風立ちぬの菜穂子の死因や『来て』の本当の意味は?主題歌に隠された過去も解説!

宮崎監督のジブリ作品「風立ちぬ」のヒロイン菜穂子がなぜ死ぬ運命にあったのか、そして菜穂子が主人公二郎に言った『来て』の本当の意味とは何なのか、風立ちぬの作品に込められたメッセージを紹介いたします。また、「風立ちぬ」の主題歌・ひこうき雲には悲しいエピソードが隠されています。「風立ちぬ」を深く読み解き、もう一度本作品を見たくなる情報をまとめております。一部内容のネタバレが含まれておりますので、まだ見ていない方はご注意ください。

風立ちぬの菜穂子の死因や『来て』の本当の意味は?主題歌に隠された過去も解説!のイメージ

目次

  1. 風立ちぬとは?
  2. 風立ちぬの菜穂子の死因
  3. 風立ちぬの菜穂子の「来て」の意味
  4. 風立ちぬの主題歌に潜む過去
  5. 風立ちぬの菜穂子のかわいい魅力
  6. 風立ちぬに関する感想や評価
  7. 風立ちぬの菜穂子の死因や作品主題歌まとめ

風立ちぬとは?

風立ちぬの作品情報

『風立ちぬ』は、2013年にスタジオジブリが公開した映画で、月刊模型雑誌「モデルグラフィックス」に宮崎が発表した連載漫画「風立ちぬ」が原作となっています。日本の航空技術者で実在した堀越二郎を本作の主人公のモデルとし、堀辰雄の小説からの着想も盛り込まれ、大正から昭和の時代を生き、生と死の間で苦悩する青年を描いた感動作品となっています。

風立ちぬの都市伝説

ジブリの作品にはいくつか都市伝説がありますが、風立ちぬにも都市伝説があることはご存知でしょうか?そんな風立ちぬにまつわる都市伝説を紹介いたします。

UFOと堀越二郎

一つ目の都市伝説は、主人公のモデルとなった堀越二郎は飛行機設計家ですが、実はUFOとも深い関係があったという都市伝説があります。1947年にアメリカワシントン州で「ケネス・アーノルド事件」というUFO目撃情報が上がったという事件が話題となりました。堀越氏もこの話題に強い興味を示す一人で、12個の仮説が彼の研究ノートに立てられましたが、そのノートの3ページ目の仮説だけは紛失された状態で見つかりました。

ノートに残った仮説の内容はUFO都市伝説を否定するものばかりでしたが、消された仮説のみがUFOの存在を肯定し、核心に迫る内容だったのではという噂が立ちました。果たして、消えた3ページ目の行方はどこへ消えたのでしょうか?

全ては菜穂子の幻想

このジブリ作品の原作は宮崎監督が描いた漫画になりますが、この作品のヒロインの名前は堀辰雄の題名小説からとり、この作品の中心人物は菜穂子ではないかという説があります。「風立ちぬ」は、戦争の場面がなく、航空機開発の場面の内容も薄いです。その理由の背景として、「風立ちぬ」は航空機の物語ではなく、菜穂子による「恋物語への幻想」という裏設定があるからだと言われております。

宮崎監督は風立ちぬで引退?

宮崎監督は本作品である「風立ちぬ」を最後に長編アニメ制作から引退することを2013年9月に発表していました。しかし、のちに「君たちはどう生きるか」の制作にあたっています。

ナウシカとの共通点

これまでもジブリ作品の主なテーマには、生死に関わる内容が多く、風立ちぬにおいても「生きねば」というキャッチコピーで、不安定な時代の中、生き抜く強さを伝えています。「風の谷のナウシカ」においても、時代や背景は違いますが、伝えたいメッセージは共通しており、どんな時でも力を尽くすことをテーマに作品を通して宮崎監督の想いを訴えかけております。

スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

風立ちぬの菜穂子の死因

菜穂子の死因は結核

「風立ちぬ」の原作は堀辰雄の体験が元になっております。菜穂子のモデルとなった堀辰雄の婚約者・矢野綾子は結核で亡くなっていることから、死因は結核ではないかと言われております。

死ぬ運命から読み取れるもの

風立ちぬには続き文句があることはご存知でしょうか?堀辰雄さんの書いた原作では「風立ちぬ、いざ生きめやも」と表現されており、現代語に直すと「風が立った。さあ生きていこう」となり「どんな状況でも生きていかねば」という意味が隠されています。死ぬ運命が待ち構えていようとも強く生きることの大切さを伝えております。

宮崎監督は死ぬ設定を嫌悪?

風立ちぬの制作途中、宮崎監督はヒロインの菜穂子に対し感情移入をされ、菜穂子が死ぬという設定を変更したいという場面があったそうです。宮崎監督は以前、「もののけ姫」で死ぬ設定だったエボシを生かす設定にしたこともあると言われております。しかし、風立ちぬの作品においては、死ぬ設定を変えれず、菜穂子の死を告げる最期のシーンでカプローニと一緒に出すということで説得できたそうです。

風立ちぬの菜穂子の「来て」の意味

「来て」=「生きて」?

菜穂子は「来て」というセリフについて、映画の作品の中では正式に1回しか使われておりませんが、2回使われているのではないかという説があります。まず、1つ目のシーンの「来て」は二郎と菜穂子が結婚をしたその夜に使われています。そして、2回目と噂されているシーンがラストで菜穂子が二郎に囁く「生きて」が、「来て」になっているのではないかと言われております。

一つの仮説によると、ラストでのシーンは二郎が地獄へ向かう途中で、天国へ向かう菜穂子からの許しを得て二郎も彼女のいる天国へ行けるようになり「生きて=来て」になったのではないかとファンによる憶測がSNSや掲示板で話題になっております。

風立ちぬの意味

「風立ちぬ」のキャッチフレーズは「生きねば」です。ここで二郎までが天国へ旅立ってしまうと、物語としてのバランスが保てなくなってしまうことを危惧され、「来て」から「生きて」に変更されたそうです。また、宮崎監督にとっても「人生はどんなことがあっても生きなければいけない」という考えを持っており、「来て」では納得がいかなかったのかもしれないという説もありました。

風立ちぬの主題歌に潜む過去

若者の死を歌う「ひこうき雲」

風立ちぬの主題歌「ひこうき雲」にはふたつの死から着想を得て作られた楽曲です。「ひこうき雲」が誕生するきっかけとなった出来事の一つが、高校三年生の時に高校生同士の飛び降り心中が近所の団地であり、新聞でも取り上げられたそうです。その出来事を機に松任谷さんは”若い時の死”について考えられるようになります。

そしてこの時に、もうひとつの死について思い出します。それは、小学校の時の同級生に筋ジストロフィーの男の子が高校1年生の時に亡くなり、お葬式に行った時に見た遺影が大人の顔をしていたことに衝撃を受けたそうです。ひこうき雲の歌詞の中で「あの子の命はひこうき雲」とフレーズが出てきますが、ここに出てくる「あの子」とは死んでしまった友人のことを指しているそうです。

歌手は松任谷由実

「風立ちぬ」の主題歌・ひこうき雲を歌う松任谷由実さんは「風立ちぬ」の主題歌以外にもジブリ作品「魔女の宅急便」の主題歌「やさしさに包まれたなら」と挿入歌「ルージュの伝言」を歌っております。そんな松任谷由実さんのプロフィールについて紹介いたします。

松任谷由実のプロフィール

松任谷由実さんは、日本のシンガーソングライターで、旧姓は荒井由実さんです。1972年に「返事はいらない」でデビューされ、翌年の1973年にはデビューアルバム「ひこうき雲」が発売されました。ユーミンという愛称でどの世代からも親しまれており、「卒業写真」や「春よ、来い」など数多くのヒット曲を世に生み出し、2013年に紫綬褒章を受賞されております。

風立ちぬの菜穂子のかわいい魅力

声優は瀧本美織

風立ちぬの菜穂子の声優を担当したのは女優・滝本美織さんです。宮崎監督は滝本さんの声を聞いた瞬間から「菜穂子はこういう声の持ち主だ」とキャスティングを決定されたそうです。そんな滝本さんのプロフィールについて紹介いたします。

瀧本美織のプロフィール

滝本美織さんは、2003年にヴォーカルダンスユニットSweetSのメンバーとして芸能界デビューをされました。2010年に映画「彼岸島」で女優としてデビューし、NHK連続テレビ小説「てっぱん」や韓国の人気ドラマをリメイクしたドラマ「美男ですね」など数多くのドラマに出演されております。そして、2013年には本作品「風立ちぬ」で声優に初挑戦でヒロイン役に大抜擢されました。

少女期の菜穂子

菜穂子が本作に初めて登場するシーンでは、まだ10代前半の女学生で、二郎と同じ列車に乗り合わせております。少女期の菜穂子は、裕福な環境にいるお嬢様でありながらも、二郎の飛ばされた帽子を電車から身を乗り出して受け止める活発さも備えており、天真爛漫な性格が描かれております。

菜穂子の結婚概念と年齢

本作品においては、具体的な年齢については触れられておらず、菜穂子の正確な年齢については分かりません。推測では、二人が初めて出会った時の菜穂子はおそらく12〜13歳です。そして、初めての出会いからどのくらい経過されたのか詳しく触れられておりませんが、2人が軽井沢で再会した時の年齢は時代の背景から見て22〜23歳ぐらいだろうと言われております。

菜穂子は、二郎の前ではいつまでも美しい姿のまま、美しい思い出だけをを二郎に残したい想いから、二郎に直接別れを告げずに高原病院に帰ってしまいます。菜穂子にとって、咲ける時間は短くても、その一瞬に全てをかけたいと思えるほど二郎との結婚は尊いものであったことが伺えます。

二郎との運命の出会い

関東大震災の時に偶然同じ列車に二人は乗り合わせており、二郎に助けられた時から菜穂子は二郎へ恋心を胸に秘めておりました。それから数年が経ち、菜穂子は療養のため父親と軽井沢のホテルへ宿泊すると、二郎と運命的な再会を果たします。しかし、その再会は切なく悲しい運命が待ち構えているのです。

切なく悲しい運命

二人は軽井沢で菜穂子と運命的な再会をしますが、菜穂子は不治の病を患い死ぬ運命からは逃れられませんでした。菜穂子の結核が治ったら結婚しようと約束をし二人は別れ、結核を治すため高原療養所に行きますが、自分の病は治らないと悟り、残りの時間を二郎と過ごしたいと、二人は結婚式をあげ一緒に暮らします。しかし、好きな人に美しいところだけを見せたいと、二郎の元を去り療養所へ戻りました。

二郎のセリフ「ありがとう」

二郎は夢でカプローニと邂逅し、カプローニから「ここで待っていた人がいる」と伝えられます。すると、遠くからパラソルを持った菜穂子が現れ、「あなた、生きて。生きて。」と二郎へ伝えると空へ消えてしまいます。二郎は初めて感情的に声を震わせて「ありがとう」と何度もお礼を告げます。

ラストシーンの菜穂子

菜穂子が死ぬ場面は作品の中では描かれておりません。菜穂子が風立ちぬに出たラストシーンは、二郎の夢の中に登場し、草原の中、パラソルを持って二郎の前へ現れ「生きて」と伝えます。そのラストシーンは色んな解釈がされており、菜穂子が二郎を天国へと迎えにきたのではないかとも言われております。

かわいい結婚シーン

菜穂子は結核療養所から抜け出し、名古屋で仕事をする二郎の元へ行き、黒川邸でシンプルな結婚式をあげます。その結婚式のシーンの菜穂子はゾッとするほど美しく、多くの方がこのシーンに引き込まれ、感動したという声が多かったです。

魅力的で美しい演出

これまでのジブリ作品のヒロインではあえて美しく見せようとする演出はされておりませんでしたが、この作品においては、菜穂子を美しく魅せるための演出がされています。中でも、二郎と菜穂子が再会を果たす場面の泉のシーンの演出は、少女のあどけなさを残しつつも、菜穂子の魅力が引き出されています。

美しい菜穂子

結婚式のシーンにおいては、多くの人が引き込まれるほど、演出が最大限にされておりました。黒い背景に菜穂子が光輝いて映し出され、そこには外見だけではなく、菜穂子のうちに秘めたる決意を表現するためにこのような演出をされたのではないかという声があります。

歴代ジブリヒロインとの違い

外見も中身も美しい菜穂子ですが、歴代のジブリ作品に出てくるヒロイン像と比べると珍しいと言われております。その理由について紹介いたします。

ジブリヒロインの中でも年長

これまでのジブリ作品のメインキャラクターに少女が登場しますが、「風立ちぬ」ではヒロインの菜穂子が二郎と再会した時の年齢は23歳くらいで、他の宮崎監督の作品に出てくるヒロイン達の中でも年長になります。また、歴代のヒロイン達の特徴は積極的で行動力があり活発なイメージでしたが、菜穂子の場合、物腰が柔らかく、おしとやかで落ち着いた大人の女性が描かれています。

フランス語での会話

二郎と菜穂子が初めて出会う列車のシーンで、二人はフランス語で会話しておりますが、これはラストにもつながる重要な場面です。二人のフランス語での会話の内容については、フランスの作家、詩人、小説家、評論家であるポール・バレリーの『海辺の墓地」という詩の一節から引用されており、菜穂子が二郎にフランス語で「風立ちぬ」というと、その詩を知っていた二郎はその続きの「いざ生きめやも」とフランス語で返します。

さらに、菜穂子たちといったん別れた二郎は列車のデッキの所で「風が立つ、生きようと試みなければならない」と言っております。ラストのシーンでは、零戦で二郎の作った飛行機は帰ってきませんでしたが、風は吹いており、地獄を見ても二郎は風が吹いている間は生きていかなければいけません。「どんな状況でも生きていかなくてはいけない」という作品に込められた想いがこの場面からも読み取れます。

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風立ちぬに関する感想や評価

「風立ちぬ」の映画を観た人達はこの作品を見てどのように感じたのか、感想や評価の声についてまとめました。

死ぬ運命にありながらも、最期まで美しいところを見せたいと菜穂子がとった最期の選択に感動したという声が多かったです。また、主題歌の「ひこうき雲」がこの作品にあっているという意見も多かったです。「ひこうき雲」の背景にあるエピソードを知った上で、「ひこうき雲」の歌詞を見て見ると、この映画と重なる部分もあるといった声もありました。

風立ちぬを見た人の中には「つまらない」という意見も多かったです。しかし、基礎知識を入れてからもう一度じっくり見てみると内容が面白いという声もあります。また、つまらないという評価が足かせになってこれまで観る機会を失っていた人も、観てみたら面白かったという意見もありました。

死ぬ瞬間まで愛する人と一緒にいることよりも、愛する人の記憶の中で美しい姿のまま留まり続けることを選び、愛する人の前から立ち去る菜穂子の生き方がかっこいいという声が多かったです。

風立ちぬの菜穂子の死因や作品主題歌まとめ

風立ちぬのヒロイン菜穂子が死ぬ運命に在りながらとった行動や、作品主題歌「ひこうき雲」が作られたエピソードについて紹介して参りましたが、いかがでしたでしょうか?本作品をまだ見ていない方や、改めてもう一度見たい方はぜひ、紹介した場面を意識しながら見てみてください。また、もう一度宮崎監督が描いた過去のジブリ作品を手にとり、歴代のヒロイン達の姿と比較して見るのもおすすめです。

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