【はだしのゲン】 ムスビの最期をアニメと漫画で比較!有名なセリフ・シーンも紹介

「はだしのゲン」に登場するムスビは、広島原爆により家族を失った戦災孤児で、近藤隆太軍団の1人です。劇中では、ゲンの名コンビとして人気を集めるも、後に覚せい剤に手を染め、壮絶な最期を迎えました。本文では、「はだしのゲン」のムスビの人物像をはじめ、漫画・アニメでは異なる展開となったムスビの最期、薬物依存の恐ろしさを訴える、ムスビの名セリフ・シーン等を紹介します。

【はだしのゲン】 ムスビの最期をアニメと漫画で比較!有名なセリフ・シーンも紹介のイメージ

目次

  1. ムスビとは?
  2. ムスビの最期をアニメと漫画で比較
  3. ムスビの有名なセリフ・シーンを紹介
  4. ムスビから学ぶこととは?
  5. ムスビに関する感想や評価
  6. ムスビの最期をアニメと漫画で比較まとめ

ムスビとは?

漫画家・中沢啓治先生の代表作「はだしのゲン」に登場するムスビとは、広島原爆により、家族を失った戦災孤児で、物語中盤から近藤隆太たちと、主人公・中岡元と行動を共にするメインキャラクターです。以下では、「はだしのゲン」のムスビの人物像をはじめ、漫画版・アニメ映画版で異なる展開となったムスビの最期、ムスビの有名なセリフ、物語の終盤にて重度の薬物中毒に陥った、ムスビの教訓などを紹介します。

はだしのゲンの作品情報

原作者・中沢啓治先生の実体験を基に描かれた漫画「はだしのゲン」は、戦時中~戦後の広島市を舞台に、原爆投下により、父・姉・弟を失った主人公・中岡元(通称:ゲン)が、残された家族・仲間と共に激動の時代を生き抜く姿を描いた作品です。漫画「はだしのゲン」は、1973年に「週刊少年ジャンプ」にて連載を開始し、「市民」「文化評論」「教育評論」での連載を経て、1985年に連載が終了しました。

広島原爆の惨劇をありのままに描いた「はだしのゲン」は、後にアニメ映画やテレビドラマ、舞台化され、小中学校の平和学習の教育教材として、戦争や原爆の恐怖、戦争のない平和な世界を訴え続けています。また、漫画「はだしのゲン」は、国内だけでなく、国外からも高い評価を得ており、2005年時点で12ヵ国語に翻訳・刊行されています。

はだしのゲンの概要

漫画「はだしのゲン」では、中沢先生の実体験を基に描かれたエピソードが多く登場し、原爆投下時に、ゲンが女性に呼び止められて一命を取り留めたシーンや、ゲンの母親の火葬後、放射能の影響で遺骨が残らなかった展開は、中沢先生が実際に経験したエピソードを基に執筆されました。しかし、原爆投下直後の父・姉弟の死をはじめ、「はだしのゲン」の一部のエピソードは、中沢先生が聞いた話が基となっています。

広島の変わり果てた姿を間近で目撃した、中沢先生が執筆した漫画「はだしのゲン」は、あまりにも過激すぎる表現方法でも知られ、アニメ映画版「はだしのゲン」で映し出された市民の惨酷な姿は、多くの子供たちにトラウマを植え付けました。そして、近年では、児童にとって惨酷過ぎる描写や内容から、平和学習の教育時間にて、「はだしのゲン」を教材として使用することに懸念の声が挙げられています。

閉架措置後の本棚・イメージ画像

そして、2012年には、松江市をはじめとする一部自治体では、漫画「はだしのゲン」が、小中学校や市立図書館から撤去される閉架措置が行なわれ、物議を巻き起こしました。漫画「はだしのゲン」の閲覧制限は、現在も一部の各自治体にて、閉架措置及び閲覧制限が設けられている一方で、戦争を知る機会が奪われたとの理由から、「はだしのゲン」を支持する一部の読者からは、批判的な意見が挙げられています。

はだしのゲンのあらすじ

1945年8月6日、広島市に住む主人公・中岡元は、登校途中、アメリカ軍が投下した原爆に巻き込まれます。偶然、小学校の塀が陰になり、一命を取り留めたゲンでしたが、周囲の変わり果てた姿に驚愕します。そして、現状を理解できないまま自宅へ帰ると、奇跡的に助かった身重の母親が、建物の下敷きになった、父・姉・弟を必死に救出していました。

しかし、ゲンと母親では建物を持ち上げることもできず、ゲンは、母親を連れて、父と姉弟を見捨てる形でその場を後にします。家族の壮絶な死は、ゲンに大きな衝撃を与えると同時に、原爆投下の翌日に生まれた末妹の誕生は、ゲンに生きる希望を与えました。そして、新しい家族を迎え入れたゲンは、近藤隆太ら生存者たちと共に、荒廃した広島の地でたくましく生きていきます。

アニメ版はだしのゲンとは?

「平和学習」の教材として多く使用されるアニメ版「はだしのゲン」は、1983年と1986年に公開されたアニメ映画版です。漫画版・ドラマ版「はだしのゲン」にて、描き切れなかった原爆の表現を描きたいという、中沢先生の意図が盛り込まれており、原爆投下直後の様子が緻密に描かれた作品となっています。

ムスビの人物像

「はだしのゲン」のムスビこと、本名・勝二は、近藤隆太と行動を共にしていた戦災孤児の1人です。隆太が不在となった「はだしのゲン」中盤からは、メインキャラクターとして活躍の場を広げました。年齢は、隆太と同年齢であり、原爆投下により両親と弟を失ったことが明かされています。はだしのゲン・登場初期は、同じ境遇にあった隆太・ドングリ達と共に、盗みを働いていた孤児窃盗グループの1人でした。

農家で盗みを働いていたところを警察に通報され、追っ手から逃れる途中で隆太と離れ離れとなり、物語から一時退場します。「はだしのゲン」再登場時には、合流した隆太とドングリと共に裏社会で暗躍していたことが明かされ、ドングリの死をきっかけに、裏社会から足を洗い、隆太と勝子、養父役の平山松吉の4人で共同生活をはじめます。劇中では、隆太不在時のゲンの名コンビとして、存在感を増していきました。

「はだしのゲン」のムスビの性格は、どこか憎めないお調子者かつ愉快であり、グループのムードメーカー的存在でした。そして、「はだしのゲン」の後半からは、ハート柄のシャツを愛用したり、広島カープファンの隆太に対して、巨人軍の方が優れていると反論するなど、現実主義的な一面も見られます。また、洋裁店を開くことを目指す勝子・夏江のために、隆太と共に路上商売を始めるなど、仲間想いのキャラクターでもあります。

ムスビの最期をアニメと漫画で比較

漫画「はだしのゲン」では、重度の薬物依存症の末、壮絶な最期を迎えたムスビでしたが、アニメ版「はだしのゲン」では、ムスビのキャラ設定に変更が施され、原作とは異なる結末が描かれました。以下では、「はだしのゲン」のムスビの最期を、アニメと漫画で比較しました。

ムスビの壮絶な最期とは?

原作である漫画版「はだしのゲン」で描かれたムスビの最期は、壮絶なものであり、多くの読者にトラウマを与えました。漫画「はだしのゲン」終盤にて、夜遊びに出かけたムスビは、女給に釣られてバー「マドンナ」に入店し、総合ビタミン剤と呼ばれる注射を打たれます。その総合ビタミン剤の正体は、覚せい剤の1つであるヒロポンであり、体内に注入されたムスビは、たちまち薬物依存に陥ってしまいます。

その後、薬物依存症に陥ったムスビは、ゲンたちに見つからないようにヒロポンを使用していたが、ふとしたきっかけで、ムスビのヒロポン使用が仲間たちにばれてしまいます。ムスビも、ゲンたちの叱責を受けて薬物から離れようと決意するも、ムスビの体は重度の薬物依存症に冒されていました。そして、ムスビは、薬物の購入資金として、仲間たちが必死に貯めてきた洋裁店の開店費用・60万円に手を出します。

後に、盗み出したお金も底を尽き、我慢の限界に達したムスビは、薬物の売買を担うバーのマスターの自宅へ盗みに入ります。しかし、犯行現場を目撃されたムスビは、マスターやその仲間たちからの壮絶な暴行の末、川辺に投げ捨てられる仕打ちを受けます。その後、自力で隆太たちの元へ戻ってきたムスビは、虫の音となりながら、貯金のことをはじめ一連の悪事を打ち明け、謝罪します。

ムスビの告白と謝罪を聞いた隆太たちは、「金はまた貯めればいい」と前向きな言葉を投げかけてムスビを許します。そして、自分を許してくれた仲間たちに感謝の言葉を述べたムスビは、そのまま最期を迎え、火葬後は、中岡家の墓に入りました。

原作では死なないムスビ

漫画「はだしのゲン」では、薬物依存の末に、壮絶な最期を迎えたムスビでしたが、アニメ版「はだしのゲン」では、薬物を使用する設定がカットされ、ムスビも他の仲間と同様に、終盤まで生存しています。アニメ映画版「はだしのゲン」では、限られた時間内に収めるために、大幅なストーリーの改変やキャラクター設定の変更がなされています。

ムスビの有名なセリフ・シーンを紹介

重度のヒロポン中毒が描かれたシーン

広島原爆を軸に、戦争の恐ろしさを描いた「はだしのゲン」では、戦争によって人生を狂わされた人々の悲しい末路も、キャラクター達を通じて表現されました。以下では、覚せい剤に手を出したことで、悲劇的な最期を迎えた「はだしのゲン」のムスビの有名なセリフ・シーンを紹介します。

漫画「はだしのゲン」では、広島原爆の悲惨な姿だけでなく、メインキャラクター・ムスビの、重度のヒロポン中毒や、壮絶な最期を迎えたシーンを通じて、薬物依存の恐ろしさが表現されました。漫画「はだしのゲン」に登場したヒロポンとは、覚せい剤の一種であり、戦時中~戦後の日本で広まった薬物です。

ヒロポンは覚せい剤の一種

注射剤ヒロポンの乱用・イメージ画像

漫画「はだしのゲン」にて、ムスビが使用した覚せい剤・ヒロポン(正式名称:メタンフェタミン)は、1951年に制定された覚せい剤取締法にて、非合法薬物に指定された有機化合物です。海外では、士気向上や疲労回復の目的で使用された歴史があり、日本でも、第二次世界大戦中に、勤労状態や工場の能率向上のために、旧日本軍によって用いられてきました。

終戦後は、軍が所有していた注射剤のヒロポンが市場に放出されたことで、非行少年や売春婦を中心に乱用が広まり、薬物依存症が社会問題となりました。現在は、「限定的な医療・研究用途での使用」のみ認められているものの、使用には厳しい制限があります。また、終戦後の日本でのヒロポン使用による薬物依存者は、数十万人単位に上ると言われ、日本の薬物汚染を招いたと言われています。

ムスビの有名なセリフとは?

数多くの名セリフ・名シーンを生み出してきた「はだしのゲン」にて、以下に紹介するムスビの名セリフは外せません。うっかりヒロポンを使用しかけたところをゲンに目撃され、薬物をビタミン剤を偽るムスビのシーンは、ゲンとムスビの緊迫した様子だけでなく、薬物依存の恐ろしさを「はだしのゲン」の読者に焼き付けたことでしょう。

「はだしのゲン」では、緊張感漂うムスビの名セリフですが、SNS上では、ムスビが白を切ろうとする場面にちなんで、「ち、ちがう これはただのOOじゃ」と書き換えた投稿が見られます。

「ち ちがう これはただのビタミン剤じゃ…」

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ムスビから学ぶこととは?

「はだしのゲン」の教訓・イメージ画像

壮絶な戦争体験を持つ原作者・中沢先生が描いた「はだしのゲン」では、戦争や核兵器の恐ろしさだけでなく、数多くの教訓も、主人公・ゲンを始めとする主要キャラクターを通じて、伝えられています。以下では、多くの教訓が描かれた「はだしのゲン」にて、覚せい剤の恐ろしさを読者に訴えたムスビの教訓を紹介します。

多くの教訓が描かれたはだしのゲン

原作者・中沢啓治先生の実体験を基に描いた漫画「はだしのゲン」は、過激すぎる描写や内容から、一部の自治体では閲覧制限が設けられ、現在も賛否両論が飛び交っています。しかし、漫画「はだしのゲン」は、戦争だけでなく、広島・長崎の悲劇をはじめ、数多くの教訓が劇中に描かれ、老若とわず幅広い世代に支持されています。

ムスビが教えてくれる覚せい剤の怖さ

多くの教訓が描かれた漫画「はだしのゲン」にて、壮絶な最期を迎えたムスビは、覚せい剤の恐ろしさを教えました。劇中では、賑やかなムードメーカーとして、ゲンたち仲間をはじめ、「はだしのゲン」の読者からも愛される人気キャラクターでした。そして、たった一度の過ちは、自分の人生だけでなく、仲間たちの人生も台無しにてしまうことを、「はだしのゲン」を通じて訴え続けています。

「はだしのゲン」のムスビのように、薬物に手を染めるきっかけは、身近な場所に潜んでいます。同時に、名セリフと共に、覚せい剤をビタミン剤と偽って使用をやめられないムスビの姿からは、薬物依存の恐ろしさを読者に植え付けたでしょう。

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ムスビに関する感想や評価

感想1:強烈だったムスビの名セリフ・シーン

お調子者でどこか憎めない性格から、多くの人びとに愛されたムスビは、「はだしのゲン」の人気キャラクターの1人であり、同時に薬物がもたらす恐怖やムスビの壮絶な最期は、多くの読者に衝撃を与えました。以下では、「はだしのゲン」のムスビに関する感想や評価を紹介します。

漫画「はだしのゲン」は、過激すぎる原爆投下後の広島の街の描写から、大人が読んでもグロテスク過ぎる戦争漫画とも言われています。一方で、漫画「はだしのゲン」の過激な描写は、広島の街や市民だけでなく、重度の薬物依存症に陥ったムスビの姿も挙げられます。多くの読者に強烈なインパクトを与えると同時に、覚せい剤の本当の恐ろしさを、ムスビを通じて訴えています。

感想2:悲劇を繰り返してはいけない

2020年現在も、一部の自治体にて閲覧制限が設けられている漫画「はだしのゲン」ですが、不遇な境遇にもめげず、たくましく生き抜くゲンの姿は、多くの読者に支持されています。同時に、「はだしのゲン」では、主人公・ゲンと家族・仲間との別れも多く描かれ、戦争によって失われた命の尊さや、過去の悲劇を二度と繰り返してはいけないという教訓も、散りばめらています。

感想3:戦争を身近に知ることができる漫画

2020年に終戦75年を迎える日本では、戦争経験者の高齢化により、証言者の減少や戦争を知らない世代が増え続けています。そんな中、中沢先生の自伝的作品「はだしのゲン」は、戦後生まれの世代が、戦争を身近に知ることが出来る手段の1つです。そして、一部の自治体で実施されている「はだしのゲン」の閲覧制限について、戦争を知る機会を奪ってしまう行為ではないかと、一部の読者からは批判的な意見が挙げられています。

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ムスビの最期をアニメと漫画で比較まとめ

「はだしのゲン」のメインキャラクター・ムスビの人物像をはじめ、アニメと漫画で異なる展開が描かれたムスビの最期、ムスビの名セリフ・シーンなどを紹介しました。「はだしのゲン」と聞いて、多くの方が広島原爆の悲劇を思い浮かべるでしょうが、漫画「はだしのゲン」では、戦争だけでなく、薬物に手を染めたことで人生を狂わされた人々の末路や、薬物依存の恐ろしさを、ムスビを通じて訴えています。

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