エヴァンゲリオン新劇場版の内容・あらすじを考察!続、終、非、反の全4作?

エヴァンゲリオン新劇場版は、2007年に第1作目である『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が公開された映画シリーズです。これまで『序』『破』『Q』が公開されてきましたが、完結作である『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』はいつ公開となるのか不明な状態が続き、一時は公開中止なのではという噂になるほどでした。この記事では、シン・エヴァンゲリオンの現状を調査しつつ、前3作のあらすじを振り返ることで、シン・エヴァンゲリオンの内容・あらすじを考察していきます。

エヴァンゲリオン新劇場版の内容・あらすじを考察!続、終、非、反の全4作?のイメージ

目次

  1. エヴァンゲリオン新劇場版の公開はいつ?
  2. エヴァンゲリオン新劇場版は公開中止なのか?
  3. エヴァンゲリオン新劇場版1.2.3部のあらすじを紹介!
  4. エヴァンゲリオン新劇場版のイメージボードの意味は?
  5. 「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を考察!
  6. エヴァンゲリオン新劇場版の公開を期待!

エヴァンゲリオン新劇場版の公開はいつ?

2007年9月に第1作目である『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が公開された『エヴァンゲリオン新劇場版シリーズ』ですが、第4作目であり完結作になるとされている『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』はいまだに公開されておらず、いつ完成となるのかも発表されていません。

いつ公開されるのかファンも情報を待ち焦がれており、2016年には1月26日にYouTubeにエヴァンゲリオンの制作会社である「株式会社カラー」名義で特報がアップ、しかし同日にカラーが「動画は公式のものではない」と発表するという『偽予告動画公開騒動』なども発生しました。

原作となった貞本義行による漫画版エヴァンゲリオンは、2013年6月に連載が終了、2014年11月には最後の単行本となる第14巻が発売され、完結を迎えています。そんな中で、TVアニメや旧劇場版のリブートとして制作が始まったエヴァンゲリオン新劇場版シリーズがいつ完結となるのか、続報が今か今かと待たれている状況です。『シン・エヴァンゲリオン:||』の現在の様子を確認してみましょう。

エヴァンゲリオン公式サイト

エヴァンゲリオン新劇場版は公開中止なのか?

庵野監督が鬱状態?

シン・エヴァの公開がいつになるか分からないことの要因の一つとして挙げられるのが、庵野監督の体調です。2015年4月、エヴァシリーズの監督である庵野秀明監督が、東宝の新作ゴジラ映画の総監督とプロデューサーを務めることが発表されました。その際にホームページで公開されたコメントで、エヴァンゲリオン新劇場版シリーズの第3作目である『Q』の公開後、庵野監督は心身ともに疲弊していたことが判明しました。

コメントによると、庵野監督は『Q』の公開後、鬱(うつ)病を患うまでに精神的に不安定な状態となっていたそうです。同コメント内に「妻や友人らの御蔭で、この世に留まる事が出来た」という言葉があることから、一時は自殺未遂にまで至るほどに不安定だったことが窺えます。

実は庵野監督は、1996年に『新世紀エヴァンゲリオン』のTVシリーズが完結した際にも、深刻なうつ状態となり、飛び降り自殺を図ろうとしたことがありました。エヴァンゲリオンシリーズの製作を行うたびに、庵野監督はいつも凄まじい激務とプレッシャーに晒されることとなり、精も根も尽き果てていたようです。

「2015年。旧エヴァの放送から20年後の今、すでに2年以上もお待たせしている、シン・エヴァンゲリオン劇場版の完成への実現に向けた作業も、なんとか進められています。僕の周囲の方々、そしてアニメファンの皆様が、再び完結に向かうというモチベーションを支えてくれているからです。本当に、感謝します。そして、皆様から、シン・エヴァの公開まで今しばらくの時間をいただければ、幸いです。」 

このように庵野監督が大変な状況にあった中で、そのことを知らないファンの間では「いつ公開になるのか」「そもそも公開できるのか?」というような不安もありました。しかし監督はエヴァンゲリオン新劇場版シリーズの完結を諦めたわけではなく、制作作業も進められていたそうで、この2015年時点でのコメントには上記のような文面もありました。

SNSから制作中の声!

その後、しばらく制作の様子が聞こえてこなかったシン・エヴァンゲリオン劇場版でしたが、2017年4月5日、ついに制作が進んでいることが判明しました。代表である庵野監督を筆頭にエヴァシリーズの制作に携わってきた株式会社カラーの公式ツイッターに、シン・エヴァンゲリオン劇場版制作の様子がアップされたのです。

今現在では、制作がどの程度まで進んでいるのか、また、いつ公開になるのかといったことは不明ですが、少なくとも制作が進んでいるという情報はファンにとっては嬉しいものでした。実際の公開がいつになるのかなど、今後の新情報が待たれます。

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エヴァンゲリオン新劇場版1.2.3部のあらすじを紹介!

そんなシン・エヴァンゲリオン劇場版の内容・あらすじがどうなっていくのか気になるところですが、その前に『エヴァンゲリオン新劇場版』全4作のうち、第1作から第3作までのあらすじを、おさらいがてら確認しておきましょう。

エヴァンゲリオン新劇場版:序

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は、全4部作のうちの第1作目であり、その名の通り「序章」的な位置づけにある作品です。2007年9月1日に公開された作品で、『新世紀エヴァンゲリオン』TVシリーズの第1話~第6話のあらすじをベースに制作されました。

ここから『序』のあらすじを紹介していきます。未曾有の大災害「セカンド・インパクト」から15年が経ち、ようやく人類が平穏な日々を取り戻したかに見えたころ、主人公である14歳の少年・碇シンジが父親に呼び出され第3新東京市にやって来る場面から物語は始まります。

シンジの父・ゲンドウは、国連直属の特務機関・NERV(ネルフ)の最高司令でした。シンジとゲンドウはそれまで3年間も会っていませんでしたが、ゲンドウは、久しぶりに再会した息子・シンジに対して、NERVが開発したヒト型兵器「エヴァンゲリオン初号機」に乗るパイロットとなり、使徒と呼ばれる敵と戦うように命じます。

最初は父・ゲンドウの命令を拒否するシンジでしたが、重傷を負いながらも戦い続けることをやめない女性パイロット・綾波レイとの出会いや、ジオフロント深部に拘束された第2の使徒「リリス」と使徒が接触すると「サード・インパクト」が起き人類は再び大災害に見舞われることになるという事実を知ったことで、シンジはエヴァに乗ることを決意します。

そんな中、第3新東京市は第6の使徒の襲撃を受けますが、NERVはシンジとレイによる共同作戦、通称「ヤシマ作戦」を実行、途中ピンチに陥るものの、第6の使徒の殲滅に成功し都市を守りきります。同じ頃、渚カヲルという少年が月面で目覚め、棺から出てくるのでした。以上が『序』のあらすじとなります。

エヴァンゲリオン新劇場版:破

『破』は、『新世紀エヴァンゲリオン』TVシリーズの第8話から第19話までのあらすじをベースとして制作が開始されました。しかし、前作の『序』がTVシリーズのストーリーをほぼ踏襲していたのに対し、本作『破』では新劇場版独自となる新たな登場人物やエヴァンゲリオン、使徒が登場したほか、新たな設定や謎も追加され、タイトル『破』にふさわしく前作までの流れを破るような独自の物語を展開していきます。

それではここから『破』のあらすじを見ていきます。前作『序』で、「エヴァンゲリオン」の初号機のパイロットとして、人類を滅ぼそうとする敵である使徒と戦うことを決意した碇シンジの前に、エヴァンゲリオン2号機のパイロットである式波・アスカ・ラングレーが現れます。シンジ、レイ、アスカの3人は共同で作戦にあたり、第8使徒までを撃破していきます。

あるとき、NERVの北米第2支部がエヴァ4号機の暴走により消滅、実験の続行が不可能となったことから、エヴァンゲリオン3号機を急遽日本に移送する必要が生じ、アスカが自ら3号機のテストパイロットに志願します。しかし、エヴァ3号機にはいつの間にか使徒が侵入していました。使徒に制御を奪われた3号機はアスカを乗せたまま暴走を始めます。

ゲンドウはシンジの初号機を出動させ、エヴァ3号機を第9の使徒として処理するよう命じますが、アスカがまだ中にいることからシンジは命令を拒否します。そんなシンジに対してゲンドウは初号機をダミーシステムに切り替え、シンジからいつの間にか初号機の制御権を奪い去ってしまいます。初号機は、3号機の使徒のコアを、アスカが乗っているエントリープラグごと破壊してしまいました。

アスカはなんとか一命を取り留めますが、精神面で不調になり、隔離されることになります。同時に、この件がトラウマとなったシンジもパイロットを辞めることを望むようになりました。

そんな中、第10の使徒が襲来、ジオフロント内に侵入します。アスカの代わりに2号機に乗る真希波・マリ・イラストリアスと、零号機に乗る綾波レイが迎撃しますが、レイが零号機ごと使徒に捕食されてしまいます。レイが窮地に陥ったことを知ったシンジは、再び戦うことを決意し、NERV本部へ戻ります。

シンジがレイを救い出すべく必死になったことで初号機が覚醒、使徒を取り込みますが、これにより「サード・インパクト」が起こりかけてしまいます。そのとき、月面から渚カヲルがエヴァ6号機で飛来、槍で初号機のコアを貫き、辛くも「サード・インパクト」は食い止められました。以上が『破』のあらすじとなります。

エヴァンゲリオン新劇場版:Q

タイトルの変更前は『急』として公開される予定だった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』は、TVシリーズのあらすじにはない物語展開が続き、タイトル通り前作『破』を超える「急展開」を見せる作品となりました。実際のあらすじを見てみましょう。

シンジが目覚めると、前作でシンジが初号機を覚醒させてからいつの間にか14年もの歳月が流れていました。シンジは自身が起こした初号機の覚醒による「ニア・サード・インパクト」が引き金となり、結果的に「サード・インパクト」が発生、世界が荒廃してしまったことを知らされます。

14年が経ったことでシンジを取り巻く組織も大きく変わっており、NERVに対抗する反乱組織・ヴィレが結成され、かつてNERVでシンジとともに使徒と戦っていたアスカや葛城ミサト、赤木リツコらを含む多くのメンバーがヴィレに所属、ゲンドウが率いるNERVと戦っていました。

サード・インパクト発生のきっかけを作ってしまったシンジに対し、ヴィレのメンバーは冷たく当たります。シンジが状況に困惑していたところ、エヴァンゲリオンMark.09がヴィレの艦隊を襲撃、その際にシンジは自分を呼ぶ綾波レイらしき人物の声を聞き、Mark.09とともにNERV本部へ向かうことにします。

NERV本部へ到着し、Mark.09のパイロットと改めて顔を合わせますが、彼女はアヤナミレイ(仮称)と呼ばれるレイのクローン体であり、綾波レイとは別人でした。NERV本部にいた渚カヲルとピアノの連弾を通して親睦を深めたシンジは、14年前にシンジが助けようとした綾波レイの魂は未だにサルベージされておらず、エヴァ初号機の中に残ったままだと知らされます。

自分の行動が何一つ良い方向に向かわなかった事実を知り、絶望に暮れるシンジでしたが、そんなシンジにカヲルはある提案をします。それは、セントラルドグマの最深部に残されている「カシウス」と「ロンギヌス」の2本の槍を回収するというものでした。カヲル曰く、その2本の槍があれば「世界の修復」が出来るというのです。

カヲルの説得を受け、シンジはカヲルの提案を了承、ともにエヴァ13号機に乗ってセントラルドグマ最深部に向かいます。反ネルフ組織・ヴィレのメンバーもこの動きを察知、エヴァに乗ったアスカとマリを出動させたことで、エヴァパイロット達によるNERV対ヴィレの戦いが勃発します。

その戦いの最中、カヲルは2本の槍に対して異変を感じます。計画を中止するようにシンジに言いますが、シンジはカヲルの意見を聞かず、2本の槍を抜き取りました。当初はカシウスとロンギヌスの2本が刺さっていると思われていましたが、この2本は両方ともロンギヌスの槍にすり替えられていたのです。

その結果、世界の修復はできず、逆にロンギヌスの槍を抜いたことで活動を再開した第12の使徒を吸収した第13号機が覚醒、フォースインパクトが始まってしまいます。全てはゲンドウにより仕組まれていたことでした。目の前の惨事に狼狽するシンジでしたが、そんなシンジをカヲルは優しく慰めつつ、「また会えるよ、シンジくん」という謎の言葉を残して命を落としていきます。

その後、機転を利かせたマリが、シンジをエントリープラグごと第13号機から強制排出し、フォース・インパクトはなんとか収束します。地上に落下したシンジは、またしても自分の行動が悪い方向にしか行かなかったことに絶望し、エントリープラグの中に蹲っていました。

そこにアスカとアヤナミレイ(仮称)が現れます。いつまで経っても動こうとしないシンジをアスカが叱咤し、シンジの手を取り歩き出します。それにアヤナミもついていき、赤く荒廃した地上を歩く3人のシーンをラストに、次作に続いていきます。以上が『新劇場版』第1作から第3作までのあらすじになります。

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エヴァンゲリオン新劇場版のイメージボードの意味は?

前項であらすじを紹介した3作に続く『シン・エヴァンゲリオン劇場版』ですが、しばらく続報がなく、そのあらすじや、いつ公開になるのかといった情報はおろか、進捗状況も全くわからない時期が続いていました。しかし、2017年7月28日に「エヴァンゲリオン」の公式サイトが更新され、注目を集めます。

この公式サイトの更新により、1920×4039ピクセルという、ほぼ4Kに近い解像度のイメージボード画像が公開されました。公開された画像は串田達也氏によるイメージボードで、青い空の下、赤く染まった大地を歩く3人の小さな人影、そして電信柱が写ったティザービジュアルとなっていました。赤い大地を歩く3名の人影は、前作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」のラストシーンからの繋がりを表していると見られています。

画像には「続、そして終。」「非、そして反。」の文言があるほか、画像下部に「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||鋭意制作中」と書かれていました。加えて、ページ下部に設置されたボタンでシリーズの各作品を選択できるようになっていますが、本作のボタンの表記がそれまでの「FINAL」ではなく「3.0+1.0」の表記になっています。

「FINAL」から「3.0+1.0」に変わった理由

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を示す表記が「FINAL」から「3.0+1.0」に変わった理由ついて公式からの説明はなく、その意味することについては様々な憶測が飛び交っています。最初にこの「3.0+1.0」が登場したのは、鎌倉の鶴岡八幡宮で行われた「ぼんぼり祭り」において庵野秀明監督が直筆で書いたぼんぼりで、そこには「『EVANGELION:3.0+1.0 etc.』無在原点」と書かれていました。

これまでのエヴァンゲリオン新劇場版では、『序』が1.0、『破』が2.0、『Q』が3.0と表記されてきました。そんな中でシン・エヴァだけ足し算の表記がされていることで、その意味について様々な解釈がなされています。最もストレートな解釈として挙げられているのは、単純な足し算、つまり「3.0+1.0」=「4.0」であり、第4作目であることを意味する表記ではないかというものです。

しかし、わざわざ足し算表記にしているのは別の意味があるのではないかという意見もあり、これまでの新劇場版とは別に、新たに『シン・エヴァンゲリオン』シリーズが続くのではないかという意見もあります。この場合は、「3.0+1.0」のうち「3.0」は『Q』を指していて、「1.0」は『シン・エヴァンゲリオン』の第1作目を意味しているのではないかという解釈がされています。

また公式サイトにはありませんが、庵野監督直筆のぼんぼりには「etc.(エトセトラ)」の表記があった事も、シンエヴァが2.0、3.0と続くことの布石ではないかという意見の根拠とされています。

また、ぼんぼりで『EVANGELION:3.0+1.0 etc.』の下に書かれていた「無在原点」については、庵野監督の造語とされています。漢字から意味を類推すると、「原点は存在しない」という意味であると考えられます。ここから転じて、3.0までのQとシン・エヴァ1.0は同じ原点を持たない、つまり別のシリーズになるということではないかとする考察もあります。

「続、そして終。非、そして反」とは?

続いて、イメージボードにあった「続、そして終。」「非、そして反。」という文言についての考察も確認しておきましょう。この文言は、英語版サイトでは、「After that, and THE END. NOT, and ANTI.」の表記になっています。

株式会社カラーは7月29日に公式インスタグラムを立ち上げ、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の絵コンテらしきものを続々とアップしていますが、「3.0+1.0」の表記同様、この「続、終、非、反」の4字が意味するものも含め、シン・エヴァの内容について確実なことはわかっていません。

「続、そして終。非、そして反」という文言から、「『続』『終』『非』『反』の全4作のシリーズになるのでは」と予想する声もありますが、あくまで『シン・エヴァンゲリオン』1作をこの文言で表しているのだろうとする声もあります。

あくまでシン・エヴァンゲリオンのことを指していると考えた場合、この文言はどんな意味になるのでしょうか?まず「続、そして終。」の部分については、「これまでの続編であり、最終作である」という意味だと考えられます。

対して「非、そして反。」の部分については、「非」には「正しくない」「間違えている」などの意味が、「反」には「元に戻る」「繰り返す」などの意味があることから、合わせると「今の状態(Qまでに描かれた世界)が正しくないから、元に戻る」と捉えることができ、Qで大きく変わった世界を正しい方向へ戻す内容になることの布石ではないかと考えられています。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を考察!

このように公式サイト更新やイメージボードにまつわることだけでも様々な意見が飛び交っている『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』ですが、その世界設定や内容についての考察は多岐に渡ります。この項では、新劇場版シリーズに関してこれまでに出ている考察をまとめて紹介していきます。

パラレルワールド説

エヴァンゲリオン新劇場版には、パラレルワールド説がいくつかあります。そのうちの一つ目が、「序・破の世界」と「Qの世界」は全く別の世界の物語であるとする説です。この説の根拠になっているのは、タイトルロゴの「0」の表記の違いです。序・破での1.0および2.0では、「0」の斜線が円から飛び出さない形で入っていましたが、Qの3.0では、0から斜線が飛び出しています。

そしてQの斜線が飛び出したバージョンの0は、元を一切持たない集合である空集合の記号「φ」にも見えます。このことから、「元を持たないQは、序・破とは別の世界線である」ということを意味しているのではないかと考えられています。

パラレルワールド説の二つ目が、新劇場版シリーズのサブタイトルを根拠にしたものです。この説は、新劇場版の各作品内で、同時並行的に存在する2つの世界線の物語が並行して映像化されているとするものです。

新劇場版シリーズの各作品のサブタイトルは、それぞれ『序』が「YOU ARE (NOT) ALONE.」、『破』が「YOU CAN (NOT) ADVANCE.」、『Q』が「YOU CAN (NOT) REDO.」となっています。否定を意味するNOTが全てカッコ書きとなっていますが、このNOTが有るか無いかでそれぞれのタイトルは全く逆の意味になります。

新劇場版では、この「NOTが有るバージョンの世界」と「NOTが無いバージョンの世界」が交互に映像化されていて、だからこそ時々話が繋がっていないような印象を受けたり、予告で描かれた内容と本編が全く異なるのではないかと言われています。

物語はループしている?

エヴァンゲリオン各作品を、パラレルワールドではなくループした世界だと捉える説もあります。『序』から始まる新劇場版の世界は、旧世紀版(TVアニメシリーズと旧劇場版)の後にシンジとアスカが創り出したループ世界だとする説です。

この説の根拠になっているのは、海が赤くなったタイミングの違いです。旧劇場版では、「サード・インパクト」が起こったことで、全人類が赤いLCL状態に戻ってしまい、世界中の海が真っ赤になるというラストでした。しかし、新劇場版ではサード・インパクトが起こる前の1作目『序』の冒頭から海が最初から赤くなっていて、「セカンド・インパクト」が原因で赤い海になったとされています。

ループ説のもう一つの根拠になっているのが、重要人物である渚カヲルのセリフです。渚カヲルは、新劇場版の各作品内で、ループを知っているかのようなメタ的な視点からの発言をシンジに向かってしています。『序』での「また3番目とはね、変わらないな君は」、『破』での「今度こそ君だけは、幸せにしてみせるよ」、『Q』での「またすぐに会えるよ」などです。

カヲルの言う「また」や「今度こそ」というのは、どれも作中の人物で有るシンジには心当たりがなく、いつのことを言っているのか分からないはずの発言です。これは、世界がループしていることをカヲルが知っているからこその発言ではないかとされています。

このループ説においては、実は次回作シン・エヴァンゲリオンは序・破・Qの続きではなく、「旧劇場版の続き」なのではないかと言われています。序・破・Qではタイトルが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:○』でしたが、次回作が『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』と発表されたことで、ヱがエに、ヲがオに戻った上、新劇場版ではなく劇場版の表記となったことがその根拠とされています。

また新劇場版では、年号に関する表記が一切ないのですが、これは意図的に削られていると見られており、そのカラクリや旧劇場版から新劇場版へループするまでの経緯が、シン・エヴァンゲリオンで判明するのではないかと言われています。

タイトルの『:||』の意味は?

シン・エヴァンゲリオンのタイトルの『:||』の部分は、『Q』本編終了後の予告では特に発音されておらず、記号が何を意味するものなのかについても議論が沸き起こっています。そんな中、Qでピアノの連弾シーンがあったことからも、このタイトルは音楽記号からきているのではないかと言われています。

記号の意味の取り方には二つあり、そのうちの一つは、タイトルのうち『||』の部分のみに着目して、記号の意味を「終止記号」とする説です。この場合、次回作は文字通り終わりの作品、FINALであると考えられます。

もう一つの説が、タイトルのうちコロンを含めた「:||」に着目し、記号の意味を「繰り返し記号」とする説です。音楽的にはこの記号はある所定の箇所まで戻って繰り返すことを意味していて、シン・エヴァンゲリオンの物語もエヴァ作品のどこかへ戻ってループするということを暗示しているのではないかと言われています。

カギとなりそうな「S-DAT」

前述のように、その内容について様々な考察がなされているシン・エヴァンゲリオンですが、物語のカギとなるのが「S-DAT」ではないかとされています。S-DATは、ポータブルの音声記録・再生機器で、作中でシンジが愛用しています。S-DATは旧作でも登場していますが、これまでの新劇場版の中で新たな設定などが追加され、物語に絡んできています。

まず『序』では、シンジのS-DATは昔ゲンドウが使用していた物だという設定が追加されました。『破』では、シンジがNERVを離れる際に一度捨てますが、綾波レイが拾い、第10の使徒との戦いに出動する際にエヴァ零号機に持ち込みます。最終的に第10の使徒が零号機を捕食した際に、S-DATはレイ共々吸収されたかに思われました。

続く『Q』では、冒頭で初号機からシンジが救出された際、シンジ以外で唯一共に発見されますが、壊れていて再生ができませんでした。シンジはカヲルに修理を依頼し、後日返されますが、直ったのかどうかは不明のまま物語は進み、ラストでシンジと共に地上に落ちたS-DATをアヤナミレイ(仮称)が意味深に見つめるシーンに繋がっていきます。

このように、『序』では父・ゲンドウとの繋がりが、『破』では綾波レイとの繋がりが、『Q』では14年前との繋がりが描かれていて、新劇場版シリーズが進む中でいつの間にかS-DATに新たな意味合いが付加されていく構成になっています。

また、『序』ではS-DATの曲番の表示が25→26→25→26のようにいつもループしていましたが、『破』でシンジとマリが学校の屋上でぶつかってから曲番は27へと変わり、さらに『Q』でカヲルから返してもらってからは28へと進みました。

この曲番の移り変わりは、「25→26の繰り返し」つまり「ループ」からの脱却や、旧世紀版の26話から脱したことを意味するのではないかなど、様々な見方がなされています。これらのことから、シン・エヴァンゲリオンの物語の中でも、S-DATが何かしらの鍵になるのではないかと見られ、注目されています。

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エヴァンゲリオン新劇場版の公開を期待!

以上、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の現状と内容の考察について、前作までのあらすじと共に紹介しました。公開がいつになるのかも分からない中で、様々な考察が行われていることから、期待値の高さが窺えます。果たして『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』いつ公開されることになるのか、そしてどんな内容になるのか、続報を楽しみに待ちましょう!

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