死亡。それを百龍の恨みと考え、「再び百龍に会うまでは死ねない」という一心で生き抜いてきました。
真鍋匠(まなべ・たくみ)
警視庁密葬課の課長で、後に賭郎の弐拾九號立会人へと転身。毛でおおわれた左頬が特徴の壮年男性です。生卵が大好物で常に手元において暇を見つけて食しています。
密葬課課長という肩書きを裏切らない圧倒的な強さを誇り、戦闘能力の高さでは本作登場キャラの中でも抜きん出た存在です。特殊な呼吸法に支えられた徒手空拳による突き技を得意としています。狭い車内での撻器との対戦や屋形越えの立会人の地位を争った門倉らとの戦いで持ち前の強さを発揮しました。
嘘喰いの箕輪の強さや幼少期の過去
箕輪の強さの秘密はミオスタチン遺伝子?
ここからは、嘘喰いに登場する箕輪の強さや彼の幼少期の過去について解説していきます。まず、箕輪の強さの秘密からです。その細身の体型からは想像できない強さを誇る箕輪勢一。彼の戦いを目にした能輪立会人の一人は、箕輪のことを「超人」と表現しました。そして、そうした箕輪の強さの秘密は、ある遺伝子に隠されていました。
その強さの鍵を握る遺伝子とは、「ミオスタチン遺伝子」と呼ばれるものでした。このミオスタチン遺伝子が変異すると、ミオスタチン関連筋肉肥大という症状を発現するのだそうです。牛や馬など様々な動物において確認されている症状ですが、人間ではこれまでに100例ほどしか報告されていないとのことです。
人体には筋肉の過剰な発達を抑止するミオスタチンという遺伝子が存在しますが、この体質の人は先天的にそれが少なく、筋肉量が尋常でない成長を遂げてしまうのです。筋肉量が普通の人の2倍にまでなることもあると言います。それであれば、日本人としてごく普通の身長である箕輪が体重100㎏もあることも頷けます。その異常発達した筋肉から繰り出される重量級のパンチが箕輪勢一の強さの秘密だったのです。
異常な筋肉量増加をまねくミオスタチン関連筋肉肥大。それだけに体内で消費されるカロリー量も半端ではありません。普通の人は1日3回の食事をとりますが、この症状の人では1日6回の食事が必要となるようです。箕輪の幼少時の回想シーンでは、母親が彼のために何度も食事の用意をしてあげる描写がありました。ミオスタチン異常の箕輪ならではの過去の一場面でした。
箕輪は幼少期に虐待を受けていた?
先ほど少し触れましたが、箕輪の幼少期の回想シーンには過去に彼が受けた虐待についても描かれています。勢一の特異性を認識していた母親は、その可能性をさらに引き出そうと懸命になっていました。母親は嫌がる勢一に食事を食べ続けることを強制したのです。
毎日毎日繰り返される食事の強要、母親からのプレッシャーに耐えられなくなった勢一は彼女の命令を拒絶。その態度に激昂した母親は、食事と共に勢一の勉強道具一式を投げつけました。そんな過去の経験が箕輪の人格形成に少なからず影響を与えたと考えられます。
嘘喰いの箕輪とマルコとの関係や最後
箕輪とマルコとの関係
嘘喰いで箕輪を語る上で外せないキャラを紹介しましょう。解離性同一性障害を持ち、内に凶悪な人格・ロデムを宿している「廃ビルの悪魔」ことマルコです。彼は、斑目貘の「暴」を務めていました。それでは、天真の「暴」を担う箕輪とマルコとはどのような関係だったのでしょうか?彼らの過去の対戦を見ていきましょう。
過去の対戦から彼らの関係を一言で表すなら、宿命のライバルといったところでしょう。ある日、迷宮(ラビリンス)内でマルコと遭遇した箕輪。この時は隙をついた闇討ちにより箕輪が圧勝します。ところが、後日復活を遂げたマルコとの再戦では、別人格のロデムを克服したマルコに大敗を喫してしまいます。
さらに重傷を負った箕輪を待ち構えていたのは、天真が仕掛けた水圧の罠部屋でした。ズタボロになりながらも、体を引きずりながら箕輪はラビリンス内を彷徨します。この時の彼を突き動かしていたのは、ひとえにマルコへの復讐心でした。
箕輪の最後は?死亡した?
ミオスタチン遺伝子の異常から超人的な腕力を欲しいままに操る嘘喰いの箕輪。そんな彼の最後はどうだったのでしょうか?
天真の水圧の罠部屋で大きなダメージを負った箕輪は、回復の過程で伝説の化け物「ミノタウロス」に姿を変えます。その後天真と遭遇しますが、罠の件で怒りを覚えていた箕輪は主である天真を殺害し喰ってしまいました。
さらにルールを無視して斑目獏に襲いかかったことから、拾陸號立会人の門倉雄大により頭を潰されあえなく最期を遂げることになります。一方で、このとき箕輪が門倉の脳に与えたダメージは、門倉のその後の変化(異常行動や嗅覚の鋭敏化)をもたらしました。
嘘喰いの箕輪と同じミオスタチン関連筋肉肥大を持つキャラ一覧
キャラ一覧①花山薫
嘘喰いの箕輪と同様にミオスタチン関連筋肉肥大を持つキャラクターは、これまでにもいくつかの漫画で描かれてきました。次にその中から主なものを紹介します。
最初に紹介するのは、板垣恵介の格闘漫画「グラップラー刃牙」に登場する花山薫というキャラクターです。191㎝、166㎏という堂々たる体躯をした花山。弱冠15歳にして急逝した父親の後を継ぎ暴力団組長となりました。グラップラー刃牙の続編となるスピンオフ作品「バキ外伝 創面(きずつら)」では主人公として登場、主に彼の学園生活が描かれています。
作中で明確に”ミオスタチン関連筋肉肥大”であるという説明はありませんが、15歳という年齢とこの体型や筋肉量を見ると、ミオスタチン遺伝子異常を疑わざるを得ません。とりわけ素手でタイヤを引きちぎるシーンは強烈で、人間技ではない言ってよいでしょう。
キャラ一覧②金隆山康隆
続いて紹介する嘘喰い以外の「ミオスタチン関連筋肉肥大」キャラは、木多康昭による漫画作品「喧嘩商売」に登場する横綱・金隆山康隆です。身長200㎝、体重200㎏の巨漢である金隆山は、強者ぞろいの「喧嘩商売」の中でも圧倒的な強さを誇ります。
こちらは、原作漫画の中で生来「ミオスタチン関連筋肉肥大」である旨の説明がありました。お相撲さんと言っても、彼の場合は体重200㎏の多くが贅肉ではなく強靭な筋肉で占められていますから、体の動きは極めて俊敏です。
キャラ一覧③若槻武士
漫画「ケンガンアシュラ」に登場する格闘家・若槻武士もまたミオスタチン関連筋肉肥大の特徴を持つキャラと考えられます。作中でそうした説明はありませんが、生まれてきた時の体重が何と12,150gもありました。これは新生児の標準体重の約4倍にあたります。成人した後も筋肉量は発達を続け、筋繊維密度は常人の約52倍もあるそうです。
キャラ一覧④モンゴメリ
最後に紹介する嘘喰い以外の「ミオスタチン関連筋肉肥大」を持つキャラですが、こちらは人間ではありません。うすた京介による漫画「ピューと吹く!ジャガー」に登場する犬です。
世界最小の犬種でペットとして人気のチワワなのですが、モンゴメリはと言うと獰猛にして凶暴。筋骨隆々たる体躯はとてもチワワには見えず、ミオスタチン関連筋肉肥大を発症していると考えられるのです。
嘘喰いの箕輪に関する感想や評価
ここまで嘘喰いの箕輪特集をお届けしてきましたが、最後に嘘喰い・箕輪に関する感想や評価をTwitterより紹介します。
嘘喰いに登場する箕輪勢一って見た目ただの草臥れたオッさんなのに作者の力量で強敵感を演出させる描写がもの凄く映えるこのキャラ作りの上手さが嘘喰いの売りの一つよな pic.twitter.com/MNb9XW7jeE
— ジョニー (@gmaus8080) October 9, 2015
最初に紹介する嘘喰いの箕輪に関する感想や評価は、作者のキャラ作りの巧みさを称賛するツイートからです。くたびれたオジサン風外見をした箕輪。それが作者の手にかかるとこの上ない強敵として読者に印象付けられます。それが嘘喰いの売りなのだという事でした。
矢沢永吉を見かける機会が増え、若々しいなぁ、まだ頑張ってもらえばギリ実写版『嘘喰い』で箕輪勢一役をイケるんじゃないかという気持ちになる
— 加藤よしき (@DAITOTETSUGEN) September 3, 2019
続いてご紹介する嘘喰いの箕輪に関する感想や評価は、SNSで話題となった矢沢永吉に関するものです。2019年9月4日の投稿ですから、この時矢沢は69歳です。
そんな矢沢を見て、年を感じさせない若々しさに感銘を受けた投稿者。矢沢と箕輪が似ているという評判を思い出し、『実写版・嘘喰いで箕輪勢一役をこなせるのではないか?』と感想を吐露していました。
「嘘喰い」の箕輪はこのミノタウロスの“怪力”や“食欲”が投影されたキャラクターに感じられる。生い立ちに母の異常な執着が関係しているのも遠巻きながら共通点だ。また、ミノタウロスは有名な「神曲」では、地獄の底で亡者をいたぶる魔物として描かれていて、これも“密葬課”の仕事を思わせる。
— 五ッ影 (@kagfoursbs_286) May 9, 2013
嘘喰いの箕輪に関する感想や評価、最後に紹介するのは、箕輪をギリシャ神話に登場するミノタウロスにオーバーラップさせている方のツイートからです。
ダンテの神曲で描かれているミノタウロスは、地獄で亡き者をいたぶる牛の頭を持つ魔物。箕輪とミノタウロスの相似だけでなく、ミノタウロスが根城とする地獄が箕輪の職場である密葬課を想起させるようでした。
嘘喰いの箕輪まとめ
ここまで『嘘喰い・密葬課の箕輪勢一は矢沢永吉似でかっこいい!』と題して、箕輪の強さや過去の秘密、そして彼の最後について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
警視庁密葬課に所属するごく普通の平凡な外見をした中年男性・箕輪勢一。しかし外見からは想像できない強靭な筋肉に覆われた体は、極めて高い戦闘能力を有していました。そして、その異常に発達した筋肉こそ、ミオスタチン関連筋肉肥大という極めて稀にしか発生しない遺伝子異常による産物でした。
本記事では、箕輪と同じミオスタチン関連筋肉肥大を持つキャラクターと彼らが登場する漫画作品を紹介しています。これを機に、そうした作品を手に取って鑑賞しあなたのライブラリーに加えてみるのも面白いかも知れません。