【君の名は。】糸守町にはモデルが実在する？諏訪湖説を考察！彗星は実話？

今回のまとめでは、アニメーション映画「君の名は。」に登場した糸守町の実在するモデルとなった場所や、彗星の話は実話なのかどうかまとめていきます。映画「君の名は。」の糸守町についてまとめていく前に、映画「君の名は。」の概要やあらすじなどについて見ていきましょう。

映画「君の名は。」は、新海誠監督が手掛ける第7弾目の作品として2016年8月に公開されたアニメーション映画として知られています。監督のほか、脚本や原作は新海誠さんが手掛けています。また、劇中で流れる音楽や主題歌、挿入歌は人気ロックバンドRADWINPSが手掛けたことでも知っている方も多いのではないでしょうか？

新海誠さんは、2002年に公開されたアニメーション映画「ほしのこえ」を皮切りに、デジタルアニメーション映画制作に力を注いでいます。「君の名は。」の前作として知られる「言の葉の庭」は、自身が手掛けたアニメーション映画の中でも1番のヒット作品でしたが、2016年に公開された「君の名は。」は、「言の葉の庭」をはるかに上回る動員数・興行収入を叩き出し、ジャンルや老若男女問わず話題となりました。

また、「君の名は。」は日本だけでなく世界中でもヒットを記録し、40か国以上の国で上映されました。その他、原作小説や関連書籍の売上も伸び、一躍有名アニメーション監督の一員となったのです。声優には、大人気俳優の神木隆之介さんや、女優の上白石萌音さんらが参加したことでも話題となりました。2018年には、初の地上波放送もされ、平均視聴率17.4％とこちらも高い数字を叩き出しました。

主人公・立花瀧（たちばなたき）は、東京都立神宮高校に通う高校2年生の普通の男子学生として日々を過ごしていました。ですが、ある朝目を覚ますと、見慣れない部屋で眠っていたのです。その場所は、岐阜県の飛騨にある糸守町という山奥の町でした。瀧は鏡を見て自分ではない姿に困惑しますが、宮水三葉（みやみずみつは）という女子高生と人格が入れ替わっていることに気が付いたのです。一方、三葉も混乱に陥っていました。

三葉は、瀧と入れ替わったことに気が付きますが、瀧同様に「変な夢」という認識でいました。次の日、目が覚めると2人は元に戻っており、「変な夢を見たな」と思いますがそれは夢ではなかったのです。入れ替わりはその後も予告なしに突然起こりました。女子高生になってしまった瀧は不満に思いながら1日を過ごしますが、三葉は憧れの東京ライフにワクワクを隠しきれませんでしたが、2人は交流を深めていきます。

その後、入れ替わり現象はピタリとやみました。瀧は三葉が心配になり、入れ替わった時の記憶を基に糸守町について調べていくことにしたのです。糸守町は、3年前に起きたティアマト彗星の欠片によって消滅していたことを知りました。瀧は、”3年前の三葉”と入れ替わっていたことを悟ります。瀧は過去を変えるべく記憶を辿りながら三葉と会うことに成功し、三葉に事実を伝えます。三葉は、瀧の想いを受け継ぎ奔走していきます。

糸守町は、「君の名は。」に登場する実在しない架空の町ですが、深海監督は飛騨地方を参考にしていると語っています。三葉たちが住む劇中に登場する糸守町は、岐阜県の山中にある住人僅か500人ほどの小さな町でした。糸守町には、数百年前に落ちた隕石の落下によってできた大きな湖がありました。交通の便は悪く、バスや電車は1日に数本、大きなデパートやスーパーもない小さな町として描かれています。

糸守町は、架空の町とされており実在はしません。ですが、糸守町をモデルにしたとされる湖や町があるとネット上では話題となっています。架空の町でありながら、モデルが実在するということで、近年聖地巡礼をする方も多くいらっしゃいます。モデルになったとされる湖や町は2つほどあがっており、そちらについて紹介していきます。因みに、モデルとなった詳細な場所は公式では明かされていません。

糸守町のモデルとなった湖その1は、長野県にある諏訪湖です。確かに、糸守町の湖と諏訪湖はとてもよく似ているように見えます。諏訪湖も糸守町の湖と同じく町に囲まれた湖です。高台や山に登って湖を見下ろすと「君の名は。」と似ている景色に、ファンの中には聖地巡礼として訪れる方も多いといいます。また、長野県は新海監督の地元でもあるということで、”聖地”として有名となりました。

ですが、一方で、糸守町のモデルは諏訪湖ではなく飛騨高山だという方もいらっしゃいます。飛騨高山は岐阜県に位置していることから、糸守町のモデルとしていち早く特定された場所でもあります。飛騨高山も山奥にあり、町の風景や建物の雰囲気が似ていると話題になりました。ですが、飛騨高山には湖がありません。恐らく、飛騨高山と諏訪湖をミックスして糸守町のモデルと設定されたと考えられます。

また、飛騨高山や諏訪湖のほかにもモデルとなったとされる場所が発見されています。それは、東京都伊豆諸島にある青ケ島という場所です。画像を見て頂くと、糸守町にあった御神体のあった場所と酷似していることが分かるでしょう。湖や町の風景は飛騨高山や諏訪湖、御神体の場所などは青ケ島がモデルとなった可能性が高いです。

日本には、彗星の落下によってできた湖は実在しないので、彗星落下による話は実話ではありません。海外ですと隕石の落下によって湖ができたこともあります。ですが、日本では彗星含め隕石などの落下による湖は確認されていません。一方で、日本では過去に隕石の落下によるクレーターが確認されています。クレーターとは、天体衝突によってできるくぼみのことを指します。

日本で確認されているクレーターは、御池山クレーター（おいけやま）といい長野県飯田市にあり、観光地となっています。隕石の落下は2～3万年前とされており、研究が進められています。

繰り返しますが、隕石等の落下でできた湖は実在しないので、糸守町の彗星落下は実話ではないと言えるでしょう。現代に残るクレーターの中で最も新しいものが、南米にあるホンジュラスという町に落ちた隕石の落下の跡で、これは1996年と割と最近できたものだと確認されています。因みに、諏訪湖は遠い昔の断層活動によって起こった八ヶ岳の火山活動（諸説あり）によるものだと言われています。

糸守町のように、彗星落下によってできたクレーター湖は日本にありませんが、カナダにあるピングアルク湖は、隕石の落下によるクレーター湖だということが確認されています。また、2013年にロシアのチェリャビンスクという場所に隕石が落下しています。ですが、こちらは地上に衝突する前に爆発しました。死者は出ませんでしたが、負傷者は1000人以上だと報告されています。

このように、世界では隕石落下による被害や痕跡が存在していました。「君の名は。」は、こうした様々な実話などに基づいて構成されていったのではないでしょうか？1つの事柄だけでは成り立たないストーリーですので、創作や実話、実在する名所を盛り込んだと考えられます。

糸守町の住人で1番登場回数の多い人物は主人公である宮水三葉です。ティアマト彗星が落下した時の三葉は、岐阜県立糸守高校に通う高校2年生の17歳でした。母方の祖母と妹の3人で暮らしています。母親は亡くなっており、別に暮らす父親とは折り合いが悪いことが劇中でも描かれました。声優を務めた上白石萌音さんは、東宝芸能に所属しており、女優や歌手として活動しています。

続いて、三葉の妹・宮水四葉（よつは）は、当時小学4年生の9歳の明るく元気な女の子として描かれています。9歳ながらにしっかりした性格をしており、なかなか起きてこない三葉を起こしたり積極的にお手伝いをしたりしています。ストーリーの終盤では高校生になった姿が描かれていました。四葉の声優を務めた谷花音さんは、テアトルアカデミーに所属しており、子役の頃から活動している女優として知られています。

続いて、三葉や四葉の祖母として登場する一葉（ひとは）は、宮水神社の宮司をしながら孫2人を育てる”いいおばあちゃん”として登場します。劇中当時は82歳でした。三葉や四葉に神社の伝統などを教えたり、行事をこなしたりする姿が描かれています。一葉の声優を務めた市原悦子さんは、1957年から活動をはじめ様々な作品に出演する女優として名を馳せましたが、2019年1月12日に心不全のため逝去されました。

続いて、三葉や四葉の父親である宮水俊樹は、劇中当時は糸守町の町長として活動をしており、選挙の真っ最中の場面が描かれています。当時54歳でした。妻が亡くなったことを機に宮水の家を出たことで、特に三葉とは折り合いが悪い様子が見られます。俊樹の声優を務めたてらそままさきさんは、マウスプロモーションに所属する声優であり、俳優やナレーターとしても活動しています。「仮面ライダー電王」などに参加しています。

続いては、三葉と四葉の母親で俊樹の妻であった宮水二葉は、ストーリー開始時には既に亡くなった人物として描かれました。一葉にとっては一人娘です。詳細は明かされていませんが、回想時に登場しています。声優は大原さやかさんが担当しました。大原さんは、東京俳優生活協同組合に所属する声優、ナレーター、DJとして活動しています。

続いては、三葉の高校の友だち・テッシーこと勅使河原克彦（てしがわらかつひこ）は、建設会社の息子として描かれています。密かに三葉のことを想っているようでしたが、終盤で描かれた2021年の東京で友人の名取早耶香と結婚の話をしているところが描かれました。テッシーの声優を務めたのは、俳優として活動する成田凌です。成田凌さんは、モデルとして「MEN'S NON-NO」として活動しています。

続いて、テッシーの未来の奥さんであり、三葉の友だちでもある名取早耶香は、放送部に所属している終盤で重大な役目を果たす人物として描かれています。高校のころからテッシーに好意をもっていた模様です。穏やかな性格ながら、最後は必死に頑張った姿が窺えます。早耶香の声優を務めたのは、人気声優としても知られている悠木碧さんです。悠木碧さんは子役の頃から活動しており、現在はプロ・フィットに所属しています。

続いて、「黄昏時」の言葉を用いながら古典の授業をしているユキちゃん先生、「君の名は。」の前作である「言の葉の庭」にてヒロインを務めた雪野百香里です。雪野百香里であることを新海監督は明言していませんが、雪野先生であることは自明です。「君の名は。」では特に目立ったシーンはありませんでした。ユキちゃん先生の声優は花澤香菜さんが務めています。花澤香菜さんは「言の葉の庭」にも参加しています。

糸守町を目の当たりにし、瀧と三葉の時空が歪んでいくシーンでの演出がよかったと絶賛されている方がいらっしゃいました。実話では有り得ないファンタジーが「君の名は。」にはいくつも盛り込まれているので、何度見返しても細かな設定が楽しめます。

糸守町の湖や湖は実話ではありませんが、モデルとされる諏訪湖へ聖地巡礼されている方が多くいらっしゃいました。

劇中終盤、瀧が託した思いを三葉が受け継ぎ、亡くなるはずだった多くの住人を救い、犠牲者0人にするという過去改変を行いました。ですが、実は安否不明者が13人おり、それは糸守線を走るキハ40の乗客だと見られています。この細かな部分は劇中では特に取り上げられていませんが、どうしてもこの13人は助けられなかったというツイートが見られました。もし実話だとしたら悲しい話です。

以上、大ヒットアニメーション映画「君の名は。」に登場する糸守町についてまとめてきました。彗星に関するストーリーは実話ではないことや、糸守町にある湖は実在しない湖であることを紹介してきました。ですが、モデルとなったとされる場所は実在していますので、ぜひ参考にしてみてください。また、サイト内には、「君の名は。」に関するまとめが多数ありますので、そちらもぜひチェックしてみてください。