ルパン三世グッバイ・パートナーのあらすじをネタバレ！次元が裏切り？評価や感想は？

本記事のテーマ「ルパン三世グッバイ・パートナー」の解説に入る前に、まずはルパン三世シリーズの作品情報からお届けします。

「ルパン三世」とは、2019年4月11日に81歳でこの世を去ったモンキー・パンチ原作の漫画およびアニメ作品です。怪盗ルパンの孫という設定のルパン三世を主人公に繰り広げられる犯罪アクションを描いた作品となっています。

1971年のテレビアニメ化をはじめとして映画やOVA、ゲーム化など様々なメディアで展開されてきました。漫画の連載開始から50年以上経った現在でも、国民的人気漫画として老若男女を問わず熱い支持を受け続けています。

本作のあらすじをネタバレで解説する前に、まずは本作の概要を紹介します。「ルパン三世グッバイ・パートナー」は、にテレビオリジナル映画第26作として制作され、2019年1月25日に日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で放送されました。前作「イタリアン・ゲーム」から3年ぶり、完全新作テレビ映画としては前々作「隠された空中都市」以来6年ぶりとなります。

物語は、ルパン逮捕を生きがいとする銭形警部がルパンとの共謀罪で逮捕され、ルパンと苦楽を共にしてきた次元大介がルパンを裏切るという異例づくめの展開で始まります。

ここからは本題のルパン三世グッバイ・パートナーのあらすじネタバレに入って行きます。常にルパンを追って世界を駆け巡る銭形警部ですが、今回はルパンが滞在しているシンガポールから遠く離れたアメリカ・ラスベガスの地で、しかもルパンと共謀した容疑で警察に逮捕されてしまいます。

それから暫くして、ルパンを追って南の島を訪れた次元は、銭形が無実の罪で逮捕されたこと、ルパンの犯行が全て銭形の幇助があって成功したと噂になっていると伝えます。プライドを傷つけられたルパンは、すぐさまニュース番組に出演すると、それが事実無根のフェイクニュースであると訴えます。

ところがテレビ出演の際、ニュースキャスターとの売り言葉に買い言葉で、「タイムクリスタル」という名のダイヤモンドを盗む羽目になってしまったルパン。実はそのタイムクリスタルとは、世界征服を目的に開発されたスパコン「エミルカ」の起動に必要不可欠なものでした。

いわば意地になって”仕事”に取り掛かるルパンでしたが、いつものように難なく「タイムクリスタル」強奪に成功します。ところがその後、いつもと様子の違うことが起こります。苦楽を共にしてきた長年の相棒・次元がルパンと五ェ門を裏切り「タイムクリスタル」を持ち去ってしまったのです。

次元の裏切りには訳がありました。元恋人の娘アリサがアメリカの政治家、ロイ・フォレストに誘拐され、身代金代わりにタイムクリスタルを持って来るよう指示があったのです。ところが、次元の言動を訝しく思っていたルパンは、事前にタイムクリスタルを偽物と入れ替えていました。

事件の黒幕を突き止めるため、ルパンと五ェ門は銭形警部を救出します。そして、銭形警部に協力してもらい警察のデータベースに侵入します。そして、そこから得た情報を元に遂にロイ・フォレスのアジトを突き止めたのです。

ロイのアジトに潜入したルパンは、次元やアリサを救うため本物のタイムクリスタルをロイに渡します。ロイはAIエミルカを起動させると、世界中の銀行をハッキングし金の強奪を開始します。ところがバックドアのパスワードに気付いたルパンによってロイの犯行は阻止されます。そして、ロイは銭形警部に御用となるのでした。

そんな時、人類を敵と見なしたエミルカが暴走します。ミサイル攻撃も電磁パルスにより無力化され、戦車や戦闘機による爆撃もエミルカに迎撃されてしまいます。エミルカを止めるため、最後の手段としてアリサと不二子はピアノ連弾でエミルカに心に訴えかけます。それが功を奏しエミルカの異常行動は何とか収まりました。

またルパンと次元は、砲弾で量子コンピュータの電源設備を破壊し機能を停止させます。最後は、五ェ門がタイムクリスタルをはじめ装置全体を切断、破壊してしまいました。

すべてが終わって、ルパンたちはそれぞれ思いを新たに再出発します。不二子は自家用飛行機でアリサはピアノコンクール会場まで送っていきました。ルパンたち仲間を裏切ってしまった次元は罪悪感に苛（さいな）まれます。それに対し、五ェ門は今回のいざこざは自身に精進が足りなかったと反省します。一方ルパンは今回の事は水に流しそうと言い残し去っていきました。

ルパンと五ェ門が去った後、一人残った次元の元に銭形警部から脱走したロイが現れます。そして、自分の指示に従わなかった次元を射殺しようとしますが、目も止まらぬ早さで次元が発射した銃弾はロイの体を貫通しました。

アリサはショパン国際ピアノコンクールで見事優勝、会場に来ていた次元が声援をかけると嬉しそうに応えます。ルパンはと言うと、容疑が晴れ自由の身となった銭形警部といつもと変わらぬ追いかけっこを始めていました。

あらすじを掴んで頂いたところで、本作の見所をネタバレで紹介していきます。今回の見所は何と言っても史上初めてとなる次元とルパンの対決です。そのきっかけとなった次元の裏切りには、已むに已まれぬ事情がありました。次元が昔付き合っていた女性の娘・アリサが人質になっていて、彼女を救うためには盗み出したお宝が必要だったのです。とは言え次元にとってはルパンよりもアリサの方が大切だったようです。

ただし次元なりの心遣いもしていました。苦楽を共にしてきたルパンのために、ルパンの胸ポケットに炭素繊維を仕込んだライターを忍ばせて、そこを狙い撃つことでルパン殺害を偽装します。しかし、トレードマークとなっているマグナムを修理に出していつもと異なる銃を使うなど次元に不自然さを感じ取っていたルパンは、抜かりなくタイムクリスタルを偽物にすり替えていました。

銭形警部がルパンと共謀したかどで逮捕されてしまいます。その後ルパンにロイ・フォレストの策略だと真相を聞かされた銭形警部は、結局今回ばかりは憎き仇敵ルパンと手を組むことにします。そしてルパンの手助けで留置所からの脱走すると警察署ではルパンや五ェ門に混じって大乱闘を繰り広げました。

映画グッバイ・パートナーでは、銭形警部が逮捕されたり次元がルパンを裏切ったりと異例づくめですが、五ェ門はいつも通りの安定感です。しかも、いつにも増して斬鉄剣が冴えまくります。例えばタイムクリスタルを盗み出すとき、ルパンは五ェ門の斬鉄剣を前提に作戦を立てました。また、クライマックスでタイムクリスタルや装置をスパッと切り捨てたのも五ェ門の斬鉄剣でした。

もう一人いつも通りのキャラがいました。ルパンの敵の側に必ず現れる峰不二子です。本作でもルパンや次元の敵、ロイ・フォレストの横に付いて登場します。ただ今回はいつにも増して重要な役割を演じていました。それは、AIエミルカの暴走を止めるため、アリサと共にピアノの連弾をする場面です。この2人のシーンが印象に残ったという感想を抱く人も多かったようです。

今回の映画で劇中音楽のように流れていたのがショパンのピアノ曲です。それを弾いているのが本作グッバイ・パートナーのヒロイン、アリサでした。アリサの母親が次元のかつての恋人という事から誘拐され人質になってしまいます。

彼女はショパン国際ピアノコンクールの本選に残るほどの腕の持ち主で、作中では難曲「別れの曲」をしきりに練習していました。AIエミルカのバックドアを起動するときには、同じショパンのエチュード（練習曲集）から有名な「革命」を演奏しました。

2019年公開のルパン三世グッバイ・パートナー。最新作らしくトレンドの情報が織り込まれています。その情報とは「シンギュラリティ」です。人工知能（AI）が人間の知性を超えることで人間の生活が大きく変化することを意味するこの言葉、AIエミルカの暴走に象徴される概念です。

グッバイ・パートナー作中では、ルパンや五エ門の活躍により何とか人間がAI人工知能から主導権を取り戻すことに成功しましたが、2045年頃にはそうしたシンギュラリティな世の中になると言われています。

ここまでの解説で、ルパン三世グッバイ・パートナーの全体像はおわかり頂けたのではないでしょうか？ここからは一歩踏み込んで本作に隠された伏線を考察してみたいと思います。

今回の映画でストーリー展開以外に目についたのが、ルパンと次元大介のジャケットの色の変化です。特にルパンのジャケットは、シリーズにより変化してきましたので注目していた方も多かったのではないでしょうか？

今回ルパンは黒、また次元もいつもの華やかな色ではなく緑のジャケットを着て登場します。黒という色には不吉な出来事をイメージさせる効果があると言われています。ルパンや次元にこれから起きる不吉なことの伏線になっているのかも知れません。

五エ門が斬鉄剣なら次元は「S&WM19コンバット・マグナム」となるくらい使用する銃は有名です。ところが今回は「シグザウエルP229」という聞き慣れないオートマティック銃を携えて登場します。なぜ次元の代名詞ともなっている銃を変える必要があったのでしょうか？

ルパンを裏切ってタイムクリスタルを盗み出す際ルパンに向けて発砲する次元でしたが、銃弾は胸ポケットのライターに命中しルパンの体を傷つけることはありませんでした。初めからルパンを殺すつもりなどなかったのです。携帯する銃をマグナムからP229にしたのは、そんな次元の胸の内を表わす伏線だったのではないでしょうか？

ルパン三世グッバイ・パートナーを特集した本記事の最後に、ルパン三世グッバイ・パートナーに関する感想や評価を紹介します。

人工知能AIとは言え、人の形をして高い知能を有しているので、どうしても感情移入してしまうのでしょう。エミルカが無事で安堵したという感想をもったと言います。このシーンは近い将来の人間のあり様を描いていると評価する人もいるそうです。

次の感想や評価は、ストーリーが最初から最後までジェットコースターのような展開で面白かったという方です。ただし、アリサと次元の関わり感をもう少し丁寧に描いて欲しかったと注文も付けていました。

ルパン三世グッバイ・パートナーに関する感想や評価、最後は本記事の中でも触れましたが、作中に出てくるキーワードが新しいと評価する方です。

50年以上の長きにわたり愛され続けてきた所以でしょうか？時代に合わせてその時々のトレンドをしっかりと取り入れ、世の変化に対応することも決して忘れてはいません。

ここまでルパン三世のテレビスペシャル映画「グッバイ・パートナー」を取り上げ、あらすじのネタバレ解説や見どころの紹介、さらには評価や感想までお届けしてきました。最後に本記事の内容を簡単にまとめてみます。

【見どころ】①最大の見どころは史上初めてとなるルパンと次元の対決です。そのきっかけとなった次元の裏切りの事情も見どころの１つです。②いつもは敵味方に分かれるルパンと銭形警部が、共通の敵を倒すため手を組み大暴れします。③五ェ門と峰不二子はいつもキャラで魅了します。④アリサの弾くショパンの調べが作品を彩ります。⑤最新のキーワード「シンギュラリティ」を取り入れ、人工知能の暴走が招く恐怖を描きます。

【伏線】①いつもの華やかな色ではなく黒いジャケットを身に纏うルパン。ルパンや次元に起きる不吉な出来事を暗示する伏線となっています。②次元の代名詞ともいえる「M19マグナム銃」。本作ではオートマティック銃Ｐ229に変わっていました。これはルパンを標的にするものの殺すつもりなど無いという胸の内を表わす伏線になっていたと考えられます。

以上のことを踏まえて鑑賞すれば、一度観た方でも「ルパン三世グッバイ・パートナー」の魅力をさらに深く理解できるのではないでしょうか？