【はだしのゲン】近藤隆太の性格や名言を紹介！勝子との関係とその後は？

中沢啓治による漫画作品『はだしのゲン』に登場する、ゲンの弟・進次にそっくりな少年・近藤隆太。今回は『はだしのゲン』の主要キャラクターである隆太のその後や名言、勝子との関係について紹介していきます。戦後の混乱の中を生き抜く少年少女たちを描いた『はだしのゲン』で、隆太と勝子たちのその後はどうなったのでしょうか？それではまずはじめに『はだしのゲン』の作品情報と、近藤隆太について紹介していきます。

作者・中沢啓治自身の原爆の被爆体験を描いているという『はだしのゲン』は、1973年～1987年まで『週刊少年ジャンプ』で連載が開始されていた漫画作品です。タイトルにもなっている主人公の中岡ゲンを中心に、激動の時代を生きる人々の姿をリアルに描いた作品となっています。漫画家・中沢啓治は自身の思いや考えを完全に伝えるためにも、アシスタントを使わず『はだしのゲン』を描きあげたといいます。

中沢啓治自身が実際に体験したエピソードも多く盛り込まれているという、自伝的な漫画作品の『はだしのゲン』。中でも“母親を火葬した際に骨が残らなかった”という実際のエピソードがあったため、「広島原爆の被爆」をテーマとした作品を描く事にしたといいます。原爆の傷痕が根強く描かれているそのリアルな内容が、幅広い世代の多くの読者の心に印象深く残っているといいます。

『はだしのゲン』がを連載していた『週刊少年ジャンプ』は当時アンケートによる人気番付を重視しており、当時子ども受けがあまり良いとは言えなかったながらも編集長などのバックアップから1年以上の連載が続いたといいます。その後オイルショックの影響でページ数減少を余儀なくされ、描きたい内容が描けなくなったという理由から1974年で連載終了。巻頭カラーは第1話のみで、1974年愛読者賞では20人中13位だったそうです。

連載当時は単行本化を見送られていた『はだしのゲン』ですが、原爆について興味を示した朝日新聞記者との出会いがきっかけとなり汐文社で単行本の刊行が決まったといいます。その後朝日新聞の記事と、単行本となった『はだしのゲン』が幅広い世代から注目を集めベストセラー作品に。現在では外務省が英語版の『はだしのゲン』で“漫画外交”を展開させるなど、世界的にも広く知られる作品となっているようです。

国民学校2年生の主人公・中岡元（ゲン）は、広島県広島市舟入本町に家族と共に暮らしていました。長兄の浩二は海軍の予科練に志願し、次兄の昭は広島市郊外へ疎開に行っていました。そして昭和20年8月6日の朝、アメリカ軍により広島に原爆が投下されたのでした。突然の閃光と爆風で気を失ったゲンは小学校の門の影にいたことで無事でしたが、あたりを見渡すと全身の皮が焼け剥がれた人々で溢れていたのでした。

これまで日常生活を送っていた街も跡形がなくなり、状況が飲み込めないゲンは自宅へ戻ったのでした。偶然にも無傷だった母・君江と再会したものの、父の大吉・姉の英子・弟の進次が木材の下敷きに。火災に巻き込まれ焼け死んでいく家族を目の前にして、君江は半狂乱となりショック状態になったのでした。家族3人を失ったゲンを中心に、混乱した社会でたくましく生きる人々の姿をリアルに描いた作品となっています。

『はだしのゲン』に登場する少年・近藤隆太は、初登場時国民学校1年生でした。ゲンの弟・中岡進次と容姿がそっくりな戦争孤児で、一時期は中岡家で実子同然のように暮らすシーンもあります。広島市水主町で両親と3人暮らしだった隆太ですが原爆投下によって父は爆風により木の枝に体を貫かれ、母は家の倒壊によって亡くなってしまったのでした。隆太自身はその際木の陰にいた為、無事だったものの天涯孤独になったのです。

『はだしのゲン』でゲンと隆太が出会ったきっかけは、隆太がゲンの米を盗もうとした事がはじまりでした。ゲンと母・君江の前に現れた隆太ですが、弟である進次にそっくりだったためゲンは「進次が生きている」という錯覚に陥ったのでした。生涯孤独となった隆太はドングリやムスビ達と出会い、窃盗グループの“食糧隊長”をしていたのです。しかしゲンが隆太を救ったことにより、運命が少しずつ変わっていったんでした。

『はだしのゲン』で真面目なキャラクターとして描かれているゲンに対して隆太は自己中心的な性格で、ヤクザの世界に入るなど裏社会や警察の腐敗などゲンの知らない事も色々知っているキャラクターです。「広島カープ」の熱狂的なファンという人間らしい一面もあり、中沢啓治自身もゲンを絵が描くときよりも隆太の方が生き生きとして楽しいという事や、「隆太は自分の性格じゃないかと思う」とも語った事があるようです。

ここまで中沢啓治のベストセラー作品『はだしのゲン』の概要と、近藤隆太について紹介していきました！隆太はゲンの弟にそっくりな容姿をしていて、孤児窃盗グループのリーダー格をしていた人物として登場します。それではここから『はだしのゲン』のキャラクター、近藤隆太の名言集を紹介していきます。数々の名言が登場する『はだしのゲン』ですが、近藤隆太はどのような名言を残しているのでしょうか？

『はだしのゲン』に登場する隆太の名言の1つ目は、ヤクザ相手に偽物のダイナマイトを持って脅すという手に汗握るシーンで言った名言です。その名言こそが「一歩でも動いてみろ、このダイナマイトで皆あの世行きじゃ」という名言で、緊迫感溢れるシーンをさらに盛り上げる名言となっているようです。また思い切りが良く頼もしい隆太だからこそ、言えた名言なのかもしれないと言われているようです。

『はだしのゲン』に登場する進次に瓜二つなキャラクター、隆太が言った名言の二つ目は「人のものはワシのもの、ワシのものはワシのもの」という名言です。窃盗グループのリーダー格である隆太は、生きていくためにスリを繰り返していました。その際によく発していた名言であり、隆太の自己中心的なキャラクターを確立している名言でもあるようです。

ここまで『はだしのゲン』に登場する、近藤隆太の名言について紹介していきました！スリを繰り返していた窃盗団メンバーだった隆太は、その後ヤクザの世界に入るなど壮絶な人生を歩み数々の名言を作中に残しているようです。それではここから『はだしのゲン』の隆太と勝子の関係と、2人のその後について迫っていきます。『はだしのゲン』で壮絶な社会を生き抜く隆太と勝子はその後、どのような結末を迎えたのでしょうか？

原爆で両親を亡くして生涯孤独になった隆太はその後、戦争孤児たちと仲間になりリーダーのような存在となります。登場時は10歳でゲンと同じ小学校4年生だった勝子は、隆太と同じ原爆孤児の少女です。勝子は両手と顔の左半分が火傷によって「オバケ」扱いされ、その火傷を隠すため常にミトンの手袋とほっかむりを身に着けています。そんな勝子と隆太は戦争孤児同士仲間になり、苦悩を乗り越えながら恋仲へと発展していきます。

過酷な描写の多い『はだしのゲン』ですが恋愛要素もあり、ヒロイン的キャラクターでもある勝子は隆太と両想いで告白されたシーンなども登場します。逆に勝子から隆太に「愛している」と伝える場面もあり、その言葉がきっかけとなりその後の展開が大きく変化していったようです。殺しや罪を重ねながらも必死に生き抜き、そんな辛さを共有することで二人の関係はより一層深まっていったと考えられているようです。

戦争孤児たちの仲間たちと共にスリなどを繰り返して生き抜いた隆太と勝子ですが、最終的に2人を残して他の皆は死んでしまうという悲しい展開が待ち受けています。惨い殺され方をしたムスビの仇討ちのため、隆太はヤクザを3人殺して自首する決意を固めます。しかしそこで勝子からの愛の言葉がありゲンからも止められて、隆太はその後運送トラックの荷台に乗って勝子と共に東京へ逃げたのでした。

幻の『はだしのゲン』と言われる第二部では、作者曰く「東京に行った隆太はヤクザの抗争で殺される」結末を迎えると語っていたといいます。一方の勝子は隆太との子供がお腹にいて、裁縫技術やデザインセンスに長けている事からデザイナーとして活躍するという構想を練っていたようです。

ここまで『はだしのゲン』に登場する近藤隆太と、勝子の関係について紹介していきました！同じ戦争孤児の隆太と勝子は両想いで、罪を犯しながらも生き抜いて一緒に東京へ逃げたという結末を迎えているようです。それではここから、『はだしのゲン』に登場する近藤隆太の魅力について紹介していきます。ゲンについで登場回数の多い隆太は、『はだしのゲン』作中でどのような所が魅力だと言われているのでしょうか？

『はだしのゲン』作中でゲンも驚いていたように、ゲンの弟・進次と隆太は容姿がそっくりなキャラクターとして登場します。進次を失ったゲンの母親・君江にとっても、隆太は本当の息子のような存在へと変貌していきます。また隆太自身も本当の母のように君江を慕い、血の繋がりを越えた関係に発展していきます。進次と見た目がそっくりということで、隆太は物語で重要なキャラクターとして活躍しているようです。

原爆投下により家族を失い子供ながらに生涯孤独となった隆太は、同じ境遇の仲間たちと出会い孤児仲間のリーダーとなります。生き抜くためにスリなどに手を染める隆太ですが、仲間を生かすリーダーとしての頼もしさを見せます。悪事を働く隆太ですが仲間に対しては優しいキャラクターで、とても情に厚い人物でもあります。仲間や親しい人を助けるためなら、手段を選ばないという考えを持っている人物のようです。

ゲンの実の弟である進次とそっくりな隆太は、ゲンの米を盗もうとした際に出会います。その後警察に捕まりそうになった隆太をゲンが救ったことにより、ゲンを「あんちゃん」と呼び慕うようになるのでした。ゲンを慕う隆太の姿は進次と重なるものがあり、二人の絆は物語中盤から後半にかけて一気に深まっていきます。本当の家族のように変化していくゲンと隆太の関係も、『はだしのゲン』の見所となっているようです。

ヤクザの世界に入るなど、嵐のように過激なキャラクター性が多々描かれている隆太。君江の治療費を集めるために賭博場を襲撃したり、ゲンたちがヤクザに襲撃された際にも人を殺すことに躊躇いを感じない過激な姿が描かれています。初めは拳銃にも驚きを感じていた隆太ですが、大切な仲間を奪われたとなると抑えきれない感情を爆発させて過激なキャラクターとして描かれているようです。

はだしのゲン終盤になると薬漬けにされた仲間・ムスビの敵を討つため、ヤクザを殺害するなど強烈なキャラクターとして描かれている隆太。読者からも深く印象に残ったという声があり、一見残酷に見える隆太の行動も「戦争がもたらした悲劇」だと考察している声もあるようです。

隆太の恋中であり仲間でもある勝子は、両手と顔にひどい火傷を負いケロイドで苦しんでいます。そんな勝子に対して、一切偏見の目を持たない隆太とゲン。読者からは「隆太やゲンが差別のない生き方をしていて素晴らしい」「隆太やゲンは姿形じゃなく、その人の本質を見ている所が好感持てる」という感想が寄せられていました。

孤児集団のリーダー格となり、仲間たちを守るために手段を選ばない隆太。仲間が殺された際には、自分を犠牲にする覚悟で仇を取りに行く根性を持っているキャラクターです。そんな隆太に対して「仇をうちにいく時の隆太がカッコよすぎた」「いつでも仲間思いな隆太かっこいいと思う」という感想が寄せられていました。

今回は原爆による被爆を題材とした漫画作品、『はだしのゲン』に登場する近藤隆太について紹介していきました！ゲンの弟・進次にそっくりなキャラとして登場する隆太ですがゲンや君江、そして勝子たちとの絆が色濃く描かれているようです。仲間の為なら手段を選ばない、そんな頼りがいのあるリーダー・近藤隆太が気になったという方は、漫画やアニメなど様々な『はだしのゲン』を見比べてみてはいかがでしょうか？