2020年09月15日公開
2020年09月15日更新
【サイコパス】アニメ3期の評価は?全話あらすじ・登場キャラや賛否両論の理由を考察
『サイコパス』のアニメ3期では1期・2期とは違う男性キャラクターが主人公として登場します。主人公は違いますが、『サイコパス』のアニメ3期は基本的にはこれまでと同じように公安局刑事課を中心としたストーリーです。ただ全話を通して移民や宗教、差別などの社会問題を取り上げており、前作までとは違う部分もあります。この記事では『サイコパス』のアニメ3期の全話のあらすじや評価、考察などを紹介します。
目次
サイコパスとは?
PSYCO-PASS(サイコパス)の概要
『PSYCO-PASS(サイコパス)』とは2012年に放送されたオリジナルテレビアニメです。2014年には2期、2019年には3期が放送されました。アニメの総監督は『踊る大捜査線』などを手掛ける本広克行が担当しています。また、キャラクターデザインの原案を務めたのは『家庭教師ヒットマンREBORN!!』や『エルドライブ【ēlDLIVE】】』など多くのヒット作を生み出した漫画家の天野明です。
PSYCO-PASS(サイコパス)のあらすじ
『サイコパス』は2112年から2120年の日本を描いた作品です。日本では人間の心理状態を計測する「シビュラシステム」を導入しました。「シビュラシステム」で犯罪係数が高い者を計測することで、犯罪を犯す可能性があるの潜在犯を見つけ出すこともできます。そんな潜在犯や犯罪者を対処するのが公安局です。『サイコパス』ではそんな公安局刑事課一係のストーリーが描かれています。
サイコパスのアニメ3期全話あらすじネタバレ
1話あらすじネタバレ
『サイコパス』の1話は世界最大級の輸送ドローンから男性が落ちるところから始まります。そのドローンは海へと墜落してしまいます。ただの事故だと思われましたが、公安が捜査にあたることになりました。慎導と炯はその日初めて監視官として公安局刑事課一係に赴任しました。
慎導と炯は執行官を連れて二手に分かれて捜査することになります。慎導はドローンの中で、リックという人物が行方不明になっていることを確認します。慎導はリックが寝ていた場所に寝転がり、メンタルトレースという能力を使って何が起こったのかを見ました。メンタルトレースをすると、リックはある薬を飲み「俺は殺される」と言って焦っているようでした。そして最期は飛行機から落ちてしまいます。
このメンタルトレースによってただの事故ではないと思った慎導と炯は、リックの部下である与根原が何かを知っていると思いました。しかし与根原の犯罪係数はクリアでした。それでも事件性を感じた慎導と炯は事故を詳しく捜査することにします。
2話あらすじネタバレ
リックが務めていたハイパー・トランスポート社は、国家規模の詐欺を企んでいました。しかしハイパー・トランスポート社の従業員は全員色相に問題はありません。なぜ色相に問題ないのかというと、社員が犯罪に加担していることに気づいていないからです。集団の中で役割を分担して行わせることで、それが犯罪に繋がると気づかせないようにしていました。
その犯罪を企んだのはハイパー・トランスポート社の些々河と与根原でした。亡くなったリックはたまたま自分が犯罪に加担したことに気づき、告発しようとしていました。犯人は分かったものの、些々河と与根原を捕まえることは難しいといわれます。なぜなら二人とも犯罪係数がクリアだったからです。そこで慎導と炯は別のところから二人を追い詰めます。
3話あらすじネタバレ
東京では都知事選挙が行われており、アイドルから政治家へ転身した小宮とアスリートの薬師寺が競い合っていました。ある時小宮のメンタルケアをしていた土屋がホテルから転落して死亡してしまいます。ただの自殺もしくは事故かと思われましたが、メンタルトレースをした慎導が事件性を感じて詳しく探ることになります。小宮に話を聞いたところ、土屋は自分のストーカーだったと言いました。
一方で薬師寺の方はまともに話をしてもらえない状況でしたが、調べていく内に薬師寺の第一秘書であるリーが土屋の泊まっていたホテルに居たことが明らかになりました。リーに話を聞きに行ったものの、リーは何者かに殺されてしまいます。そして世間では小宮派の何者かが事件を起こしているのではないかという憶測が立ち始めるのでした。
4話あらすじネタバレ
炯は廿六木が身内に責められているのを見てついその身内を殴ってしまい、停職処分を受けてしまいます。一方で公安局には元執行官のフリージャーナリスト・六合塚が情報をもたらしました。そして入江もまた情報を掴んでいました。慎導は入江の情報を優先して土屋のラボを探ります。土屋のラボにはオフラインのAIがいました。オフラインのAIは土屋が殺されたことを聞くと、土屋は生前そのことを予測していたと言います。
そして土屋は他殺の可能性がある場合の対処方法をAIに組み込んでいました。AIは慎導達公安局の捜査に協力すると言いました。そのAIは小宮のある秘密を語ります。小宮はマカリナというホログラムを使って演説を行っていました。そのマカリナは人間の思想をコントロールできるAIだったのです。
5話あらすじネタバレ
炯は名刺に書かれた梓澤廣一について調べるために前任の監視官に会っていました。前任の監視官は密貿易の調査中でしたが、被疑者は事故死してしまいます。その時容疑者として調べていたのが梓澤廣一だったのです。しかし前任監視官もその後車両事故にあってしまい、相棒は死んでしまいました。生き残った前任の監査官は、相棒が「狐」という色相を保ったまま犯罪をする組織の情報を掴んでいたと話します。
それ以上の情報は掴めなかったと話しますが、去り際に公安局にも「狐」がいると言って去っていきました。世間では移民に対しての風当たりが強くなっており、町では入国信仰特区の反対のデモが行われていました。信仰特区とは、これまで移民が制限されていた宗教や文化などが規制されることのない区域のことです。
しかし信仰特区については移民側からも都合の良い隔離政策だと非難の声もありました。そんな中で行われたイベントで、小宮が歌っているところにある男が乱入します。その男は体内に爆弾を仕込んでおり、爆破テロを起こしました。
6話あらすじネタバレ
爆破テロを調べるために炯と如月は「ヘブンズリープ」という宗教団体へ潜入していました。「ヘブンズリープ」は入国後色相が濁った者たちを保護して救うことを目的としていました。色相は仁世教祖によって正常に戻されるというのですが、教祖は特別祈祷中だったため話すことができませんでした。
そこで炯達は教団で行われているセラピーに参加することにします。一方で「ヘブンズリープ」の外では新たな爆破テロが起こっていました。その爆発に巻き込まれて亡くなったのはアウマでした。アウマは売春組織と敵対しており、売春婦達を小屋で保護していました。アウマが爆発から守った小屋で慎導はあるものを発見します。
7話あらすじネタバレ
「ヘブンズリープ」で潜入がバレてしまった炯は拷問を受けていました。トーリは「ヘブンズリープ」に潜入している外務省の捜査官が一体誰なのかを探るため、人質として目の手術を受けて入院していた舞子を拉致しました。また、トーリは炯の兄についての話も知っていると言います。しかし炯は外務省の潜入捜査官のことなど知りませんでした。
一方で慎導は一連の爆破テロの首謀者である久利須の息子が、かつて「ヘブンズリープ」に所属していたという情報を掴みます。その後トーリが入所すると久利須の息子は植物状態になり、仁世は行方をくらませました。仁世については炯が植物状態になっていることを確認しています。これにより、慎導はトーリが久利須を操っている可能性が高いと推理しました。
8話あらすじネタバレ
「ヘブンズリープ」での一件は解決したものの、まだ根本的に事件は解決していませんでした。ある時如月は炯に自分の罪を告白します。如月は元々アスリートでしたが事故で恋人を亡くして色相が濁ってしまいます。事故の加害者は色相が濁っていなかったので、罰金を払っただけで済みました。1年前、如月はネットでオンラインカウンセリングを見つけます。
そこで加害者に対する不満を打ち明けていると、オンラインカウンセリングから整備班に車のエンジン音がおかしいという嘘の報告書をあげるように指示されます。後にその報告書が一因となって前任の監査官は事故に遭って死亡してしまいます。如月は無意識のうちに狐として犯罪に加担していたのです。
その後の調査で最上位にビフロストがおり、そのビフロストの指示を受けて行動するインスペクター、そのインスペクターによって無意識のうちに協力させられる狐がいることが判明します。そこで慎導達は如月の繋がりを利用して梓澤廣一というインスペクターを捜査することになります。
サイコパスのアニメ3期の登場キャラと声優一覧
慎導灼役/梶裕貴
『サイコパス』のアニメ3期で特A級メンタリストの慎導灼役を演じたのは梶裕貴です。梶裕貴とは1985年9月3日生まれの男性声優です。多くの作品で主役に起用されたり、賞を受賞するなど実力が高い声優です。妻は『けいおん!』の中野梓役や『たまゆら』の沢渡楓役などを演じている竹達彩奈です。声優の梶裕貴の主な出演作品には『進撃の巨人』のエレン・イェーガー役や『七つの大罪』のメリオダス役などがあります。
炯・ミハイル・イグナトフ役/中村悠一
『サイコパス』のアニメ3期でロシア系帰化移民の炯・ミハイル・イグナトフ役を演じたのは中村悠一です。中村悠一とは1980年2月20日生まれの男性声優です。アニメだけでなくナレーションや吹き替えなど幅広く活躍する声優です。声優の中村悠一の主な出演作品には『おおきく振りかぶって』の阿部隆也役や『ハイキュー!!』の黒尾鉄朗役などがあります。
廿六木天馬役/大塚明夫
『サイコパス』のアニメ3期で執行官の廿六木天馬役を演じたのは大塚明夫です。大塚明夫は1959年11月24日生まれの男性声優です。父の大塚周夫も『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男役や『ルパン三世』の石川五エ門役を演じていた声優でした。声優の大塚明夫の主な出演作品には『ONE PIECE』のマーシャル・D・ティーチ役や『紅の豚』のドナルド・カーチス役などがあります。
サイコパスのアニメ3期の賛否両論の理由を考察
理由①キャラに感情移入できない?
『サイコパス』のアニメ3期の評価が賛否両論なのは、キャラに感情移入できないところが原因だといわれています。評価の中には、そもそも主人公が常守ではないという設定を低評価している方もいました。また新キャラが多いところや、慎導がこれまでの設定になかった超能力を使うところが受け入れにくいようです。そのため、評価ではキャラに感情移入できないといわれています。
理由②サイコパスらしくない?
『サイコパス』のアニメ3期の評価が賛否両論なのは、全話を通してこれまでの『サイコパス』らしくないところです。これまでのストーリーでは、潜在犯をドミネーターで執行するという場面が多く描かれていました。ドミネーターは執行官と監視官が使っている武器でファンからもかっこいいと人気です。しかし『サイコパス』のアニメ3期ではほとんどドミネーターの活躍を見ることができません。
なぜなら執行官がドミネーターを使おうとすると慎導が阻止してしまうからです。毎回これで敵を倒せるという場面で阻止されるので、視聴者は見ていてストレスを感じると評価されていました。またアニメ3期の全話を通して登場する敵のほとんどは犯罪係数があがりません。そのためドミネーターを向けても撃つことができないのです。
その他にも、事件の捜査の仕方や解決方法もこれまでの『サイコパス』とは違います。これまでの『サイコパス』では狡噛や常守が事件を調査し、思考を巡らせて推理することで解決してきました。しかしアニメ3期では全話を通して慎導がメンタルトレースという超能力を使っているので、事件性があるかないかを簡単に判断することができます。
しかし簡単に捜査が出来る分、これまでのシリーズに比べて捜査のシーンに見応えがないと評価されているようです。このように推理要素とバトルシーンが『サイコパス』のアニメ3期でほとんど描かれていないので、『サイコパス』らしくないと評価されています。
理由③セリフで説明しようとする脚本
『サイコパス』のアニメ3期の評価が賛否両論ある理由は、セリフで無理矢理説明しようとするからです。前置きの説明などがなく、キャラクターの口からその都度説明があるので分かりにくいと思う視聴者が多いようです。また、分かっていない状態でどんどん物語が広がり、その都度情報が追加されていくのでストーリーにまとまりのなさを感じたという方もいるようです。
理由④霜月美佳のキャラ
『サイコパス』のアニメ3期の評価が賛否両論ある理由は、前作までに登場していたキャラが魅力的で新キャラの影が薄いからです。新キャラも個性的なのですが、全話を通して度々登場する前作のキャラクター達の魅力には敵わないといわれています。特に霜月美佳は、2期ではその性格のせいでそこまで人気の高いキャラクターではありませんでした。
しかし3期では公安局刑事課一係の課長として成長した姿が描かれています。出世して苦労人のようになっているところが憎めないと評価されています。このように霜月を含め、前作までに登場したキャラクターが魅力的に描かれているところは高評価されています。
サイコパスのアニメ3期の謎をネタバレ考察
ネタバレ考察①ライラプス
『サイコパス』アニメ3期の1話のタイトルは「ライラプスの召命」です。ライラプスとはギリシャ神話に登場する猟犬のことです。ライラプスは神話でテウメーッソスの狐を退治するために追いかけます。狐はライラプスから逃げる事ができず、ライラプスは狐を捕らえる事ができませんでした。ゼウスはこれを見かねてライラプスと狐を石にしてしまいます。
『サイコパス』本編では全話を通して狐という犯罪組織が登場します。そして1話ではちょうど慎導と炯が一係に配属されるストーリーなので、神に召されたライラプスを表しているのはこの二人のことだと考察されています。
ネタバレ考察②世界観
『サイコパス』の世界観は、「シビュラシステム」で人間の心理状態を数値化できるようになった世界のストーリーです。「シビュラシステム」を取り入れた日本は鎖国したことで戦争を回避することができ、開国後は多くの国から移民が流れてくるようになりました。世界観は「シビュラシステム」というものを導入しているのでSF寄りなのですが、全話を通して現代でも社会問題になっている移民をテーマに描かれています。
また格差社会についても描かれており、もし犯罪を犯しても高額なメンタルケアを受けることで犯罪係数をごまかすことができます。「シビュラシステム」で数値を測ったとしても人々は平等に扱われているわけではないのです。このように、社会的立場が上の者が犯罪を犯しても裁かれないという点は現実でもありえます。SFチックな世界観ですが、内容は現実の社会問題を扱っているのではないかと考察されています。
ネタバレ考察③慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフ
『サイコパス』のアニメ3期では慎導と炯の関係性について多くの伏線が張られていました。慎導と炯は幼馴染で親友です。しかし慎導の父は炯の兄を殺して自殺しています。被害者と加害者の遺族同士が今でも仲が良いのは真実が別にあると思っているからです。もし真実が二人が望むものではない場合でも、二人の関係は変わらないと約束までしています。
そこまで仲の良い二人ですが、考察では仲違いしてしまい最終的に敵同士になるのではないかといわれていました。確かに二人はシリーズの最期に仲違いをしてしまいますが、完全に敵になるのではなくちょっとした喧嘩のようなものでした。後に『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』では妻の舞子が仲を取り持ったことで仲直りしています。
ネタバレ考察④集団心理
『サイコパス』のアニメ3期では全話を通して集団心理を利用した犯罪についても詳しく描かれています。どのような犯罪だったかというと、一つの犯罪を集団で行うことによって、その犯罪の過程で関わった者たちの色相を悪化させないというものです。集団の中で役割を分担するので、自分がその犯罪に協力していることさえ気づきません。だから色相が悪化しないのです。
政治で例えると、その政権が誰かを追い詰めるような政策を取ったとします。この政策によって追い詰められた人が罪を犯した場合、その責任は政権だけでなく政権を支持した者達にもあります。しかし政権を支持した者のほとんどは自分に責任があるとは思いません。このように、無意識のレベルで犯罪に加担しているということを『サイコパス』のアニメ3期では描かれているのではないかと考察されていました。
ネタバレ考察⑤ビフロストの正体
『サイコパス』のアニメ3期には「ビフロスト」という組織が登場します。「ビフロスト」は3人のコングレスマンが社会を裏から操作して思い通りに導く組織です。小宮カリナのホログラムのマカリナもまた「ビフロスト」の計画によって作られたものでした。そして「ビフロスト」の思い描くものを実現化させるのがインスペクターです。この「ビフロスト」については謎が多く、たくさんの考察がされていました。
アニメ3期では「ビフロスト」についてまとまった情報が出てこないので、全話通して観なければ何をしているのか分かりづらい組織です。しかし後にその正体が併設型自動デバッグ診断修復サブシステムということが明らかになります。つまり「ビフロスト」は元々「シビュラシステム」のバグを見つけて修正するシステム「ラウンドロビン」でデバッグを行う部署だったのです。
ネタバレ考察⑥選挙
『サイコパス』のアニメ3期では選挙が行われていました。この選挙は完結編の『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』にも繋がる重要なものでした。アニメ3期で全話を通して問題となっていたのは移民政策です。炯も帰化移民なので、移民反対派から差別されたり罵倒されるシーンがあります。現実では日本は移民に対して否定的ですが、そもそも話題になることすらほとんどありません。
陸続きになっているヨーロッパなどではよく取り上げられている問題で、イギリスは移民の受け入れに否定的で、なおかつ入国審査も厳しいことで知られています。一方で移民受け入れを進めてきたドイツは国民から否定的な意見が出るようになり、移民反対の政党までできています。日本ではいまいちピンとこないかもしれませんが、移民問題は政治にも大きく関わってくるのです。
近未来の日本を描いた『サイコパス』では、他国の戦争が激化している状態だったので平和な日本に移住する人が増え、移民について重要視されるようになっていました。そんな中で行われた選挙では、移民受け入れ反対派の小宮と肯定派の薬師寺が競っていました。
反対派・肯定派の意見は明確に描かれていませんが、人々の様子から考察すると否定派は移民を弱者と捉え、自分達が優位だと思っている事が分かります。これは慎導が劇中でも言っていたのですが、「肯定的固定観念」を持っている人たちです。つまり、同じ人間なのに周りの環境や状況によって自分の方が優位だと思い込んでしまっている状態です。
このような人から虐げられる人々は、体内でコルチゾールという物質が過剰分泌されてしまいます。これにより人は正常な判断ができなくなって犯罪に繋がることもあります。このように人間同士で優劣をつける事自体が、弱い立場の人間を犯罪に導いてしまうこともあるのです。このような対立構造は移民問題に関わらず現実でもよく見られます。
そして「シビュラシステム」もまた人間が簡単に優劣を決めて思い込んでしまう原因になるものでした。実際に劇中では、「恥晒し」と執行官の廿六木を一族の者が罵る場面があります。だからこそ慎導は「シビュラシステム」に従って最終的に執行するのか判断する時は、人間の意志を尊重するべきだと語っています。
ネタバレ考察⑦AIと人間
近年ではAIを取り扱った作品が増えていますが、『サイコパス』もAIに似た「シビュラシステム」が人間の全てを管理しており、劇中では全話を通してその名前が出てきます。「シビュラシステム」は人の心理状態を計測するシステムなのですが、その人間の性格や将来、仕事の適性値まで分かります。確かに「シビュラシステム」の言う通りの人生を送れば成功する可能性が高いかもしれません。
しかし、すべて「シビュラシステム」に頼り切ると人間性というものが失われていきます。このことについても炯は苦言している場面があります。確かに「シビュラシステム」のようなAIは人間よりも優れた能力を持っているかもしれませんが、感情や創造などまだ未熟な部分がたくさんあります。だからこそ慎導は執行を決める時は人間の意志を尊重したいと願ったのかもしれません。
ネタバレ考察⑧テロリズム
『サイコパス』のアニメ3期ではではヘブンズリープという宗教団体がテロを起こしますが、この宗教団体とテロは移民問題に大きく関わってきます。移民を受け入れやすくすると、移民が住む地区が自然と分けられてその地区一体が周りから閉鎖された宗教地区のようになってしまうことが多いそうです。こうなると移民との間に溝ができてしまい、国民は移民の文化や宗教を受け入れにくくなります。
一方では自分たちの文化や宗教などが受け入れられないことが、移民にとっては不満となります。このような不満が積り、過激思想になったりテロに発展することがあるのです。実際にフランスでも移民との宗教を巡る争いが続いています。たとえ「シビュラシステム」で完璧に制御したとしても、閉鎖的な空間を作ったり虐げる人間がいる限りは犯罪やテロは無くならないのです。
ネタバレ考察⑨最終回のタイトル
『サイコパス』のアニメ3期の最終回のタイトルは「Cubism」でした。キュビズムとは様々な角度から見たものを一つの画面に収めることです。ピカソの『ゲルニカ』はキュビズムを取り入れた代表的な絵です。『サイコパス』でのキュビズムとは異なる正義を表しているのではないかといわれています。人は必ずしも同じ正義を持つわけではありません。
例えば公安局としてならインスペクターを捕らえることが正義であるはずの炯は、妻を救うという正義のもとインスペクターになりました。最終回では炯と慎導が別の正義を持った結果、二人は仲違いをしてしまいます。このことから「キュビズム」というタイトルは、違う正義を一つの画面におさめていることを意味していると考察されています。
サイコパスの0話や劇場版
3期0話「DIVE to PSYCHO-PASS」
『DIVE to PSYCHO-PASS』は3期放送直前のスペシャル番組で0話として放送されました。このスペシャル番組ではアナウンサーの吉田尚記、『サイコパス』ファンの最上もが、『サイコパス』初心者の醍醐虎汰朗の3人が中心となって3期の魅力を伝えています。
劇場版「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」
劇場版『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』は『サイコパス』のアニメ3期の完結編です。アニメ3期では「ヘブンズリープ」を壊滅させることに成功させましたが、それを裏で操っている人間にはたどり着きませんでした。『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』では再び都知事が狙われて公安局が襲撃されます。
サイコパスのアニメに関する感想や評価
PSYCHO-PASS 3期まで全部観終わったー2期までは観たことあったけど、3期で昔の人沢山出てきて嬉しかった〜
— Eriya (@erikun_0707) September 5, 2020
やっぱ面白いし、全てが繋がってるのが最高すぎる。構成がちゃんとしてる作品はアニメだろうが音楽だろうがなんでも好き。
『サイコパス』の3期の発表があった時には慎導や炯の情報しか書かれておらず、主人公が変わることに対して賛否両論ありました。しかし実際にアニメを全話見ると分かるのですが、1期から2期までの登場人物がたくさん出てきます。そのためこれまでの『サイコパス』のファンからの評価も高く、ストーリーもしっかりしていると好評でした。
今更サイコパス3期の完結編見て、小説Bまで読んで、皆格好良すぎて死ねる。
— たては (@tateha3341) September 6, 2020
特に志恩ちゃんかっこよー好きー
あと意外と静火ちゃん格好いい…
でも色々謎残ってるんだよね…。
まだ続ける気なのかな…。
小説は最後まで読むけど、4期とか出たら…
『サイコパス』アニメ3期の全話を見た後に、面白くて小説まで読んでいる方がいました。『サイコパス』のアニメ3期は男性キャラも人気なのですが、女性キャラもかっこいいと評価されています。
特に完結編の『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』ではターゲットとなる都知事と行動していた志恩がたくさん活躍します。3期の全話を見ても解決しなかった事件の真相も明らかになって面白かったという評価もありました。
PSYCHO-PASS今年やってた劇場版だけ観れてない…。3期はいまいちだったけど、劇場版でどう終わったのか気になる…。
— n e c o . (@n__neco) September 4, 2020
『サイコパス』のアニメ3期を全話見た方の評価の中には、これまでのシリーズに比べていまいちだったという評価もありました。3期では新しいキャラクターがたくさん増え、前作から5年も経っています。そのため「これまでどのようなストーリーだったか忘れた」「キャラクターが覚えられなかった」という声もありました。また、ストーリーが難しかったという評価もありました。
サイコパスのアニメ3期まとめ
『サイコパス』のアニメ3期の全話のあらすじを見ても分かる通り、まだ慎導の父と炯の兄の死についての真相はほとんど分かっていない状態です。考察では敵対関係になるのではないかといわれていましたが、炯は完全に敵側になったわけではなく、また慎導ともすぐ仲直りしています。
全話を観ても伏線が回収されていないことは明白なので、今後4期が制作されるのではないかといわれています。完結編ではラストに常守が霜月の補佐として復帰するので、再び常守が主人公になる可能性もあります。まだアニメ3期を観ていないという方は、完結編となる映画『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』も併せて観ることをおすすめします。