2019年10月25日公開
2019年10月25日更新
【鬼滅の刃】半天狗の能力がすごい?斬ると喜怒哀楽に分裂?本体や過去・最期も考察
鬼滅の刃に登場する十二鬼月の一人、半天狗は分裂する能力による手強さやその罪にまみれた過去が強く印象に残る鬼です。自身の喜怒哀楽の感情を鬼として具現化・分裂させて戦う姑息な血鬼術は、炭治郎や禰豆子、玄弥を苦しめました。この記事では半天狗の分裂する能力や喜怒哀楽の感情が具現化した鬼について、また人間だったころの過去の半天狗やどのように最期を迎えたかをまとめます。アニメ化して人気が高まり続けている鬼滅の刃に注目です。
半天狗とは?
鬼滅の刃の作品情報
鬼滅の刃の概要
鬼滅の刃は「週刊少年ジャンプ」にて2016年から連載されている、吾峠呼世晴先生の和風ダークファンタジー漫画作品です。鬼滅の刃の単行本は2019年10月時点で17巻が刊行されており、2019年9月時点で累計発行部数が1200万部を突破しています。ジャンプ連載作品としては独特な絵柄や雰囲気、シュールな笑いなどの作風で非常に高い人気を誇り、著名人にもファンが多くいます。
また、鬼滅の刃はテレビアニメ化もされ、「竈門炭治郎 立志篇」が2019年4月から9月まで全26話が放送されました。制作はufotableが担当し、その圧倒的な作画や完成度、アニメーションの表現が放送されるたびに話題を呼びました。2020年にはテレビアニメの続編にあたる「無限列車篇」が公開を予定されています。
鬼滅の刃のあらすじ
大正時代のある山中、少年竈門炭治郎は仲睦まじい6人の家族とともに炭焼きをして暮らしていました。貧しいながらも長男として母や兄妹を支え、幸せに日々を過ごしていました。しかしある日炭治郎が町へ炭を売りに家を空け、翌朝戻ると家族は惨殺されていました。唯一息があったのは長女の禰豆子で、炭治郎は虫の息の禰豆子を担いで山を降りようとします。
下山途中、禰豆子が暴れ出し鬼となってしまいます。血肉を欲する禰豆子は炭治郎を襲い、そこに鬼狩りの剣士・富岡義勇が現れます。禰豆子を斬ろうとする富岡に炭治郎はそれは妹で、必ず人間に戻すから殺さないでくれと懇願しますが、「生殺与奪の権を他人に握らせるな」と一喝されてしまいます。炭治郎は捨て身で富岡に向かっていき、そして倒されますが、意識を失った炭治郎を背にかばう禰豆子の姿をみて富岡は心動かされます。
意識が戻った炭治郎に富岡は「鱗滝左近次」という老人を訪ねろと指示します。それに従い、炭治郎は太陽に当たれない禰豆子を籠に入れて背負い、狭霧山を目指します。道中、民家で人食い鬼に遭遇して禰豆子とともになんとか撃退すると、老人が現れて自分が鱗滝左近次だと告げ、鬼殺の隊士として相応しいかどうかを試すと言います。こうして炭治郎は妹の禰豆子を人間に戻すため、鬼殺隊士を目指すことになります。
鱗滝の剣術の訓練は非常に厳しいもので、炭治郎は死にかけながらもその特訓をこなしていきます。あるとき巨大な硬い岩を見せられ、この岩を斬ったとき鬼殺隊の最終選別に行くことを許可すると告げられます。炭治郎はくじけそうになりながらもそれまでの特訓を繰り返し、2年たったときついにその大岩を斬ることに成功し、「全集中の呼吸」を会得します。そして炭治郎は鬼殺隊の最終選別へと向かうのでした。
半天狗は上弦の肆
鬼滅の刃に出てくる半天狗とは、鬼舞辻無惨直属の鬼の組織・十二鬼月の一人です。十二鬼月は6人の上弦、6人の下弦からなり、それぞれに壱(1)から陸(6)までの数字が割り当てられ、強い順に上弦の壱から下弦の陸という序列となっています。半天狗は上弦の肆(4)であり、十二鬼月の中では4番目の実力を持つと考えられます。
半天狗の外見は頭に二本の角、額に大きな瘤があり、般若の面のような老人の姿です。いつもなにかに怯えており、鬼舞辻無惨に呼び出された際は113年ぶりという数字が割り切れないから不吉だと恐ろしがっていました。不遜で自信たっぷりな態度の鬼が多い十二鬼月のなかでは異色の存在感を放ちます。
半天狗の能力は喜怒哀楽に分裂?
分裂して若返る半天狗
半天狗の能力は通常鬼の急所である頸が斬られた時に、分裂して若返ることです。実際に炭治郎が刀鍛冶の里で半天狗に襲撃された際、一緒にいた霞柱・時透無一郎によって頸が切断されました。すると切り落とした頸からは新しい体が、体からは新しい頸が生えてきて二体に分裂します。さらに分裂した二体は元の半天狗より若返っていました。
喜怒哀楽の4体が最強
分裂した二体の頸を鬼滅隊の同期・不死川玄弥が落とすとさらに鬼は増え、半天狗は4体の鬼に分かれました。四人の鬼の舌にはそれぞれ喜怒哀楽の文字が刻まれ、空喜、積怒、哀絶、可楽と呼ばれています。炭治郎や玄弥、禰豆子が半天狗と戦いますが、半天狗は分裂するたびに強くなり、喜怒哀楽の四体に分かれたとき最高の強さを誇りました。
怒の文字を刻む積怒の能力は、手に持つ錫杖から電撃を放つことです。この電撃をくらった炭治郎の意識は飛びそうになりました。また鬼の禰豆子ですら雷を放つ錫杖に貫かれたときは動けなくなったことから、その威力がわかります。積怒の性格は怒りっぽくいつもイライラしており、「腹立たしい」が口癖です。他の分裂した鬼たちに指図することが多く、リーダーシップを取っているようにも見えます。
楽の文字を刻む可楽の能力は、手に持った団扇で猛烈な風を起こすことです。その威力はすさまじく、柱の時透無一郎をはるか遠くに吹き飛ばし、建物を半壊させるほどでした。また、床に向けて振り抜くことでその風圧で敵を動けなくすることもできます。ただしその能力は団扇に付属するものらしく、戦いの中で禰豆子に奪われると可楽は逆に吹き飛んでいきました。可楽の性格は享楽的で、攻撃を受けても楽しむようなところがあります。
喜の文字を刻む空喜の能力は、口から衝撃波を出すことです。衝撃波を受けた炭治郎の体は痺れ、耳も聞こえなくなりました。また、背中からは翼が生え空を飛ぶことができます。ただし空を飛ぶ能力を得た代償に体重が軽くなったため、勢いをつけて斬りかかられると踏ん張りがききません。さらに両手両足は鳥の鉤爪のようになっており、その速度と切れ味は「金剛石をも砕く」と自負するほど強力です。
哀の文字を刻む哀絶の能力は、十文字槍での突き技を繰り出すことです。普通の突きも強力ですが、「激涙刺突(げきるいしとつ)」と名付けられた技は前方向に強烈な突きをなんども繰り出し対象を刺殺します。炭治郎を庇ってこれをくらった玄弥は身体中に穴が空いており、普通の人なら間違いなく死んでいました。哀絶の性格は寡黙で、相手の弱さを悲しんだり怒鳴られて悲しくなったりしています。
分裂の回数は限られる
頸を切られるたびに分裂し強くなる半天狗ですが、無限に強くなるわけではありませんでした。分裂の数には限りがあり、喜怒哀楽の4体以上になるとその強さは衰え始めます。炭治郎が喜怒哀楽のうちの一人、空喜と戦っていた時、その頭を斬るもさらに分裂した鬼の攻撃は喜怒哀楽の4体のときよりも弱くなっていました。
半天狗の最終形態
半天狗が戦うときの最終形態は憎珀天という鬼の状態です。憎珀天は怒の鬼をベースに喜・哀・楽の鬼を取り込んだことで生まれました。半天狗は今まで窮地に陥るたびに自分の中の強い感情を血鬼術で具現化し、鬼として生み出して身を守ってきました。憎珀天もまた、半天狗が炭治郎に追い詰められて生まれた憎しみの感情の鬼であり、憎の文字を刻んだ太鼓を背負っています。戦う際はこの太鼓を独鈷で叩いて攻撃を繰り出します。
憎珀天は炭治郎たちを「弱きものをいたぶる鬼畜」「極悪人共」と蔑みます。手のひらサイズの半天狗の本体を斬ろうとしたことが極悪非道だというのです。罪のない人間を何百人も殺して食った鬼の言葉としてはあまりに不当で自らを省みておらず、炭治郎は怒りに震えます。
憎珀天は喜怒哀楽の全ての鬼の能力を使うことができ、さらには石竜子(とかげ)の形をした木を操ることができます。恋柱・甘露寺蜜璃と戦った際には、石竜子の口から衝撃波と雷を出す「狂圧鳴波(きょうあつめいは)」、大量の木の石竜子に広範囲を襲わせる血鬼術「無限業樹(むけんごうじゅ)」、自身の口から放つ衝撃波「狂圧鳴波(きょうあつめいは)」で応戦しました。
半天狗の「恨」とは?
憎珀天が甘露寺蜜璃と戦っている間に、炭治郎は半天狗の本体を追います。ついに追いついた炭治郎は時透無一郎に渡された刀で鬼の頸を切り落とします。しかし頸を落としたはずの半天狗はまだ生きており、その場にいた村人を襲います。
炭治郎が切り落とした頭を確認すると、その鬼の舌に刻まれていたのは恨の文字でした。本体の文字は「怯」だったはずなので、炭治郎が頸を落としたのは半天狗の本体ではなく、追い詰められた半天狗が土壇場で生み出した恨みの感情の鬼であったことが判明します。
半天狗の本体
本体はネズミサイズ
半天狗の本体は喜怒哀楽の鬼に比べてとても小さく、ネズミサイズの大きさでした。そのことを知らない玄弥は本体を探すのに苦労します。本体の代わりに戦わせている喜怒哀楽の鬼が大きく力も強大であるために、まさか本体がそれほど小さいとは思わなかったからです。強力な喜怒哀楽を相手しながらネズミほどの大きさの本体を探すのはとても難易度が高く、「今まで鬼殺隊の人間がやられてきた構図が見えた」と玄弥は憤ります。
さらに半天狗の本体は小さいからと言って弱いわけではなく、その指一本の太さしかない頸に玄弥が刃を立てたとき、刀はパキンという音とともに簡単に折れてしまいます。銃も全く効きませんでした。
心臓に隠れている
恨みの感情の鬼を生み出して身代わりにし、本体がどこに隠れていたかというと、恨みの鬼の心臓の中でした。炭治郎がその優れた嗅覚で匂いを捉えて発見します。
半天狗の過去と最期
極悪人だった過去
半天狗が鬼となる前の過去を紹介します。半天狗は人間だった過去色々な町で盗みと殺しを繰り返していました。目の見えないふりをして施しを受けながら、その優しくしてくれた旦那から物を盗み、さらにはそれを咎めた者を殺めます。
性根が腐っている半天狗
それだけでも極悪人と言えますが、半天狗の性根はさらに腐っていました。犯した罪は自分のせいではなく、手が勝手にしたことだと言い逃れし全く反省の色を見せませんでした。度重なる犯罪で捕まった半天狗は打ち首を申し渡され死を待つ運命となりますが、そこに鬼舞辻無惨が現れて命を救われます。こうして極悪人の人間が鬼となり十二鬼月の半天狗となったのでした。
半天狗は鬼となりましたが過去の人間の頃の性質を色濃く受け継いでいます。罪のない人間を大量に殺しておきながら自分を「弱き者」と呼び、鬼殺隊を悪人と罵る様子から、人間の頃から変わらない本質を見て取れます。
炭治郎に頸を斬られた最期
半天狗の最期を紹介します。本体だと思っていた鬼は恨みの鬼で、半天狗はまだ最期を迎えていないことがわかったあと、炭治郎は究極の選択を迫られます。胴体だけになりながら村人を襲う恨みの鬼を追いかけようとした瞬間朝陽が差し込み、禰豆子が燃え始めたのでした。村人を救うか、禰豆子を救うか、炭治郎はとっさに決断ができません。それを見て、禰豆子は炭治郎を村人の方へ蹴り飛ばします。
半天狗の最期を紹介します。炭治郎は禰豆子の笑いかける顔を見て、村人を襲う恨みの鬼の元へ駆け出します。本体はまだ遠くに行っていないと考えて嗅覚に神経を集中させ、恨みの鬼の心臓の中に本体が隠れていることを看破します。
半天狗の最期を紹介します。「命をもって 罪を償え!」そう叫んで斬りかかる炭治郎の言葉に、半天狗は人間だった過去を走馬灯として見ます。そしてその頸が切り落とされ、半天狗は最期を迎えました。
「貴様が何と言い逃れようと事実は変わらぬ 口封じした所で無駄だ その薄汚い命をもって 罪を償う時が必ずくる」
これは半天狗が人間の時に打ち首を宣告した殿様の言葉です。実際にこの言葉どおり、半天狗はその罪を償う最期を迎えました。多くの罪を犯した極悪人の最期としては、ふさわしい最期だったと言えます。
半天狗に関する感想や評価は?
半天狗の、あれは多分多くの人の身に覚えのある「醜さ」だよ……
— 鼠棚 (@sirokurohai1) October 19, 2019
半天狗の自分の罪を認めずに他の何かに責任転嫁する醜さは、大なり小なり多くの人に共通するものでもあるという感想のツイートです。半天狗はその腐った性根ゆえに嫌いだという感想が多く見られましたが、普遍的な弱さであるからこそ感情を掻き立てるということがわかります。
人間誰しも半天狗と同じような一面を持っていると思うんです。きつくもないのに辛いふりしたり、ただの寝坊を他の理由つけたりと。だから僕は半天狗が好きなんです(意味不明
— はむてんぐ (@Escatrogy) October 23, 2019
この感想は半天狗の持つ醜さゆえに半天狗が好きだというツイートです。半天狗の持つ弱さの普遍性が、半天狗への共感を呼ぶということがわかります。
半天狗チート過ぎて柱1人じゃ相手無理だこれってなる
— 柚子ぽん/GN天樹真昼 (@yuzu_pon38) October 22, 2019
鬼滅隊最強の柱でも一人では太刀打ちできないということから、半天狗の能力の強力さ、凶悪さがよくわかるツイートです。玄弥もいうように、初見で一人で戦っていた場合半天狗に勝つことは非常に困難を極めるだろうことがわかります。
鬼滅の刃の半天狗の走馬灯のシーン、人間の弱い所やずるい所、卑怯な部分の詰め合わせって感じであの見開きページ凄いなと思った。 悪はいつか必ず裁かれる…
— こたつ (@houjicyaumaine) October 16, 2019
半天狗の最期の走馬灯のシーンは見開き2ページで表現されましたが、半天狗の醜さや犯してきた罪、これから死ををもって償う罪を読者に納得させる、迫力の場面であったことがよくわかるツイートです。
半天狗の能力がすごい?まとめ
人間を殺して食う鬼であっても、その過去が描かれると感情移入してしまうような敵が多く登場する鬼滅の刃ですが、半天狗は例外的に同情できない鬼でした。鬼滅隊を苦しませた半天狗の分裂する能力や過去、その最期を紹介しました。アニメ化され人気の絶頂にある鬼滅の刃は2020年にアニメ映画化が決定しています。アニメの続きが気になる方は、ぜひ観にいってみてはいかがでしょうか。