2020年10月04日公開
2020年10月04日更新
はだしのゲンのトラウマシーン集!戦争や原爆投下の悲惨さを伝える残酷描写まとめ
はだしのゲンには、ギギギなどトラウマといわれるシーンが数多く登場していることでも有名です。今回はそんなはだしのゲンのトラウマシーンについてや、ギギギという擬音、さらに閉架措置になった理由や議論された内容などについても紹介しています。グロテスクな描写が多いはだしのゲンですが、漫画やアニメは一度は触れておくべき作品でもあります。実際に作品を目にした人の感想などもまとめています。
目次
はだしのゲンとは?
読んだ人にトラウマを与えることも多いというはだしのゲンですが、戦争の悲惨さを伝えるためにも欠かせない作品のひとつです。今回ははだしのゲンのマンガやアニメに登場するトラウマシーンについてを、まとめて紹介します。かなりグロテスクなシーンも登場するので、そういった描写がトラウマになりそうだという人は、閲覧にはくれぐれもご注意ください。
はだしのゲンの概要
はだしのゲンとは、中沢啓治先生が自身の被爆体験を基にして執筆した自伝的漫画作品です。はだしのゲンは1972年に「別冊少年ジャンプ」にて、漫画化の自伝企画の1つとして掲載されました。その後1973年からは、「週刊少年ジャンプ」にて連載がスタートします。
中沢啓治先生は連載当時、自身の思いを読者に伝えるためにアシスタントを使うことなく、奥さんの手以外を除いて自身の力だけではだしのゲンという漫画を描き上げています。アンケート至上主義であった週刊少年ジャンプでしたが、はだしのゲンに関してはトラウマシーンも多く子ども受けの良い作品ではなかったものの、当時の編集長の長野規さんの意向により、1年以上もの期間連載を続けることができていました。
トラウマシーンも多いはだしのゲンは、アニメ化もされている作品です。このアニメは映画作品として制作され、1983年7月に「はだしのゲン」が公開されました。その後1986年6月には「はだしのゲン2」も公開されています。さらにアニメ以外にも、実写映画化やテレビドラマ化もされています。
はだしのゲンのあらすじ
1945年の広島市に住む中岡元(なかおか げん)は、戦争によって貧しい生活をする中でも、家庭菜園をしたりたくましい暮らしを送っていました。下駄の絵付け職人をしている父の大吉は、反戦思想の持ち主でした。それを隠そうともしないことから、ゲンの家族は周囲から非国民扱いされていたのです。長男は海軍の予科練に志願し、次男は疎開をしています。実家に残っていたのは、両親と姉、弟、そしてゲンの5人でした。
昭和20年8月6日の早朝、ゲンはいつものように小学校にいました。しかし門の前で突然の爆風に襲われます。門の影でしゃがんでいたことで偶然にもゲンは無傷で済みましたが、気が付けば周囲は破壊された状態で、人々も皮膚が焼けて剥がれたような状態で呻いていたのです。何が起こったのかわからないまま自宅へ戻ったゲンは、押し潰された家に、家族が下敷きとなっている姿を見つけたのでした。
はだしのゲンのギギギとは?
はだしのゲンには、「ギギギ」という擬音が登場するシーンが多く見られます。文字だけを見るとギギギは普通の擬音のようにも思えますが、このギギギという擬音がトラウマになっている人も多いようです。ギギギとは、はだしのゲンの中で死亡したゲンの家族たちの、断末魔の声としても使用されていたのです。これは漫画版のみの描写で、ギギギと聞くとトラウマシーンを思い起こしてしまう人も少なくないのかもしれません。
はだしのゲンのグロいトラウマシーンや残酷描写集
ギギギというトラウマを呼び起こす擬音も登場するはだしのゲンですが、本作にはまだまだトラウマを植え付けられてしまうような、グロテスクな描写が多く登場しています。続いてはそんなはだしのゲンのトラウマシーンについても、順番に紹介します。グロテスクな描写が苦手だという人や、できればトラウマを増やしたくないという人はご注意ください。
トラウマシーン①ピカドン
はだしのゲンのトラウマシーンといえば、やはり原爆が投下されるシーンが挙げられる場合が多いようです。はだしのゲンではピカドンという言葉で表されており、これは原爆が投下された際に眩しい閃光が視界に入り、その後に大きな爆発が起こったことから、ピカ(光)ドン(爆発)という表現をされたようです。はだしのゲンではこのピカドンで死亡したり重傷を負った人の描写もグロテスクで、トラウマ化した人も多いのです。
トラウマシーン②拷問
はだしのゲンの作中にはさほど多く登場するシーンではありませんが、拷問シーンもまたトラウマとして、記憶に残っている人もいるようです。一般的な漫画やアニメにおいては、それほど鮮明な拷問シーンが登場することはありません。しかしはだしのゲンの場合には、鞭打ちにされるシーンや、通常であれば年齢制限を設けられてもおかしくないような拷問シーンが、トラウマとして刻まれる場面になっています。
トラウマシーン③ケロイド
はだしのゲンのトラウマシーンの中でも、多くの人のトラウマとなったのが、やはり被害者たちのケロイドではないでしょうか?漫画やアニメでは当然実際のケロイドよりもマイルドな表現ではあるはずですが、思わず非現実的なものだと感じてしまうほど、生々しい描写にトラウマとなった人も多かったようです。ギギギが音のトラウマであるとするならば、こちらは視覚的なトラウマシーンであるといえそうです。
トラウマシーン④爆風で人が木に突き刺さる
こちらもはだしのゲンのトラウマシーンの中でも、視覚的にかなりショックな一場面です。人間が木に突き刺さるというのは、とても考えられない状況です。しかしはだしのゲンでは、そんなあり得ないと思えてしまうような状況が起こるほど、悲惨な状況であったことがこのトラウマシーンだけでも理解できるのではないでしょうか?
トラウマシーン⑤死体
はだしのゲンのマンガやアニメを見慣れてしまうと、当たり前の光景のようにも思えてしまうシーンですが、決して当たり前ではないトラウマシーンがあちこちに転がる死体です。原爆が投下されたことによって、直前まで普通に生活をしていた人たちが、一瞬にして死体となってしまったのです。原爆の凄まじさや、まるでゴミ掃除をするかのように死体を片付けている人たちの姿が、トラウマとして焼き付くのです。
トラウマシーン⑥ウジ虫
はだしのゲンにはグロテスクな描写が多数登場しますが、皮膚に沸くウジ虫もまたトラウマの一種といえそうです。元々虫が苦手だという人はもちろんですが、ケロイドに加えて皮膚に沸いたウジ虫を一匹ずつ取り除いていく描写というのは、まさにはだしのゲンの中でも屈指のトラウマシーンといえるのではないでしょうか?
はだしのゲンのアニメ・漫画がトラウマになると話題に
ギギギといった擬音やグロテスクな描写がトラウマとなるはだしのゲンですが、普通であれば娯楽として楽しむことのできる、漫画やアニメもトラウマになると話題になっています。続いてははだしのゲンのマンガやアニメについて、本当にトラウマレベルと呼べるものなのかについてを、順番に紹介します。
はだしのゲンのアニメはトラウマレベル?
はだしのゲンといえば、アニメ版が記憶に残っているという人も多いのではないでしょうか?主に小学校では、学習の一環としてはだしのゲンのアニメを上映することが多いのです。しかしまだ幼い小学生にとって、はだしのゲンのアニメを目にするというのは、かなりショッキングな体験になることは間違いありません。大人であればともかく、グロテスクな描写に耐性の無い子どもたちがほとんどであるはずです。
現在の教育現場でははだしのゲンのアニメを上映しているかは不明ですが、アニメを上映されてトラウマを植え付けられた、という世代もかなり多いのではないでしょうか?普通のアニメや映画であれば年齢制限や規制がかかる内容であるにも関わらず、それがモザイクすらも無い状態で目にすることとなるので、アニメを観てはだしのゲンがトラウマになるのは必然といえるのかもしれません。
はだしのゲンの漫画もトラウマレベル?
アニメの印象が強い人も多いはだしのゲンですが、漫画自体もトラウマレベルだといわれています。学校の図書館にははだしのゲンが置かれていることが多く、何気なく手に取ったことのある人もいるはずです。はだしのゲンの原作となっているのはこの漫画なので、当然アニメと同じく漫画にもグロテスクな描写があり、場合によってはアニメで省かれたような細かい描写が含まれているシーンも登場しています。
特に小学生が目にするのには、かなり残酷で過激な作品であることは間違いありません。しかしこの残酷さは創作ではなく、現実に起こった出来事を基として描かれているものです。世の中には目を背けても良いことも多いですが、はだしのゲンに関してはきっちりと向き合って、戦争の悲惨さについて考える機会を設けるべきなのかもしれません。
はだしのゲンは閉架措置になった?
グロテスクな描写も多く、漫画もアニメもトラウマとなってしまうはだしのゲンですが、実は原作のマンガが閉架措置になったことでも話題となりました。続いてははだしのゲンの閉架問題についても、順番に紹介します。
はだしのゲンの閉架図書問題
2013年12月より、島根県松江市にある小学校の図書館では、はだしのゲンが閉架措置を受けてしまったというのです。閉架措置とは、図書館に置いてあるにも関わらず誰もが自由に手に取ることができるわけではなく、許可を得なければ置かれている場所に立ち入ることができないばかりか、基本的には貸し出しすらもされないという状況のことです。
学校の図書館の場合には閉架図書専用のスペースは設けられていないことがほとんどなので、閉架図書となってしまえば見えない場所にしまわれてしまう形になります。希望があれば閲覧することはできるものの、図書館で借りて自宅に持ち帰って読むようなことはできなくなってしまいます。申し出をして貸し出しを行うような生徒は多くないので、実質はだしのゲンという作品を読む機会が失われてしまったのです。
はだしのゲンの閉架に対して巻き起こった議論
実ははだしのゲンが閉架図書となった背景には様々な事情があり、とある男性から「はだしのゲンを学校図書館から撤去しろ」という陳情が、繰り返し行われていたのです。動画投稿サイトやブログなど、様々な方法で主張を繰り返してきた男性によれば、作中に中国人の虐殺シーンなどが含まれていることから、反日的問題があるとのことでした。陳情は却下されたものの、過激な描写が問題視されることとなり、今回の措置に至りました。
しかしこれが報じられたことによって、戦争の悲惨さや平和の重要性についてを描いた漫画を閉架扱いするというのは、問題であるとの批判も生じていったのです。最終的に松江市教育委員会は臨時会議により、閉架措置を撤回する決定を下しました。
はだしのゲンに関する感想や評価
トラウマシーンの多いはだしのゲンという作品ですが、実際に作品を目にした人はどのような感想を抱いたのか気になるのではないでしょうか?続いてははだしのゲンという作品に対する、Twitter上での感想や評価についても少しだけ紹介します。
私も広島出身で「はだしのゲン」を読んで育ってきた。強い精神力の大切さを最期まで示してくださった。広島時代からずっと応援してくださった恩人。
— タヌキ (@sasayo006) October 1, 2020
こちらは実際に広島県の出身で、はだしのゲンを読んでいたという人の感想です。まったく違う土地で生まれ育った人にとっては、どこか遠い地の出来事のように感じることもあるかもしれません。しかし出身地で起こった出来事を描いた作品だからこそ、思い入れが強くなったという人もいるはずです。
アニメのはだしのゲンで被爆したおっさんが糞尿垂れ流してるのを気づかないシーンとてつもなく覚えてるな
— ナカ (@naka_aosaba) October 2, 2020
特に注目して視聴していたわけではないものの、一部のシーンがやたらと記憶に焼き付いているという人の感想もありました。現実では考えられないような、日常とはかけ離れたシーンだからこそ、無意識のうちにも記憶に強く刻み込まれているのかもしれません。
偏見食らったらあれやから一応言うけど
— こーた(22) (@180sx_kota) October 2, 2020
一升瓶は小学校の時読んだはだしのゲンで米軍が一升瓶ぶっ刺してたのが衝撃的過ぎて頭の片隅に残ってただけです()
こちらもまた衝撃のシーンが記憶に残っているという感想ですが、小学生が目にするには、あまりにも過激な描写であることがわかります。しかし実際にそういったことが行われていたと考えると、やはり戦争は起こすべきではないと実感できる出来事なのではないでしょうか?
はだしのゲンのトラウマシーンまとめ
グロテスクな描写やギギギという擬音がトラウマとなるはだしのゲンについてを、まとめて紹介しました。これまで作品について触れたことがなかったという人も、作品の名前くらいは耳にしたことがあったのではないでしょうか?
トラウマになるような描写があると聞くと、読みたくない、観たくないと感じる人も多いはずです。しかしはだしのゲンはただの娯楽作品とは異なり、実際に起こった戦争の悲惨さを伝える作品です。平和な時代に生きている今だからこそ、改めてこうした作品に触れてみて、平和の重要性について考えてみる機会を作ることも大切なのかもしれません。