2020年11月18日公開
2020年11月18日更新
七つの大罪はドラゴンボールのパクリ?作風や絵が似ている?疑惑を徹底検証
続編開始への期待が高まる「七つの大罪」は、作風や絵、戦闘力の数値化やスカウター機能をモチーフにした魔道具の登場なから、「ドラゴンボール」と似てると指摘され、一部ではパクリ疑惑も浮上しています。本文では、共通点が多い「七つの大罪」のドラゴンボールのパクリ疑惑の検証をはじめ、原作者・鈴木央先生の「ドラゴンボール」に対する想い、烏山明先生のアシスタントの噂を検証しました。
目次
七つの大罪とは?
2020年3月に完結を迎えた「七つの大罪」は、カトリック教の七つの大罪をモチーフにしたキャラと独創的な世界観が人気を集めるも、一部のファンからは絵柄や画力、スカウターに似た機能などが「ドラゴンボール」に似てる、またはパクリではと噂されています。以下では、パクリ疑惑が浮上した「七つの大罪」と「ドラゴンボール」の共通点や、作者・鈴木央先生に関する噂の真相などを検証しました。
七つの大罪の概要
鈴木央先生の大ヒット漫画「七つの大罪」は、2012年~2020年3月にかけて、「週刊少年マガジン」で連載されていたダークファンタジー作品で、単行本・全41巻で構成されています。2015年に、第39回講談社漫画賞・少年部門を受賞をし、2021年1月からは、アニメ新シリーズ「七つの大罪 憤怒の審判」が放送予定です。
七つの大罪のあらすじ
カトリック教の七つの大罪になぞられた伝説の騎士団・七つの大罪は、10年前に聖騎士長殺害事件の濡れ衣を着せられ各地で散らばるも、リオネスの王女・エリザベスの登場により再集結し、濡れ衣を果たします。そして、王都への帰還も束の間、次は魔神族の脅威がブリタニアの大地に迫ります。七つの大罪は魔神族との戦いに身を投じると共に、3000年前の聖戦の真相に迫ります。
七つの大罪はドラゴンボールのパクリ?作風や絵が似ている?
「七つの大罪」は、その作風や絵柄、戦闘力を測るスカウターをモチーフにした魔道具の登場など、「ドラゴンボール」を彷彿させる箇所が多く指摘されます。以下では、「七つの大罪」が「ドラゴンボール」に似てる・パクリではと言われる、両作品の共通点を考察しました。
共通点①主人公の設定
出典: https://prcm.jp
「七つの大罪」の主人公・メリオダスは、普段は飄々とした気さくな性格である一方、いざという時には力を発揮する少年漫画の王道を行くキャラクター性が特徴です。「ドラゴンボール」の孫悟空は、純粋で心優しい性格の持ち主で、バトルシーンでは並みならぬ戦闘力を武器に、仲間と共に立ち向かう姿がかっこいいでしょう。一方で、作中のヒロインにいたずらを仕掛ける点については、両者は対照的となっています。
一部では、メリオダスの外見が、孫悟空の少年期~青年期にかけての姿に似てるとも言われていますが、「ドラゴンボール」では、その時期の悟空は描かれておらず、2人が似てる点は推測とされています。このように、主人公の設定の共通点の多さから、「七つの大罪」のパクリ疑惑が浮上しましたが、両作品共に少年漫画の王道を踏まえたキャラ設定と捉えることができ、「ドラゴンボール」のパクリとは考えにくいでしょう。
共通点②絵柄や画力
漫画の絵柄や画力は、漫画家の個性がもっとも発揮されるポイントであり、荒木飛呂彦先生の「ジョジョシリーズ」のように、独特の効果音や表現方法が人気に火をつけることも多くあります。一方、絵柄や画力が似てるという指摘は、「七つの大罪」と「ドラゴンボール」に限らず、どの作品にもありうることであり、パクリとは断定しにくいでしょう。
また、近年は原稿をパソコンで書き上げる漫画家が多い中、鈴木央先生は、あえて手描きで作品を仕上げています。手描きは、時間や労力などのデメリットが付きものですが、キャラクターや背景などを細部にわたって描き込むことができるため、パソコンより緻密な作画に仕上がります。また、手描きの場合、コマの外に柱を必ず入れる手法やトーンが少ないことも、特徴に挙げられます。
一部では、「七つの大罪」の爆風シーンや顔のバランスが似てることも指摘され、それらも「ドラゴンボール」のパクリ疑惑に挙げられています。しかし、「ドラゴンボール」や「七つの大罪」は、連載時期は違えどどちらも手描きで描かれており、パソコンでは描き切れない表現方法が、両者が似てると感じさせるきっかけとなったでしょう。
共通点③戦闘力を表すバロールの魔眼とスカウター
「七つの大罪」には、バロールの魔眼と呼ばれる、キャラクターの戦闘力を数値化する魔道具が登場します。見た目は、ファンタジーものらしい眼球をイメージしたデザインで、戦闘力は「闘級」と呼ばれる値で表現されます。また、バロールの魔眼で測定した闘級は、「武力・魔力・気力」に分類され、それら情報は、バロールの魔眼所有者の脳内に流れ込む特徴があります。
「ドラゴンボール」のスカウターは、小型スクリーンが特徴の片眼鏡で、相手の戦闘力を測るだけでなく、通信機能・生体探索機能も兼ね備えており、対象者の情報やその人物がいる場所・方位などを知ることが出来る装置です。作中では、フリーザ軍がスカウターを使用しており、悟空側では、ラディッツのスカウターを回収したブルマの手で改良が施されました。
また、キャラの戦闘力は、バトル漫画では欠かせない要素であり、バロールの魔眼とスカウターのように機能が似通ってしまうことを考えれば、パクリとは考えにくいでしょう。また、「七つの大罪」は、バトルシーンも似てるとの指摘もありますが、迫力に満ちたバトルシーンが特徴の「ドラゴンボール」は、「七つの大罪」を始めとする多くのバトル漫画に影響を与えており、他作品でも似通った表現はよく見られます。
共通点④けんか祭と天下一武道会
けんか祭と天下一武道会では、どちらも主人公が女の子キャラの姿が変わったことに気が付かない、という設定やシチュエーションが似てると言われ、あまりにも似通った展開からパクリ疑惑に拍車をかけています。まず、「七つの大罪」のけんか祭では、巨人族の女の子・ディアンヌが、その日は人間並みの大きさになっていたことに、メリオダスだけが気付かない描写が描かれました。
一方、「ドラゴンボール」の天下一武道会では、子供の時に出会ったチチが、自分の対戦相手であったことに気付かなかったシーンが描かれています。しかし、この場面は、大人に成長したチチとの再会のため、悟空が気付けなかったのも、無理はないと考えられます。よって、けんか祭のシチュエーションが天下一武道会のパクリという指摘は、無理やりとも捉えられるでしょう。
共通点⑤エリザベスとブルマ
「七つの大罪」のエリザベスと、「ドラゴンボール」のブルマは、共に作品のヒロインであり、作中のお色気要素に欠かせない女性キャラクターです。エリザベスは、メリオダスのセクハラとも捉えられるイタズラに遭ったり、ブルマもカメ仙人をはじめとする好色なキャラに絡まれるなど、作品のギャグコメディ要素も担っています。
しかし、「七つの大罪」や「ドラゴンボール」も、お色気要素は序盤の出だしのみに描かれており、物語が進むにつれてシリアスシーンが多くなっています。このように、ストーリー全体を通じて流れが似てる点も、パクリ疑惑浮上のきっかけになったでしょう。
共通点⑥単行本コミック
「七つの大罪」と「ドラゴンボール」の単行本コミックを1巻から順番に並べると、背表紙が一枚絵のように連なります。これらは、パクリではなくファンサービス要素が強く、これら2作品以外にも、荒木飛呂彦先生の「ジョジョの奇妙な冒険」や1980年代の雑誌「ロッキンオン」の背表紙にも施されています。
近年は、電子書籍版の刊行が増えると同時に、紙媒体の単行本コミックの売上が減少傾向にあります。しかし、シリーズ全巻を並べた時に浮かび上がる一枚絵の演出は、紙媒体ならではの楽しみ方であり、コミック以外にもライトノベル等の書籍でも施して欲しい演出でしょう。
七つの大罪の原作者は烏山明の大ファン?
全体的に可愛らしい作画や、戦闘力を測るスカウター機能の魔道具を登場させるなど、ファンタジーでありながらバトルモノでもある「七つの大罪」からは、作者・鈴木央先生が「ドラゴンボール」から受けた影響の大きさを感じさせるでしょう。以下では、鈴木央先生の、「ドラゴンボール」の作者・烏山明先生に対する想いを紹介します。
鈴木央はドラゴンボールの大ファン
2003年に集英社から刊行されたドラゴンボール完全版公式ガイド「Dragonball Landmark 少年編~フリーザ編」にて、「七つの大罪」の作者・鈴木央先生のメッセージが掲載され、ドラゴンボールの大ファンであることが公言されました。また、鈴木先生は、「ドラゴンボール」の作者・烏山明先生のファンでもあり、漫画を描くうえでもっとも影響を受けた人物として挙げています。
鈴木央のドラゴンボールに関するコメント
鈴木央先生のコメントによると、ジャンプ自体は読んでいたものの、烏山先生の「ドラゴンボール」だけは、毎回、隅から隅まで読み返すほど熱中していたことが明かされました。同時に、子供時代から漫画家になった現在も、「ドラゴンボール」や作者・烏山明先生は憧れの存在であり続けていると話されており、「七つの大罪」を読めば、鈴木先生が受けた影響の大きさを感じられるでしょう。
七つの大罪の原作者は烏山明のアシスタント?
「ドラゴンボール」との共通点が指摘される「七つの大罪」について、一部では原作者・鈴木先生は、過去に烏山先生のアシスタントをしていたのではと、噂されています。以下では、原作者・鈴木央先生のアシスタントの噂を検証しました。
鈴木央は烏山明のアシスタントだった?
一部ではパクリ疑惑も浮上した「七つの大罪」ですが、一部のネット情報では、作者・鈴木央先生は、かつて烏山明先生のアシスタントをしていたという噂が拡散されています。漫画家の中には、有名漫画家のアシスタントを経て独立する作者も多く、アシスタント時代についていた作家と絵柄が似てることは、よくあることです。
そして、「七つの大罪」と「ドラゴンボール」の絵柄は、一部でパクリ疑惑が浮上するほど似てることから、一部で烏山先生のアシスタント説が浮上しましたが、これらはデマ情報であることが判明しています。また、鈴木先生は、アシスタント経験をせずに漫画家デビューを果たし、漫画界では珍しい経歴の持ち主として知られています。
鈴木央のアシスタントは?
漫画家の多くは、アシスタントを雇って作品を描く中、手描きにこだわる鈴木央先生は、アシスタントを雇わず、一気に描き上げるスタイルを貫いています。また、2014年8月刊行のスポーツ報知のインタービュー記事では、1人かつ手描きで1話を4~5日のペースで描くことが紹介され、その作画スピードの早さが話題を呼びました。
また、長らくアシスタントはいないとされていた鈴木先生ですが、結婚後は奥さんが先生のアシスタントについて、作画を手伝っています。また、ジャンプ在籍時に掲載した「ライジングパクト」では、鈴木先生の弟と友人が作画を手伝っていたことも明かされ、単行本・3巻では、女性アシスタントの存在が公表されました。そのアシスタントの正体は、後の奥さんではないかと推測されていますが、真相は明らかにされていません。
七つの大罪の最終回と続編
「七つの大罪」の最終回は、魔神王の戦いから1年半後に結婚し、新国王・王妃に即位したメリオダス・エリザベスの息子・トリスタンのある1日を描いたエピソードが描かれました。以下では、「七つの大罪」の最終回と気になる続編を紹介します。
七つの大罪の最終回ネタバレ
伝説の逆賊・七つの大罪が、今夜、城に集まる計画を知らされたトリスタンは、王子としてリオエスの平和を守るべく、城下に駆け出して同世代の子供たちに協力を要請します。しかし、子供たちは晩ご飯の時間だからと、それぞれの自宅へ帰っていき、トリスタンも城に戻りました。すると、そこには、国家を転覆させる大罪人・七つの大罪が集結していました。
状況を理解できないトリスタンをよそに、メリオダスは自分はかつて七つの大罪のメンバーであったことを打ち明け、城の外で待っている民衆の歓喜をトリスタンに見せます。今日は、トリスタンの10歳の誕生日であり、民衆の中には七つの大罪の登場を喜ぶ者もいました。そして、ゴウセルは、誕生日のお祝いとして、七つの大罪の真実の物語をトリスタンに贈ります。
国家を転覆させる大悪党と信じていた七つの大罪の知られざる過去や、父・メリオダスがそれらの団長だったことをはじめて知り、トリスタンの心には、七つの大罪への憧れが芽生えていました。そして、七つの大罪の団長から国王となったメリオダスは、息子の無限の可能性に期待を寄せます。
七つの大罪の続編が決定?
週刊少年マガジン・2020年17号の掲載をもって完結した「七つの大罪」は、約8年間に渡る連載期間を誇り、原作漫画・アニメ共に絶大な人気を誇りました。同時に、七つの大罪の最終回では、続編の「黙示録の四騎士」(仮タイトル)の製作が発表されました。新シリーズの連載開始の時期は、2020年11月時点では未確定ですが、鈴木央先生の待望の新作に期待が高まっています。
七つの大罪とドラゴンボールに関する感想や評価
絵柄やスカウター機能による戦闘力の数値化など、共通点が多く見られる七つの大罪とドラゴンボールに関する感想や評価を紹介します。
感想1:ストーリー展開が共通している
七つの大罪って、
— アマビエ氏 (@necofund1945) June 19, 2019
戦闘の構図だけに留まらず、
ダラダラ続けるのも
ドラゴンボールに似てるな。
バトル漫画と言えば、派手なアクションだけでなく、キャラの戦闘力やそれらを測るスカウターなどの測定器など、緻密な設定が人気を集める一方、読者によっては展開が遅いとの指摘もあり、作品が似通っているとも言われています。そして、今回紹介した「七つの大罪」は、共通点の多さから「ドラゴンボール」のパクリ疑惑が浮上しましたが、どちらもバトル漫画なので、設定や展開が似通っていると感じやすいでしょう。
感想2:キャラの絵柄が似ている
なんか似てない?w#アニメ#アニメ好きと繋がりたい #七つの大罪#ドラゴンボール #いいねした人全員フォローする #ベジータ#ゼルドリス pic.twitter.com/lR4XxrH7rE
— いーぶる (@I_Blue0925) October 21, 2019
「ドラゴンボール」と「七つの大罪」のキャラを見比べると、顔のバランスや柔らかい雰囲気から、ファンからは似てると評され、一部ではパクリ疑惑も浮上しました。しかし、「ドラゴンボール」のファンを公言する鈴木央先生の想いを知ると、尊敬する烏山先生から受けた影響が、「七つの大罪」の作風に反映されていると、捉えることが出来るでしょう。
感想3:エリザベスとブルマのキャラクター配置が良い
『七つの大罪』は絵柄も一番最初のキャラクター配置もなんとなく『ドラゴンボール』に似てるな。エリザベスはブルマで。こういう王道のファンタジー少年漫画はとても好感が持てる。
— 鈴村智久Tomohisa SUZUMURA (@sempreinparo01) May 28, 2016
「七つの大罪」と「ドラゴンボール」の共通点は、絵柄やバトル要素だけでなく、ヒロインのキャラ設定にも見られ、一部のファンからはパクリではと、アンチ意見も挙げられています。一方で、両作品は似てる部分が多いが、少年漫画の王道を踏まえたストーリー展開に好感が持てるなど、「七つの大罪」の作風やヒロイン像を称賛する声も見られます。
七つの大罪とドラゴンボールのパクリ疑惑まとめ
「七つの大罪」と「ドラゴンボール」のパクリ疑惑をはじめ、作者・鈴木央先生の「ドラゴンボール」に対する想いやアシスタントに関する噂などを検証しました。「七つの大罪」では、絵柄・画力、戦闘力を測るスカウターを彷彿させるバロールの魔眼など、「ドラゴンボール」との共通点が多く指摘されますが、それらは鈴木先生が「ドラゴンボール」から受けた、影響の大きさを物語っているでしょう。