2020年11月13日公開
2020年11月13日更新
【エヴァンゲリオン】ゼーレとは何者?「ゼーレのシナリオ」と人類補完計画も考察
エヴァンゲリオンで謎の存在であるゼーレとは何者?その正体や彼らの目的が重要な要素となっています。ドイツ語において魂という意味を持つゼーレという名前を持っている彼らは元々は宗教団体だったことが明らかになっています。宗教思想によって発掘調査をしていた彼らは、裏死海文書によって将来を見据えてゼーレのシナリオを描き人類補完計画を遂行しようとしていました。そこで、裏で世界中を牛耳ろうとしているゼーレの正体やゼーレのシナリオに基づいて遂行された人類補完計画を紹介します。
目次
ゼーレとは?
新世紀エヴァンゲリオンで謎が多いゼーレは人類を使徒から守ろうとゼーレのシナリオを描くようになります。ドイツ語において魂という意味を持っているゼーレの正体は謎に包まれていました。彼らは国連を隠れみのとすることで世界中を裏で牛耳るようになり、秘密結社として恐れられる存在へと成長していきます。彼らは、自分たちの宗教観に基づいてさまざまな発掘調査をしていました。
彼らは宗教思想によって発掘調査をしていた際に裏死海文書を見つけセカンドインパクトによって多くの命が失われることを知ります。自分たちの命を奪う使徒などの存在を知った彼らは「裏死海文書」を参考にしながらシナリオを描いて人類の原点回避をしようとしました。そこで、原罪からの解放をしようと考えているゼーレの正体やシナリオによって遂行される人類補完計画の内容や目的を紹介します。
新世紀エヴァンゲリオンの作品情報
新世紀エヴァンゲリオンの概要
月刊少年エースからヤングエースによって1994年12月~2013年6月に渡って連載された「新世紀エヴァンゲリオン」は、山口県出身の漫画家である貞本義行さんによって描かれた漫画となっています。テレビアニメとしては全26話によって展開されている新世紀エヴァンゲリオンは、テレビ東京系列他によって1995年10月~1996年3月渡って放送されました。テレビアニメは山口県出身の庵野秀明監督によって制作されています。
賛否両論の議論を引き起こした新世紀エヴァンゲリオンは、放送終了後には今までにない斬新なストーリーが物議を醸し出すことになります。テレビアニメの放送時の視聴率は低かった新世紀エヴァンゲリオンですが、アニメの世界に大きな影響を与えるようになり、第三世代のアニメ作品と呼ばれるようになりました。爆発的なアニメブームのきっかけとなった新世紀エヴァンゲリオンは、劇場版も公開されるようになります。
新世紀エヴァンゲリオンのあらすじ
セカンドインパクトという大災害が起きたことで世界人口の半分が死亡するという悲劇が起こります。大きな悲劇が起こってから15年後には臆病で自分に自信が持てない碇シンジは14歳となっていました。幼少期から別居していた父親から突然呼び出された彼はエヴァンゲリオン(EVA)初号機のパイロットとしてさまざまな試練に立ち向かうことになります。使徒との戦いによって彼は心も体も大きく成長していくのです。
ゼーレの概要
新世紀エヴァンゲリオで正体が明らかになっていないゼーレは、ドイツ語において「魂」という意味を持った言葉が使用されていました。昔から世界を裏で操っていたのが新世紀エヴァンゲリオンに登場しているゼーレだったのです。彼らは人類は生まれながらにしてさまざまな罪を犯していることを知っていました。そのため、原点回避する方法を探し求めていたのです。
宗教思想によってさまざまな発掘調査を行っていた彼らは「裏死海文書」を発見し、永遠の命を手に入れている使徒が人類を滅ぼすためにやってくることを知ります。彼らの永遠の命に憧れたゼーレは、その正体を掴み自分たちも永遠の命を取り込もうと考えます。アダムという最初の使徒を南極での調査によって発見した彼らは、自分たちを進化させるためにさまざまな実験を行うようになりました。
アダムという使徒を発見したゼーレは、ドイツ語で脳という意味の「ゲヒルン」を立ち上げます。大きな力を持った「ゲヒルン」はその後ネルフとなりました。永遠の命を手に入れることや戦いやいがみ合いのない世界を作ることを求めた彼らは原罪からの解放を行い、彼らが作り出したシナリオを遂行するため人類補完委員会を立ち上げ、人類補完計画が作られ進められるようになったのです。
ゼーレとは何者?正体はヒトだった?モノリス?
考察①元々ヒトだった?
新世紀エヴァンゲリオンで長方形の物体(モノリス)によって会議をしているゼーレは、発掘調査の際に見つけた裏死海文書に沿って人類補完計画を遂行しようとしていました。後にネルフとなって活動していくことになるゼーレの正体とは?その正体はヒトだった?など彼らの正体が注目されるようになります。そこで、謎めいている彼らの正体をさまざまな観点から考察していきましょう。
劇場版ではモノリスの姿で登場しているゼーレは、肉体が溶けきっており体内に備わっていた機械部分だけが見えています。現在は機械となってしまっている彼らは知恵の実を与えられた特別な生命体だと厳しい表情を常にしているネルフの総司令を務めている眼鏡をかけた碇ゲンドウは話していました。
新世紀エヴァンゲリオンで人間は知恵の実を持って生まれてきたとされています。それらのことを踏まえると彼らはかつては肉体に魂を宿したヒトだった可能性が高いです。人間には寿命があり、ちょっとのことであっけなく死亡してしまう弱さも持っていました。彼らは自分たちの任務を達成するために機械を上手に活用したと考えることができます。
考察②モノリスに魂を宿した?
新世紀エヴァンゲリオンで謎に包まれているゼーレの名前の意味となっている魂とは、人間の身体に宿っているものであり、心の働きを司るものとされています。そのため、太古の昔から魂は肉体から独立したものと考えられていたのです。現在は機械となってしまっている彼らですが、さまざまな情報から元々はヒトだったと考えることができます。しかし、サードインパクトが起こったために機械にならざるを得なかったようです。
ある目的のためにゼーレのシナリオを描き人類補完計画を遂行しようとした彼らですが、サードインパクトによってLCL化しそうになります。元々の正体はヒトだった彼らですが、「Q」というサードインパクト後の状況が描かれている劇場版では、彼らはモノリスという形になって姿を現すことになりました。元々宗教団体だった彼らは自らの宗教的な思想から「裏死海文書」の影響を大きく受けていたと考えることができます。
発掘によって「裏死海文書」を偶然に拾った彼らは、人類を将来的に滅ぼす存在となる使徒を倒すためにゼーレのシナリオを裏死海文書にのっとって制作しようとしたのかもしれません。裏死海文書に描かれている世界を望んだ彼らはそれらを遂行するという目的のために人類補完計画を実行しようとしたようです。しかし、人類補完計画によって自らがLCL化するのは避けたかったためにゼーレのシナリオを作ったと考えることができます。
新世紀エヴァンゲリオンでサードインパクトによってLCL化されてしまった場合は、生命体である本来はヒトとして生きていた彼らの記憶は全て消されてリセットされてしまうことになっていました。人類の原点回避をするための厳罰からの解放を見届けたいと感じた彼らは、それらの目的を達成するためにLCL化されてしまわない方法を見つける必要があったのです。
サードインパクトという大災害が起きたとしても自らの記憶を失うことなく、LCL化されないことを模索した彼らはモノリスに魂を宿す方法を考えつきます。どのような方法で自らの魂をモノリスに宿すことができたのかは明らかになっていませんが、裏死海文書を手に入れることができた彼らは人類の原罪からの解放を見届けるためにゼーレのシナリオを描いて人類補完計画を達成しようと考えていたのです。
生命体はサードインパクトが起きることでLCL化され記憶がなくなってしまうという危険性を持ち合わせていました。そのため、彼らはモノリスに自らの魂を宿すことで記憶が失われることを避けようとしていました。彼らの考え通りにモノリス(機械)に魂を宿すことができたのだとしたら、今までの記憶を失うことなしに永遠の命を得ることができると考えます。
生命体だったゼーレは、何らかの目的によって知恵の実を与えられたヒト(生命体)だったことがわかります。ゼーレのシナリオによる人類補完計画によって原点回避をするために原罪からの解放を望んでいた彼らは、何らかの方法でモノリス(機械)に自らの魂を宿して全てを見届ける人類補完計画を遂行する力を持ちたかったようです。
ゼーレとは何者?正体はMAGIシステム?
考察③MAGIシステム?
元々は宗教団体として活躍していたゼーレの正体は、知恵の実を食べたとされる生命体のヒト(人間)といわれています。しかし、新劇場版や旧劇場版、テレビアニメにおいてはモノリスという機械の姿で登場していました。そのため、ゼーレのシナリオによって自ら人間の原罪からの解放を見届けるために人類補完計画を遂行したいと考えていた彼らは、サードインパクトによって肉体がLCL化されて記憶を失うことを拒んだようです。
新世紀エヴァンゲリオンの世界では、「エヴァ」をどう捉えるかによって見え方が変わってきます。彼らをループ説やパラレルワールドとして捉えることもできるのです。繰り返し行われることを意味しているループ説は、ヒトの場合は輪廻転生と同じ考えとなり、プログラミングでは指定条件が満たされない限りは無限のループを作ることができるとされています。
同次元に存在している平行世界をパラレルワールドといいますが、並行宇宙を意味するパラレルワールドは理論的な可能性が物理学の世界でも語られていました。しかし、同次元においての平行世界となってしまうためにその存在を確認することも観測することも不可能となっているためその存在を否定することも肯定することもできない状況となっています。
「エヴァ」の存在をループ説やパラレルワールドの世界として捉えた場合は、旧劇場版やテレビアニメにおいて発生したサードインパクトによってゼーレの肉体が滅んで記憶が消され、LCL化されないためにMAGIシステムにプログラミングしたとも考えられます。発掘によって見つけ出した裏死海文書に基づいたゼーレのシナリオに沿って彼らの特徴や記憶などを全てMAGIシステムにプログラミングすることを望んだのではないでしょうか?
自分たちの記憶や目的を失う前にモノリスに全てプログラミングしておくことで、突然サードインパクトが起こったとしても、本来の記憶と目的を失うことなく人類補完計画を遂行するができるようになるのです。元々の正体はヒトであり、宗教団体だった彼らは人類の将来を裏死海文書によって事前に知ることができたことによってMAGIシステムにプログラミングして本来の目的を失わないようにしていたとも考えることができます。
考察④高次の存在?
秘密結社とされているゼーレの正体は、MAGIシステム?とも元々はヒトだったともいわれていますが、高次の存在とも捉えることができそうです。人類を滅ぼす使徒の存在を知った彼らは裏死海文書に基づいてゼーレのシナリオを作り出し、人類の原点回避を進めるため人類補完計画を遂行しようと試みます。しかし、人間ではどうすることもできないサードインパクトが起こることによって振り出しに戻されてしまうことも多くありました。
国連を隠れみのとしている彼らの掲げているマークは、新劇場版においては蛇とリンゴが追加されてリニューアルされています。さらに、サードインパクトが起こった後には世界中では半分以上の人間が命を落とすことになっていますが、彼らの仲間も当初12人存在していたものの、新劇場版「Q」においてサードインパクトが起こった後の状況では7人のメンバーに減少していました。
特務機関であるNERV(ネルフ)の総司令を務めている碇ゲンドウとゼーレ01はサードインパクトが起こった後に会話をしています。使徒の殲滅を目的に掲げている碇ゲンドウは、死海文書の契約改定の時がきたためにゼーレとはお別れというような言葉を発していました。それに対してゼーレ01は自分たちの目的は達成されたことを話しています。彼らにとっては良い結果になったようです。
ゼーレのシナリオである人類補完計画を遂行しようとした彼らは、魂の形を変えたとも知恵の実を与えられた存在(生命体)ともいわれているため、人間と同じ生命体でありながらも異なっていることを意味しており高次の存在とも考えることができるのです。知恵の実は持っているものの生命の実を持っていないということは神ではないことを意味していますが、人間に文明を与えた存在として感謝されていました。
創世記において知識を与えたのは蛇であり、「善悪の知識の樹」を意味しています。エデンの園に登場している蛇は神ではなく堕天使とされていました。また、神に戦いを挑んで敗れている存在でもあったのです。7つの頭を連想させるゼーレの魂が宿っているとされるモノリスからも彼らの存在は高次の存在だと考えることもできるでしょう。
ゼーレのシナリオと人類補完計画・生命の樹の関係
生命の樹とは?
裏の世界から世界を牛耳ろうとしたゼーレは、発掘によって発見した裏死海文書によって人類の未来を知ることになります。使徒によって人類が滅ぼされるという未来を知った彼らは、人類を守る目的のためにゼーレのシナリオを作り出し人類補完計画を進めていくことになりました。彼らの正体はヒトとも高次の存在ともいわれていますが、彼らや後にネルフの総司令となる碇ゲンドウらと深い関係があるのが生命の樹です。
生命の樹とは、新世紀エヴァンゲリオンの中では全ての魂を生み出す存在となっています。生命の樹によって全ての魂が生み出されてしまった際には世界は終焉することを意味していました。愛する妻を失ってしまった碇ゲンドウは、非常に有能な人間でしたが心のバランスが取れなくなっていきます。彼は深まる心の闇を救うためにはかつて愛した女性であるユイが必要だと痛感していました。
その唯一の手段だったのがゼーレのシナリオによって遂行されることになった人類補完計画だったようです。彼は自分が愛する唯一の存在であるユイを取り戻すためにネルフの総司令となって活躍することになります。シナリオによって遂行されることになった人類補完計画では、唯一魂を入れることができたのはレイのみとなっていました。ガフの部屋は空っぽになっており、魂は彼女の中にしか誕生しなかったのです。
ユダヤ教の伝説においてガフの部屋とは、魂が入る貯蔵庫を意味しています。さらに生命の樹によって誕生した魂は「ガフの部屋」に移されて保管されることになっていました。知恵の樹の隣に並んで生えているとされる生命の樹は、その実を食べることで永遠の命が得られ神となることができるものとされていたのです。ガフの部屋が空っぽになるということは、新たな魂の誕生は今後ないということを意味します。
生命の樹は全ての魂を生み出してしまった後は、世界は終わるしかないことを意味しているため、使徒に関係なく人類が終焉に向かっていることわかります。そのため、ネルフにおいて総司令を務めている碇ゲンドウが、時間がないといっていたのかもしれません。
ゼーレの考える人類補完計画も宗教的なもの?
国連を隠れみのとしているゼーレは、秘密結社として裏で世界を牛耳っていますが元々は宗教団体として活動していました。しかし、宗教思想によって発掘調査をしていた際に「裏死海文書」を発見したことで近い将来人類を滅ぼすであろう使徒が襲ってくることを知ることになるのです。元々は宗教団体として活動していた彼らは「裏死海文書」に沿ってゼーレのシナリオを作り出し人類補完計画を進めていくことになります。
いくつもの正体を持っている彼らは宗教的な観点に沿って人類補完計画を進めていきました。宗教思考が強かった彼らは、同調することができる「裏死海文書」に基づいてゼーレのシナリオを作り出したのです。機械であるモノリスに魂を宿した経緯を持っている彼らは、宗教的な思考が最優先されているために、人間の感情を感じ取ることができるような行動はあまり見せていません。
人類補完計画を人類の再生をするために行う儀式といい放っていることからも、自分たちの感情よりも宗教的な思考が第一にあってそれに沿って淡々と使命を抱いて遂行していたのです。個人的な考えによって人類補完計画を遂行しようとするゲンドウの考えを危険だと考えている彼らは、あくまでも宗教的な思考が第一と考えていることが彼らの発言からもよく理解できるようになっていました。
秘密結社として活躍しているゼーレにおいて中心人物となっていたのがキールローレンツです。彼だけが唯一人間の姿で登場しています。テレビアニメにおいてはヒトの姿で登場していた彼らですが、それ以外ではモノリスに姿を変えて登場しているため、人類補完計画において口を出すことはできるものの実際には行動できないというジレンマを抱えていました。彼らの人類補完計画は、人類が原罪から解放されることを目的としています。
そのため、全ての人類が同じ意識になることを彼らは望んでいたのです。宗教的な思考が第一の彼らは、神も含めた単一の意識を求めていたために個人的な考えで行動するネルフの総司令であるゲンドウとぶつかることになるのでしょう。彼らは宗教的な思考に沿って人類の救済ができれば目的を達成したと感じることができるようです。
ゼーレの考える人類補完委員会のメンバー
人類補完委員会のメンバー
国連直属の極秘諮問機関として誕生したのが人類補完委員会です。国連を隠れみのとしているゼーレのシナリオを遂行しようと彼らはNERV(ネルフ)の監視やアドバイス、彼らが行動するための予算確保などを行ていました。しかし、その正体はかつて宗教団体として活動していたゼーレが国連を支配するための隠れみのでもあったのです。世界中を支配することを考えていた彼らは人類補完委員会を作り上げました。
使徒から人類を守るための人類補完計画に関する全ての意思決定機関となっている人類補完委員会のメンバーは6名で構成されています。人類補完委員会の中心人物であり議長として活躍しているのは、バイザーを常に着用しているキール・ローレンツです。「01」のモノリスナンバーを持っている彼は、独代表となっていました。サードインパクトが起こった後も唯一人間の姿で登場しています。
その他には口髭を生やし眼鏡をかけた米代表の男性や面長で特徴的な顎を持っている英代表の男性、痩せ気味で眼鏡をかけている仏代表の男性、オールバックの髪型をしており額の生え際がM字となっている露代表の男性の5名に加えて特務機関NERV(ネルフ)総司令を務めている碇ゲンドウを含めた6名となっていました。ネルフの総司令のゲンドウ以外の5名は、ゼーレの最高幹部のメンバーでもあったのです。
秘密結社である彼らのゼーレのシナリオによる人類補完計画を遂行するためにネルフの監督的な立場となった人類補完委員会でしたが、ネルフ総司令であるゲンドウが個人的な考えによって単独行動が目立つようになります。彼の暴走を止めようと考えた人類補完委員会は、特務機関においてNERV(ネルフ)副司令を務めている冬月コウゾウの拉致をしたり尋問をしたりして監視を強化していくことになります。
キール・ローレンツとは?
かつて宗教団体として活動していたゼーレの中心的な人物となっているのが、かなり高齢の印象を放っているキール・ローレンツです。バイザーを常に着用している彼は人類補完委員会においては議長を務めており、新世紀エヴァンゲリオンの中では裏で全てを操っているかのような存在となっていました。モノリスナンバーにおいても01となっています。自分勝手な性格のゲンドウとはセカンドインパクト以前からの友人です。
- 名前:キール・ローレンツ
- 愛称:議長、キール議長
- 役職:人類補完委員会議長
- 特徴:バイザーを常に着用(当初はサングラス)
- モノリスナンバー:01
- 年齢:67歳(企画書の段階)
- 性格:厳格
- CV(声優):麦人
キール議長と呼ばれている彼は、登場当初はサングラスをかけていましたが、いつからかバイザーを常に着用するようになります。かなり高齢でありながら生きることができているのは、身体の大部分が機械化されていたからだったのです。目的のためにはあまり手段を選ばない彼は、自分勝手に行動するようになったゲンドウを常に監視するようになります。彼は機械であるモノリスに精神を宿していたことが明らかになっていました。
ゼーレの考える人類補完計画と碇ゲンドウの人類補完計画の違い
ゼーレの考える人類補完計画の目的
全人類の進化を目的に掲げていたゼーレは、人類補完計画によって人間の肉体と魂の解放を目指します。彼らは意識を統合することによって人類の原罪からの解放をしようとしていました。生命体であるリリスから誕生した人類は、誕生した際に知恵の実しか持っていませんでした。肉体は弱々しく死がつきまとうようになります。人間は善悪の区別や知恵によって誕生した時から原罪を背負うことになっていたのです。
必ず死を迎える人間とは異なり、人類の敵となっている使徒は人間のような知恵の実を持っていない代わりに、永遠の生命を手にすることができる生命の実を持っていました。永遠の命を求めた彼らは、生命の実を手に入れたいと考えるようになります。生命の実を手に入れることで神と同じような高次の生命体に進化することができると考えたのです。
人類の敵である使徒が持っている生命の実を手に入れようと考えた彼らは、ネルフによってさまざまな研究を行っていくことになります。彼らは最終的に使徒であるアダムやロンギヌスの槍、生命体のリリスなどを使用してサードインパクトを引き起こそうとしていました。
全ての統一を望んでいるゼーレのシナリオによって目的が達成されるとどうなるのでしょうか?人類補完計画の目的が達成されると、人類は永遠の命を手に入れることができる生命の実とあらゆるものを生み出すことができる知恵の実を持てることになります。二つの実を手に入れることができた人類は単一の意識集合体となることで永遠の命を手に入れることができるのです。また、自我を失うことで他人との境界線がなくなります。
境界線がなくなることで単一化するため、もめごとや争いごとが発生しなくなるのです。それと同時に人間らしい喜怒哀楽などの全ての感情も手放すことになります。肉体から解放されることで永遠の命を手に入れるのです。形を保てなくなった人類は空気のような存在となりますがここでは液体で表現されていました。人類補完計画によって個を保てなくなった人間は液体になってしまい、人間に戻ることはかなり難しくなります。
碇ゲンドウが考える人類補完計画の目的
かつては宗教団体として活動していたゼーレの計画している人類補完計画の正体は、全人類の境界線がなくなり争いやいがみ合いがなくなる反面、人間らしい喜怒哀楽の感情はなくなり全てが単一の液状になってしまうものとなっています。個としての自我がなくなることで全てが溶けあってしまうのです。基本的には彼らの計画に賛成している碇ゲンドウですが、彼が考える人類補完計画の目的は全く別のものでした。
彼はその計画を進めることによって自分自身が全ての主導権を握ることを求めていたのです。永遠の命を手に入れることができた際には、全て溶け合うのではなく完全な生命体となって全ての頂点に立つ、自らが神となるというものでした。彼の最大の目的はすでに死亡してしまった最愛の妻であるユイに再び会うことだったのです。彼女に再会するためには自分自身が頂点に立つ必要性を感じていました。
秘密結社であるゼーレの正体は、ヒトでありモノリスに魂を宿した存在、高次の存在と考えることができます。彼らは全ての融合単一を求めているのに対して、単独行動が目立つゲンドウは自分勝手な考えで自分の最愛の妻であるユイと再び一つになるために自分以外の息子や仲間全てを犠牲にしてもかまわないという危険な考えを持っていたのです。彼の正体はかなりエゴの塊となっていました。
ゼーレに関する感想や評価
エヴァンゲリオンは内容がすごい難しい。NERV、ゼーレの目的。人類補完計画とは一体なんなんでしょう。わからないことだらけですがそこが面白いんですよね
— こころ@エヴァ専用垢 (@evangelion_0403) August 10, 2014
新世紀エヴァンゲリオンの物語は内容がすごく難しいと感想を寄せている人もいます。作中では人類補完計画やゼーレの目的、ネルフなどさまざまな用語も多くわからないことだらけですが、そこが面白いとコメントしている人もいました。すぐには理解できない深い内容だからこそ、読み解いていく面白さを感じている人もいるようです。深い内容に後で感動してしまったと感想を寄せている人もいました。
エヴァンゲリオンで一番面白いのはゼーレだと思っています+納豆ご飯
— balanço (@balanco) December 2, 2012
新世紀エヴァンゲリオンの中ではかつては宗教団体として活動していたゼーレが一番面白いと感想を寄せている人もいました。国連を隠れみのとしている彼らは、人類の原罪からの解放を見届けるために自らの宗教思想に基づいてゼーレのシナリオを描いて人類補完計画を遂行しようとしていました。裏で世界を牛耳ろうとしている組織でもあるため悪のようでもありますが、個人的な考えで行動しているわけではなかったのです。
TVシリーズはサードインパクトまで至らず最終回。旧劇はサードインパクトで終了。新劇はニアサードインパクトの先を描いているが、どれが正解ということはないのが人類補完計画の面白いところ。さすゼーレ#エヴァンゲリオン
— 笑顔に会いたい (@yss0717) April 26, 2020
テレビアニメにおいてはサードインパクトまで至らず最終回を迎えた新世紀エヴァンゲリオンは、サードインパクトで終了する旧劇場版も作られています。その後サードインパクトの先を描いている新劇場版なども制作されていますが、人類補完計画においては正解がないため奥が深く面白いとコメントしている人もいました。正解がない面白さを持っているゼーレをさすがだと高く評価している人もいます。
ゼーレまとめ
発掘調査の際に発見した裏死海文書を手に入れたゼーレは、人類の原罪からの解放と原点回避を求めるようになっていきます。永遠の命を手に入れることで真の姿になれると考えた彼らは、裏死海文書に基づいてシナリオを描いて人類補完計画を遂行しようとしていました。戦争も妬みも起きない平和な世界を手に入れるには、全人類が溶け合って単一になることが重要だと彼らは信じていたのです。