【文スト】与謝野晶子は武装探偵社の専属医！過去や治癒系異能「君死給勿」を考察

与謝野晶子について紹介する前に与謝野晶子が活躍する文ストについても簡単に紹介していきます。

文豪ストレイドッグス、通称文ストは2013年より角川書店の発行するヤングエースで連載されている漫画を原作とした作品群です。文豪をキャラクター化し、それぞれの文豪を代表するような作品の名前や内容を反映した異能力で戦う異能力バトルアクション漫画で、そのテーマ性とそれぞれの文豪を元にしたキャラクターのキャラクター性から高い人気を獲得しています。

2016年に行われた分割2クールでのアニメ化を筆頭に劇場版や実写での舞台化などメディアミックス展開が行われている他、文豪を題材にしている事もあって、それぞれの文豪の作品のブックカバーとして展開するなど、文ストならではの展開も行われている作品です。2019年には4月から6月にかけて新たに3期アニメが放送されるなど高い人気を維持し続けています。

孤児院を追放され1人ヨコハマの街を徘徊していた少年中島敦は、鶴見川で入水自殺を図ろうとしていた太宰治と出会います。太宰治との出会いで自らが虎になってしまう異能力「月下獣」を持っている事を知った中島敦は太宰治の紹介も経て太宰治が所属する組織、武装探偵社に入社する事になります。しかし中島敦の首には何故か莫大な懸賞金がかかっており、その首を狙うポートマフィア、組合（ギルド）と対立する事になります。

元々武装探偵社は荒事が専門であり襲撃が多い会社でしたが中島敦の加入により戦いが激化するようになります。そんな怪我も多い武装探偵社で中島敦が入社した時点で既に専属の医者として働いていたのが今回紹介する与謝野晶子です。

与謝野晶子は武装探偵社の社員であり荒事も多く怪我も多い武装探偵社の社員の治療を一手に担う医者でもあります。医者としての腕は確かですが、異能「君死給勿」もあり、内容を知る社員達からは治療を恐れられている一面もあります。ボブカットの髪型と大正昭和期のハイカラな服装が特徴的な女性で、髪には蝶の髪飾りを着けています。その見た目に反して勝ち気な性格をしており必要とあらば物事をはっきりと言うタイプです。

また文ストの他のキャラクター同様ネジの外れている部分もあり、口調が荒ぶる事も多いです。その他判明しているプロフィールとしては身長166cm、体重は52kg、血液型はO型で誕生日は元になっている文豪与謝野晶子と同じ12月7日、好きなものは花、和菓子、うなぎ、酒、嫌いなものは男尊女卑と弱い男だという事が明らかになっています。また普段はしていませんが書類に目を通す時などはメガネをかける場合もあります。

与謝野晶子は元々、普通の和菓子屋の店番をしていました。そんな与謝野晶子を見出したのが現在は決別している森鴎外です。14年前、森鴎外は国防軍第356歩兵師団一頭軍医をしており、そんな森鴎外に君死給勿もあり見出された過去があるのです。軍の医者である軍医委託生として実質的に森鴎外の部下になった与謝野晶子でしたが、森鴎外は与謝野晶子の「君死給勿」を使用させ、与謝野晶子をまるで道具のように扱っていたのでした。

自らの異能「君死給勿」がある為に傷ついた兵士達は再び戦場に送り出されていきます。そんな事が続くうちに与謝野晶子の心は病んでいく中、心を通わせ与謝野晶子の事を天使と呼び現在でもトレードマークになっている金色の蝶の髪飾りを贈ってくれた上等兵も、最終的には与謝野晶子を「死の天使」と呼称するようになり「君は正しすぎる」というメモを残して自殺、この自殺が過去の与謝野晶子の心を決定づけるトドメになりました。

最終的に指示を出している森鴎外と彼が指揮権を持つ基地である空母「燕騎士」の船底に爆弾を仕掛けて吹き飛ばし道連れにして自殺する計画を立てます。過去の与謝野晶子は自らの能力さえも憎らしく思うようになっていたのです。この計画は残念ながら失敗、与謝野晶子は危険思想を持つ人物としてとある施設で隔離される事になるのでした。

与謝野晶子が隔離されて数年後、再び接触してきたのが森鴎外です。森鴎外は過去を洗い流し再びその力を自分の為に使って欲しいと要求します。しかしそんな森鴎外の行動に待ったをかける者がいました。当時は森鴎外と同盟を結んでいた福沢諭吉です。あくまでも道具として与謝野晶子を見る森鴎外に対し福沢諭吉は剣を抜き両者は戦いとなります。ただ福沢諭吉の勝利で与謝野晶子が助け出されたなら単純ですがそうではありません。

なんと2人が戦っている間に江戸川乱歩が与謝野晶子を助け出してしまったのです。しかし助け出された与謝野晶子自身には過去の経験からまだ葛藤が残っていました。自分が生きていては命が軽くなると考えていたのです。そんな与謝野晶子に対し前を向かせたのも江戸川乱歩です。江戸川乱歩の言葉をきっかけにして与謝野晶子は武装探偵社に入社する事を決めたのでした。

ちなみに江戸川乱歩は与謝野晶子を説得する際、かつて与謝野晶子がプレゼントされ、施設送りになった際に亡くしていた蝶の髪飾りも見つけており、それを渡しています。つまり与謝野晶子が現在でも着けているこの髪飾りは与謝野晶子にとって大切な思い出の品であると同時に過去を思い出させ医者としての自らの戒める為のようなものにもなっているのです。

ちなみに武装探偵社が具体的に過去のどのタイミングで発足されたのかは現状文スト作中では不明ですが、過去に撮影された創設当時と思われる写真の中には既に与謝野晶子も映っており、この与謝野晶子救出の過去は与謝野晶子の救出後に探偵社が出来た、或いは探偵社ができた直後の出来事だったと考えられています。いずれにしても武装探偵社の古参メンバーの1人である事は間違いありません。

与謝野晶子の異能「君死給勿（キミシニタモウコトナカレ）」は異能の中でも非常に珍しい治療系の能力であり、自他共にあらゆる外傷を治す事ができるかなり強力な能力です。ただしその異能力の使用は「対象者が瀕死の重症でなければならない」という誓約があります。軽症を治す場合には、1度、相手を重症にしてから君死給勿を使用する必要がある為、武装探偵社では怪我に気をつけるようにと言われています。

ただ裏を返せばどれだけ重症であっても生きてさえいれば全快させられる能力という事もあり、非常に強力で、死にたがりであり異能力無効化の異能「人間失格」を持つ太宰治でさえ、死ぬ直前、心停止して脳が死ぬまでの本当にわずかの間に能力を発動させて蘇生するという神業とも呼ぶべき治療を行っています。能力の発動条件さえ満たせれば強力な能力です。ちなみにこの異能の名前は文豪与謝野晶子さんの有名な詩から来ています。

余談ですが、この与謝野晶子の異能君死給勿を一番使用されているのは武装探偵社の社員達であるわけで、異能発動の為に与謝野晶子に重症にされる率も高いわけですが、相手を重症にする時の与謝野晶子にはどこか狂気的で楽しんでいる面もある事がその能力の使用条件以上に武装探偵社の社員からその能力が恐れられる要因にもなっています。ただ同時に信頼も得ているので腕があるのはもちろんケアも行われていると言えます。

この能力の発動条件自体は与謝野晶子自身も把握していますが、具体的に「瀕死の重傷」かどうかは相手によっても変わる為か、1度の治療の為に複数回解体されるような場合もあるようで、同じ武装探偵社の谷崎が治療された際に、今回は4回解体されたと発言をしています。治療は一応別室で行われますが治療がお行われる際には探偵社に断末魔が響く事になります。

与謝野晶子の解体はあくまでも能力行使の為で医者としての矜持も持ち合わせており、君死給勿が必要ない程の怪我であれば通常の治療も行う事ができ、探偵社が休みの日には近くの大学病院に手伝いに行くなど、できる限り命を守る事に必死です。その為、命を粗末にするような行為を嫌い、「命を大事にしない奴はぶっ殺してやる」など勝ち気な性格で過激な発言も辞さない与謝野晶子らしいセリフも数々残しています。

自らの命を顧みない者はもちろん、他者の命を弄ぶ行為に対しては特に嫌悪を示し、作中でも死を究極の科学とし、実験を繰り返すという医者の対極に位置すると言ってもいい梶井基次郎に対しては特に怒りを顕にしています。医者としてこれまで救えない命も数々見てきた与謝野晶子だからこそ、普段の言動は物騒でも死に対しては文スト作中に登場するキャラクターの中でも特に真摯に向き合う側面が強くなっています。

命を粗末にする者と同様に与謝野晶子が声を荒げるのが男尊女卑思想とそれに準ずる行為に及んだ者です。これは文豪与謝野晶子が、女性解放運動を行っていた事に由来する性格であり、女性である事を理由に虐げられるような行為に及んだ者には容赦なく伏せ字にしなければならない罵詈雑言を浴びせます。男尊女卑が嫌いという性格に、与謝野晶子の時に過激な性格も合わさって文豪与謝野晶子よりも過剰に行動に示していると言えます。

一方で、与謝野晶子は自らが弱者の女性であるという事を理由に引く事もありません。武装探偵社では荒事も日常茶飯事ですが、そんな時自ら解体にも使用しているのであろう鉈を武器に戦う事も多いです。必要とあらば相手がポートマフィアの幹部である中原中也であっても容赦しません。また他の武装探偵社の社員と同じく身体能力も一般人レベルを越えており、並の男相手なら圧倒する事も可能です。

その背景には与謝野晶子の異能、君死給勿が自らにも有効であり、前線に出ても差し支えないというものもあり、武装探偵社では役割上後衛に回る事はあっても戦力にならないとはみなされていません。また戦闘能力以外にも武装探偵社の古株としてリーダーシップを発揮する面もあるなど、医者としても組織の古参としても単純な戦闘力でも頭脳面でも非常に強い女性として描かれています。

文ストで与謝野晶子の声優を務めた嶋村侑さんは2005年より声優として活動を開始した声優さんです。元々舞台女優をしていましたが声優デビュー作となったOVA「リーンの翼」にて富野由悠季に見出される形でヒロイン、リュクスを演じた事から声優に転向し、現在では声優として少女役から母親役、与謝野晶子のような大人の女性、果ては少年役まで幅広い演技力を持っている声優さんです。

嶋村侑さんがこれまで声優として出演したアニメ作品としては「ジュエルペットてぃんくる」のフェアリーナ役、「Go!プリンセスプリキュア」の春野はるか/キュアフローラ役、「進撃の巨人」のアニ・レオンハート役、「終わりのセラフ」の十条美十役、及び百夜優一郎の幼少期役、「機動戦士ガンダムAGE」のミレース・アロイ役、「ダンボール戦機ウォーズ」の美都玲奈役などの声優を務めています。

またゲーム声優としては「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」のゼルダ役、「アサシンクリードシンジケート」のエヴィ・フライ役、「ファイナルファンタジー15」ではシドニー・オールム役、「グランブルファンタジー」のボレミア役、「白猫プロジェクト」の厳格女教師イザベラ、吹き替え映画では「デットプール」のネガソニック役、「RWBY」のブレイク・ベラドンナ役などを担当しています。

上記でも記したように与謝野晶子が武装探偵社に入社するきっかけを作ったのが江戸川乱歩です。両者共に武装探偵社の実質的な創設メンバーであり、古株といえる存在になっています。そんな関係性もあってか自由奔放な江戸川乱歩を社長である福沢諭吉以外に唯一あしらう事ができる存在になっています。一応江戸川乱歩の方が年上ですが元々江戸川乱歩が幼い言動も多い事もあってまるで姉と弟のような関係性を築いています。

その為、江戸川乱歩に対しての接し方が武装探偵社の中で唯一違って見えるのが与謝野晶子の1つの特徴になっています。基本的に勝ち気な性格を見せる与謝野晶子だけですが江戸川乱歩に対しては他の社員と比較しても甘めで、江戸川乱歩の好きなタイプが甘やかしてくれる人でもある為、非常に相性が良いです。また江戸川乱歩の行動で周囲に迷惑がかかると率先して謝りに出るなど行動的な部分もあったりします。

江戸川乱歩が実は異能力者じゃないと認めた際にも笑って話を聞いてやり言いふらす事もなく済ませる大人の余裕を魅せています。ちなみに基本的にニヤニヤと笑っている江戸川乱歩が唯一苦い顔をするのが与謝野晶子の異能を使用される時だったりします。そんな2人は探偵社の中でも頭の良い2人であり、作中ではポオの挑戦状を受けた戦いで共闘しています。その他にも何かと公式でもセットにされる事が多い2人になっています。

社長である福沢諭吉が不在時には副リーダー的な立場としてまとめ役になる事が多い国木田独歩も与謝野晶子には頭が上がりません。与謝野晶子が必要に応じてリーダーシップを発揮するのに対して基本的にリーダーシップを発揮している国木田独歩ですが、周囲に振り回されやすい国木田独歩の性格もあって与謝野晶子のお酒に付き合わされる事も多いです。

しかしその実、与謝野晶子はただお酒に誘うだけでなく大抵の場合はそのお硬い性格ゆえに後輩を素直に労えない国木田独歩をうまくフォローするような関係性になっており、こちらも江戸川乱歩とは違う意味で姉と弟のような関係性になっています。江戸川乱歩と国木田独歩という普段武装探偵社を引っ張る2人が唯一弱い相手といえるのが与謝野晶子です。

江戸川乱歩に比べれば公式での接点は多くはありません。その一方でお互いがお互いの力を信頼し一方が不在の際にもう一方が武装探偵社やその社員を守り導くという関係性を築き上げています。長い付き合い故の信頼関係を文ストの中で最も感じる事のできるのがこの2人の関係性です。

ここからは既に文ストを視聴した人の与謝野晶子に関しての感想を紹介していきます。文ストが異能バトルをウリにしている事もあって感想として一番多いのはやはり与謝野晶子の異能「君死給勿」に関しての物になっています。君死給勿の能力自体はもちろん強力ですがその厳しい誓約について触れる感想も多くなっています。中には君死給勿が作中で最強の異能だとする感想もある程です。

また文ストの感想に特に多い感想で、元々文豪が好きだった人がより好きになったという感想、文ストがきっかけで文豪の作品に改めて触れたという感想も多く、中でも与謝野晶子はそういう感想が多いキャラクターの1人になっています。また男尊女卑の設定など元々の文豪与謝野晶子さんの特徴が分かりやすくキャラクターに反映されている事もあってイメージがしやすいという感想も多くなっています。

文ストにて与謝野晶子の声優を務めた嶋村侑さんに関してはこれまでに演じたキャラと比較して驚いたという声が圧倒的に多くなっています。特に嶋村侑さんは与謝野晶子のような大人の女性タイプ以外にも「GO!プリンセスプリキュア」でキュアフローラ、「進撃の巨人」でアニ役などの少女の声で声優としての知名度を高めた事もあって声優発表当時から驚かれ、感想でも違和感がなくて驚いたという声が多い結果になっています。

特に声優としての技工が発揮されたと言われるのが、作中でも実際に行われた谷崎や中島敦など武装探偵社のメンバーを解体するシーンで、治療の為とは言えこれから味方を傷つける事になるにも関わらず普段の落ち着きはらった雰囲気とはまた違う色気のある声が良いとする声も多くなっています。

文ストの与謝野晶子は主人公中島敦が所属する事になる武装探偵社の専属の医者であり、非常に珍しい治癒異能君死給勿を持っているキャラクターです。元々医者としての矜持を強く持ち合わせるキャラクターでしたが過去が明らかになった事でそうなる経緯もしっかりと描かれる事になったキャラクターとしてさらに人気を高める事になっています。

その見た目とギャップのある性格などもあって高い人気を誇り、同時に作中他にほぼ登場していないと言っても良い医者であるというポジション、強力な異能「君死給勿」的な意味合いでも稀有な存在である事から作中での医者としての活躍も多くなっています。まだ文ストを視聴した事がないという人はぜひ与謝野晶子にも注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか？