2020年09月11日公開
2020年09月11日更新
【キングダム】政(始皇帝)と信の関係は?史実での二人と最終回の結末を考察
漫画「キングダム」の政(始皇帝)と信の関係について見ていきます。政は本名・嬴政(えいせい)で、史実では後に中華を統一し、秦の始皇帝と名乗った人物です。政は「キングダム」の主人公・信と共に戦乱の時代を生きていくのですが、二人はどのような関係だったのでしょうか?一方、「キングダム」の主人公の信は史実では秦の大将軍・李信となった人物です。物語での政と信の関係と、史実での政と信の関係について見ていきます。また、「キングダム」の最終回の結末について考察します。
目次
キングダムの政(始皇帝)と信とは?
キングダムの作品情報
作者・原泰久による漫画「キングダム」は、週刊ヤングジャンプで連載中の中国・歴史・アクション作品です。2006年に連載が始まり、コミックは第58巻まで発売中です。アニメは、NHK BSプレミアムで2012年から2014年にかけて第1・第2シリーズが放送され、第3シリーズが2020年4月から放送中です。2020年11月25日には3Dゲーム「キングダム 一騎闘千の剣」がコナミデジタルエンタテインメントから発売されます。
キングダムの概要
「キングダム」は紀元前・3世紀ごろ、中国がまだ春秋・戦国時代と呼ばれる戦乱の時代に初めて中国を統一した「秦」が舞台です。「手塚治虫文化賞」のマンガ大賞を受賞した作品で、コミックの販売部数は6600万部を超える人気作品です。2018年にはコミック第50巻発売記念に実写版映画「キングダム」の制作が発表され、2019年に公開、主人公・信を山崎賢人が演じました。
キングダムのあらすじ
時は春秋戦国時代と言われる中華戦乱の時代、秦という国に戦争孤児の信は、同じ身の上の漂という少年と共に下僕として働いていました。二人は働きながら武芸の修練を怠らず、いつか大将軍になることを夢見ていました。ある時、秦の王・政にそっくりだということで漂が王宮に連れていかれました。しかし、争いに巻き込まれた漂は死亡し、信は漂と描いていた夢を実現するため、戦乱の世に出ていくことになりました。
政(始皇帝)のプロフィール
「キングダム」の政は、秦国の王だった父の死後、若くして第31代目の秦国王となり、後に中華を統一した秦の始皇帝となります。本名は嬴政(えいせい)で、「キングダム」の主人公・信と並び、もう一人の主人公です。幼少期の政は王族の中では血筋が良くないということで、趙国で人質として暮らしていました。敵国での過酷な人質生活のためか、少年らしからぬ落ち着き、冷静さを持っています。
信のプロフィール
「キングダム」の主人公・信は、後の秦の大将軍・李信(りしん)となる人物です。幼少期は戦争孤児ということで同じ身の上の漂(ひょう)と共に、村の里典の下僕として働きながら、武芸の修練に励んでいました。信は武力を鍛え、いつかは自身の力で「天下の大将軍」になることが夢です。標の死亡後、政と出会ったことで戦乱の世に出ていくことになります。恐れを知らない性格で、格上の相手にも勇猛果敢に立ち向かいます。
キングダムの政(始皇帝)と信の関係
ここからは、漫画「キングダム」の政と信の関係について見ていきます。政は後に秦の始皇帝となる人物で、信は秦の大将軍・李信となる人物です。漫画「キングダム」では、信は政に対して敬称を付けることもなく呼び捨てにするなど、二人の関係は親友同士のように描かれています。それでは、二人が知り合った理由から見ていきます。
関係①2人が知り合った理由は漂?
戦争孤児という身の上の信と、幼なじみで親友の標は共に村の里典の下僕でした。厳しい労働の合間に信と標は武芸の修練に励んでいました。ある時、漂が政とそっくりの顔をしていることに目を付けた秦の重臣・昌文君(しょうぶんくん)によって、漂は王宮に仕えることになりました。昌文君は、漂が政とそっくりなので、政の影武者にしようと考えたのでした。漂自身も影武者になることに納得しています。
王宮では、王族としての血筋に問題のある政の即位を認めない異母弟の成蟜(せいきょう)が反乱を起こしました。政は王宮を脱出することになり、漂は政の身代わりとなって戦いますが力尽き、死の間際に信に夢を託し、息を引き取りました。漂に託された夢を実現するため政に会いに行った信は、政に協力することになりました。
関係②政の持つ金剛の剣
「キングダム」の合従軍編で、秦に対して強い恨みを抱いている趙の万極(まんごく)と戦った信は、恨みや憎しみを無くすために国境を取り払い、中華を統一することだと万極に語りました。そして信は、秦の王である政こそ統一を成し遂げられる人物だと言い、さらに信は自らを政の持つ金剛の剣だと言いました。
金剛はダイアモンドで、硬いことで知られるダイアモンドの様に誰にも傷つけられることがないという決意が感じられると言われています。
キングダムの政と信の史実と最終回の結末を考察
漫画「キングダム」での信は主君であるはずの政を呼び捨てにし、遠慮のない口調で話します。政もそんな信と親友同士のように接します。それでは、史実ではどうだったのでしょうか?ここでは、史実での秦の始皇帝・政と大将軍・李信(信)の関係と「キングダム」の最終回の結末を考察していきます。
考察①史実でも親友同士?
史実での始皇帝・政と李信が親友同士だった?について見ていく前に、史実での政の性格を見ていきます。史実の政と「キングダム」の政の性格には大きな隔たりがあるということです。史実によると、中華を統一した政は紀元前221年に秦の始皇帝となります。偉業を成し遂げた政ですが、同時に「暴君」と呼ばれるようになります。
政が「暴君」と呼ばれた理由を見てみると、政府に対する不満や批判を持つ儒学者らを生き埋めにし、書物類を燃やしてしまう「焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)」や趙国で行った虐殺などがあります。また、秦の重臣だった呂不韋(りょふい)が死亡した際、葬式で涙を流した者すべてを処刑したこともあります。このような所業を行う政の性格は、非常に残忍で冷酷だということが考えられます。
このような人物が、臣下である李信の自分に対する無遠慮な言葉遣いを許していたとは思えず、史実での政と李信が親友だった可能性はかなり低いと言われています。ただし、親友ではなかったかもしれませんが、信頼はしていたようです。
そのことが分かるエピソードとして、敵に敗北した将軍は粛清か追放の対象となりますが、李信に対しては、たとえ大敗北を喫したとしても変わらず将軍として使っています。それほど政は李信を信頼していたということです。
考察②李信は政の友人を殺した?
紀元前227年、荊軻(けいか)による始皇帝・政の暗殺未遂事件が起こります。荊軻に暗殺の指示を出したのは燕の太子「丹(たん)」です。丹は、政が人質として趙で暮らしていた頃の幼なじみです。丹もまた燕から人質として趙に送られていたのでした。同じ身の上の政と丹は仲が良かったそうです。その後、政は秦の王となり、丹は燕の太子として政と対面しました。
その際、政の丹に対する態度は非常に冷たいものだったということです。自身への態度と趙がすでに秦によって滅亡させられたこともあり、燕の存続をかけて丹は政を暗殺しようと考えます。その暗殺者に選ばれたのが荊軻でした。しかし、荊軻は暗殺に失敗、宮廷内で無惨に殺害されました。
政は激昂し、燕の首都を襲撃します。首都を脱出した丹は李信の追撃を逃れるため遼東半島へと向かいますが、李信の猛追に恐れをなした燕が丹を殺し、その首を李信に渡しました。こうして政の幼なじみで親友の丹は殺されたのですが、李信が直接手を下したのではありませんでした。丹を殺しただけでは満足しなかった政による攻撃によって燕は滅亡しました。
考察③最終回の結末はどうなる?
「キングダム」の最終回の結末について考察してみると、秦王である政が中華統一を成し遂げ、秦の始皇帝となるところまでが描かれると考えられています。そして、エピローグとして秦のその後の様子が描かれるのではないかと言われています。数百年もの間続いていた戦乱の世を終わらせ、秦の始皇帝となった政ですが、史実では秦はわずか15年ほどで滅亡します。
「キングダム」の作中で政は、たとえ暴君と言われようと武力で中華を一つにすると言い、統一することができれば、きっと自分の後の世代は争いのない平和な世界になると語っています。史実では秦の次に中華を治めた漢という国は400年という長きに渡って平和な世を築きました。「キングダム」の最終回は、政が目指した平和な国が実現したことを描いて、結末を迎えるのだと考えられています。
また、次のような考察もあります。政と信は主君と臣下であるにも関わらず親友同士で、二人は共に中華統一のために戦っています。しかし、統一された国は「法治国家」であるべきだと政は考えています。一方で、数々の戦いに勝利し、大将軍となった信にとって武力を否定することなど考えられないと思われます。
漫画「キングダム」の最終回・結末は、中華が一つになって終わるのではなく、政と信、それぞれの思惑や考え方の違いによって二人の関係が変化していく様が描かれるのではないかと言われています。
キングダムの政(始皇帝)の活躍
ここまで中華を統一した政(秦の始皇帝)と信(李信)の関係について、史実ではどのような関係だったのか?について見てきました。また、漫画「キングダム」の最終回の結末について考察してきました。ここからは、漫画「キングダム」での政の活躍を見ていきます。
活躍①幼少時代
政は秦の王族の子として生まれました。しかし、政の幼少期は王族とは思えない悲惨なものでした。その理由は、政の父にあります。政の父は秦の王族なのですが、身分の低い母親から産まれたため、趙の人質にされていました。ある時、王族がいるにも関わらず秦が趙に侵攻したことで政と両親は命の危機に直面します。
そんな中で政の父が家族を捨てて趙を脱出、一人で秦へ帰ってしまいました。秦に戻った父は重臣の呂不韋を味方に付けてまんまと秦の王位に就いてしまいました。趙に取り残された政と母親は人質としてこれまで以上に残酷な扱いを受けることになりました。実の父の裏切りと、過酷な扱いを受けたことで政は極度の人間不信に陥ったのでした。
活躍②人生を変えた紫夏
過酷な日々を送る政は、紫夏(しか)という女性と出会いました。戦争孤児だった紫夏は飢え死にしそうなところを商人に拾われたという人物で、恩返しのため養父の家業を継ぎ、優れた商人として活躍していました。そんな紫夏は、秘かに秦に帰ろうとする政の手助けをしてくれました。政は紫夏との交流によって人間としての感情を取り戻すことができました。
いよいよ国境にたどり着くというその時に趙の攻撃を受け、紫夏は重傷を負います。それでもどうにか秦の軍隊に政を引き渡すことができた紫夏は政に、偉大な王になれると言い残し、亡くなりました。
活躍③楊端和との同盟
秦に戻った政は見方を増やすことを考えました。そんな中で行き当たったのが山の民でした。政は山の王・楊端和(ようたんわ)と謁見しますが、楊端和は秦人から受けた悪行の責任を問い、首をはねると言いました。政はこれまでのことを謝罪し、国の中で山の民と秦人を分け隔てている境を取り払うことがお互いのためになると説きます。政の考えに賛同した楊端和は、政と同盟を結ぶことにしました。
活躍④呂不韋を降ろす
秦の政治を取り仕切っているのは、重臣の呂不韋(りょふい)です。優れた政治家である呂不韋は、政に代わって自身が秦の王になろうと、政に対する暗殺を計画します。また、故意にクーデターを起こし、それを鎮圧したとして王位に就こうと画策しますが、実行直前になって失敗。呂不韋は重臣の座から降ろされました。
このとき、政と呂不韋は中華を統治することに関する互いの考えを語り合いますが、すっかり成長した政に目を潤ませる呂不韋でした。
活躍⑤蕞での戦い
出典: https://note.com
政が李牧軍と戦った蕞(さい)での戦いでは、3万の李牧軍に対して自軍はわずか5千という状況でした。兵士の数で劣ることが分かっていた政は、蕞の住民を兵士として使うことを考えました。住民を前にした政は、蕞が敵の手に堕ちれば秦は滅亡し、人々は奴隷にされると語ります。さらに政は、戦いに犠牲は付き物だが、自分も命を懸けてここに来ている、共に戦おうと言いました。秦王である政の言葉は蕞の住民の心を動かしました。
活躍⑥中華統一
政は斉国の王と、中華統一を成し遂げた後の統治について語り合いました。中華を統一するために滅ぼされた国の民は、恐怖や屈辱といった負の感情を持ちます。政は、その感情を忘れさせるためには、この戦いが征服を目的としたものではなく、新たな国を建てるために必要な戦いだったと理解させるのだと言いました。そしてその新たな国は、法治国家であるべきだと言いました。
キングダムの政(始皇帝)と信に関する感想や評価
いつ行っても貸し出しされてたキングダム。ようやくレンタルできるようになり、早速読み進めてるんだけど、30〜31巻あたりの信と政がめちゃめちゃカッコいいのだ。この2人の友情が泣けるのだ〜。続編で見たいところいっぱいだから、Part3ぐらいになるかもだけど、大人の2人の続編やってくれ〜。
— もんぶらん (@marupon0223) July 13, 2019
漫画「キングダム」は、中華統一を目指す政(秦の始皇帝)と信(李信)の友情が好評です。特に「キングダム」の30巻(合従軍編終盤)から31巻(蕞防衛編)にかけては政の出陣や民を前にしての演説、飛信隊を率いる信の勇猛な姿などが描かれており、そんな政と信がかっこいいという感想です。
キングダムは勿論、キャラクターが死ぬシーンでは号泣したけど、展開が熱くて熱くて感激して泣くこと多い!政と信のシーンは本当にめっちゃ泣いたシーン多くて、、少年同士の友情大好き。。。
— 鋼太 KOHTA (@ko_talos) May 28, 2015
漫画「キングダム」は、数百年に及ぶ戦乱の時代が描かれており、壮絶な戦いの連続となっています。このような「キングダム」に感動し、泣くシーンがたくさんあるということと、主人公の信と政の友情が良いという感想です。
キングダム4回目の観賞
— 小宮RK (@119Kikiri) April 28, 2019
これ、絶対男子好きだよね!!
男の友情と絆。
夢を追うことの努力と大切さ。
壮絶なバトルとアクションシーン。
自分が信になった気持ちで感情移入できるし、観終わったあとはキングダムごっこしちゃうと思う笑笑笑!#キングダム感想
「キングダム」は、男同士の友情や夢を持って努力することが大切だということと、激しいバトル、アクションなどの迫力あるシーンが描かれています。加えて主人公の信と政の友情、男同士の絆などに触れることができ、感情移入できるという感想です。
キングダムの政(始皇帝)と信まとめ
いかがでしたか?漫画「キングダム」の政(始皇帝)と信の関係について、漫画と史実の違いを紹介し、さらに漫画での政の活躍を見てきました。漫画では政と信は身分にこだわらず親友同士で、その友情に感動するという声が寄せられていました。史実での政と信の関係は、残虐な王と呼ばれた政が歴戦の大将軍とはいえ臣下である信に対して親友同士のような親しみを持っていたとは考えにくいということでした。
また、「キングダム」の最終回の結末は中華統一の後の平和な世界が描かれるという説と、政と信の関係性に変化が訪れる可能性があるという説を紹介しました。壮大な中華を舞台に政と信の友情に感動するという「キングダム」を、どうぞお楽しみください。