【ジョジョ】アバッキオのムーディー・ブルースは弱いスタンド?強さや能力を考察

ムーディー・ブルースは「ジョジョ」第5部に登場するレオーネ・アバッキオのスタンドです。過去の再現という特殊な能力を有しますが、戦闘向きではないとして「弱いのでは?」という意見もありました。スタンドは「ジョジョ」作品の見せ場である戦闘を彩るため、強さが重要視されるのは当然です。しかし、キャラクターの個性や魅力を象徴する存在でもあります。アバッキオのムーディー・ブルースについて考察します。

【ジョジョ】アバッキオのムーディー・ブルースは弱いスタンド?強さや能力を考察のイメージ

目次

  1. ムーディー・ブルースを使うアバッキオとは?
  2. スタンド「ムーディー・ブルース」は弱い?強さを考察
  3. スタンド「ムーディー・ブルース」の能力を考察
  4. スタンド「ムーディー・ブルース」の元ネタ
  5. スタンド「ムーディー・ブルース」を使うアバッキオの最後
  6. スタンド「ムーディー・ブルース」に関する感想や評価
  7. スタンド「ムーディー・ブルース」まとめ

ムーディー・ブルースを使うアバッキオとは?

アバッキオは、『ジョジョ』第5部『黄金の風』に登場するギャングです。彼のスタンド(超能力)であるムーディー・ブルースを使い、過去の事象を再現することができます。5部の主人公ジョルノが加入するチームの先輩で、個性的なスタンド能力と元警察官であった過去、またボス(5部の敵)に命を奪われつつも仲間に情報を残したシーンなどが有名です。彼のスタンドが戦闘向きではないため、弱いのではと疑問視されています。

ジョジョ5部の作品情報

ジョジョ5部の概要

『ジョジョの奇妙な冒険』5部は、第47~63巻(単行本)で描かれました。アニメは2018年10月から2019年7月まで放送されています。シリーズで5人目の主人公・ジョルノが2001年のイタリアを舞台に戦います。ギャングという世間的には悪の道を、様々な立場や能力、個性のキャラクター達が信念や絆を見せて駆け抜ける群像劇です。

ジョジョ5部のあらすじ

主人公のジョルノはギャングスターになる夢を持ち、イタリアのギャング「パッショーネ」に入団します。彼が加入したチームのリーダー・ブチャラティは、秘匿されていたボスの娘の護衛を依頼されます。しかしそれはボスが自分の正体を隠すために娘を殺そうと画策した罠で、激怒したブチャラティはボスの殺害を決意し、フーゴを除いてチームの全員がそれに従います。度重なる襲撃を退け、彼らはボスの正体を探ります。

レオーネ・アバッキオのプロフィール

アバッキオはブチャラティのチームでは最年長の人物で、元警察官です。188cmと高身長で迫力があり、頭に卵の殻のようなヘッドバンド兼帽子を被っています。1980年3月25日生まれのA型で、嫌いなものは「なまいきそうなガキ」と、「行列に並ぶこと」です。特にジョルノは前者に該当したようで、新入りとして紹介された時から長く辛辣な態度をとりました。生身での腕っ節はチーム内で1番の強さと作者はコメントしています。

アバッキオは強い正義心から警察官になったものの、守るべき市民達の狡さや犯罪者と警察の癒着に失意し、汚職に手を染めてしまいます。アバッキオが賄賂を貰って逃がした犯罪者の銃弾から庇われる形で相棒の警官を亡くし、絶望していたところをブチャラティに勧誘されてギャングになりました。

その時、先にブチャラティのチームにいたフーゴは当時まだ10代前半です。後に加入してくるナランチャとミスタも自分より年下だったため、アバッキオは唯一社会人経験のある年長者としてブチャラティに頼られます。ブチャラティよりはたった半年程年上なだけですが、アバッキオは時に分かり難い方法で面倒見の良さを発揮して仲間達を支えます。

TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』公式サイト

スタンド「ムーディー・ブルース」は弱い?強さを考察

考察①アバッキオは1勝もしていない?

5部での数々の戦闘を通し、アバッキオが目立った敵を撃沈して勝利を収めて強さをアピールしたシーンはありません。アニメ6話「ムーディー・ブルースの逆襲」ではブチャラティに敵の位置を教えるためとはいえ、一瞬でズッケェロのスタンド「ソフト・マシーン」に剣で突かれ戦闘不能に陥ります。13話「マン・イン・ザ・ミラーとパープル・ヘイズ」ではイルーゾォのスタンドによって追い込まれ、自ら片手を切り落としました。

ズッケェロ戦では、アバッキオは敵を倒すことよりもブチャラティにヒントを与えることを重視していました。しかしアバッキオが『ジョジョ』名物のラッシュ(連続の打撃)を繰り出したのに、敵に全くダメージを与えられずにズッケェロのソフト・マシーンの能力ですぐに萎んでしまったことと、その敵をブチャラティが「ノロイ野郎だ」と言って簡単に倒してしまったことで、アバッキオが弱いという印象が生じました。

イルーゾォ戦では、アバッキオは敵が鏡の中に引きずり込もうとしていると推測し、ムーディー・ブルースを自分に変身させ、騙し討ちする形で鏡の中へ送り込みます。鏡の中の世界で、ムーディー・ブルースはイルーゾォにも彼のスタンド「マン・イン・ザ・ミラー」にも打撃でダメージを与えています。

またアバッキオが、マン・イン・ザ・ミラーの攻撃パワーは強くなく、無力な人間に勝てる程度だと言う台詞から、ムーディー・ブルースは無力な人間よりは強いとわかります。そのことをイルーゾォも否定しないため、ムーディー・ブルースはマン・イン・ザ・ミラーよりも攻撃力があると考えてよいでしょう。

しかし隙を突かれ、アバッキオは自身もスタンドも半分ずつ現実と鏡の中の世界に固定されて、動けなくなってしまいます。口の中に鏡の破片を入れられ殺されかけながらも、秘かに重要なアイテムである鍵を手に入れ、それを自分の腕を切り落とすことでジョルノへ渡すことに成功します。アバッキオは、一人が鍵をブチャラティに届ければ、自分やフーゴは死んでも任務を果たしたことになると考えました。

しかしジョルノは全員の無事も諦めず、鍵を持って逃げる代わりに機転を利かせてフーゴのスタンドを活用し、イルーゾォを倒します。最初はジョルノの行動に激怒し罵声を投げたアバッキオですが、ジョルノが自分の身も危険に晒したこと、勝算のある策を練って成功させたことと、結果的に3人とも生き残って鍵も手に入れたことで怒りを収め、片腕がないから今は殴らずにおいてやると不器用な認め方をします。

ズッケェロに勝ったのはブチャラティ、イルーゾォを倒したのはフーゴと、どちらもアバッキオの戦績としては数えられていません。仲間の勝利へ貢献するケースが多いですが、アバッキオがムーディー・ブルースで敵を撃破したというシーンがなく、そもそも対スタンド戦への参加自体が少ないためにその強さが疑問視され、弱いのではと評論されるに至りました。

また28話「今にも落ちて来そうな空の下で」では、アバッキオは子どもに化けたボスに接近を許し、そのスタンド「キング・クリムゾン」にあっさりと腹を貫かれてしまいました。直前までボスは別の敵であるリゾットと互いにスタンドを駆使した激闘を繰り広げており、この落差もアバッキオは弱いという印象につながったようです。

考察②アバッキオのスタンドは戦闘向きではない?

ムーディー・ブルースは、過去にその場にいた者の言動をリプレイ(再生)するという『ジョジョ』シリーズでも特異な能力のスタンドです。破壊力・スピード共に「C」(人間並み)で、再生中は攻撃も防御もできません。自身の能力であるリプレイの最中は、身動きができない人間と同じくらいに弱い存在になってしまいます。その弱点について、ブチャラティも時にスタンドの使用を止める程に案じていました。

5部において重要な情報を幾つも明かして物語を動かしたスタンドですが、基本的な戦闘力だけで言えばムーディー・ブルースの強さは本体であるアバッキオ自身と同程度と考えられています。彼は正規に警察官に採用された人物ですが、多くのスタンドは超常的な力を有し、また5部の敵はほとんどが暗殺が得意なギャングです。殺傷力の高いスタンドとの戦闘の連続の中で比較すると、ムーディー・ブルースは弱いと見られるようです。

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スタンド「ムーディー・ブルース」の能力を考察

考察①特定の一人の言動だけを再生する

ムーディー・ブルースは、アバッキオが指定した一人の人物(またはスタンド)の姿に変身して、その言動を再生します。そのため、一人の人間を指定して再生している間は、その人物のスタンドを同時に再生することはできず、また複数人を対象に再生することもできません。しかし射程距離(再生中)・持続力共に「A」と優れ、指定した人物と同じように移動でき、長時間の言葉や行動も再生できます。

ペリーコロという幹部が、とある場所に行ってムーディー・ブルースで再生しろという指示を出します。実際にその場で再生すると、ムーディー・ブルースはペリーコロの姿になり、重要な情報を話してその機密性を守るため自分の頭を撃ちました。ペリーコロが指定した場所と時間に彼一人しか居なかったため、ムーディー・ブルースはペリーコロの言動を再生できたのです。ムーディー・ブルースあってこその特殊な伝達方法でした。

考察②遡れる時間は15年程度?

アバッキオはムーディー・ブルースを使い、15年前にトリッシュ(ボスの娘)の母親を撮影した人物を再生しようとします。その人物こそ正体を厳密に秘匿し続けているパッショーネのボスであり、倒すべき敵の姿や手掛かりを得ようと考えたからです。15年前を再生するとなると時間が掛かるようですが、15年以上は無理などの明言もないため、それより昔に遡ることもムーディー・ブルースには可能かもしれません。

考察③再生する人物を選ぶこともできる

ズッケェロのスタンドに攻撃された時、アバッキオはムーディー・ブルースで数分前に忽然と姿を消した仲間のナランチャを再生して、何が起こったかを確かめようとしました。味方がどのような攻撃を受けたか、なぜ防御できなかったのか、今どこにいるのかなど、アバッキオの対象の指定が適切であれば、ムーディー・ブルースで探れる情報は多いようです。

考察④近くにいる人の発言も聞こえる

またズッケェロ戦でナランチャを再生した時、数分前のブチャラティの返答の声までがアバッキオ達に聞こえました。指定した過去の時間に、ナランチャがブチャラティと会話をしていたためです。対象の本人の言動だけでなく、誰かとの会話や周囲の音までも再生できるムーディー・ブルースには、精度が高く貴重な情報収集能力を有するという強さがあります。

考察⑤リスクはある?

再生中のムーディー・ブルースの近くにいれば、誰でもその「再生」を視聴できます。内容をコントロールできない以上、情報漏洩や諍いの元になる等のリスクがあります。またムーディー・ブルースはリプレイ中は「再生」以外は何もできない、無防備で弱い状態になってしまいます。スタンドは本人の精神を具現化したような存在であり、ムーディー・ブルースが傷つけばアバッキオもダメージを受けます。

考察⑥悪用の可能性

ムーディー・ブルースは本来秘された情報を、それも時間を遡って正確に取得できるスタンドです。社外秘の情報を使ってインサイダー取引で儲けたり、要人の行動を子細に把握できれば国家機密や弱みを握って脅したり売ったりすることも可能でしょう。家や個室や人目のない場所など、ムーディー・ブルースとアバッキオが侵入し再生しやすい所で重要なパスワードや暗証番号などを言ったり書いたりしたら、それも知られてしまいます。

考察⑦世界への影響はある?

一人の人間もしくはスタンドの言動を再生する能力なので、すでに一度発生した行動が再び行われる、という範囲内の小さな影響しかないようです。場所が限定されているので、誰かが1mの穴を掘った後それを「再生」しても、空振りするだけで穴の数も深さも変わらないというイメージです。しかし本来知られるはずのないことが明らかになり、それが世界中に広まったり、誰かの行動を変えたりすることはあり得るでしょう。

考察⑧様々な活用法がある

アニメ24話「ノトーリアス・B・I・G(ビッグ)」では、アバッキオはムーディー・ブルースでパイロットを再生して飛行機を操縦させています。また、迷宮入りした不可解な事件も明白かつ詳細に解き明かせます。当事者それぞれの全ての言動を客観的に再現できるため、「言った」「言わない」の押し問答なども解決し、捏造も暴けます。もし数千年レベルの遡及が可能なら、考古学などの研究でも超人的な正確さを発揮するでしょう。

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スタンド「ムーディー・ブルース」の元ネタ

レオーネ・アバッキオの元ネタや名前の由来

名前のレオーネは「LEONE」、ライオンのイタリア語での読み方です。乱暴な声を出す、初めはジョルノを威嚇するなどのアバッキオの行動が、ライオンと似ていると話題になりました。ライオンは大事な群れを守るために外敵への警戒心が強く、この点が新入りのジョルノをなかなか認めず、ブチャラティへは信頼と忠誠を一貫して示し、チームの仲間達をサポートしたアバッキオの姿勢と一致します。

またライオンは集団で狩りを行うため、コミュニケーション能力が発達しています。キレやすいフーゴを宥めたり、4という数字を恐れるミスタのためにケーキを3切れにしたりするさり気ない配慮もアバッキオは見せ、その死に激しく号泣するほどナランチャに慕われました。ライオンの寿命は長くても20年程と短く、その点も21歳という若さでこの世を去ったアバッキオを思い起こさせます。

長い髪がライオンの鬣(たてがみ)に似ているという見方もあります。鬣には体躯を大きく見せたり、頭や首回りへの攻撃を防ぐ役割があると考えられ、長身のアバッキオの長髪や頭の上のヘッドバンド兼帽子も、彼の威容や防御への重視の表れかもしれません。また鬣の長いライオン程強いと見なされますが、鬣が邪魔になるため狩り自体は下手という点も、戦績の出ないアバッキオと少し似ています。

姓のアバッキオ(ABBACCHIO)はイタリア語で子羊(の肉)という意味です。「abbacchiare」(打ち負かす、落胆させるなどの意味の動詞)の現在形も「abbacchio」と言うため、その解釈もありました。しかし動詞は人名にはなり難いこともあり、現在は名詞である「子羊」説が有名です。また、名前がライオンなのに姓が子羊というギャップが面白いという意見もありました。

「彷徨(さまよ)える子羊」の慣用句や宗教的なイメージから、警察官としての職を失って路頭に迷い、また指標とした正義を見失って心理的にも迷うアバッキオの暗喩だと論じられました。また、キリスト教において羊はイエスと同一視もされ、生贄や犠牲者の象徴とされています。チーム内で最初にボスに殺され、その死と引き換えるかのように仲間達に道標を与える情報を残したアバッキオの最期との相似も指摘されました。

ユダヤ教以前から羊は神に捧げる供物の代表格で、その血によって人間の原罪は赦されるとキリスト教では説きます。警察官時代の相棒を死なせたことがアバッキオの罪とすれば、死すらも受け入れ仲間のために尽力し亡き相棒に「立派にやった」と認められた彼は、正に自らの血を捧げて、己が人間性を救った者と言えます。

ムーディー・ブルースの元ネタや名前の由来

ムーディー・ブルースはロック界で最古参と称えられるバンドの名前です。1964年から活動し7千万枚以上を売り上げ、出身地イングランドだけでなくアメリカのチャートでも幾度か上位を獲りました。当初のメンバーが5人で、ジョルノが入る前のブチャラティ・チームの人数と一致しています。

彼らは「Days Of Future Passed」(過ぎ去った未来の日々)や「In Search Of The Lost Chord」(失われたコードを求めて)というタイトルのアルバムを発表しました。時間を遡って失われた情報を探すムーディー・ブルースの能力と、やや関連が見えます。また、同時期に活躍した「キング・クリムゾン」というバンドの名前が、ボスのスタンド名に用いられています。

ムーディー・ブルースは精神世界の探求や神秘性をテーマにした楽曲が多いバンドです。その音楽性も、人間の精神を具現化するスタンドや、「石仮面」や「矢」によって齎される古代から続く壮大な謎、奇想天外な超常現象を描く『ジョジョ』の世界観とマッチしているようです。

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スタンド「ムーディー・ブルース」を使うアバッキオの最後

アバッキオの死亡シーンは何巻?

アバッキオの死は、第59巻「今にも落ちてきそうな空の下での巻」で描かれました。若い頃のボスを「再生」してその情報を得るため、トリッシュの母親の写真が撮られたサルディニア島でアバッキオはムーディー・ブルースを使い15年前の再生を試みます。その時、近くでユニフォームを着た子ども達がサッカーボールを木の枝にひっ掛けて騒いでいました。背の高いアバッキオは気軽にそのボールを取ってあげます。

その子ども達の一人はボスで、油断していたところをすれ違い様にスタンドで腹を貫かれ、アバッキオは致命傷を負います。ボスは多重人格者で幼い人格の時は見た目も若返るという体質を活かし、子どもを一人拘束しそのユニフォームを着てアバッキオに接近したのです。ボスは写真を撮ったことを覚えていて、ムーディー・ブルースで正体を暴かれることを強く警戒し、確実にアバッキオを始末しようと決めていました。

死したアバッキオに仲間達が動揺する中、ジョルノはアバッキオの手の中に石を見つけ、それにスタンドの力で生命を与えててんとう虫に変えると、飛んで石碑に戻りました。石碑には「再生」を終えてボスの姿に変身したムーディー・ブルースの顔と手がめり込むように残されていました。アバッキオは突然の死に瀕しても、ムーディー・ブルースの「再生」を止めずに成し遂げて、仲間達にボスの情報を残して逝ったのです。

アバッキオが最後に残したボスのヒントは意味があった?

石碑に残された跡から、ブチャラティ達はボスの素顔と指紋を知ることができました。それらを警察内のデータで検索しましたが、ボスは周到に記録を残さず生きて来たため照合はしません。しかし、その照合を試した行為によって、ポルナレフという重要人物から味方として認知されます。ブチャラティ達はポルナレフから、ボスの正体や能力などの情報を教えられ、共闘関係を結びました。

またボスは、ブチャラティ達の何か指標があるような去り方に疑問を覚え、粉々に砕けた石碑を見て自分の手掛かりを掴まれたと察し危機感を募らせます。この焦りから彼は、制御不能な部下・セッコとチョコラータにブチャラティ達の抹殺を命じつつ、その部下2人にも自分の情報が渡らぬよう始末しようと自ら動き始めます。ずっと影で暗躍してきたボスが表立って行動し姿を見せたことは、ボスを狙うジョルノ達にとって好都合でした。

また状況が短期決戦へと一気に動いたため、実は既に致命傷を負って命の限界が迫っていたブチャラティが活躍する機会を得られました。そしてジョルノ達は少人数であるため、数多のパッショーネ構成員達が集まり敵に回る前に、ボス一人と相対せたことも大きなチャンスとなりました。

「ムーディー・ブルースのデスマスクの顔がボスに似ていない」、「顔も指紋も照会できていない」と、アバッキオが遺したヒントの意味を疑問視する声もあります。しかし、彼の行動が仲間達に指標と闘志を与え、彼の情報がポルナレフの関心を引き、彼が遺した石碑の欠片がボスを焦らせて表舞台に登壇させた、とも言えます。

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スタンド「ムーディー・ブルース」に関する感想や評価

ムーディー・ブルースが好き、という意見がありました。攻撃に特化していないところや、過去がわかるという便利な能力、他のスタンドよりもすらっとして人間に似ているなど、理由は様々です。しかし一方で、戦闘力や強さを重視する『ジョジョ』ファンの間では、弱いスタンドとして人気がないようです。

『進撃の巨人』の作者・諌山創も、ムーディー・ブルースの造形にとても惹かれたそうです。ムーディー・ブルースを見る以前は『ジョジョ』の異彩は受け入れやすくはなかったと書いています。ムーディー・ブルースの流線形で大きな装飾のない姿が、スタンドの魅力に気づくきっかけとなったようです。人間ではない異形であり、しかし人間に似ているという点が、スタンドと巨人に共通しています。

なぜアバッキオのスタンドが過去を再生するムーディー・ブルースになったのか、という点を追究した考察もありました。同僚だった相棒が自分の代わりに撃たれたことを強く悔い、さらにはその犯人に賄賂を貰って釈放していた己の不正を猛省して、とアバッキオには過去を見つめるイメージがあるようです。死後の世界で相棒が懸命に犯人の「指紋」を探していたように、ムーディー・ブルースの能力は警察官に向いています。

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スタンド「ムーディー・ブルース」まとめ

アバッキオのスタンド「ムーディー・ブルース」の能力についてまとめました。『ジョジョ』ファンの一部からは「弱い」、「勝っていない」と指摘されてもいますが、時間を遡っての情報の取得に大いに有用なスタンドです。仲間達にヒントを与え、特殊な方法での情報伝達を可能にし、ボスを恐怖させました。アバッキオとムーディー・ブルースの強さは、物事の深層を熟考した時に改めて気づくような、視認が難しいものでした。

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