【ワンピース】光月家とは何者？登場している一族や家紋の意味も考察

ワンピースに登場する光月家に注目が集まっています。光月家についての考察を紹介する前にまずは光月家が登場するワンピースについても簡単に紹介していきます。

ワンピースとは1997年から週刊少年ジャンプにて尾田栄一郎先生が連載している海賊を題材とした漫画です。夢の為の冒険、仲間との絆など少年漫画らしいテーマを押し出しつつも、その物語の中で描かれる壮大で精巧に作り込まれた世界観、物語の節々に織り交ぜられた伏線が数多くの考察を生み、高い人気を獲得している漫画です。

その人気は圧倒的で日本国内の数多くの出版記録を樹立、或いは2020年5月現在も更新し続けており、海外でも翻訳版も展開、2015年には「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス記録にも認定される程になっています。アニメ、ゲーム、小説、劇場版映画、舞台など様々なメディアでも展開し、それぞれの分野で高い評価を受けている作品です。

海賊王を目指すルフィは各地で冒険を繰り返しながら志を同じくする仲間を集い冒険を続けていきます。やがて麦わらの一味と呼ばれるようになったルフィ達は偉大なる航路（グランドライン）に入ってからも各地で暗躍する海賊や、時には海軍、世界政府を敵に回して大暴れします。そうして偉大なる航路を半周し辿り着いたシャボンディ諸島で麦わらの一味は初めて大きな敗北を知る事になります。

2年の修行期間を経て再集結した麦わらの一味は偉大なる航路後半の海、通称新世界へと足を踏み入れます。新世界で初めて降り立ったパンクハザードにて同じ最悪の世代と呼ばれる海賊、トラファルガー・ローとカイドウを倒す為の海賊同盟を結成したルフィ達。そんなカイドウが君臨するのがかつて光月家が治めていた国、ワノ国でした。

考察などを紹介する前にワンピース作中で紹介されている光月家についても簡単に紹介しておきます。

光月家とは新世界にある世界政府非加盟国で長年鎖国状態にあるワノ国を治めていた一家です。ワノ国では将軍を頂点に国内を6つの郷に区分し、将軍である光月家が収める花の都以外の5つの郷を大名が支配する日本の江戸時代のような支配体制が取られていました。20数年前にカイドウと手を組んだオロチにより支配体制が転覆される事になっています。

ワンピース本編の時間軸において光月家は長年鎖国によって平和が保たれてきたワノ国を開国しようとしたとして光月家は悪としてワノ国全体に教育されています。

将軍家という顔を持つ光月家ですが、もう一方で代々石を切り出して加工する石工の一族という顔も持ち合わせています。ワンピースの世界に点在する歴史の書物（ポーネグリフ）を作り出したのも光月家です。歴史の書物に彫り込む為に光月家の跡取りには代々古代文字の読み書きが伝えられていました。しかし光月おでんがモモの助に伝承する前に処刑されてしまった事でモモの助は古代文字の読み書きをする事が出来ません。

実際におでんは古代文字の読み書きが出来るのでルフィ達も訪れた空島スカイピアにあった黄金の大鐘桜に刻まれていた「我ここに至りこの文を最果てへと導く」という古代文字をロジャーの指示で掘ったりしています。

ワンピース本編に名前が登場している中で光月家の家系図的に先祖と言える存在が光月スキヤキです。おでんの父、モモの助の祖父にあたり、光月スキヤキの代までは光月家がワノ国の将軍を務めており、実質的に光月家最後の将軍と言えます。

おでんとは当初ソリが合わず、破天荒なおでんに絶縁を言い渡しますが、おでんが無法地帯となっていた九里の地をまとめ上げ発展させた事で絶縁を解き、九里大名に任命します。その後表向きは病死という形で死んでしまいますが、おでんはその裏にはオロチが関わっていたのではないかと考察しています。

光月家を語る上で外す事が出来ないのが光月おでんです。生まれながらに豪快で破天荒な人物として描かれワノ国が鎖国する事に長年疑問を覚えていました。その一方で光月家としての才能は凄まじく、10歳で石切場の棟梁に上り詰め、大刀二刀流の剣豪でもあります。九里大名となったおでんでしたがその後、偶然島に漂着した白ひげに頼み込みワノ国を飛び出す事になります。

白ひげ海賊団では2番隊隊長として活躍、その後白ひげとロジャーが戦闘になった際、ロジャーに古代文字を読めるその才を惚れ込まれスカウトされます。ロジャー海賊団に加わると各地を冒険し最終的にはラフテルにまで同行しました。その後ロジャー海賊団が解散しワノ国に帰還。しかしその頃には既にオロチとカイドウによってワノ国は支配されていました。

当初はオロチと取引をしてワノ国を開放しようとしますが、その約束は反故にされ錦えもんら部下と共に反乱を起します。カイドウに現在まで残る大きな傷をつけるなど善戦しますが最終的には罠にハメられる形で敗北。囚われる事になってしまいます。最終的には釜茹での刑で処刑される事になってしまい部下をかばい「ワノ国を開国せよ」という遺言を残して最期を遂げてしまいました。

余談ですがおでんは白ひげ海賊団、ロジャー海賊団にいた経緯からその強さを海軍にも知れ渡っており、賞金首になっていた事も明らかになっています。懸賞金額は不明ながら賞金首になってから白ひげ海賊団の2番隊隊長になっているので相応の金額だった事が伺えます。

ワンピース本編の時間軸でも存命の光月家の生き残りの1人が光月モモの助です。おでんが白ひげ海賊団にいる際に生まれ、その後ロジャー海賊団におでんが移っても同行していました。その後ロジャー海賊団がポーネグリフの写しを求めてワノ国に一時的に立ち寄った際、母であるトキと共にワノ国に残る事になりました。その後は母のトキや錦えもんらおでんの部下らに支えられながらおでんの帰りを待つ事になります。

おでんの処刑後、カイドウの部下がおでん城に火を放った際、錦えもんらと共に20年後の未来に飛ばされる事になります。20年後のワノ国に降り立ったモモの助はカイドウとオロチを倒すべく同志を募る為にワノ国を離れました。モモの助がパンクハザードにいたのはドレスローザで誤って船に乗ってしまった為です。

おでんの娘でモモの助の妹に当たる存在が光月日和です。日和もまた白ひげ海賊団の船上で生まれモモの助とは2歳差の兄妹です。ただモモの助がトキの能力で未来に飛ばされる際、トキが光月家の一族の血筋を残す為、敢えて日和は未来に飛ばさない事を選んだ為、光月家の生き残りで唯一ワノ国で長年を過ごしてきました。そんな彼女を支えたのがおでんの部下の河松と傳ジローです。

当初は一度に家族全員を失った事に絶望し生きる気力を失っていましたが河松の献身により笑顔を取り戻します。しかし河松のあまりの献身と河松が自身がやつれていくのを厭わない姿勢から河松が死んでしまう事を恐れ河松の元から逃げ出します。そんな日和を偶然引き取る事になったのが狂死郎という偽名でオロチの懐に入り込んでいた傳ジローでした。

傳ジローは日和に自身の正体を明かした上で素性を隠し生きる事を提案。日和は狂死郎が取り仕切る遊郭の遊女「小紫」として生きる事になります。このような経緯からモモの助とは兄妹の関係でありながらモモの助が8歳のままなのに対し、日和はワノ国編時点で26歳になっています。

おでんの妻でモモの助、日和の母となるのが光月トキです。悪魔の実「トキトキの実」の能力者であり、自身や他人を未来に飛ばす事が出来る能力を持っています。この能力を使って遥か昔から渡ってきた為、おでんと出会った時点で800年くらい前の時代からやってきたと言っていました。旧姓は天月ですが本人はワノ国出身ではなく両親までがワノ国に住んでいたようでワノ国に行く事を渇望しています。

人買いに襲われている所を当時白ひげ海賊団の一員だったおでんに助けられ、おでんと共に白ひげ海賊団に同行する事になります。やがて恋仲になってモモの助と日和を設け、おでんがロジャー海賊団に移籍する際にも同行しました。ロジャー海賊団がワノ国に一時的に立ち寄った際、長旅の疲れで体調を崩した影響から子供達と共にワノ国に残る事になります。

おでんの帰還を待つ間は積極的に町に出ては町人の手伝いをし、おでんの冒険譚を伝える事で町人達からの理解と信頼を得る事に務めました。おでん処刑後、モモの助を未来に送り、日和を河松に託すと城を脱出、民衆達の前で辞世の句を残しカイドウの手下によって銃殺されました。

光月家の一族を語る上で外す事が出来ないのが家紋です。光月家の家紋とは錦えもんら家臣は背中に家紋を入れ墨にしている他、ゾウにあるくじらの樹の内部にも刻まれていました。この家紋は実は実際に存在する家紋を組み合わせて作られています。この家紋の組み合わせから光月一族の家柄までが分かるというのです。

光月家の家紋とは分解すると中央の鶴「鶴丸」、鶴の中にある9つの丸「九曜」、鶴を囲う輪は「菊輪」と呼ばれる家紋で、それぞれに「鶴丸」には一族繁栄、「九曜」には厄除け、「菊輪」には準ずる者という意味が込められています。特に注目するべきなのは「菊輪」です。準ずる者という意味は転じて分家という意味合いを持っているのです。

そもそもワノ国を治めている光月家は「将軍」の一族であって王の一族ではありません。そしてワノ国を鎖国したのは他ならぬ光月家です。この事から光月家は本来、どこかの国の分家だった可能性が見えてくるのです。多くの考察ではそしてワンピース作中で度々名前が登場している空白の100年に存在したと言われる「ある巨大な王国」ではないかと考察されています。

光月家の家紋には残り十字が残されています。上記の3つの家紋と合わせて含まれているのが「菊輪」を蔦抜くように設置された「斜め十字」です。ちょうど海賊旗の骨にも見えますが、光月家は元海賊という事は考えられません。「斜め十字」には月の象徴という意味があります。或いは光月家という名前の由来になっているのがこの斜め十字なのかも知れません。

また別の考察では上記の考察で光月家の家紋の「九曜」として紹介した部分が太陽系の惑星を示しているのではないかとする考察もあります。実際ワンピースでは扉絵連載でエネルが月で壁画のような物を見つける姿が描かれており、或いは上記でも触れた空白の100年に存在したと言われる「とある巨大な王国」とは宇宙規模に跨る国だったのかも知れないと考察されています。

上記の考察の元になっているのがロビンの過去編で登場したオハラにあった巨大地球儀です。この地球儀には中央の大きな星（ワンピース世界における地球）の周りを描かれているだけで6つの小惑星が公転している姿が描かれているのです。この事からワンピースの物語が展開されている星以外にも星があることがうかがい知る事が出来ます。

さらにこの考察の後押しになったのが光月トキが残した辞世の句です。光月トキは死に際に以下のような辞世の句を残しています。

単純に読み取るとこの辞世の句は20年後に9人の影（赤鞘九人男）が再び現れる事を示すような言葉とも取れます。しかし光月トキはそもそも800年前、つまりはワンピースの世界の歴史における空白の100年を知り得る可能性のあるキャラクターです。そもそも何故光月トキが800年もの時を渡る事になったのかについては描かれておらず、或いは何か関係があるのではないかとも考察されています。

上記でも触れた9つの丸が別の意味合いを持つのではないかとする考察から発展して結び付けられているのが歴史の書物（ポーネグリフ）です。ポーネグリフとはワンピースの世界におよそ30個存在していると言われていますがその中で本当の情報を持つ石、リオ・ポーネグリフは全部で9つあると言われています。光月家の家紋はこの事を示しているのではないかとする考察もあるのです。

元々光月家は歴史の書物（ポーネグリフ）と強い関係のある一族なので家紋にそれらを示す文様が入っていても不思議ではありません。或いは上記で紹介した「九曜」を組み合わせてリオ・ポーネグリフの方を9つにしたという事も考えられます。ワンピースの作者尾田栄一郎先生であればそれくらいの組み合わせは十分にありえるのではないかとも考察されています。

また上記の考察からさらに結びつけられているのが「とある巨大な王国」と関係があるのではないかと言われている「Dの一族」についてです。Dの一族とはルフィを始めミドルネームとして「D」を持つキャラクターの総称で2020年5月現在ワンピースで7つの家系が登場しています。ただこれで全部とは考えにくく或いはDの一族は9つの家系あるのではないか、とも考察されています。

800年前の空白の100年時代から長らくワノ国を治め続けてきた光月家ですが、その流れを覆したのが黒炭オロチとカイドウです。端を発したのがオロチの祖父で、当時光月家に跡取りが生まれず各大名家が権力闘争をし、オロチの祖父が内乱を装って各大名を暗殺、しかし後に光月家にスキヤキが生まれた事で将軍の座は光月家に留まり加えて大名暗殺が黒炭家によるものと判明しお家取り潰しという処罰が行われる事になりました。

オロチ自身は祖父の行いとそれに対しての罰として黒炭家の断絶自体は受け入れていましたが、以降の黒炭家は残された親族も含めて「大名殺しの一族」として迫害を受けるようになってしまいます。この事からワノ国全体を憎むようになったオロチはカイドウと手を組み最終的にワノ国を滅ぼすつもりで将軍の地位に付きます。

オロチ支配体制になったワノ国でまず始めにオロチが行ったのが大量の武器工場の建設でした。さらにカイドウという後ろ盾を上手く利用して自身への反抗の意志を許さないという信念の元、ワノ国で盛んだった剣道・柔道・空手といった武道の一切を禁止するなどの圧政をしています。製造された武器は他国や政府（CP-0）と取引しており、自身はお金を稼ぎ続けています。

大名制もほぼ廃止されており各地は荒れ果てている他、自身が暮らす花の都のお膝元であるえびす町でも日々人が死に行き咽び泣く姿が煩わしいという理由で失敗作のSMILEを食べさせ、笑顔しか作れなくしてしまうという悪行も行われています。この住民から感情さえも奪うという行為は小紫にも「オロチ最大の罪」と表現されています。

ここからは光月家に関しての感想を紹介していきます。ワンピースでは伏線が非常に多くワノ国編、おでんの過去を描くエピソードなども含めて伏線が回収される場面も多く、見ていて気持ちが良い、スッキリしたという声が非常に多いです。もちろん光月家についてさらなる伏線が増えたという声もありますが、しっかり回収されていっている事に安心感を覚えるという声も多くなっています。

一方で考察を行う人からは多くの考察の答えが出ているとして盛んに取り上げられ、より深い考察が行われるなどもしています。

またワノ国編の中で展開された光月家の歴史が分かる過去編では白ひげやロジャーなど多くの海賊が登場しそのエピソードも語られた事から高い人気を誇るエピソードになっています。伏線の回収云々に関わらず、物語としてよかったという声も多くなっており、中にはロジャーやおでんを主人公にスピンオフを描いて欲しいという声まで上がる程になっています。

ワノ国編が盛り上がる一方でこの先の展開やワノ国編の中でどこまで伏線が回収される事になるのかが気になるという声も見られます。戦闘での勝敗はもちろん、ワノ国編で増えた伏線、ワノ国に関連すると思われる伏線もまだまだ残っている故に、どこまでが描かれ、どこからが持ち越しになるのかを考察するファンもいるほどです。

光月家とはスキヤキの代まで代々ワノ国の将軍家を務めてきた歴史ある一族であり、ワンピースの世界で大きな謎になっている歴史の書物（ポーネグリフ）を作り出した一族でもあります。古代文字を読み書きする術こそおでんの代で潰えてしまいましたがモモの助、日和という生き残りもおり、今後のワノ国編の展開が楽しみにされています。

ルフィ達がカイドウを倒す事になれば再び光月家が将軍になるという展開なども予想でき、それらの展開がまたワンピースのこれまでの伏線に触れられる1つのきっかけになるのではないかとする考察もあります。ワンピースの物語、歴史に大きく関わっている光月家だけに今後の展開に注目しながらワンピースを視聴してみてはいかがでしょうか？