【進撃の巨人】エレンの真の目的とは？裏切りの理由と地ならし後の行動も考察

今回のまとめでは、大人気漫画『進撃の巨人』に登場する主人公のエレン・イェーガーの真の目的などについて考察しながらまとめていきます。裏切り行為をしたエレンの真相や、地ならし後の行動についても考察していきますので、最後までご覧ください。では、エレンについて見ていく前に『進撃の巨人』とは一体どんな作品なのかについて、概要やあらすじを見ていきましょう。

テレビアニメ『進撃の巨人』は2009年より『別冊少年マガジン』にて連載されている大人気ダーク・ファンタジー漫画が原作です。作者の諫山創さんにとって『進撃の巨人』はデビュー作となりました。『進撃の巨人』は2020年6月現在も連載中で、また、「第35回講談社漫画賞少年部門」を受賞するなど他にも様々な賞を受賞した作品です。2013年よりテレビアニメ化もされ、現在3期まで放送されました。

人類は大きな壁に囲まれた町での暮らしを強いられていました。壁の内側でしか生活ができなくなって約100年。突如として現れた巨人によって人々の日常は一変してしまいます。巨人によって多くの人が犠牲になり、生き残った人々は壁の内側で独自の生活を送っていたのです。壁の外側に憧れていた主人公のエレンは、調査兵団になる夢を抱いていました。その夢は、エレンの母親の死を契機に兵団への入団を決意することになりました。

それでは、『進撃の巨人』の主人公エレン・イェーガーのプロフィールについて見ていきましょう。エレンはウォール・マリア南端シガンシナ区出身の15歳。誕生日は3月30日、身長は170cmに体重は63kgです。こげ茶の髪に少年らしい表情の男の子として描かれています。目つきが悪く、「凶悪」、「悪人面」と揶揄されることがあります。猪突猛進という性格が相応しく行動力があり、正義感に溢れた少年です。

ぶっきらぼうな一面もあり、感情的になってしまうことも多々ありました。自分の意思をきちんと持っており、発言力も兼ね揃っています。また、努力も惜しまず常に「巨人を駆逐する」という目的に向かって突っ走っている主人公です。そんな堂々とした少年エレンは、魅力的な人間に映るのか周囲の人間に影響力を持ち、戦闘時にもリーダーシップを発揮するなど活躍している様子が描かれています。

続いては、『進撃の巨人』のストーリーが進むにつれ悪役や黒幕、裏切りのような行動をとりはじめ、真の目的が不明なエレンについて考察していきます。エレンはストーリーの後半からだんだんと目的や行動の意味が汲み取れない行動をはじめ、仲間とも軋轢のようなものが生まれてしまいました。エレンはトロスト区防衛戦にて自身の巨人化能力を自覚し、調査兵団へと入団します。

調査兵団に入ってからは仲間とともに巨人駆逐のために奔走し、壁内の巨人のほとんどを倒しましたが、ある事実を知ってからエレンは人が変わってしまったかのような行動をとるようになります。このほか、エレンは兵団に対しての数々の裏切り行為を行いました。では、エレンは一体どんな風に変わっていき、黒幕や悪役と言われるような人物になったのでしょうか？要点を抑えながら見ていきましょう。

まず、エレンはシガンシナ区での戦闘から約4年後、単独でマーレへ潜入しました。マーレとは、壁の外の世界を支配している大国です。エレンは、既に巨人によって捕食されてしまったマーレ治安当局の役人であったクルーガーとして負傷兵を装いながらマーレへ潜入しました。そこで104期の同期であるライナー・ブラウンと再会します。ライナーはレベリオ収容区にいました。

また、そこでヴィリー・タイバーによるパラディ島に対する宣戦布告の演説をエレンは聞きます。パラディ島は鎖国をしていた孤島であり、そこでは罪人たちを「楽園送り」として巨人化させていたという事実がありました。エレンはその後、巨人化し住民たちを巻き込んだ大きな戦闘を繰り広げました。そして、とうとうマーレ軍幹部を全壊させました。エレンはパラディ島に戻りますが、単独行動をしたことで捕まってしまいます。

この時点でエレンは悪役、黒幕かのように変貌しています。捕まってしまったエレンですが、彼にはまだ目的がありました。エレンの異母兄弟であるジーク・イェーガーの居場所を突き止めることです。また、この時エレンはタイバー家に代々受け継がれていた”戦槌の巨人”を奪うことに成功していました。そして、エレンは目的遂行のためにその後脱獄し、ジークを捜索し始めたのです。

エレンは、パラディ島に戻り拘束されると地下の独房で拘束される身となりました。実は、エレンはマーレへ潜入した際にジークと1度会っていたのです。そして、調査兵団とエレンによるマーレ軍幹部を全壊させた後、ジークはマーレからパラディ島へと亡命していました。パラディ島に渡ったジークは調査兵団・リヴァイの監視のもと巨大樹の森へと移されたのでした。一方、その後”イェーガー派”によるテロが勃発します。

イェーガー派というのは、エレンを信奉しエレンの目的や行動に賛同する者たちで構成された一派で、兵団側からは”反兵団破壊工作組織”と言われています。こうして、エレンは兵団に反旗を翻す形で裏切り行為ともとれる行動に出たのでした。イェーガー派はエレンとジークのほか第104期のフロック・フォルスターを筆頭に、イェレナ、ホルガー、ヴィム、ルイーゼなどがいます。ジークは隙を見計らい逃亡しエレンらと合流しました。

こうして、本格的なエレンの裏切り行為により、エレンは悪役の立ち位置へと変わっていきます。エレンたちイェーガー派が逃走した後、マーレ兵のニコロのレストランにマーレの戦士候補のガビとファルコが殺害されたサシャの一家が集まりました。そこではサシャの一件の犯人がガビであることを知った親が、ワイン瓶でガビが殴られるところをファルコが庇ったのです。庇った時に、ファルコはワインを口にしてしまいました。

実は、このワイン瓶にはジークの脊髄液が混入されていたのです。ジークの脊髄液は、ジークが叫ぶことによってこの液を投与されたエルディア人は巨人化してしまうという作用を持っていました。因みにファルコはエルディア人です。そして、このニコロのレストランには調査兵団の分隊長であるハンジや他の第104期生たちも訪れていました。これをチャンスに、イェーガー派は彼らを捕まえました。

実は、これら一連の出来事はイェーガー派が策略していたことらしく、別室にいたミカサやアルミンたちもエレンに裏切られた形になってしまったのです。ミカサとアルミンは変わってしまったエレンに困惑しながら3人で話すことになりました。エレンはミカサとアルミンが変わったと主張します。一方、エレンはアルミンに暴言を吐き、ミカサには「ずっとお前が嫌いだった」とズタボロに言い、彼らのもとを去っていったのでした。

幼馴染の関係が崩壊したエレンたちですが、エレンはジークとの間に”ある計画”を企てていました。それは、エルディア人を全滅させる”安楽死計画”というものです。エレンは、父親の遺した資料やジークからの話しによって目的が定まり、それを実行に移そうとしていました。その目的のために、ジークへ近づき、アルミンやミカサに対しての態度はある目的のための「悪役」としての行動を起こしたのでは？と考えられています。

まず、ジークの目的は、迫害されるエルディア人の生殖能力を奪い、エルディア人を全滅させるという「安楽死計画」でした。エルディア人を全滅させれば悲しいことは起こらないという理由です。ジークは、母親とエレンの父親でもあるグリシャによってエルディアに関する”洗脳教育”を受けていたため、異母兄弟であるエレンも自分と同じように洗脳教育をされたと思い込んでおり、ジークは異母兄弟としてエレンに手を差し伸べたのです。

エレンとジークの父親であるグリシャは、迫害を受けているエルディア人を救い自由を与えるために王家が保有していた「始祖の巨人」の力を奪っていました。地ならしをするには「始祖の巨人」のほかに「王家の血」が必要なのですが、ジークは王家の人間であるダイナが母親だったので条件は揃います。一方で、エレンは父親グリシャの「始祖の巨人」の血を引いています。まず、これらがエレンが裏切りに走る前提の話です。

エルディア人は、巨人になることのできる力を持っていた為世界中で迫害される人種となっていました。そして、パラディ島の外の島であるマーレで彼らは奴隷として酷い扱いを受けていました。そして、マーレでは「エルディア人は悪の人種」としての洗脳教育がされており、それらの事実や過去をジークとエレンは嘆いていたと考えられます。そして、2人は共謀し目的をもって世界を巻き込んだ争いへと発展していったのです。

ですが、2人は凶暴していたかのように見えましたが、実はエレンの真意はジークとは別にありました。そして、エレンはジークまでをも裏切っています。まず、微妙に真意が食い違っているジークとエレンですが、エレンの真の目的とは一体何なのでしょうか？エレンの目的は未だに謎ですが、兵団やミカサ、アルミンたちに対して行ってきた数々の裏切り行為に関する理由や、一連の黒幕や悪役に関しても考察含め見ていきましょう。

まず、エレンの1つ目の目的は地ならしをすることでした。地ならしとは、言葉の意味通り全て失くして平らにするという意味です。この地ならしは、「始祖の巨人」と「王家の血族」と2つの力が合わさった時に発動されるものです。エレンはパラディ島で生まれ育ち、パラディ島には故郷としての想いや守らねばという強い気持ちがありました。ですが、パラディ島や人々は壊滅させられようとしていたのです。

そこでエレンは、パラディ島を救う為に地ならしという選択を選んだと考えられています。また、ここまでミカサやアルミン、兵団などを裏切り悪役かのような振舞いをしていたエレンですが、単独で行動を移すのには同期である第104期が大切であるからではないかと窺えるのです。地ならしをするには王家の女王であるヒストリアはもちろん下手をすれば104期を犠牲にしてしまうかもしれないという可能性があります。

ここまで一緒に頑張ってきた大切な104期たちを巻き込み犠牲にさせないためにも、エレンは悪役を買ってでて黒幕として単独行動を選んだのではないか？とこれまでのエレンの行動を見て推測できます。

そして2つ目の目的として、始祖ユミルの解放です。具体的には、エレンはパラディ島の島民を守るため、始祖ユミルの力を借りてパラディ島にいるユミルの民以外の人々を地ならしによって駆逐することが目的であると判明しました。ユミルは、エルディア人の奴隷としてこれまで無心で巨人を作り続けていましたが、エレンの言葉によってユミルは地ならしをすることに賛成したのです。

そして、エレンの最大の目的として有力なのが、”巨人の存在を終わらせること”です。エレンは、作中で「余人が支配する世界を終わらせる」といったようなセリフを放っています。巨人化にピリオドを打つことによって、奴隷関係や争いなどを全てなくしたいと思っていることが考えられます。巨人の始祖ユミルは、奴隷として自由ではない境遇を過ごしてきました。一方、エレンは自由意志が大切だということを作中でも言っています。

このことからも、104期をまもることのほか、始祖ユミルを解放することによって巨人を終わらせることが目的であると考えられるのです。

では、地ならしをした後のエレンの行動や今後の展開について考察していきましょう。まず、地ならしをした後のエレンは、「ユミルの民以外の駆逐」という意思をユミルの民を通して放ちます。エレンの真意を知ったイェーガー派は、世界の救助に向かい奔走し始めました。エレンの行動によってカオス状態の世界となっています。地ならし後は、エレンの意思通りに全て巨人の歴史を全て終わらせるのではないか？と予想されています。

『進撃の巨人』は最終回が近いと言われている作品ですが、では、一体どのような最終回なるのでしょうか？まず予想されている1つ目は、ミカサによる”ループ能力”で第1話に戻るというものです。なぜここでミカサが出てきたのか？それは、座標と言われている「始祖の巨人」にあります。始祖の巨人はエレンが持っているとされていますが、実はミカサが持っているのでは？と考察する読者もいるのです。

ミカサは東洋人という稀な血を受け継いでいます。そのことから、ミカサが座標＝始祖の巨人を持っていて、その能力は「時間をループ」させるのではないか？と最終回に向けて考察が飛び交っているのです。2つ目の予想は、エレンが父・グリシャから受け継いだ能力を使って巨人が超えられないような大きな壁を造るというものです。3つ目の予想は夢落ちというものです。

最終回が夢落ちだった場合は、今までの出来事は一体何だったんだという声が上がりそうですが、今のところ1番濃厚なのでは？と言われているのはミカサのループ説です。もしループ説が本当であれば、1話に戻るという震える展開になるでしょう。どちらにせよ、ハッピーエンドで終わることはあまり予想されていないことが窺えます。

では、エレンはいつからどんな風に変わったのかについて見ていきましょう。まず、初期のエレンについてです。『進撃の巨人』は、エレンが主軸となって世界の真実を探っていくというストーリーでした。エレンは世界を何も知らない1人の兵団の少年だったのです。このような展開が90話まで続いたので、読者はこのままエレンが奔走して終わりか？と予想をしていましたが、そうではなかったのです。

エレンが悪役、黒幕と言わるような「人が変わった」行動を見せたのは90話からでした。徐々に変わったのではなく、エレンは突如として豹変したのです。では、90話で一体なにがあったのか？それは、これまで知らなかった世界の真実を、父・グリシャの遺した手帳で知ってしまったことが起因しています。エレンはきっと世界を知り、このままではいけないことを悟ったのでしょう。90話以降エレンは悪役・黒幕へと変貌します。

では、黒幕のエレンはこれらの目的の先にどんなものを見ているのでしょうか？エレンの目的の先にあるものについて考察していきます。まず1つ目は、自由な世界です。エレンは『進撃の巨人』の作中で何度も「自由」という言葉を言っています。始祖ユミルが奴隷として生きてきた間、自由のない生活を強いられてきました。彼女たちが行く先には自由というものはありません。

ですが、そんな非情な過去を知ったエレンは自由というものについて深く考え、自由にならなければいけないという結論に辿り着いたのだと推測できます。地ならしをし、しがらみをなくした先に待っているのが自由だとしたら、エレンの目的や計画は成功したと言えるでしょう。

また、エレンは自由という言葉以外にも作中では「自由意志」という言葉を放っています。始祖ユミルの非情な境遇には先ほども言ったように「自由」というものはありませんでした。また、始祖ユミルは自分だけでは自由を求め行動をしようとも思っていなかったことが窺えます。巨人の力を持ってさえ、始祖ユミルは自由を求め行動しようとはしなかったのです。ですが、意志のない始祖ユミルに対して地ならしを委ねました。

エレンは一貫して「自由意志」というものに対して強くこだわっていたことが窺えるでしょう。それぞれが自由になるという意思を持って行動しなければ変わらないということをエレンは訴えています。結局は地ならしが発動し、平和とはまた遠くなってしまいましたが、それは始祖ユミルの「自由意志」の一歩であったのでしょう。

ですが、地ならしを発動したことによって「自由の代償」というものでてきます。それは、自由意志の先にあるものは決してみんなが幸せになる未来ではないということです。現にエレンは悪役を買ってでて、幼馴染のミカサやアルミンたちにも悪役のような振舞いをし、友情に傷を付けました。エレンは「やられる前にやってやろう」という精神の持ち主なので、彼の自由意志の先にハッピーエンドの選択肢は減ってしまうでしょう。

続いては、エレンに関する感想や評価を見ていきましょう。まず、エレンに関して1番多かった感想は、エレンが黒幕になっていたことや『進撃の巨人』の展開がよく分からないというものでした。

続いての感想は、『進撃の巨人』の現在の黒幕はエレンということであってるか？というものでした。また、この他にも全体的に話が難しくなっているという評価がありました。

続いて、『進撃の巨人』をしばらく追っていなかった方の感想で多かったのは、「しばらく見ていなかった間に何が起こったの？」というものです。『進撃の巨人』は90話以降エレンの態度は悪役、黒幕になり初期とだいぶ変わっているので、戸惑う方も多いことが窺えました。

以上、『進撃の巨人』の主人公・エレンが悪役、黒幕と言われる理由や真の行動目的などについてまとめてきました。最終回間近と言われている作品ですが、まだまだ謎が多く追いつけていない読者もいることが窺えます。サイト内には『進撃の巨人』に関する他のまとめもありますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。