風立ちぬのあらすじとラストの結末をネタバレ！ストーリーが難しい？声優キャストは？

2013年に公開されたジブリ映画「風立ちぬ」は、宮崎駿監督の最後の長編アニメーション作品で、ジブリ初の実在の人物をモデルとする作品に多くの注目が集まった話題作です。以下では、航空技術者・堀越二郎の人生を描いた映画「風立ちぬ」のあらすじのネタバレと、結末・最後のネタバレ、ストーリーが難しいと言われる理由、声優キャスト、登場キャラクター等を、ネタバレを交えながら分かりやすく紹介します。

2013年公開のジブリ映画「風立ちぬ」は、宮崎駿監督の最後の長編アニメーション作品であり、実在の航空技術者・堀越二郎の半生と、同時代を生きた小説家・堀辰雄の「風立ちぬ」から着想を得て制作されました。宮崎駿監督の作品で、唯一、実在の人物を主人公に起用した映画「風立ちぬ」は、世界を震撼させた零戦の誕生を主軸に、愛する女性との恋と悲しい最後、激動の時代に飲み込まれていく人々の姿を描いた作品です。

映画「風立ちぬ」は、あらすじのネタバレで紹介するように、ジブリ作品では描かれることの無かった大人の恋愛や、経済的苦境から軍国主義へ傾倒していく日本を描いた、複雑なストーリー展開が特徴です。そして、一部のジブリファンからは、あらすじが難しい、映画の結末と二郎の最後があいまいとの感想や評価が寄せられ、視聴者によって内容が難しく感じられることから、評価が分かれやすい作品と言われています。

映画「風立ちぬ」に登場する新型戦闘機・零戦とは、第二次世界大戦期に使用された海軍の艦上戦闘機で、正式名称は「零式艦上戦闘機」です。開発当時は、2000kmに及ぶ航続距離に加え、優れた運動性能から、敵対する米英の戦闘機を圧倒させました。しかし、太平洋戦争末期には、神風特攻隊の戦闘機に使用され、数多くの軍人が零戦と共に命を絶ちました。

ジブリ映画「風立ちぬ」で描かれた主人公・堀越二郎と里見菜穂子の恋愛は、小説「風立ちぬ」をベースに描かれ、原作者・堀辰雄の実話が基となっています。小説「風立ちぬ」は、主人公である「私」と、肺結核に冒された婚約者との出会いと死別までが執筆されました。

ジブリ作品初となる実話を基にした映画「風立ちぬ」は、あらすじのネタバレで紹介するように、内容の大半は堀越二郎及び堀辰雄の実体験をベースとしています。しかし、二郎の上司・黒川や妹・加代など、オリジナルキャラクターの登場や映画の結末・最後のように、一部脚色されたあらすじ結末や、2人の人物をモデルにした設定が、ストーリーが難しいと言われる原因になったと推測されます。

映画「風立ちぬ」は、従来のジブリ作品にはない新たな作風から、一部のファンからは、複雑なストーリーやあいまいな結末や最後が理解できず、難しい作品と言われています。以下では、内容が難しいと評価される映画「風立ちぬ」のあらすじのネタバレと、壮絶な最後をネタバレを交えながら分かりやすく紹介します。

裕福な家庭で生まれ育った堀越二郎は、空を駆け巡る飛行機の虜となり、やがてパイロットを志すようになりました。しかし、視力が弱いことから、パイロットの夢を断念せざるを得ない中、二郎は、イタリアの航空技術者・ジャンニ・カプローニの伝記を手に取ります。そして、夢の中でカプローニと対面した二郎少年は、飛行機を設計する道を目指します。

時代は大正12年に入り、二郎は、東京帝国大学で航空工学を学んでいました。ある日、実家から東京へ戻る列車の中で、関東大震災に襲われます。その直後、二郎は資産家の娘・里見菜穂子と女中・絹と出会い、怪我を負った絹に手当てを施すと、2人を安全な場所へ避難させます。そして、2年後、二郎の元へ絹が訪ねてきましたが、二郎と入れ違いとなってしまいます。

日本が不景気に陥る中、大学を卒業した二郎は、名古屋の飛行機開発会社へ就職し、航空技術者として働き始めます。上司の黒川をはじめ、多くの社員にその才能を期待される二郎は、ヨーロッパの最新技術を学ぶべく、ドイツのユンカース社に留学します。そして、入社から5年後には、日本海軍の航空母艦用・戦闘機の設計主任に抜擢されます。

そして、二郎が設定を担当した一号機の試験飛行が行われるも、空中分解を起こし失敗に終わります。一号機の失敗を受けて軽井沢で休養を取る二郎は、美しく成長した里見菜穂子と再会を果たします。2人の間には恋が芽生え始めるも、同時に菜穂子の結核も明かされます。しかし、二郎は、菜穂子の結核が治ったら結婚することを菜穂子の父親に認めてもらい、2人は婚約します。

名古屋に戻った二郎は、再び仕事に追われる一方で、あらぬ疑いから特別高等警察に目を付けられてしまいます。しかし、会社側は二郎を守る姿勢を取り、上司・黒川の計らいで黒川の自宅の離れに匿われ、航空機開発に取り掛かります。一方、東京で療養する菜穂子は、吐血するまでに病状が悪化し、結核を治すためにサナトリウムに入ります。

二郎が飛行機開発に尽力する中、自身の命が短いことを悟った菜穂子は、病院を抜け出して二郎の元へ会いに行きます。そして、菜穂子の病状を聞かされていた二郎も、菜穂子との結婚を決意します。結婚式は、黒川夫妻の仲人でささやかに執り行われましたが、二郎と菜穂子は、幸せを噛みしめていました。そして、黒川家の離れで二郎・菜穂子の新婚生活が始まります。

二郎の戦闘機の設計も佳境に入る中、菜穂子は二郎に心配をかけまいと気丈に振舞い続けます。ある日、新しい戦闘機の試験飛行が行われる頃、死期を悟った菜穂子は、置手紙を残して黒川家を去っていきます。後に、菜穂子の看病に訪れた加代によって手紙が発見され、菜穂子の心情を知った黒川夫人・加代は、涙を流します。

その後、1人療養所へ向かった菜穂子は、まもなく息を引き取りました。同時に、戦闘機の試験飛行に成功した二郎も、菜穂子の死を静かに感じ取っていました。二郎が開発に成功した戦闘機は「零戦」と命名され、太平洋戦争末期には、多くの軍人たちが零戦と共に命を絶っていきました。そして、1945年8月15日、日本は終戦を迎えました。

舞台は二郎の夢に移り、カプローニと共に零戦を見つめていました。二郎が設定した零戦をカプローニは褒め讃えるも、二郎は、生涯をかけて制作した飛行機の悲惨な末路に心を痛め、「一機も戻ってこなかった」と告げます。零戦の開発は、二郎にとってズタズタな最後であり、国を亡ぼす結果を招いてしまったと、後悔の念にさいなまれます。

そんな中、草原の中に菜穂子の姿がみえ、二郎は生きる希望を見出します。そして、菜穂子の姿は風となって零戦と共に去っていき、二郎は新たな人生を歩むべく、カプローニと共に草原を歩いていきました。

あらすじのネタバレと結末・最後のネタバレで紹介したように、ジブリ映画「風立ちぬ」は、堀越二郎の人生を描いた作品です。しかし、1つの作品に複数のストーリーを織り交ぜた展開や、結末・最後は二郎の夢の中での出来事という、やや複雑なストーリーが難しいと感じられる原因となったでしょう。以下では、ジブリ映画「風立ちぬ」のストーリーが難しいと言われる理由を、作品のネタバレを含めながら考察しました。

実在の航空技術者と同時代に生きた小説家の人生をベースにしたジブリ映画「風立ちぬ」は、飛行機作りに情熱を注いだ堀越二郎の人生を描いた作品です。しかし、大人向けに制作された作風から一部の視聴者からは、ストーリーが難しい、あいまいな結末と最後だったとの声が寄せられています。

一方で、映画「風立ちぬ」は、堀越二郎という1人の人生を、零戦を生み出すまでの過程と、最愛の女性・菜穂子との出会いと別れに焦点を充てて描かれた、あらすじや結末が分かりやすい大人向けの作品とも評されています。

映画「風立ちぬ」は、航空技術者・堀越二郎の人生を分かりやすく描いた映画です。あらすじと結末のネタバレで紹介したように、物語の前半は、新型戦闘機の開発に挑む技術者としての人生を描き、後半は、大人の女性に成長した菜穂子との結婚と最後を描いています。そして、物語の結末は、自身が開発した零戦の結末を示唆したズタズタの最後を迎えるも、強く生きることを決意する二郎の姿が映し出されました。

主人公・堀越二郎役に、庵野秀明監督の起用が話題となったジブリ映画「風立ちぬ」の声優キャストをネタバレ紹介します。

ジブリ映画「風立ちぬ」の主人公・堀越二郎の担当声優・庵野秀明さんは、山口県出身のアニメーター・映画監督です。1983年にジブリ映画「風の谷のナウシカ」の原画担当に採用され、作画制作が難しいとされた巨人兵登場のシーン担当に抜擢されました。その後、アニメーターとしての活動を経て、1988年のOVAアニメ「トップをねらえ!」で初監督を果たします。

アニメファンの中心に広く知られる庵野秀明さんの監督作品は、アニメ「ふしぎの海のナディア」や社会現象を巻き起こした「新世紀エヴァンゲリオン」、樋口真嗣さんとの共同監督を務めた映画「シン・ゴジラ」等です。声優出演したジブリ映画「風立ちぬ」にて、第13回東京アニメアワード・個人賞部門・声優賞を受賞しました。

「風立ちぬ」のヒロイン・里見菜穂子の担当声優・瀧本美織さんは、鳥取県出身の女優・歌手・タレントで、2003年にダンス＆ボーカルユニット・SweetSとして芸能界デビューを果たします。2006年のグループの解散や事務所移籍を経て、2010年公開の映画「彼岸島」のヒロイン役で女優デビューを果たします。近年は、舞台やミュージカルなど多方面での活躍を見せています。

女優・瀧本美織さんの主な出演作品は、NHK朝ドラのヒロイン役に選ばれた「てっぱん」の村上あかり役、「美男ですね」の桜庭美男/桜庭美子役、「宮部みゆきミステリー パーフェクト・ブルー」の蓮見加代子役等です。また、テレビ朝日の帯ドラマ劇場「越路吹雪物語」では、宝塚歌劇団の元トップスター・越路吹雪の青年期を演じ、ドラマ主題歌を絶頂期の越路吹雪役の大地真央さんと週替わりで歌いました。

狂言師として知られる野村萬斎さんは、狂言方和泉流野村万蔵家の名跡であり、俳優としても活躍しています。俳優業では、NHKの大河ドラマ「花の乱」の細川勝元役、朝の連続テレビ小説「あぐり」の望月エイスケ役等を演じました。2001年には映画「陰陽師」にて主演・安倍清明役を演じ、フィギュアスケート・羽生弓弦選手が競技曲として使用したことで、話題になりました。

また、2003年からNHKEテレで放送されている「にほんごであそぼ」にレギュラー出演しており、狂言コーナーをはじめ、宮沢賢治や中原正也のコーナー等に登場します。そして、2020年の東京オリンピックでは、「東京2020」の開会式・閉会式 4式典総合プランニングチームのチーフ・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターに抜擢されました。

堀越二郎の母の担当声優・竹下景子さんは、愛知県出身の女優で、1969年にNHK「中学生群像」でドラマデビューを果たし、大学進学による上京を機に、本格的に女優活動を開始します。そして、1973年「波の塔」を皮切りに数々のドラマ・映画に出演する傍ら、1976年に始まった「クイズダービー」にレギュラー回答者として出演し、「三択の女王」の呼び名で人気を集めました。

主な出演作品に、映画「男はつらいよ」シリーズが挙げられ、歴代出演者で唯一、別々の役で3度マドンナ役に起用されました。そして、大ヒットドラマ「北の国から」では、宮前（井関）雪子役を演じました。ジブリ映画では、2010年公開の「借りぐらしのアリエッティ」の貞子役、2011年の「コクリコ坂から」小松崎花役の担当声優を務めました。

二郎の親友で同僚・本庄の声優担当・西島秀俊さんは、東京都出身の俳優で、テレビドラマ「はぐれ刑事純情派5」の新人刑事・中上剛役で俳優デビューを果たします。主な出演作品にドラマ「北の国から」や「チーム・バチスタシリーズ」「ストロベリーナイト」等の現代ドラマから、大河ドラマ「八重の桜」を始めとする時代劇まで幅広い作品に出演しています。

2014年には、オリコン発表「2014年ブレイク俳優ランキング」第2位に選ばれ、高い人気を誇っています。そして、2019年には、放送50周年を迎えたアニメ「サザエさん」の20年後を描いた実写ドラマにて、フグ田マスオ役で出演しました。

二郎の上司・黒川の担当声優・西村まさ彦（旧芸名：西村雅彦）さんは、富山県出身の俳優・司会者です。劇団文化座から東京サンシャインボーイズに入団し、三谷幸喜脚本の作品に多数出演しました。そして、人気シリーズ「古畑任三郎」の今泉慎太郎役で知名度を高め、ドラマや映画を中心に数多くの作品に出演しています。

俳優活動30周年を迎えた2017年5月から、芸名を「西村まさ彦」へと改名し、2020年1月から始まった大河ドラマ「麒麟が来る」では、主人公・明智光秀の後見人・光安を演じています。また、ジブリ映画への出演は、1997年公開の「もののけ姫」の甲六役、2002年の「猫の恩返し」で同時上映された「ギブリーズepisode2」の野中くん役の担当声優を務めました。

菜穂子の父・里見の担当声優・風間杜夫さんは、東京都出身の俳優で、児童劇団「東童」へ入団、子役活動を経て、1972年に銀幕デビューを果たし、映画・ドラマなど数多くの作品に出演しました。主な出演作品は、ドラマ「スチュワーデス物語」の村沢浩教官役、NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」の村井修平役、映画「本能寺ホテル」のホテル支配人役等です。

また、声優としても活躍しており、子役時代にアニメーション映画「安寿と厨子王丸」にて、主演・厨子王丸役を演じました。近年は、海外ドラマ「Xファイル」のフォックス・ウィリアム・モルダーの吹き替えを担当しており、アニメをはじめ、ラジオドラマやテレビCMのナレーション業など、多彩な活躍を見せる俳優の1人です。

軽井沢で出会ったドイツ人・カルストプの担当声優・スティーブン・アルパートさんは、スタジオジブリ海外事業部の取締役を務め、スタジオジブリの海外展開に尽力し、2011年にスタジオジブリを退職しました。カルストプは、宮崎駿監督のアルパートさんへの敬意を込めて生み出されたキャラクターであり、後に担当声優として来日しました。

二郎の妹・堀越加代の担当声優・志田未来さんは、神奈川県出身の女優で、ドラマ「永遠の1/2」でドラマデビューを果たします。2006年に連続ドラマ初主演を飾った「14才の母」の一ノ瀬未希役で有名になり、「TV LIFE 2006年年間ドラマ大賞 主演女優賞 新人賞」「第44回ギャラクシー賞 奨励賞」「第15回橋田賞 新人賞」を受賞しました。

女優・志田未来さんの主な出演作品は、ドラマ「正義の味方」中田容子役、「小公女セイラ」の黒田セイラ役等です。また、声優活動では、ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」にて、主人公・アリエッティ役を演じました。

二郎・菜穂子の結婚を後押しした黒川夫人の担当声優・大竹しのぶさんは、東京都出身の女優・歌手・タレントです。1972年にテレビドラマ「ボクは女学生」の相手役の一般公募に合格し、芸能界デビューを果たし、ドラマ・映画・舞台と、数多くの作品に出演し続けています。そして、2011年秋の褒章にて、紫綬褒章を受章し、日本を代表する女優の1人に挙げられています。

ジブリ映画への出演は、2010年公開の「借りぐらしのアリエッティ」のホミリー役、2017年公開の「メアリと魔女の花」のシャーロット役を担当しました。また、2020年に日本で公開された映画「キャッツ」のオールドデュトロノミー役の吹き替えを担当しています。

二郎が躍進するきっかけを作った服部役の担当声優・國村隼さんは、大阪府出身の俳優です。子役時代を経て、数多くの映画・ドラマに出演しています。阪本順治監督や崔洋一監督作品の常連俳優として、長らく映画を中心に活動し、2006年に出演したNHKの朝ドラ「芋たこなんきん」にて、ヒロインの夫役を演じ、好評を博しました。

俳優・國村隼さんの主な出演作品は、NHKの朝ドラ「カーネーション」の花村喜一役、映画「シン・ゴジラ」の財前正夫役、「海賊と呼ばれた男」の鳥川卓巳役、「アルキメデスの大戦」の永野修身役が知られています。また、2020年秋に公開予定のアメリカ映画「ミッドウェー」にて、実在の日本海軍・南雲忠一役で出演しています。

宮崎駿監督の最後の長編アニメーション映画「風立ちぬ」は、登場キャラクターの心情にも注目して視聴することで、難しいストーリーも分かりやすくなります。以下では、映画「風立ちぬ」の登場キャラクターを、劇中のあらすじのネタバレを交えながら紹介します。

堀越二郎は、「風立ちぬ」の主人公であり、実在の飛行機設計士・堀越二郎をモデルにしています。あらすじのネタバレで紹介したように、劇中では、妻・菜穂子との出会いと別れ、飛行機への憧れから後の零戦を生み出すまでの半生が描かれました。真面目で誠実、ユーモアを持ち合わせた人柄で多くの人望を集める一方で、時間や予定にルーズなのんびりした性格が玉にキズです。好物は鯖で、タバコ「チェリー」を愛煙しています。

伝記「ジャンニ・カプローニ」との出会いから、飛行機のパイロットに憧れを抱き、後に近眼だったことから、飛行機の設計者を志します。三菱へ入社当時から、その才能や将来を期待され、旧日本軍の航空部隊に大きな貢献をもたらしました。しかし、太平洋戦争末期には、零戦が神風特攻隊の航空機に使用されたことから、多数の戦死者をもたらし、二郎のその後の人生に大きな影を落としていきました。

「風立ちぬ」のヒロイン・里見菜穂子は、東京に住まう資産家の令嬢で、二郎の恋人、後に妻となる女性です。東京行きの列車で、風に飛ばされた二郎の帽子をキャッチした少女で、その直後に発生した関東大震災にて、怪我を負った女中・絹を二郎が助けに訪れたことをきっかけに、恋心を抱きます。その後、絹にお礼の品を届けさせるも、二郎と入れ違いとなり、数年後に療養先の軽井沢で二郎と再会します。

その後、結核が治ったら二郎と結婚することを約束するも、菜穂子の持病は次第に悪化し、喀血をきっかけに自ら療養施設に入ることを決意します。しかし、限られた人生を二郎と共に過ごしたい思いから、病をおして二郎の元へ駆けつけ、短い結婚生活の後、置手紙を残して療養施設へと戻りました。そして、二郎のテスト飛行成功と同時に、菜穂子は静かに息を引き取りました。

あらすじのネタバレで紹介した里見菜穂子の生涯は、実在の人物・矢野綾子がモデルとされ、小説家・堀辰夫の元婚約者でした。矢野綾子も結核を患っており、療養施設で病死したことが明かされています。また、菜穂子と同様に、モデルとなった矢野綾子も油絵が趣味であったと言われています。

二郎の夢の中の登場人物・カプローニは、実在の飛行機設計師をモデルとしたキャラクターで、二郎が飛行機に憧れを抱くきっかけをもたらした人物でした。あらすじのネタバレで紹介したように、二郎の夢の中の登場人物でしたが、近眼を理由にパイロットの道を断念せざるを得ない二郎に設計技術者への道をもたらしました。そして、二郎の夢の中で、時空を超えた友情を育んでいます。

カプローニのモデルとなったジョヴァンニ・バッチスタ・カプロニは、イタリアの航空技術者で、航空機メーカー・カプロニ社の創業者です。「ジャンニ」の愛称で知られるカプロニは、航空機産業黎明期の1911年に、イタリア初の実用航空機を輩出し、第一次・第二次世界大戦のイタリア軍の航空機製造に貢献しました。戦後は、時代の流れに追いつけず、カプロニ社は1950年に消滅しました。

ジブリ映画「風立ちぬ」の主人公・堀越二郎の家族は、妹・加代の他に、母親も登場しています。兄思いの加代と同様に、航空機の設計者として仕事に取り組む息子を陰ながら見守り続けました。

二郎のライバルである本庄は、東京帝国大学時代からの二郎の親友かつ同僚の航空技術者です。三菱入社時から二郎と共にその才能を見込まれ、後に二郎と共に留学を命じられます。二郎の帰国後もドイツへ残り、ユンカース社からの技術供与を受けて、爆撃機のライセンスに携わります。劇中では、「八試特殊偵察機」「九試陸上攻撃機」の設計主務を担いました。

「風立ちぬ」の本庄は、実在の航空技術者・本庄季郎をモデルに描かれ、堀越二郎の一期先輩にあたります。戦時中は、堀越二郎と共に旧日本軍で使用された航空機の設計に携わりました。戦後は、それらを技術を民間へ転用し、第一回鳥人間コンテスト選手権大会にて、自身が設計したハンググライダーを使用したパイロットが優勝を飾りました。

三菱重工に勤務する黒川は、気難しくせっかちな性格が特徴の二郎・本庄の上司です。二郎の才能を高く評価する1人であり、入社間もない二郎に難易度の高い設計を任せたり、ドイツ留学を推薦しました。また、あらぬ疑いをかけられ特別高等警察から追われる身となった二郎を、出張という口実で二郎を匿い、航空機開発を後押ししました。

二郎と菜穂子の結婚の仲人を頼まれるも、当初は、菜穂子の結核を理由に難色を示したものの、妻の後押しにより2人の仲人を務め、二郎・菜穂子夫妻の新居に、自宅の離れの一室を貸し出しました。あらすじのネタバレでも紹介したように、二郎・菜穂子夫妻を陰ながら支え続けた1人です。

菜穂子の父・里見は、東京・代々木に邸宅を構える資産家であり、ジブリ映画「風立ちぬ」のオリジナルキャラクターです。菜穂子と二郎の交際について、菜穂子の結核の悪化を理由に考え直すように諭すも、二郎の熱意に動かされ、2人の交際を認めました。夜行列車で菜穂子の元を訪れる二郎に対して、自身の仕事も大事にするようにと、二郎を気遣う場面も見られました。

二郎と菜穂子の交際の立ち合い人となったカストロプは、二郎と里見家が宿泊する施設に滞在していたドイツ人で、好物はクレソン、シューベルトの音楽を好んでいます。ナチス・ドイツの台頭を快く思わない少数派であり、世界的に孤立を深める日本の将来について、悲観的な考えを示していました。

あらすじのネタバレでも紹介した堀越加代は、医者を志す二郎の妹です。東京の大学に進学することを父親に反対されたことを受けて、兄・二郎へ口添えを頼み、後に東京で医大生となります。また、二郎の交際相手・菜穂子とも良好な関係を築き、菜穂子の病状を気遣う場面も見られました。そして、菜穂子が手紙を残して黒川家を去った時には、彼女の真意を理解して涙を流しました。

黒川夫人は、二郎の上司・黒川の妻であり、二郎と菜穂子の結婚に難色を示す夫とは対照的に、賛成の意を示しました。そして、花嫁の菜穂子のために、婚礼の衣装を整えてあげたり、二郎夫妻の新居に自宅の離れを貸し出すなど、二郎・菜穂子の新婚生活を手助けしました。その後、菜穂子が療養施設へ向かった時には、菜穂子の心情を理解し、連れ戻そうとする加代を制止しました。

服部は、二郎が所属する設計課の課長で、二郎の才能を高く評価する人物の1人です。七試艦上戦闘機の開発が失敗した二郎に休暇を与えるなど、二郎の良き理解者であり、後に、九試単座戦闘機の設定主務に二郎を推薦しました。ジブリ映画「風立ちぬ」の服部は、実在の人物である服部譲治をモデルに描かれ、日本の航空機産業の発展に尽力した航空技術者の1人です。

あらすじのネタバレで紹介したように、やや複雑なストーリー展開が特徴の映画「風立ちぬ」は、視聴者の評価が分かれやすい作品の1つです。以下では、ストーリーが難しいと言われる映画「風立ちぬ」の感想や評価をネタバレを交えながら紹介します。

従来のジブリ作品には異なる作風故に内容が難しいと言われる映画「風立ちぬ」ですが、数多くの名言・名シーンが生み出された作品として、大人のファンから高く評価されています。また、映画「風立ちぬ」は、主人公・堀越二郎も女性ファンを中心に高い人気を誇り、あらすじのネタバレでは紹介し切れなかった二郎の魅力を、作品を視聴して堪能してみませんか？

ジブリ映画「風立ちぬ」では、ストーリーが難しいことに加え、庵野秀明監督の声優起用にも賛否両論が飛び交いました。しかし、作品を高く評価するファンからは、庵野監督の起用に絶賛する感想も見られ、堀越二郎の魅力を引き立てました。また、ストーリーは難しいものの、庵野監督演じる二郎だからこそ、あらすじのネタバレで紹介し切れなかった、数々の名言が心に響いたとの感想も見られました。

映画「風立ちぬ」は、あらすじのネタバレを見ると、堀越二郎の人生を描いたストーリーですが、同時に、それぞれが抱えた代償の重さも表現しているでしょう。それは、あらすじのネタバレで紹介した二郎と菜穂子の出会いと最後のように、何かを得ることは同時に何かを失うことを、作品を通じて訴えているでしょう。このように、哲学要素を絡めたストーリー展開も、「風立ちぬ」が難しいと評される理由に挙げられます。

あらすじのネタバレでも紹介したように、菜穂子は二郎に美しい姿だけを見せるために、療養所を抜け出し、死期を悟ると静かに去っていきました。菜穂子の死は、多くのファンの涙を誘う一方で、残りの人生を二郎と共に過ごしたいという菜穂子の芯の強さを感じさせました。あらすじのネタバレでは、二郎の活躍を中心に紹介しましたが、映画「風立ちぬ」は、菜穂子の人生に焦点をあてて鑑賞しても楽しめる作品です。

映画「風立ちぬ」の結末・最後は、自身が開発した零戦で多くの命を奪ってしまった二郎の罪悪感が描かれ、救いのない展開に感じられます。しかし、モデルとなった堀越二郎のその後の人生は、世界の平和のために新たな航空機の開発に携わり続け、戦後の航空機技術に多大な貢献をもたらしました。よって、映画「風立ちぬ」の結末ネタバレとその後の二郎の人生は、決してズタズタな最後ではなかったとも捉えられます。

ジブリ映画「風立ちぬ」のあらすじのネタバレと、結末・最後のネタバレ、「風立ちぬ」が難しいと言われる理由、声優キャスト、登場キャラクター等を、ネタバレを交えながら分かりやすく紹介しました。一部では、内容が難しいと言われる映画「風立ちぬ」ですが、今回紹介した作品のあらすじのネタバレを参考にしながら、映画「風立ちぬ」をもう一度観てみませんか？