【名探偵コナン】ジンとシェリー（灰原哀）は恋人関係だった？噂の真相を考察

探偵ものの代表格と言えば、「シャーロック・ホームズ」「明智小五郎」「金田一耕助」などがあり、書籍だけでなくドラマや映画などで時代を超え長年親しまれている作品です。20世紀末に登場した「名探偵コナン」は、名だたる探偵ものをリスペクトした新感覚の探偵ものとして登場しています。

漫画・アニメともに大ヒットし、毎年公開されている劇場版も春の一大イベントとなっている「名探偵コナン」は、「サザエさん」「ドラえもん」に次ぐ国民的アニメと認知されています。新キャラ・安室透や赤井秀一の登場により、「名探偵コナン」は新たな進化を遂げています。

人気推理作家の父と元女優の母というセレブな親を持つ高校生・工藤新一は、ずば抜けた推理力で高校生探偵として難事件を解決に導いています。幼馴染みの毛利蘭とは互いに好意があるものの、なかなか恋に発展できない微妙な関係が続いているようです。そんな矢先、ひょんなことから黒の組織のジンと関わってしまった新一は、毒薬APTX4869を飲まされてしまったことで、高校生から小学校低学年程度の体に変貌してしまいます。

高校生から10歳近く若返り小学校低学年程度の体となってしまった新一は、江戸川コナンを隠れ蓑にして蘭の父が経営している探偵事務所兼自宅に居候の身となります。外見は子供でも推理力は新一のままなので、探偵事務所の依頼や偶然遭遇してしまった事件を見事に解決していきます。黒の組織から死亡とされている新一ことコナンは、黒の組織から抜けるため同じ経緯で変貌したシェリーこと灰原哀と黒の組織を追っていきます。

FBIや公安からマークされている黒の組織の目的は不明ですが、ジンの動向を見る限り黒の組織は世界的な巨大犯罪組織であると考えられます。黒の組織に忠実なジンは「名探偵コナン」の序盤で、組織の取引現場に遭遇してしまった目撃者・新一を口封じたのため証拠の残らないAPTX4869を飲ませ殺害しようとします。APTX4869が試作段階だったことで新一がコナン、シェリーが灰原として生きていることをジンは知らないようです。

組織のために平気で殺人を犯してしまうジンは、黒の組織を束ねる「あの方」からの信頼があり、ベルモットやウォッカに任務を伝える重要な立場に位置していることから、FBIはジンを黒の組織壊滅するための最重要人物とみなしています。かつて黒の組織に潜入していたFBI捜査官・赤井秀一は、敵でありながらもジンに一目置いているようです。

背は高く細身のジンは冷酷さを漂わせる深緑の眼差しに、黒の組織が服を着て歩いているような黒ずくめの装束を身に纏っています。シルバーのストレートの髪は少女漫画のヒロイン並みに長いです。年齢や国籍など不明な点が多いジンは、黒澤陣という名前があることから日本国籍という可能性もありそうですが、この設定は裏設定であることから偽名の可能性もあります。

銃撃戦などでハイスペックな戦闘スキルを発揮するジンは、悪役キャラでありながらもカッコ良すぎるとファンの間では話題になっているようです。ジンは気配を消してターゲットに接近し、ターゲットを気付かれることなく仕留めます。ノベライズ版「純黒の悪夢」でのジンはドイツ語に長けている描写があることから、任務遂行のため幅広い分野のスキルを習得しているようです。

誰が見ても残忍な性格だとわかるジンは、「殺した人間の顔と名前なんか、いちいち覚えていられない」という発言をしており、組織のため数々の裏仕事をこなしていったと伺えます。残忍さがダダ洩れのジンが黒の組織の幹部の地位を得たのは、残忍だけでなく冷静さを兼ね備えていたからでしょう。

ジンが残忍性のみで行動していたら、早々に命を落としていたことでしょう。ジンは冷静な判断力で組織を脅かす新たな存在を察知しているものの、それがコナンだということには気付いていないようです。

黒の組織の幹部であるジンの家族構成については、全く触れていないため詳細不明となっています。黒の組織は屋台骨となる幹部メンバーは抹殺された者もいるようですが、メインは実行部隊のリーダーを担うジン、裏で暗躍するベルモット、潜入を担うウォッカとなっているようです。

ジン、ベルモット、ウォッカの関係性に極端な落差は無いため、階級的にはほぼ同格と見られるようですが、「あの方」からの任務を伝えるジンの立場を考慮すると、黒の組織のナンバー2と言われるラムに次ぐ存在と言えるようです。

ジンの左頬にある傷は長過ぎる前髪に顔が隠れているので、しっかり見ないと確認できないようです。ハイスペックな戦闘力を誇るジンは、自身が痛手を負うことなく容易にターゲットを仕留めることができるもののその逆はあるのでしょうか。そんなジンは「名探偵コナン」コミック48~49巻・アニメ425話で、赤井によるライフル射撃により、ジンのライフルスコープを撃ち抜いた破片が左頬をかすめ傷付いています。

黒の組織では本名・宮野志保ではなくシェリーと呼ばれていた灰原は、自らが開発したAPTX4869を飲みコナンと同じく幼児化することで姿を変え黒の組織を抜け出すことに成功しています。コナンの正体を知っている阿笠博士宅に身を隠し、コナンともに小学1年生として帝丹小学校に通っています。黒の組織を恐ろしさを誰よりも知っている灰原は、ジンの陰に怯えつつもコナンと黒の組織を追い続けています。

宮野志保やシェリーだった頃の過去は断片的にしかわかりませんが、黒の組織では詳細不明の薬物APTX4869の開発に携わっていた優秀な科学者だったようです。黒の組織を抜けた理由は、試作段階であるAPTX4869の用途に疑念を抱いた点や、姉を殺害されたことが要因になっているようです。灰原としてもAPTX4869の解毒薬を研究しており、コナンを一時的に新一の姿に戻すことができるものの、解毒剤の完成には至っていないようです。

「名探偵コナン」コミック24巻・アニメ176〜178話において、ジンが髪の毛一本でシェリーだと見破ったエピソードからジンとシェリーが恋人関係にあったのではという説を検証していきます。

命からがら黒の組織から脱走したシェリーが、小学1年生・灰原として生活を送り始めた矢先、コナンと灰原はジンの車を見つけます。コナンと灰原の正体を知らない黒の組織の動向を探るため、運良く誰もいなかった車に発信機と盗聴器を仕掛けます。戻ってきたジンは異変に察知し、車内にあった灰原哀から抜け落ちた赤みがかった栗色の髪がシェリーだと確信します。

たった一本の髪の毛でシェリーだと見破ってしまうジンは、シェリーと親しい関係だったのでしょうか。ジンの性格から考察してみると、黒の組織の幹部になるほどの素養がある切れ者であるため、観察眼には人一倍優れているとも言えるでしょう。

盗聴から黒の組織の暗殺計画を知ったコナンと灰原は、髪の毛一本でジンに行動を読まれているとも知らずに暗殺計画を阻止するためホテルに乗り込みます。監禁されてしまった灰原は、一時的に元の姿であるシェリーに戻り逃げ出しますが、再び抜け落ちた一本の髪の毛から逃走先を読んだジンに先回りされてしまいます。

シェリーから灰原になってからの黒の組織との初対決エピソードで、灰原はコナンの助けもありジンに正体がシェリーだとバレることなく逃げおおせます。髪の毛一本で灰原の行動を先読みし過ぎているジンに、コナンはお得意の推理力を発揮してある結論に辿り着いたようです。

「なあ…おまえ、ひょっとして組織にいた頃…」と言い始めたコナンに対し、灰原はコナンが言いたいことを知ってか知らずか遮ります。これ以上踏み込めないと悟ったコナンは、謎が多い灰原に「組織にいた頃、ジンと付き合っていたのか」と言いたかったのではと推測するファンも多いのではないでしょうか。

黒の組織の恐ろしさを誰よりも知っている灰原は、周囲に壁を作っている傾向があったようですが、コナンだけでなく歩美、光彦、元太との出会いを通して周囲に心を開いていきます。大切な人を巻き込みたくない灰原はジンに対して特段怯えており、その様子からジンに好意を寄せている可能性は限りなくゼロのようです。

そんな灰原に対しジンがシェリーに想いを馳せる場面では、常に何も身に付けていないシェリーの後ろ姿がイメージとして登場しており、好意を通り越した深すぎる執着心を伺うことができます。その後、コナンがシェリーの死を偽装したため、ジンがシェリーに執着を漂わせる定番の場面は無くなっているようです。

ジンの恋人はシェリー説の他に、黒の組織の幹部仲間であるベルモット説もあるようです。ジンは仕事上では一定の評価をしているベルモットに対し警戒しているため、世間一般に当てはまるようなロマンチックな恋人関係ではなさそうです。

とは言うものの、アニメでは大人の事情でカットされているようですが、コミックではベルモットの意味深な発言から二人が恋人関係だと匂わせているような描写があります。恋人関係と言っても、後腐れの無いクールな関係かもしれません。

ドラマや映画で事件性のある取引現場を見られてしまったら、口封じに殺害されてしまうのが定番のようです。警察と関わること嫌がったジンは、証拠が残らない試作品の毒薬APTX4869を新一に飲ませます。その場に放置された新一は、死亡しておらず高校生から子供の姿に変貌してしまいます。

些細なことでも命取りになりかねない黒の組織で生き抜き、幹部の地位を手に入れたジンは、疑わしきものは仲間でも容赦なく息の根を止めることができるのでしょう。赤井はそんなジンの性格を熟知しているからこそ、黒の組織を壊滅するため死を偽装するという周到な手段に出ています。

「名探偵コナン」のジン役の声優・堀之紀さんは、有名声優が数々所属している青二プロダクション所属で、日本俳優連合の副理事長を務めている声優界の重鎮の一人です。父は俳優、母は宝塚歌劇団29期生、二人の弟は声優と俳優という華麗なる芸能一家です。俳優として端役からスタートした堀之紀さんは、1980年代以降は俳優だけでなく声優・ナレーターなど活動の幅を広げながらキャリアを積んでいったようです。

主人公よりインパクトのある悪役キャラを数多く演じている堀之紀さんの代表作は「名探偵コナン」のジンだけでなく、「ドラゴンボールZ」のドドリアや「キン肉マン」のネプチューンマンがあります。ステレオタイプの悪役イメージが強い堀之紀さんですが、「クレヨンしんちゃん」のロベルトや「魔弾戦記リュウケンドー」のロッククリムゾンなど180度違う幅広いキャラを演じられるカメレオン声優であるようです。

冷酷非道に任務を遂行していくジンが、裏切り者やターゲットに向けた詩人のような台詞まわしはフィルム・ノワール映画のワンシーンを彷彿させます。ここまでくると「名探偵コナン」ではなく、ジンを主人公にした別の物語になっているような気がします。

ジンが髪の一本でシェリーだと分かった場面から、コナンでなくてもジンとシェリーが恋人関係だと考えるのは普通だと言えるでしょう。しかし、新一と蘭がカップルになるまでかなりの時間を要したので、ジンとシェリーの真の関係が分かるのもさぞ時間がかかることでしょう。

年齢不詳のジンは、外見から察するに30代ぐらいでしょうか。新一と蘭以外にも数多くのカップルが誕生している「名探偵コナン」で、仮にジンと18歳のシェリーというカップルが誕生したら歳の差ありの異色カップルとして注目されることでしょう。

コミックでは100巻、アニメでは1000話を迎えようする「名探偵コナン」で、黒の組織のボスである「あの方」の正体やNo.2と言われるラムの正体に近づきつつあるようです。それに伴って「あの方」から信頼されているジンの背景も明かされ、シェリーとの関係を語ったエピソードがあるに違いないと期待しているファンも多いことでしょう。