【ジョジョ】レオーネ・アバッキオの名前の意味と由来は？スタンドの強さや能力も

「ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風」は荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第5部で、「ジョジョ5部」や「黄金の風」などの略称で呼ばれています。単行本では47巻から63巻の全17巻に該当し、舞台がイタリアであることから「JOJO」を「GIOGIO」と表記したりなど、他の部との違いが見られます。2018年には「ジョジョの奇妙な冒険」のアニメシリーズ4作目として制作され、全39話で描かれました。

イタリアを舞台に主人公のジョルノ・ジョバーナがギャング組織の「パッショーネ」に所属して、自らの夢であるギャングスターを目指していきます。ジョジョシリーズではキャラクターの死が描かれることは少なくありませんが、ジョジョ5部はギャング同士の戦いであるため、スタンドバトルも明確な殺し合いとなっています。また、作風も「哀しみ」をテーマにしながら各キャラクターの生い立ちや信念が描かれています。

イタリアのネアポリスに住むジョルノ・ジョバーナは悲惨な少年期をギャングの男によって救われ、「ギャング・スター」に憧れるようになります。15歳になったジョルノはギャング組織「パッショーネ」の一員であるブチャラティの手引きで入団テスト合格したジョルノは、ブチャラティの部下として、組織の仲間入りを果たします。それがジョルノとブチャラティたちのチームにとって大きな変化の時になっていくをまだ知らずに。

ブチャラティの部下の一人。1980年3月25日生まれの21歳で、身長188cm、血液型はA型。銀髪の長い髪と唇に薄く引いた紫のルージュが特徴。当初は新入りのジョルノを信用しなかったように、用心深い性格ですが、一度と認めたチームの面々に対しては仲間として信頼を置いています。スタンド使いであり、アバッキオ自身も腕っ節の強さがあります。

元々は警察官で、正義感溢れる男だったものの、腐敗した社会に嫌気が指して汚職警官になってしまい、それが引き金となったとある事件で、自分を庇った同僚の警察官が死んでしまいます。汚職の発覚と死なせてしまった同僚の後悔から心身共に闇へ落ちていたところをブチャラティが手を差し伸べて、チームの一員としました。このことから他の面々と同じくブチャラティには恩義と厚い信頼を置いています。

レオーネ(Leone)はイタリア圏では姓名共に使用される人名です。イタリア語では「雄ライオン」や「英雄」という意味があります。仲間以外は信頼せず、敵への当たりの強さを見せるところは雄ライオンのイメージと一致しており、その意味合いで名前が付けられた可能性があります。

また、かつては正義感溢れる警察官であった時代は、町の英雄であったという見方もでき、その意味合いも込められている可能性もあります。作中では呼び名としてレオーネはあまり使われませんが、だからこそ過去の英雄のという意味で呼ばれなかったのかもしれません。

アバッキオ（Abbacchio）はイタリア語で乳飲み子羊という意味があります。「迷える子羊」という言葉に例えられるように、羊は迷いやすい生き物とされています。汚職と同様の死から闇へ落ちた時のアバッキオはまさしく迷っていた状況です。また、ブチャラティのチームに入った後もギャングでありながら正義の心が根底にあるアバッキオは、過去の自分を振り返って迷い続けています。

そして、羊はキリスト教で生贄や身代わりという意味で使われることがあります。作中ではチームのために命を懸けた行動をすることもあり、アバッキオの行動原理や性格として、生贄の羊の意味合いを持たせているという見方もできます。

アバッキオの「ムーディー・ブルース」は人型のスタンドで、額にデジタル表示のタイマーが付いているところが特徴です。能力としては過去の時間を指定することで、現在いる場所にいた人やスタンドに姿を変えて、その時の行動や会話などを再生（リプレイ）できます。この能力はビデオの再生のようなもので、一時停止や巻き戻しの機能も付いていますが、能力の使用中はアバッキオ本人が無防備になるというデメリットがあります。

ムーディー・ブルースは肉弾戦もある程度可能ですが、真の強さは再生能力による情報解析です。再生できる範囲は年単位で戻すことができ、再生時は変っている人の脈拍や発汗量もわかることから、どんなに情報を隠していても発見や推察ができます。作中では敢えてムーディー・ブルースに読み取らせることで他者に知られないようにするなどの使われ方もしており、ユニークな能力ながらもギャング組織の秘匿性には強さを発揮します。

ゲーム「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風」でアバッキオを演じたのは稲田徹さんです。青二プロダクション所属の声優で、特撮やプロレスの大ファンであることが知られています。低く野太い声が特徴的であり、ゲームでは身長があって体格も良いアバッキオに合わせた声となっています。後にアニメのジョジョ第1部で吸血鬼のタルカスを演じています。

ゲーム「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」や「ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン」でアバッキオを演じたのは楠大典さんです。アミュレートに所属の声優で、アニメ・吹き替え共に活躍しています。稲田さんと同じく低音ボイスが特徴であり、仲間以外に強い当たりをするアバッキオを重量感のある声で表現しています。

アニメでアバッキオを演じたのは諏訪部順一さんです。東京俳優生活協同組合に所属する声優で、ナレーターやラジオMCなど幅広いジャンルで活動しています。音域は少し高い音から低めの音もこなすことができ、アバッキオでは低音ながらも21歳という若さも感じられるボイスになっています。以前にアニメのジョジョ3部でテレンス・T・ダービーを演じており、ジョジョシリーズでは珍しく二役を射止めた声優です。

初期のアバッキオで印象的なのはジョルノとの初邂逅のシーンです。ファンの間では「アバ茶」と呼ばれる衝撃的な行動は、アバッキオが新入りのジョルノをいかに信用していないかわかるシーンでもあります。アニメでは初めて見る人はもちろんのこと、原作を知っている人も改めて印象的なシーンと発言している人が多くいました。

次にアバッキオの印象深いシーンはムーディー・ブルースが初めて能力を披露するシーンでした。腕っ節の強いアバッキオがブチャラティと共に冷静な分析を見せるシーンであり、初期のアバッキオとはまた違ったギャングの一員としての雰囲気が感じられます。アニメではムーディー・ブルースの演出や漫画とは順番を入れ替えてアバッキオの過去が描かれたことで、より印象深いシーンになったようです。

そして、アバッキオが最も大きな印象を残したのは、ムーディー・ブルースが最大限に活用された場面です。ジョジョ5部の中でも代表的なシーンの一つであり、アバッキオがもう一度過去を振り返りつつ、仲間のために自らの覚悟を貫いて決死の行動をしていきます。アニメでは漫画にはなかった演出もあり、多くの人の心に残るシーンになりました。

今回はレオーネ・アバッキオの名前の由来や意味とスタンド能力の強さを中心にまとめていきました。レオーネ・アバッキオには、自らの警戒心や過去を表す名前と過去のよって生じた迷いと仲間に対する性格を表す苗字が意味として込められているという見方ができるものです。そんなキャラクター性をベースにしたアバッキオの物語は多くの人の印象に残っています。名前の意味を知ったうえでもう一度漫画やアニメで見てみましょう。