2020年01月29日公開
2020年01月30日更新
【機動戦士ガンダム】ゴップは無能ではなく有能?性格・役職や声優も調査
初代『機動戦士ガンダム』に登場する人物で、ゴップという人物がいます。ゴップは長い間無能な軍人と評価されていました。役職が高い位に就いているにもかかわらず、戦地に赴くこともなかったのでジャブローのモグラといわれていました。そのゴップが、最近ネットを中心に「実は有能だった」「一年戦争終了後、ゴップはキレ者になった」などと再評価されているのです。『機動戦士ガンダム』に登場したゴップについて、ゴップの声優や初代以外のガンダムシリーズ作品に登場するゴップの描かれ方の違いなども含めて、まとめてみました。
目次
機動戦士ガンダムのゴップとは?
いわゆるファーストガンダムといわれる、1979年にテレビ放映された『機動戦士ガンダム』には、特徴のある様々な登場人物が存在します。そして彼らの独特なセリフは、ときに流行語になったりもしています。例えば主人公のアムロ・レイの「親父にもぶたれたこと無いのに」やシャア・アズナブルの「坊やだからさ」など、セリフによってはビジネスに使えるものであったり、冗談のネタなどにも幅広く使われています。
マイナーキャラクターであっても、非常に個性的な、ゆえに印象に残るキャラクターが多い『機動戦士ガンダム』ですが、そのなかでも最近「以前とは印象が変わった」と噂になっているキャラクターがいます。それはゴップという登場人物です。ゴップはモビルスーツではなく、登場人物の1人です。ゴップとは、どのような人物で、ゴップの何がどう変わったのでしょうか?
機動戦士ガンダムの概要
『機動戦士ガンダム』は増えすぎた地球人口を解決するために宇宙に人口居住地を作り、その一部が独立戦争をしかけたことで、戦争に巻き込まれていった少年少女たちの成長を描いたものといえます。さらに言えば、作品の軸には「人の存在」「人の魂」が描かれています。宇宙に出た人間の「革新」を象徴するキーワードとして「ニュータイプ」という言葉が作品を理解するための鍵となりました。
初代『機動戦士ガンダム』は、視聴者設定を中高生としました。このため、視聴者対象年齢が低かった従来のアニメ漫画にありがちな勧善懲悪や一話完結型の漫画とは一線を画し、リアルな戦争背景をも含めたアニメとして有名になりました。初代『機動戦士ガンダム』の放映から40年が過ぎてもなお人気があるのは、こうしたリアルさを追求した作品だからこその「奥行き」があるためともいわれています。
ゴップのプロフィール
ゴップは英語表示でGoppとされます。ゴップは『機動戦士ガンダム』では地球連邦軍に所属する軍人の1人です。ゴップは、その中でもいわゆる上層部に所属する軍人であり、地球連邦参謀本部である南米にあるジャブロー秘密基地に所属していて、階級は大将(提督)なのです。『機動戦士ガンダム』のストーリーで重要な役割を果たしているレビル将軍とゴップは、実は同じ階級だったのです。
ゴップは、地球連邦軍の総司令部がある南米アマゾン川地下の鍾乳洞を利用した要塞である、ジャブロー基地に配属されています。ジャブロー基地から戦地に赴くことが無い指令基地上層部たちは「ジャブローのモグラ」と揶揄されています。ゴップは、『機動戦士ガンダム』の主人公の一人であるホワイトベースクルーのミライ・ヤシマの父とは知り合いでした。この設定は『ジョニー・ライデンの帰還』に生かされています。
機動戦士ガンダムのゴップは無能ではなく有能?
『機動戦士ガンダム』に登場する地球防衛軍参謀本部所属のゴップ大将は、その風貌から「お偉いさんにありがちな、口だけの軍人」という評価をされていました。ゴップは特別な活躍もしていないので、視聴者からは無能と評価されていました。ゴップは、初代『機動戦士ガンダム』だけではなく、オンラインゲームの『機動戦士ガンダムオンライン』にも『機動戦士ガンダムTheOrigin』などにも登場しています。
世間でもありがちな「頭でっかちな、嫌味な上司」の様子を見事に表現しているゴップ大将の姿ですが、物語の中でゴップ大将は本当に無能と評価されているのでしょうか?初代『機動戦士ガンダム』でのゴップ初登場後も、いくつかのガンダム作品の中でゴップ大将が登場しています。ゴップはそれぞれの作品の中で「ゴップは無能な上官」という設定で続いているのでしょうか?
ゴップは最前線に立たない無能キャラ?
ゴップ大将はレビル将軍と違い、戦地には一度も赴いていません。ゴップ大将は地球連邦軍参謀本部のある南米アマゾン川流域のジャブロー秘密基地内から軍事指令を出すのみの存在だったが故に、他の高官たちと同様に「ジャブローのモグラ」などと揶揄されていました。ゲーム『ギレンの野望』などにも、「ジャブローのモグラ」といわれるゴップが無能であるキャラクター設定は引き継がれています。
ところがよくよく調べてみると、ゴップ大将が初代『機動戦士ガンダム』の作品中で、「無能な軍人」と描写されたシーンは一度もありませんでした。作品中では、実際にありがちな老齢の参謀を描いたに過ぎません。初代『機動戦士ガンダム』の作品中、大きな間違いをしでかしたり、主人公たちに意地悪な言動を取って苦しめるなどといった行動をとったこともありません。「無能」である理由が見当たらないのです。
ゴップは指揮系統の面では有能?
実は近年、ゴップ大将は寧ろ戦況を鋭く観察し、的確な指示を出していたと再評価されているのです。初代『機動戦士ガンダム』が最初にヒットしたときの視聴者は中高生が多く、上から目線の官僚上層部に対しては意地悪な親父たちとしか見えなかったことが、ゴップ大将低評価の原因とされます。『機動戦士ガンダム』でのゴップは、実際には陽動作戦を指示したりなど、寧ろ有能な指揮官として活躍していると見るべきなのです。
近年、ゴップの評価が高くなった原因の一つは、初代『機動戦士ガンダム』が放映されて40年が過ぎ、初代のファンたちが改めてサブキャラクターたちの言動を見直していることといえます。つまりそれは、ファーストファンたちが、ゴップ大将の立場も理解できる年齢となり、改めて作品を見直してみると決してゴップは間違ったことをしていないと認識できたというわけです。ゴップは軍人として、有能というべきなのです。
機動戦士ガンダムのゴップの性格や強さ
『機動戦士ガンダム』のサブキャラクターであるがゆえに、ゴップ大将の性格や強さなどの情報はあまり出回っていません。四十年以上も前の作品である初代『機動戦士ガンダム』のなかでのゴップ大将と近年の漫画である『ジョニー・ライデンの帰還』のなかのゴップ大将を比較してみると、実は大きな違いが見られます。ゴップは見掛けこそ大御所の風貌ですが、ゴップの発言や性格などの描かれ方が進化しているといえるのです。
初代『機動戦士ガンダム』でのゴップは、実際に存在しそうな「何も専務」とでも言い表せそうな、毒にも薬にもならない上司のように描かれていました。ゴップはジャブローでホワイトベースクルーのミライ・ヤシマに縁談を持ちかけようとしました。こうした行動は、初代『機動戦士ガンダム』におけるゴップの典型的な行動と見ることが出来ます。ところが漫画『ジョニー・ライデンの帰還』でのゴップは性格が変わっているのです。
ゴップの性格
ゴップ大将の性格を語るには、矛盾する2つの面を追わなければなりません。オンラインゲーム『機動戦士ガンダムオンライン』やゲーム『ギレンの野望』では、戦闘能力も指揮力も無いキャラクターです。強い性格とはまったく言えず、マイナスこそありませんが強さなど微塵もありません。この設定は初代『機動戦士ガンダム』における呑気な上官のイメージをそのまま利用したものといえます。
これらに対して漫画『ジョニー・ライデンの帰還』でのゴップは、上流階級の出身で家柄もよく、このため性格は表向き温厚に振舞っているだけで、実は腹黒の政治家であるという表現をされています。ゴップは戦争の汚い部分を利用して成り上がってきた策士として漫画『ジョニー・ライデンの帰還』に登場しているのです。このゴップの性格を語るのであれば「したたか」という言葉が最も似合っています。
ゴップの強さ
初代『機動戦士ガンダム』におけるゴップの軍人としての強さは、決して高く評価されていません。ゴップはモビルスーツパイロット経験者として描かれていませんし、宇宙戦艦艦長などの経験があるようにも描かれていません。このため、ゴップは弱いキャラクターとしてのレッテルを貼られていました。この設定を引き継いだオンラインゲームなどでも、ゴップは貧弱な無能なキャラクターとして最低な扱われ方をされています。
ところが、大人の視点で初代『機動戦士ガンダム』を注意深く見てみると、違った解釈ができます。ゴップはホワイトベースを「永遠の厄介者」となじりました。軍人として、作戦を冷静に見ていたのです。また、ゴップはデギン公王とレビル将軍の和平交渉を予測しています。実はゴップは冷静な観察眼を持っており、指揮官としては有能で、軍人としての強さを持ち合わせているとも考えられるのです。
機動戦士ガンダムのゴップの役職
初代『機動戦士ガンダム』におけるゴップの役職は、地球連邦軍に所属する軍人です。軍服の色から上層部の役職についていることがわかります。また略綬から、優秀な軍人であることもうかがい知れます。ゴップは地球連邦軍の指令本部であったジャブロー秘密基地に常駐していたことから、高い階級の役職についていたことが想像できます。ゴップは初代『機動戦士ガンダム』の作品中で、具体的にはどのような役職だったのでしょうか?
さらに、『機動戦士ガンダムTheOrigin』では、初代『機動戦士ガンダム』では触れられていなかった部分が新たに加筆されています。ゴップの役職についても初代『機動戦士ガンダム』でのゴップとは少し違った役職などが設定がされてます。ゴップの役職の設定はさらに漫画『ジョニー・ライデンの帰還』で、それまでのゴップとは全く違う描かれ方をしています。ゴップの役職がどのように変化したのか、調べてみました。
ゴップの役職は本部ジャブローの作戦司令官?
初代『機動戦士ガンダム』でのゴップはホワイトベースに対して「厄介者」といいながら、それを逆手に陽動作戦の囮として使うなど、作戦指令官としては有能な指示を出しています。『機動戦士TheOrigin』ではアムロ・レイの父親にモビルスーツ開発を一任するなど、冷静な戦況分析による的確な判断をする有能な軍政家として描かれています。戦争末期にゴップはジオン公国が内部分裂しているとし、政治解決をも示唆しています。
オンラインゲーム『ギレンの野望』ではジャブローの作戦指令官ではあるものの、階級だけは高い階級ながら敵前逃亡してしまうような設定だったので、このことが「ゴップ=無能」という評価に繋がったようです。無能と評価されることが多かったゴップですが、ゲーム『ギレンの野望ジオン独立戦争記』あたりから変化が見られました。ゴップは策略ポイントが高く、政略面で穏健かつ確実な提案をする有能な指揮官として描かれました。
ゴップはその後議長に?
初代『機動戦士ガンダム』ではゴップの役職は地球連邦軍の大将でしたが、一年戦争終了の後、役職は地球連邦議会議長になっています。作戦指令官としての役職から、戦争勝利国の議会議長という更に上の役職に就いたということです。この役職の設定は漫画『ジョニー・ライデンの帰還』で読み取れます。ヤシマグループの資金援助で軍人から政治家へと役職が変化しているのです。
議長としてのゴップは対立派閥間の抗争の中であくまでも中立を保ちました。その結果、ゴップは政治家として最大派閥を形成するに至りました。ジャブローで兵士たちを裏から支援し続けたのは自分の力だと自負しており、前線にこそ出撃していないが自分は政争していたと発言しています。ゴップの顔の描かれ方が、初代『機動戦士ガンダム』の「気のいい親父」から「眼光するどい策士」に変わっていることが分かります。
機動戦士ガンダムのゴップの声優
アニメキャラクターの声は視聴者に特定のイメージを与えます。映像と声が完全一致してしまうと、他の声優に交代したとたん、放送局にクレームが寄せられるといいます。多くの声優は、担当するアニメキャラクターの印象を声を使って「演じている」ともいわれます。声優という言葉が存在するのは、このためでしょう。では、幾つかのガンダム作品に登場するゴップの声担当の声優は、誰だったのでしょうか。
初代『機動戦士ガンダム』における「ジャブローのモグラ」たちの声は、実際にいるであろう、口ばかりの親父たちをイメージさせています。そのなかの1人であるゴップの声も、独特であり、どこかで聞いた声でもあり、腹黒い策士を想像させることも気の良いおじさんとも受け取れる声でした。初代『機動戦士ガンダム』からガンダム作品に登場するゴップの声の担当について、調べてみました。
永井一郎のプロフィール
ゴップの声を担当しているのは声優の永井一郎です。ゴップの声が聞きなれているのは、永井一郎は『機動戦士ガンダム』のナレーションも担当しているからです。残念ながら永井一郎は2014年に82歳で他界されています。永井一郎は京都大学の出身で、在学中に演劇に興味を持ち、卒業後に役者を目指して上京しました。新劇の入団試験には全て落ちたので、2年間はサラリーマン生活をしながら俳優養成所に通っていました。
俳優座に所属していた永井一郎は、アメリカテレビ映画『スーパーマン』の吹き替えの仕事をしました。これがきっかけで、声優の仕事が増えたと後日永井一郎本人がインタビューに答えています。声優の仕事が増えるに反比例して、舞台俳優の仕事が来なくなって自然と声優業中心にシフトしていったと永井一郎本人が語っていました。永井一郎はアニメ黎明期から活躍していた声優として数多くの作品に参加しています。
永井一郎の主な出演作品
声優の永井一郎の代表作品といえば、『サザエさん』の磯野波平です。放送開始の1969年10月から死去するまで波へいの声優担当をしました。その他『宇宙戦艦ヤマト』の佐渡酒造や『うる星やつら』の錯乱坊なども永井一郎の声優作品として有名です。他にも多くのアニメ作品の声優を担当していますが、『スター・ウォーズ』のヨーダや『ハリー・ポッター』のアルバス・ダンブルドア校長などの声優担当も永井一郎が務めています。
実は、初代『機動戦士ガンダム』において、永井一郎は作品中の最多声優となっています。ナレーターやゴップの声優担当をした他に、デギン公王、マッシュ、ティアンム、デミトリー、デラミン、ドレン、エルラン、赤鼻、コンスコン、タムラ料理長、タチ、フラナガン教授、フラナガン・ブーン、バイス、バムロ、ハンブル、ビービ、ゼイガン、ペルガミノ、フラウ・ボゥの祖父の声優担当をすべて永井一郎1人で演じています。
機動戦士ガンダムのゴップに関する感想や評価
初代『機動戦士ガンダム』でのゴップに対するネット上の声は、以前は全くといって良いほど聞かれませんでした。ゴップはストーリー進行上、重要な役割を持っておらず、影響が皆無であったためだろうといわれています。その後も、オンラインゲームなどではゴップが最悪だとネットを中心に書かれたことがあった程度でした。つまりゴップに対して評価や感想など、求められることさえなかったのです。
それが近年、ゴップについての感想や評価についてのツイートが見られるようになりました。どうやらコミック『機動戦士ガンダムTheOrigin』や漫画『ジョニーライデンの帰還』でゴップが登場してから、ゴップに対しての評価が無能から有能へと変わったとされています。「ジャブローのもぐら」といわれていたゴップに対しての評価がどう変わったのでしょうか。ネット上で聞かれるゴップの感想や評価の声をまとめました。
感想や評価①いつのまにか変わった
ゴップっていつからこんなキレ者の実力者って扱いになったんだろう…
— ウマヲ (@UMAWO222) June 11, 2019
昔は無能のレッテルを貼られがちなキャラだった気がする#ガンダム #ゴップ https://t.co/iUHtSacmbr
ゴップの描かれ方が大きく変わったといえるのが、漫画『ジョニー・ライデンの帰還』からです。『機動戦士ガンダムTheOrigin』でも、無能な軍人ではなく有能な技術者出身の幹部という設定がなされていました。漫画『ジョニー・ライデンの帰還』では一年戦争で私腹を肥やしてきたことを告白し、自らを「寄生者」とまで呼んでいます。それでもゴップは「私の戦場は政争だった」と発言するなど、キレ者の実力者然としています。
顔つきも、初代『機動戦士ガンダム』ではミライ・ヤシマに縁談を持ちかけようとする上官らしく、目じりが下がった気のよい上司として描かれていました。『機動戦士ガンダムTheOrigin』では目つきが鋭く描かれる様になり、ついに『ジョニー・ライデンの帰還』では政治家らしい立ち振る舞いが描かれています。
感想や評価②まとめが作られるほど注目されている
機動戦士ガンダム ゴップまとめ (00:06:22) #sm30386027 https://t.co/AGrtkclE8F 実に有能な軍政屋さん
— だよもん(狐耳 (@V2ypPq9SqY) April 6, 2017
初代『機動戦士ガンダム』でのゴップは、軍隊の中でも最上位階級である大将です。それにもかかわらず、レビル将軍のような威厳が感じられず、また自ら戦地に赴くこともしなかったためか、無能であるとレッテルを貼られていました。ゲーム『ギレンの野望』などにもゴップは無能なキャラクターとして設定され、役職は高いくらいにいるにもかかわらず無能な上官としての評価に定着したかに見えました。
初代『機動戦士ガンダム』の主な視聴者であった中高生たちが実生活で責任ある立場になった現在、ゴップのとった行動が理解できるようになったため、ゴップの評価が「有能な政争屋」に変わっていきました。さらにコミック『機動戦士ガンダムTheOrigin』でのゴップが裏舞台で奔走していたことや、漫画『ジョニー・ライデンの帰還』で腹黒の政治家になったゴップが描かれ、初代のときも実は有能だったと再評価されています。
感想や評価③名セリフは年長者の言葉が多い
ガンダムのおやじはいいぞ#ドズルザビ#ヘルベルトフォンカスペン#ゴップ
— まくらん(31日 西き39b ) (@Ishill) June 2, 2016
ガンダム作品に限らず、主人公が放ったセリフは原作者たちのメッセージとも言え、作品の軸になるものが多く見られます。ところがガンダムシリーズでは、サブキャラクターたちのセリフの中にも、含蓄のある言葉が散見されるのです。ランバ・ラルやギレン、ワッケイン司令やカシアス艦長などが何気なく口にしているセリフが、ガンダム作品の名セリフとして取り上げられていることがままあります。
その中で、ゴップの評価が頭一つ抜き出ているとネットで評価されています。これは主に、漫画『ジョニー・ライデンの帰還』でのゴップの役回りやセリフが評価されたものです。初代『機動戦士ガンダム』からゲーム『ギレンの野望』では感じなかったゴップの有能さがようやく理解され始めたという感想が聞かれます。
感想や評価④視聴者の成長
子供の頃にゴップを見ると無能と思うけど大人になってゴップを見ると有能と思うって話あったな。
— polaris (@Polaris_sky) September 13, 2019
『機動戦士ガンダム』に対しての評価や感想の中に「ガンダムって、子供用のアニメじゃないよね」というものがあります。初代『機動戦士ガンダム』からストーリーの軸になっている「人の存在」「人の魂」という難しいテーマは、小学生には理解しがたいものです。ましてや実社会における上司と部下の関係や軍組織における絶対正義などは未経験者には理解不可能といえます。
『機動戦士ガンダム』の視聴者が成人し社会構造が理解できてから再びゴップの言動を見直すと、まったく違った解釈になるのは当然ともいえます。子供の頃は派手な戦闘シーンばかりが目に付いたものが、開戦前の政治取引などがリアルに感じられるのです。特に『ジョニー・ライデンの帰還』におけるゴップの顔つきは有能な政治家そのものです。
機動戦士ガンダムのゴップまとめ
地球連邦軍参謀ジャブロー基地のゴップ大将は、初代『機動戦士ガンダム』が放映されてからは無能なジャブローのモグラと低い評価をされてきました。そのキャラクター設定をオンラインゲーム『ギレンの野望』などでも引き継がれ、高い階級でありながら実力は全くない典型的な嫌われキャラクターとして描かれてきました。
『機動戦士ガンダムTheOrigin』から、ゴップの書かれ方が少し変わりました。モビルスーツ開発を推進したのはゴップであり、ジオンとの和平を予言したのもゴップだったのです。視聴者の少年少女たちの目には意地悪なおじさんに見えていたゴップは実際には有能な指揮官であり、視聴者が成長することで見えてきた現実ともいえるのです。