【ワンピース】カン十郎が裏切り者で確定！内通していた伏線や迫害の過去を考察

カン十郎について紹介する前にカン十郎が登場するワンピースについても簡単に紹介しておきます。

ワンピースは1997年から週刊少年ジャンプにて連載が開始され2020年5月現在も連載中の海賊を題材として少年漫画です。夢を叶える為の冒険、仲間との絆といった少年漫画らしい王道なテーマを押し出しながらも壮大に練られた世界観と物語の節々に散りばめられた伏線が人気を集める漫画です。日本国内外の数多くの出版記録を持つなど人気と共に高い評価を受けている作品でもあります。

メディアミックス展開も盛んに行われ、1999年に放送を開始し2020年5月現在も放送し続けているアニメを筆頭に、劇場版映画、小説、スーパー歌舞伎、ゲームなど様々なメディアで展開、いずれのメディアにおいても高い評価を受けています。海外での人気も高くまさに日本を代表する漫画の1つです。

海賊王を目指すルフィは仲間を集めながら各地を冒険、東の海（イーストブルー）、偉大なる航路（グランドライン）と船を進め、偉大なる航路を半周、魚人島を通って偉大なる航路後半の海、通称新世界へと足を踏み入れます。新世界で最初に立ち寄ったパンクハザードにてトラファルガー・ローと海賊同盟を組み、四皇カイドウを倒すべく行動を開始します。

同じくパンクハザードで出会いルフィ達と同じくカイドウ討伐を志すのがワノ国出身の錦えもんでした。そんな錦えもんの仲間でドレスローザ編にて合流を果たし、かつておでんに使えた9人の侍、赤鞘九人男の1人として登場したのが今回紹介するカン十郎です。

カン十郎はワノ国九里出身の侍で赤い長髪で顔を白塗りし、歌舞伎風の衣装を見に付けたワノ国の侍の中でもとりわけ目立つ服装をしたキャラクターです。巨大な筆を背負っており、刀の代わりにこれを武器して戦う他、その筆で絵を描き、描いた絵を実体化させる悪魔の実の能力者でもあります。

性格は錦えもんよりおおらかで海賊であるルフィ達のモモの助への態度に四苦八苦する錦えもんに対し、海賊に礼儀を求めるものではないと考えています。その他判明しているプロフィールとしては年齢が39歳、誕生日は7月21日のかに座、身長は347cm、血液型はX型、好物として刺し身のレタス巻き、ロールキャベツだという事が紹介されています。

そもそも裏切り者説が出たのはワンピース本編のおでん過去編にてカイドウがスパイの存在について言及した事にあります。それまでも不可思議な現象こそあったものの、伏線の多いワンピースだけにこのセリフが決定的な要因となりました。そしてそれまでの描写、その他の候補者よりも情報の整合性が取れている事からカン十郎が裏切り者なのではないか説が浮上にする事になりました。

ちなみにスパイの存在が示唆されてから実際に確定するまでに少し間があった事からこの間にはカン十郎以外にも日和や狂死郎、しのぶなど赤鞘九人男の中はもちろんその関係者も含めて裏切り者候補に名前が上がり、いつからスパイだったのかが様々な形で考察されていました。

そしてワンピース本編974話にてカン十郎自身が自分がスパイである事を認める発言をし、実際にモモの助を捕らえるという行動に出ます。本人の発言という1番分かりやすい形でその正体が明かされる事になりました。ちなみに正体を明かした事はカン十郎自身の判断ではなく、カン十郎をスパイとして送り込んだオロチの判断である事も明らかになっています。

カン十郎がスパイという事が確定した所で気になるのはいつからスパイとして裏切っていたのかという事！実はカン十郎がおでんの家臣になった事さえもスパイになる為であった事が明かされています。元々カン十郎の持つ描いた絵を具現化する悪魔の実を用意したのもオロチで、その後、おでんに接触するべく人の髪を切って筆を作る妖怪扱いを受けるように行動し、おでんに返り討ちにあった事で家臣に加わったのです。

つまりカン十郎は家臣になってからいつからかのタイミングで裏切ってスパイになったのではなく、そもそもスパイをする為にオロチによっておでんの元に送り込まれた存在と言えます。つまりいつからスパイなのかという疑問の答えは「おでんの家臣になった瞬間から」というのが答えと言えます。

裏切り者がカン十郎と確定したからこそ判明する伏線と言えますが、そもそも初登場時に紹介されたカン十郎の異名は「夕立ち」でした。夕立ちは昼から夕方にかけて降る雨の事です。雨が降っているという事は当然太陽の「光」は届きませんし、「月」が出る事もありません。夕立ちという異名からも光月ではない＝裏切り者という構図が成立していたのです。

加えて夕立ちには狐の嫁入りという意味合いもあり、「誰かを欺く」「隠す」といった意味も持っています。これらもカン十郎がスパイである事を裏付ける要因と言えます。さらにカン十郎の本名である黒炭。これはカン十郎の武器である筆に使われる「黒い墨」と結びつける事が出来ます。この事からカン十郎は初登場時、その能力までもが裏切り者である事を示唆した伏線だったと言えます。

次に不可思議であったのがゾウ編での出来事です。ルフィ達がゾウに辿り着く前、カイドウの部下であるジャックがゾウを襲撃、ゾウは壊滅的な打撃を受けました。しかしゾウは厳密には島ではないので「記録指針」で辿り着く事はできない国です。この事からワンピース本編でも何故ジャックがゾウに辿り着けたのかを疑問視する描写がありました。

作中ではビブルカードで辿り着いたのではないかという考察をイヌアラシがしていましたが、このビブルカードを用意したのもカン十郎です。ジャックのゾウ襲撃時にはまだドレスローザにいたカン十郎ですが、元々錦えもんらと共に仲間を集う為にワノ国を飛び出している事、イヌアラシやネコマムシとは同じ赤鞘九人男の同志という関係からビブルカードを持っていてもなんら不思議ではありません。

ちなみにこの伏線に関してはカン十郎がスパイだと確定した際、カン十郎自身がイヌアラシに言及しています。加えてジャックはゾウに雷ぞうがいる事を掴んでいた事、名指しで雷ぞうを出すようにとイヌアラシ達に求めたのもカン十郎というスパイが情報を渡していたからと考察されています。

ルフィらと共に錦えもんがドレスローザにやってきた際、何故かドフラミンゴは既に錦えもん、モモの助の名前を把握していました。ドフラミンゴはジョーカーという裏社会での顔を持っているのでかなりの情報通で洞察力も高いですが、これも後々発覚する錦えもん達が20年前からやってきたという事実と照らし合わせると不可思議です。これもカン十郎がスパイとして情報を提供していたと考察する事が出来ます。

カン十郎はオロチのスパイですがオロチのバックにはカイドウがいます。そしてカイドウとドフラミンゴは裏取引でSMILEを買い取っているなど交流があるのです。その為、カン十郎からの情報が回る事は十分に考えられます。上記の名前だけであればスパイがおらずともカイドウが赤鞘九人男についてドフラミンゴに情報提供しただけとも言えますが、もう1つドレスローザ編にはカン十郎が裏切り者であると示す伏線がありました。

ドレスローザ編にてドフラミンゴはルフィやレベッカ、革命軍のサボ、リク王家に連なるリク・ドルド3世やキュロスなどを対象にその時ドレスローザにいる邪魔者を不穏分子として国民に報告させるというゲームを行います。この時錦えもんはその中に加えられていましたが、何故かカン十郎の名前はありませんでした。

仮にカイドウがドフラミンゴとやり取りをしていたとしてもわざわざ錦えもんだけに情報を絞る必要はありません。この事からカン十郎がスパイである事はドフラミンゴにもスパイである事が伝わっていたのだと考察する事が出来ます。

ルフィらと共にゾウに辿り着いた先、ズニーシャを登る為にカン十郎が絵を描きますがその時に描いた絵は下手くそな龍でした。龍といえばカイドウである事は赤鞘九人男の中では強烈な印象が残っているはずであるにも関わらず龍に対してカン十郎は悪いイメージを持っていないのです。

実際このシーンでは錦えもんから「あのな」とツッコまれていますが、カン十郎は「目には目をと申す」と返答しながら笑みを浮かべています。この事からカン十郎の心が既に死んでおり何も感じていない事、カン十郎がスパイであるという伏線だったと考える事が出来ます。

ワンピースのワノ国過去編にてオロチが誰かからの密書を読んで震えているシーンが描かれています。同席していたカイドウすら疑問を持つ20年の時を超える能力ですが、オロチの震えぶりはその情報が確定的な情報だったからと言えます。オロチはこの後部下からも影で臆病者呼ばわりされますがこの時の情報が他ならぬ20年の時を渡った張本人であるカン十郎から届いたと考えればオロチの震え振りも納得できます。

しかもこのシーンが描かれる前、時を越えた錦えもん、雷ぞう、菊の丞、そしてカン十郎が未来に飛ばされたシーンが描かれているのですが、このシーンではカン十郎は下記でも触れるように右手に筆を持っており、その頭の上では鳥のような物が飛んでいるのが描かれています。このシーンからカン十郎の上部に描かれた鳥がオロチに情報を届けたのではないかと考察されています。

20年の時を越えた後のカン十郎は絵を描く時、上記で触れた龍を描いた時も含めて左手で絵を描いています。しかし過去編などで描かれたようにカン十郎は本来右利きなのです。過去編では実際にカン十郎が刀を右手で持っているシーンや箸を右手で扱うシーンが描かれています。カン十郎が左手で描く絵はとても下手で能力に見合わず気の毒と言われる程ですが実際それはわざと下手に描いていただけなのです。

カン十郎は右手で絵をかけば本物と見間違える程の絵を描く事が出来ます。そのクオリティは人間であるカン十郎自身を描き錦えもん達にバレずに普通に会話を出来る程です。いつから左手で描いていたかは不明ですが、少なくとも20年前に未来に飛ばされる時点では右手で描く絵は本物と見間違う程のクオリティを持っていました。

後から見返せば初登場時から数多くの伏線が描かれているカン十郎スパイ説ですが、ワンピース本編以外の部分でもスパイだった事が伺えるとされる場面があります。それはワンピースの単行本で描かれてたカン十郎の姿です。カン十郎は赤鞘九人男のメンバーの1人として紹介されているのですが、他のキャラクターは同じイラストが使い続けられているのに対しカン十郎だけは毎回違うイラストが使用されていたのです。

もちろんこれだけで裏切り者と考察は出来ませんが、本編に含まれた伏線と合わせて扉絵連載なども含めて様々な所に伏線を張り巡らせるワンピースだけに、これも1つの伏線だったのではないかと確定後に言われるようになりました。ただ上記の名前や異名などと合わせてワンピース本編を展開する中いつからかのタイミングでカン十郎が裏切り者になるという展開が決まったのではなく最初から裏切り者として描かれていた事が伺えます。

カン十郎がスパイだと確定した際、カン十郎の過去も描かれいつからスパイだったのかが描かれるというのがワンピース本編の流れでした。しかし実はカン十郎が過去に迫害を受けていた事はそれ以前、おでんの過去編の中でもこっそり描かれていました。カン十郎がおでんの家臣になる際のエピソードの中で「過去に迫害を受けていた様だが自業自得だ」とおでんが記したような形でモノローグが入っているのです。

しかしこの時点ではあくまでもモノローグで描かれただけでいつからどのようなきっかけで迫害を受けていたのかなどがとりわけピックアップされる事はありませんでした。しかしこの迫害こそがカン十郎がオロチのスパイになる要因だったのです。

カン十郎は黒炭家の分家の出身です。家は大衆演劇をする一座でした。しかしオロチの過去で明らかになったようにオロチの祖父が次期将軍の座を狙って大名を次々と暗殺、それがバレた事で黒炭家はお取り潰しとなりました。この一件で本家黒炭家の人間であるオロチはもちろん、分家のカン十郎の家までもが「大名殺しの一家」として迫害を受ける事になるのです。

この迫害の結果、カン十郎は両親を舞台上で殺されてしまい心を失ってしまいます。加えて元々役者として育ったカン十郎は何者かを演じる事でしか生きる快楽を得られなくなってしまったのでした。しかしこの役者としての才能が黒炭家本家の出であるオロチに見出される事になります。オロチに「本物の光月として生き、光月として死ぬ」という大役と悪魔の実を与えられたのです。

カン十郎の声優を務めた山崎たくみさんは1985年から声優として活動している声優さんです。演技の幅は広くシリアスな役からコミカルな役、イケメンから三枚目なキャラクターまで演じた実績を持っています。またメインキャラ以外で出演する際には1つの作品で複数のキャラクターを演じ分ける機会も多くなっています。

山崎たくみさんがこれまで出演した作品と演じたキャラクターとしては「機動新世紀ガンダムX」のロアビィ・ロイ役、「銀魂」の河上万斉役、「しまじろう」シリーズのとりっぴぃ役、「マクロスプラス」のイサム・ダイソン役、「Fate/Zero」のケイネス・エルメロイ・アーチボルト役、「咎狗の血」のナノ役、「史上最強の弟子ケンイチ」の新島春男役、「キン肉マンII世」のセイウチン役などがあります。

ここからは既にワンピースを視聴している人のカン十郎についての感想を紹介していきます。ワノ国突入以降、裏切り者の存在が示唆されていからいつからかカン十郎が裏切り者であるという考察は盛んに行われており、特にワノ国の過去編にてカイドウがスパイの存在に言及した事からスパイの正体やいつからスパイがいたのかを考察する声が多く集まる事になりました。

また同時にカン十郎のスパイが確定してからはワノ国編での伏線はもちろんカン十郎登場からの様々な要素が伏線だったのではないかと考えられるようになり初登場のドレスローザ編から怪しい要素はたくさんあったとしてピックアップされるようになっています。同時に元より不可思議だった出来事もカン十郎のスパイが確定した事ではっきりしたという感想も多いです。

またワンピース本編でも言及されていたスパイの存在を含めてカン十郎が裏切り者と確定した際には狂死郎が傅ジローである事が発覚したりと情報量が多すぎて頭の整理が追いつかないという声も多くなっています。様々な伏線があったカン十郎の裏切りですが、裏切り者はいないという考察をしていたファンも多く、衝撃的な出来事の連続だったとする感想が非常に多いです。

カン十郎が裏切り者である事は既に確定しており、そもそもいつからかのタイミングで裏切ったのではなくおでんの家臣になった時からスパイの為だった事が明らかになっていますが、おでんや赤鞘九人男の仲間と共に過ごした時間は変わらないものである為、今後二重スパイのような動きをしてくれないかと期待するファンも多いです。

おでんの過去編にておでんの偉大さや強さについてはこれでもかという程に言及されている事、さらに日和が河松のおかげで笑顔を取り戻したエピソードなど近しいエピソードも描かれている事からおでんらと過ごす日々がいつからかカン十郎の中で何か変化のような物を生み出していたという展開を期待しているとする考察も見られます。

ワノ国編の中でルフィ達側の不安要素としてピックアップされていた裏切り者の存在、974話にてついにその裏切り者の正体がカン十郎である事が確定しました。同時にいつからスパイだったのかも明かされています。数多くの伏線が考察されていたカン十郎ですが、確定いた後だからこそ「これも伏線だったのでは？」と言われる要素が数多く登場しています。

今後の展開としては錦えもんら同じ赤鞘九人男の誰かに倒されるのではないかとする考察と共に、どこかにおでんの影響が残っており二重スパイのような形でオロチを裏切ってくれないかと期待する声も残るなど、スパイがカン十郎と確定した後もまだまだカン十郎の動きには注目が集まっています。今後のカン十郎の動きに注目しながらワンピースを視聴してみてはいかがでしょうか？