【エヴァンゲリオン】序で赤い海ができた理由は？白線の巨人の正体についても考察

2007年に公開されたエヴァンゲリオン新劇場版：序で最初から描かれることになった赤い海。赤い海とは本来反ATフィールドに浸食された使徒の影響（LCL）でできた存在であり、アニメ版では最初から登場しませんでした。しかしエヴァンゲリオン新劇場版：序ではなぜかLCLの説明無しで最初から赤い海が描かれました。本記事ではそんな新劇場版：序の赤い海についてなぜできたのかの理由や白線の巨人などを考察紹介していきます。

ではなぜ赤い海ができたのかの理由や白線の巨人の正体などを考察紹介する前に、赤い海が最初から描かれたエヴァンゲリオン新劇場版：序の作品情報とストーリーの簡単なあらすじについてご紹介していきます。赤い海が最初から登場したエヴァンゲリオン新劇場版：序とは1995年から1996年に渡って放送され、爆発的なブームを巻き起こしたアニメ新世紀エヴァンゲリオンをリメイクして全てを描き直したオリジナル映画作品です。

タイトルは｢ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序｣という表記になっており、2007年に日本で公開されました。新劇場版のエヴァンゲリオンは合計4部作構成の作品であり、序はシリーズ第1作目の作品となっています。そんなエヴァンゲリオン新劇場版：序は公開終了後の2009年に2作目の｢破｣が公開され、2012年に3作目の｢Q｣が公開されました。そして2021年1月には最終章のシン・エヴァンゲリオン劇場版の公開が予定されています。

エヴァンゲリオン新劇場版：序はアニメ新世紀エヴァンゲリオンの第1話から第6話を原作に、ストーリーと作画を新たに描き直した作品となっています。世界はセカンドインパクトという大災害によって人類の大半が失われました。そんな世界である日、主人公の碇シンジは父親である碇ゲンドウに呼び出され、第3新東京市を訪れます。そこで碇シンジはエヴァンゲリオン初号機と呼ばれる兵器に乗って使徒と戦うよう命令されるのでした。

アニメ新世紀エヴァンゲリオンの作中で反ATフィールドに肉体を浸食された第1使徒アダムはLCLと呼ばれる原初スープになり、赤い海を引き起こしました。しかしエヴァンゲリオン新劇場版：序ではなぜか物語の最初から赤い海が発生しています。そのためなぜエヴァンゲリオン新劇場版：序で最初から赤い海ができているのか気になるといった声が多数寄せられています。ではここからはなぜ序で赤い海が出来たのかの理由をご紹介します。

まず1つ目に考えられるなぜできたのかの理由はセカンドインパクトの影響です。エヴァンゲリオンの世界において、｢インパクト｣は全ての生命体がLCLとなった後、新たに生まれ変わるという生命の再生を意味しています。このLCLとなった生命及び魂は触れた存在を赤色に染め上げます（コア化）。このことからエヴァンゲリオン新劇場版：序で最初から赤い海が広がっていた理由はセカンドインパクトにあると見て打倒といえます。

2つ目に挙げられる赤い海がなぜできたのかの理由は上述と被るのですが、LCL化による影響です。アニメ新世紀エヴァンゲリオンの作中で碇ゲンドウと彼が所属する秘密結社｢ゼーレ｣はロンギヌスの槍を第1使徒のアダムに打ち込み、成体になる前の卵まで戻そうとしました。この時第1使徒アダムは反ATフィールドを展開します。この反ATフィールドによって周囲の生命体と第1使徒のアダムはLCL化し、微生物までもが死滅しました。

そして第1使徒アダムは肉体が原初スープとなり、海水と混ざり合いました。このLCL化によって一帯の海は赤い海と化してしまいます。なので赤い海は第1使徒アダムがいた南極だけとなっていました。一方エヴァンゲリオン新劇場版：Qでは最初から地球全土が赤い海になっており、使徒が赤い海のような血液を噴射する描写が追加されています。このことから序の赤い海はセカンドインパクトとLCL化が大きな理由であると考察出来ます。

セカンドインパクトやLCL化などの影響でできたと考察されているエヴァンゲリオン新劇場版：序の赤い海。そんなエヴァンゲリオン新劇場版：序の赤い海の表面にはエヴァンゲリオンか使徒と思われる白線の巨人が描かれています。ではここからはこの赤い海の表面にあった白線の巨人の正体について考察紹介していきます。まず最初に挙げられる白線の巨人の正体は碇シンジが新劇場版：序の作中で初めて対峙した第4使徒のサキエルです。

碇シンジが初めて戦った第4使徒サキエルはキリスト教の天使の1人である｢サキエル｣が名前の由来となった使徒であり、長い手足が特徴の人型の見た目をしています。そんな第4使徒のサキエルは当初エヴァンゲリオン初号機と碇シンジを苦戦させるものの、暴走によってATフィールドを破られて自爆しました。その自爆後赤い海にあった白線の巨人は鬱薄し、人型の容姿も似ていることからサキエルが正体だとファンに考察されています。

2つ目に考えられる白線の巨人の正体は第2使徒リリスです。アニメエヴァンゲリオンシリーズに登場する第2使徒リリスとは生物の始祖とされている｢生命の源｣であり、本編において｢NERV｣本拠地の地下深くに磔状態で封印されています。そんな第2使徒のリリスは真っ白な見た目をした人型の使徒のため、白線の巨人と非常によく似ています。だが第2使徒リリスは足が無いので、両足がある白線の巨人の可能性は低いと考察されてます。

しかしヱヴァンゲリヲン新劇場版：序の第2使徒リリスが白線の巨人の場所に降り立ったと考えると話は変わります。元々第2使徒リリスは黒き月を運ぶキャリアと共に地球へ降り立ち、月ができた理由といわれるファーストインパクトを引き起こします。その後第2使徒リリスは地下深くに潜り、｢NERV｣本部の地下に磔となりました。もし地球に降り立った衝撃で足を失ったと考えれば、白線の巨人がリリスであってもおかしくありません。

3つ目に考えられる白線の巨人の正体はエヴァンゲリオン初号機の素体です。実はアニメ新世紀エヴァンゲリオンの作中で白線の巨人のような描写が存在しています。碇シンジはアニメ新世紀エヴァンゲリオンでエヴァンゲリオン初号機に乗り、シャムシエルという使徒と戦いました。この戦いでエヴァンゲリオン初号機は触手を使うシャムシエルに投げ飛ばされました。すると投げ飛ばされた山には白線の巨人のような後が残っていました。

しかしこの時アニメ版の白線にはウェポンラックなどが描かれており、かなりゴツゴツとしていました。一方ヱヴァンゲリヲン新劇場版：序の白線の巨人はなぜかただの人型となっています。おそらくこの白線の巨人はパーツを付けていない素体のままのエヴァンゲリオン初号機なのではないでしょうか。しかし残念ながら証拠といえる根拠は無く、2020年11月現在白線の巨人の正体は第4使徒サキエルの可能性が高いと考えられています。

ではここからはエヴァンゲリオン新劇場版：序とアニメ新世紀エヴァンゲリオンでの赤い海の違いについてご紹介していきます。上述でご紹介した通り、赤い海そのものは第1使徒アダムの肉体が反ATフィールドに侵食されて起きたセカンドインパクトが原因となっています。しかし詳しいセカンドインパクトの全容はエヴァンゲリオン新劇場版：序で語られていません。それではまずアニメ版の赤い海について見ていきましょう。

葛城調査隊はかつて南極にあった｢白き月｣で第1使徒アダムを見つけます。そして第1使徒アダムは碇ゲンドウと｢ゼーレ｣によるロンギヌスの槍が原因となって反ATフィールドを展開しました。これにより第1使徒アダムの肉体はLCL化し、セカンドインパクトを起こします。その際LCL化は南極の海にまで及びました。なのでアニメエヴァンゲリオンの赤い海は当初南極周辺だけであり、サードインパクトにより全ての赤色になりました。

アニメ新世紀エヴァンゲリオンの作中で南極周辺に広がっていた赤い海。一方2007年に公開されたエヴァンゲリオン新劇場版：序では最初から全ての海が赤い海となっていました。おそらくアニメ新世紀エヴァンゲリオンからのファンの方はこの赤い海の描写に驚いたことでしょう。この全世界に赤い海が広がっている理由についてはエヴァンゲリオン新劇場版：序の作中でセカンドインパクトによる影響だという説明が描かれています。

しかしなぜアニメ新世紀エヴァンゲリオンと違ってエヴァンゲリオン新劇場版：序の赤い海が全ての海に広がっているのかは詳しく判明しておらず、上述でご紹介した通り様々な考察がファンの間で浮上しています。2021年の1月には最終章となる｢シン・エヴァンゲリオン劇場版｣の公開が控えているのですが、破やQでも詳細は語られませんでした。もしかすると、シン・エヴァンゲリオン劇場版で真実が判明するのやもしれません。

ではここからはアニメエヴァンゲリオンシリーズに描かれた赤い海と関係のある謎についてご紹介していきます。エヴァンゲリオン新劇場版：序の世界はセカンドインパクトで人類の大半が死滅し、赤い海が広がることになりました。ではこの赤い海は何か人類に影響を及ぼす危険な存在なのでしょうか。赤い海を引き起こしたLCLの原因であるインパクトは上述でご紹介した通り、生命体が新たに生まれ変わるための大災害となっています。

そのためLCL化によって赤く染まった場所は微生物にいたるまでの全生命体が生きれない空間といわれています。生命体の1つである人類はもちろんですが、赤い海で生きることが出来ません。一応エヴァンゲリオン新劇場版：序に描かれた赤い海は魂が抜けきったLCL化された場所と考えられています。しかし一度LCL化された場所はただ生命体が生きれない場所となっているため、生命体が住めない赤い海は｢死海｣とあだ名されています。

ここまで赤い海について考察紹介しましたが、そもそもなぜ人類はエヴァンゲリオンを使って使徒と戦っているのでしょうか。またなぜ使徒は人類に脅威となる存在となっているのでしょうか。それは旧約聖書の創世記が大きく関係しています。旧約聖書の創世記でアダムとイブは神の意志に反して知恵の実を食べました。一方エヴァンゲリオン新劇場版：序では、碇ゲンドウが人類は知恵の実を食べた存在であると作中で語っています。

このことからエヴァンゲリオンの世界に済む人類は旧約聖書のアダムということになり、｢リリス｣という名前で第18番目の使徒に数えられてます。また使徒とはアダムが旧約聖書で食べなかった生命の実を食べた存在であると碇ゲンドウが述べています。生命の実を食べた使徒は知恵の代わりに、永遠の命を持っています。エヴァンゲリオンシリーズはそんな知恵の実を食べた人類と生命の実を食べた使徒との生存競争が描かれているのです。

エヴァンゲリオン新劇場版：序に登場する赤い海に関する感想では最初から赤い海があるのに驚いたといった感想が多く寄せられていました。本来赤い海はアニメ新世紀エヴァンゲリオンの途中から登場し、旧劇場版で最終的に全ての海に広がりました。このまるで旧劇場版の続きなのではと思わせる赤い海の描写は非常に多くのファンを驚かせました。

エヴァンゲリオン新劇場版：序に登場する赤い海に関する感想ではアニメ版のストーリーとループしているのではないかといった感想も多く寄せられていました。本記事でご紹介した通り、アニメ新世紀エヴァンゲリオンは段々と全ての海が赤い海になってしまいます。またループなのではと思わせる描写が序の作中内に多々描かれています。そのため赤い海が最初からある理由の中にはアニメのループ説も多数浮上しています。

エヴァンゲリオン新劇場版：序に登場する赤い海に関する感想では白線の巨人は量産型のエヴァンゲリオンなのではといった感想も多く見受けられました。エヴァンゲリオン量産型とは旧劇場版のエヴァンゲリオンに登場した存在です。このエヴァンゲリオン量産型は非常にエヴァンゲリオン新劇場版：序の白線の巨人と見た目が酷似しています。このことから赤い海の正体はエヴァンゲリオン量産型という説も考えられます。

本記事ではエヴァンゲリオン新劇場版：序に登場した赤い海についてなぜできたのかの理由や白線の巨人などの正体をまとめて考察紹介しました。未だ多くの謎に包まれたエヴァンゲリオンシリーズの中でも赤い海は不明点が特に多い存在となっています。また新劇場版のエヴァンゲリオンが公開されたことでその謎は一層深まりました。おそらく今後、この赤い海の謎については少しづつガイドブックなどで解明されることでしょう。