【名探偵コナン】トロピカルランドのモデルは？瞳の中の暗殺者など登場シーンは？

名探偵コナンに登場する遊園地の一つに「トロピカルランド」があります。トロピカルランドは、コナンの物語の中では非常に重要な役割を果たしている場所で、アニメだけでなく映画でも登場します。ここでは、モデルとなった遊園地や、映画「瞳の中の暗殺者」での登場シーンを中心に、トロピカルランドについて掘り下げて紹介していきます。まずは、名探偵コナンに関して、改めて紹介します。

名探偵コナンは、青山剛昌（あおやまごうしょう）原作の推理漫画作品です。高校生探偵の工藤新一が黒の組織に少年化されたのをきっかけに、江戸川コナンとして組織を追いながら、周りで起こる様々な事件を解決していく物語です。漫画は98巻（2020年11月現在）まで刊行され、アニメは世界40か国で放映されています。その人気から、1997年から毎年春に映画も公開されています。

「トロピカルランド」とは、名探偵コナンに登場する架空の遊園地です。この遊園地は第一話「ジェットコースター殺人事件」で早速登場しており、工藤新一と毛利蘭がデートをしている最中に事件が発生しました。このデートの最中に、新一は黒の組織によって少年化させられているため、トロピカルランドはコナンの始まりの地とも言えます。

その後、アニメ172・173話の「よみがえる死の伝言」や「エピソード”ONE” 小さくなった名探偵」にもトロピカルランドは登場します。映画では第4作「瞳の中の暗殺者」で、メインの舞台として登場し、蘭と新一の思い出の地として重要な役割を果たしています。ちなみに、場所は東京都米花市、マスコットキャラクターはリスの「トロッピ―」です。瞳の中の暗殺者では、トロッピ―も重要な場面で登場します。

ここからは、瞳の中の暗殺者に登場する遊園地「トロピカルランド」を紹介していきます。ちなみに、瞳の中の暗殺者はとある視聴者投票で1位になったこともある、かなり人気の高い作品です。この映画の重要な鍵となっているトロピカルランドには、モデルとなった遊園地が存在します。

トロピカルランドのモデルは「志摩スペイン村」です。これは、瞳の中の暗殺者の制作に携わったスタッフが公言しています。志摩スペイン村は、日本にいながらスペインの雰囲気を味わうことが出来るテーマパークです。アトラクションやレストランの他、ホテルや温泉施設も完備された、複合型リゾート施設です。

第一話でも登場したトロピカルランドですが、今回の映画の後半の主舞台となるため、改めてロケハン（＝ロケーション・ハンティング：取材の事）を行ったそうです。その際、シナリオの段階では首都圏の様々な遊園地でロケハンを行い、美術設定などの細かい部分を志摩スペイン村で行ったそうです。そのため、モデルとなっただけでなく、一部のアトラクションや風景は、志摩スペイン村公認でそのまま使用しているそうです。

志摩スペイン村は、三重県志摩市にあります。志摩スペイン村へのアクセス方法は、主に電車（近鉄電車）と車がありますが、遠方の場合には、近くの鳥羽港までフェリーを利用する事も可能です。電車は最寄りが鵜方駅となっており、そこから直通バスで13分と言うアクセスの良さがポイントです。ちなみに、伊瀬神宮が志摩スペイン村から車で約40分の場所にあります。

映画「瞳の中の暗殺者」では、佳境を迎える後半にトロピカルランドが登場します。記憶喪失になった蘭が、テレビに映ったトロピカルランドに見覚えがあったため、記憶を取り戻すきっかけを作るために出かけます。様々なアトラクションを楽しみますが、そこで真犯人によって狙われ、コナンと共にトロピカルランド中を逃げ回る事になります。そのため、この映画では、様々な場所の風景やアトラクションが登場します。

ここからは、実際に瞳の中の暗殺者に登場するトロピカルランドのアトラクションや風景と、実際の志摩スペイン村とを代表的な5つの場面とマップを用いて、比較してみましょう。

瞳の中の暗殺者の冒頭、新一と蘭がデートをしている回想シーンで登場するジェットコースターです。トロピカルランドと志摩スペイン村のジェットコースター「ピレネー」は吊り下げ式コースターで、非常に類似したつくりとなっています。それもそのはずで、このジェットコースターに関しては、そのままの姿を借りて登場させていると映画製作スタッフが語っています。

このライオン像も、志摩スペイン村にある像がモデルとなっています。下の写真が実際の像です。見比べてみると、ほぼ同じ姿で映画に登場している事が分かります。映画では、冒頭の新一と蘭のデートの回想シーンで登場します。

ちなみに、この像の女性は「シベレス」と言うローマ神話などに出てくる農業の女神との事だと、志摩スペイン村の公式サイトでは紹介されています。スペインのマドリードに「シベレスの噴水」と言う美しい場所があるそうです。

瞳の中の暗殺者の中で、トロピカルランドに現れた犯人に追われ、蘭が一人で逃げる場面で登場する場所です。ここでコナンと合流するので、記憶がある人もいるでしょう。モデルの志摩スペイン村に存在する柱とかなりにた姿で登場しており、実際に映画で登場した場所の一つとして、公式に紹介されています。

瞳の中の暗殺者では、野外ステージの近くで容疑者の一人が蘭たちに近づき、確保されます。また、別の容疑者が野外ステージで演奏を行う場所となっています。モデルとなった野外ステージは志摩スペイン村にもあり、キャラクターショーが行われています。

瞳の中の暗殺者で、野生と太古の島にあるアトラクションです。コナンと蘭が犯人から逃げる最中に登場します。このアトラクションは、全く同じ名前のものが志摩スペイン村にあります。

写真を比較してみると、ロゴのデザインから壁の質感、窓の位置まで酷似しているように見えます。モデルというよりは、もはやそっくりそのまま登場させているという方が正しいかもしれません。

これが、トロピカルランドのマップです。トロピカルランドは海の上にあるのか、5つの島の間は水で隔てられています。そのため、それぞれを行き来するためには、橋や船を使う必要があります。下の志摩スペイン村の地図と比較してみても、似ているのは右上の水辺位と思われます。

マップに関しては、志摩スペイン村はモデルとはなっていないように考えられます。トロピカルランドの構造を見て、一部ネット上では、「トロピカルランドの全体図のモデルとなったのは、千葉県にある某遊園地では？」という憶測も飛んでいます。

瞳の中の暗殺者のエンディングのバック映像には、富士急ハイランドの実写映像が使用されています。撮影に携わったプロデューサーが語ったところによると、富士急ハイランドでの撮影は夜、人がいなくなった後に行われたそうです。その際、電気をすべて点灯し、メリーゴーランドなどのアトラクションも動かしてくれたとの事です。また、一部の来園者にも撮影の協力を仰ぎ、撮影を行ったそうです。

トロピカルランドと富士急ハイランドのマップの比較では、共通点や類似点はあまりないようです。製作スタッフの話では、「首都圏の遊園地を取材の上で、今回の映画のシナリオ展開に合うように、見取り図を作成するところから始めた」だそうです。そのため、志摩スペイン村とも富士急ハイランドとも、トロピカルランドのマップはあまり類似点がないと考えられます。

正面ゲートから入って、最初にある島です。中央には大きな西洋風の城がそびえていますが、この城は、瞳の中の暗殺者の冒頭の回想シーンで、蘭が双眼鏡を覗いていました場所です。ちなみに、映画の途中で新一と蘭のツーショット写真が度々登場します。この写真はこの城の前で撮ったものです。夜には電飾が華やかなパレードが行われています。

「ミステリーコースター」というジェットコースターがあり、ここで新一と蘭が乗っていた時に同乗中の男性客の首が吹き飛ぶという事件「ジェットコースター殺人事件」が発生しました。ちなみに、瞳の中の暗殺者では蘭と園子、小五郎、高木が乗りました。

また、映画では「氷と霧のラビリンス」という、氷のコースをボートで滑り降りるアトラクションも登場します。コナンはここの展望台から「夢とおとぎの島」にいる蘭を見つけ、スケボーで氷のコースを滑り、蘭の元へ駆けつけました。

トロピカルランドの5つの島の中では、一番新しい島です。それは、瞳の中の暗殺者の中で流れるテレビニュースで、明らかになっています。この島は大きな森の中に、川が流れている地形となっています。犯人から逃げている最中に、蘭とコナンはアトラクションのモーターボートに乗ります。その際、コナンはハワイで父から教わったという、巧みなモーターボートの操舵技術を見せています。

この島の特徴は、常に激しく噴火している火山がそびえたっている所です。野生と太古の島との間に、小島があります。コナンは、小島の岩山の上で犯人の正体を明らかにし、滑り台を滑って犯人から逃げました。本島とは海の中の通路でつながっており、コナンと蘭はその通路を使って追ってから逃げました。本島では「溶岩下り」（溶岩に見立てた川の上を浮き輪様のボートで下るアトラクション）が楽しめます。

「噴水広場」では、2時間に1回噴水が噴出します。「ジェットコースター殺人事件」の直前に、新一は蘭を連れていきました。そして、瞳の中の暗殺者ではここでの出来事が、蘭の記憶を思い出すきっかけを作りました。ちなみに、この噴水広場は志摩スペイン村には存在しません。

また、この島には「観覧車」があります。「エピソード”ONE” 小さくなった名探偵」では、新一と蘭が乗りました。お台場の観覧車がモデルになっているようで、夜になると七色に光ります。

「よみがえる死の伝言」に登場した、スケートリンクです。夜7時に上がる花火が中央の城と重なって見えるため、花火を見るのにとても人気な場所となっています。ちなみに、この話ではコナンが氷の上で華麗な滑りを見せています。なお、映画ではトロピカルランドの設定を改めて作成しているため、観覧車の位置やデザイン、お城が違っています。

瞳の中の暗殺者のモデルとなったのが志摩スペイン村と知り、実際に訪れたファンも少なくないようです。実際に「聖地巡礼」として、実際に行ってきたという投稿や、アニメと同じ場所や同じシチュエーションで写真を撮影した投稿など、たくさんTwitter上には挙がっています。

瞳の中の暗殺者の冒頭では、新一が蘭を噴水広場に連れていき、喜ばせるという場面があります。トロピカルランドの噴水広場は、今回の映画での特別重要な意味を持つ場所です。そんな噴水広場のワンシーンに対して、好意的な言葉も多く聞かれます。

志摩スペイン村の公式Twitterやブログなどでは、瞳の中の暗殺者のモデルとなった事を公に紹介しています。紹介されている写真や動画と映画のシーンと見比べてみると、志摩スペイン村がトロピカルランドの美術設定のモデルとなっていることが、改めてよく分かります。過去の投稿ではほかにもたくさん紹介されているので、一度公式サイトを覗いてみる事もおすすめです。

「瞳の中の暗殺者を見てから、志摩スペイン村に行くと楽しい、楽しかった」というつぶやきも多くみられます。ただし、映画が製作されたのは2000年4月公開だったため、2020年11月現在では、いくつかのアトラクションや風景が変わっている所もあるとの事なので、注意が必要です。

今回は名探偵コナンに登場する遊園地「トロピカルランド」に関して、モデルとなった志摩スペイン村の情報も交えて紹介しました。ちなみに、映画でトロピカルランドの設定が改めて作られたため、それ以前に作られたアニメ作品とは違うところもあります。改めて映画や過去のアニメ作品を見直してみるのも楽しいでしょう。また、今後の作品でトロピカルランドが新たな舞台となる事を期待しましょう。