北斗の拳のヒロイン・ユリアの画像とエピソード集！その最後や惚れた男達は？

北斗の拳は、武論尊（ぶろんそん）先生原作、原哲夫先生作画による漫画。1983年から1988年まで、週刊少年ジャンプで連載されました。核戦争で荒廃し、暴力が支配する世界を舞台に、一子相伝の伝説の暗殺拳・北斗神拳を継承するケンシロウの生き様を描くハードボイルドアクションです。1980年代の週刊少年ジャンプを代表する作品で、北斗の拳のファンであることを公言している有名人も少なくありません。

北斗の拳が完結した後も、たくさんの外伝作品が発表されています。中にはユリアを主人公にした「北斗の拳　ユリア外伝　慈母の星」もあります。また、2006年から2008年にかけて劇場版とOVAで製作された「真救世主伝説　北斗の拳」シリーズでも、「真救世主伝説　北斗の拳　ユリア伝」としてユリアから見た北斗の拳の物語が描かれています。

今回紹介するユリアは、北斗の拳のヒロインです。主人公・ケンシロウの婚約者で、北斗、南斗問わずたくさんの男性を魅了してきた美しい容姿と、身長168cm 体重57kg、スリーサイズは上から86、59、85と抜群のスタイルを誇る女性です。カラーリングは作品や登場時期によって異なりますが（画像は原作「北斗の拳」）、ロングヘアと優し気な瞳が印象的です。

南斗聖拳の正統血統として生まれたユリアは、生まれながらにして南斗六聖拳「南斗最後の将」となることを運命づけられた少女です。無口で無表情な人形のようなユリアでしたが、ラオウとケンシロウとの出会いによって感情を取り戻します。やがて美しく心優しい女性に成長したユリアは、北斗神拳の継承者となったケンシロウと結ばれます。しかし、二人で旅立とうとした日、南斗聖拳のシンにさらわれてしまいます。

南斗最後の将でもあるユリアですが、ユリア自身は拳法を使うことはできません。その代わりに傷を癒す能力を持ち、自分を連れ去ったラオウの部下さえも治療します（画像は若き日のラオウ）。また、外伝作品「北斗の拳　ユリア外伝　慈母の星」では予知能力も持っているという設定になっており、OVA「真救世主伝説　北斗の拳　ユリア伝」でもその能力を発現するエピソードが描かれています。

北斗の拳の世界には、「宿星（しゅくせい）」と呼ばれる拳士たちの運命を司る星が存在します。ユリアの宿星は「慈母星」。母性の象徴であり、南斗と北斗が一体となり真の天下平定をもたらすための橋渡し役となる星です。慈母とは深い愛情を持つ母のことであり、慈しみ深く人々を癒すユリアの性質を表しています。

北斗の拳の中で、ユリアはその美しさと優しさで何人もの異性を虜にしていきます。ここからは北斗の拳でユリアに魅了された男性キャラクターたちを画像、エピソードと共に紹介します。

まずは北斗の拳の主人公であるケンシロウです。北斗錬気闘座でユリアはラオウに睨まれ、驚いて手に持っていた毬を落としてしまいます。ケンシロウが鞠を拾ってユリアに手渡すと、人形のようだったユリアの表情に微笑みが浮かびます。これが二人の出会いのエピソードです。

それから数年後、恋人同士となったケンシロウとユリアです。ところが、ユリアは南斗六聖拳のシンにさらわれてしまいます。北斗の拳の始まりの1年前のエピソードです。ケンシロウはシンの本拠地・サザンクロスに乗り込みシンを倒しますが、そこにいたのはユリアの人形でした。ユリアが死んだと思い込んだケンシロウは生きる目的を失い、サザンクロスを後にします。

南斗六聖拳との闘いを経て、ケンシロウは南斗最後の将が死んだはずのユリアであることを知り、南斗の城へ向かいます。しかし、最強の男となり全てを手にするという野望を抱いたラオウもまたユリアを我が物にするため、南斗の城を目指していました。二人は対決に至り、北斗神拳の究極奥義・無想転生を会得したケンシロウはラオウを恐怖させますが、予期せぬ出来事によりユリアはラオウに連れ去られてしまいます。

ケンシロウ、ラオウ、ユリアが出会った北斗錬気闘座で、ケンシロウとラオウの最後の戦いの幕が開きました。激闘の末、二人の無想の一撃がぶつかりあいます。ケンシロウはラオウに勝利し、ついにユリアとの再開を果たします。

北斗の拳の始まりの1年前、ケンシロウに七つの傷を刻み、ユリアをさらった南斗六聖拳の一人・シン。シンは愛に準ずる星「殉星」を宿星に持つ通り、ユリアへの愛に生きた男と言えます。

シンはユリアのために各地で略奪したドレスや宝石を与えますが、ユリアの心は動きません。そこでシンはユリアへの愛の証として、ユリアのためだけの街・サザンクロスを築き上げます。しかし、ユリアは自分のために略奪や殺戮が繰り返されることを嘆き、城のテラスから身を投げます。そのときシンは生まれて初めて涙を流し、ユリアが落ちた場所へ駆けつけます。

ユリアは南斗最後の将を守護する南斗五車星に救われ生きていましたが、ラオウの進撃を知ったシンはユリアを託し、ユリアに似せた人形を作らせ、人形に向かって生きているかのように振るまいます。そして乗り込んできたケンシロウの目の前で人形の心臓を銃で撃ち抜き戦意喪失を狙いますが、逆にケンシロウの怒りを買い、渾身の拳を受けて敗北しました。

シンはそこにいるのは人形であり本物のユリアは死んだとケンシロウに告げ、かつてユリアがそうしたように城のテラスから身を投げるという最後を遂げます。シンの遺体はケンシロウの手で埋葬され、北斗の拳のサザンクロス編のエピソードは幕を閉じます。

北斗の拳におけるケンシロウの兄弟子にして最大のライバルとも言えるラオウもまたユリアに魅了された一人です。ユリアとの出会いはケンシロウと同じく北斗錬気闘座。ケンシロウのところでも紹介したエピソードですが、ラオウとケンシロウの師匠・リュウケンは北斗2人と南斗1人という構図に、将来2人はユリアをめぐって戦うようになるのではと予感します。そして、その予感は現実のものとなっていきます。

北斗神拳の継承者争いに敗れたラオウは拳王を名乗り、最強の男となり全てを我が物にするため「拳王軍」を率いて各地を制圧。野望の完成を目前にした頃、南斗最後の将の正体がユリアであることを確信し、南斗の城に赴きます。そこでケンシロウとの戦いに挑み、ユリアを連れ去ることに成功はしたものの、ケンシロウに感じた恐怖を拭い去ることはできませんでした。

ラオウはケンシロウに感じた恐怖を克服するには自らも哀しみを知らねばならない、という結論に至ります。「このラオウ、いまだ愛を知らぬ、ゆえに哀しみが見えぬ。」というラオウはユリアの命を奪い、北斗錬気闘座で再びケンシロウと対峙。しかし、わずかな差で敗れたラオウは自らの秘孔を突いて全てのエネルギーを放出し、大往生を遂げました。

「我が生涯に一片の悔いなし」という名セリフを残した画像のシーンは、北斗の拳を読んだことがなくても見たことがあるのではないでしょうか。

北斗の拳屈指の聖人と言われるトキもユリアを愛していました。画像はトキの回想シーンのユリアですが、トキは「ユリアは俺たちの青春だった」と語ります。

トキには核戦争の最中ケンシロウとユリアを庇って死の灰を浴びるというエピソードがあります。自ら犠牲になるほどユリアを愛していながらトキはユリアをめぐる争いから身を引き、画像の通り「見守る愛」に徹しました。

南斗五車星の雲の戦士・ジュウザは幼馴染のユリアに恋心を抱いていましたが、実はユリアはジュウザの腹違いの妹でした。ショックを受けたジュウザは無頼の道に走り、南斗五車星の宿命も果たそうとはしませんでした。しかし、南斗五車星の守るべき「南斗最後の将」がユリアであることを知り、ユリアのために命を投げ打つ覚悟を決めます。

ジュウザは命を懸けてラオウに挑みますが敗北。ラオウは南斗最後の将の正体を聞き出そうとしますが、ジュウザは決して口を割らず、逆に悪態をついて最後を迎えました。これまでに紹介したキャラクターに比べて出番の少ないジュウザですが、北斗の拳の中でも人気が高く、ジュウザを主人公にした外伝エピソード「彷徨の雲　北斗の拳　ジュウザ外伝」も刊行されています。

北斗の拳でユリアをめぐって繰り広げられた男たちの戦いのエピソードを紹介してきましたが、ここではユリア自身の最後はどのようなものだったかを紹介します。

北斗の拳ではユリアが死んだと思わせる場面が何度かあります。まず、シンにさらわれたユリアがサザンクロスの城から身を投げるシーン。しかし、ユリアは生きており、シンはユリアの人形作らせ生きているように見せかけます。また、シンはケンシロウの目の前でユリアに発砲しますが、これも人形。しかし、シンは人形であることは明かしても、ユリア本当は生きていることは黙ったまま息を引き取りました。

南斗の城で生きていたユリアはラオウにさらわれ、哀しみを知るためラオウに殺されます。今度は人形ではありません。ところが、ユリアは生きていました。ケンシロウに敗れたラオウは、ユリアが死の病に冒されていること、秘孔を突いたことでユリアの寿命が数年伸びたことを明かします。

ラオウとの闘いの後、ケンシロウとユリアは安住の地を求めて旅に出ます。そして、旅の途中で出会った「天帝軍」のショウキという男の村の隠れ家で余生を送り、ユリアは息を引き取りました。北斗の拳の物語はこの後も続くのですが、ユリアは死後もケンシロウを見守っているかのような描写がされています。

北斗の拳はテレビアニメの他、劇場版、OVA、ゲームなど様々なメディア展開がなされてきました。ここでは北斗の拳の関連作品でユリア役を演じてきた声優、女優を画像と共に紹介します。

1984年のアニメ版「北斗の拳」でユリアを演じたのは山本百合子さん。代表作は魔法使いサリーの夢野サリー役の他、近年では家庭教師のトライのCMでアルプスの少女ハイジのクララ役も担当しているので、一度は声を耳にしたことがあるのではないでしょうか。山本さんは1986年に公開された劇場版「北斗の拳」、2000年に発売されたプレイステーション用のゲーム「北斗の拳　世紀末救世主伝説」でもユリアを演じています。

2006年から2008年まで製作された劇場版、OVA「真救世主伝説　北斗の拳」でユリアを演じたのは石田ゆり子さん。数々のドラマに出演してきた女優の石田さんですが、平成たぬき合戦ぽんぽこ、もののけ姫、コクリコ坂からといったアニメにも声優として出演しています。

第二部「真救世主伝説　北斗の拳　ユリア伝」はユリアを主人公とした作品で、ケンシロウやラオウとの出会いから第一部「真救世主伝説　北斗の拳　ラオウ伝殉愛の章」までの北斗の拳のストーリーがユリアの視点から描かれます。この作品で幼少期のユリアを演じたのは大浦冬華さん。代表作は流星のロックマンの星河スバル役、バトルスピリッツの馬神弾役で、現在は緒乃冬華さんの名前で活動しています。

2010年に発売された無双シリーズと北斗の拳のコラボ作品であるアクションゲーム「北斗無双」でユリアを演じたのは桑島法子さん。機動戦艦ナデシコのミスマル・ユリカ役、犬夜叉の珊瑚役、ハートキャッチプリキュア！の明堂院いつき（キュアサンシャイン）役、薄桜鬼の雪村千鶴役など、幅広い作品で活躍している声優です。

北斗の拳の世界の発端である199X年の核戦争が起きなかったパラレルワールドを舞台にしたギャグ漫画「DD北斗の拳」。DD北斗の拳でユリアを演じたのは堀江由衣さんです。シスター・プリンセスの咲耶役、〈物語〉シリーズの羽川翼、魔法つかいプリキュア！のリコ（キュアマジカル）役の他、歌手としての活動も盛んなことで知られています。

北斗の拳のキャラクターたちが、原作の風貌と設定のままギャグを連発するパロディギャグ作品北斗の拳イチゴ味でユリアを演じたのは皆口裕子さん。美少女戦士セーラームーンの土萠ほたる（セーラーサターン）役、テイルズオブエターニアのファラ・エルステッド役、ラブプラスの姉ヶ崎寧々役などの代表作で知られている声優です。

また、「北斗の拳　イチゴ味」の幼少期のユリアは儀武ゆう子さんが演じました。代表作は流星のロックマン　ドライブの最小院キザマロ役、青い花の奥平あきら役、たまゆらの桜田麻音役などです。

2018年に発売された、龍が如くと北斗の拳のコラボ作品であるプレイステーション4用のゲーム「北斗が如く」でユリアを演じたのは久川綾さん。魔法使いサリーの春日野すみれ役、美少女戦士セーラームーンの水野亜美（セーラーマーキュリー）役、カードキャプターさくらのケルベロス役、ハートキャッチプリキュア！の月影ゆり（キュアムーンライト）役など、様々な作品でメインキャラクターを務めてきた声優です。

北斗の拳をモチーフにしたタイピングソフト「北斗の拳　激打2～タイピング覇王～」でユリアを演じたのは永野愛さん。代表作にキューティーハニーFの如月ハニー（キューティーハニー）役、デジモンテイマーズの李小春役、Yes!プリキュア5の秋元こまち（キュアミント）役などがある声優です。

北斗の拳は1995年に実写映画も製作されています。実写映画「北斗の拳」でユリアを演じたのは鷲尾いさ子さん。サントリーの「鉄骨飲料」のCMでブレイクし、大河ドラマ「信長　KING　OF　ZIPANGU」や「世にも奇妙な物語」シリーズなど、有名な作品にも多く出演されていましたが、現在は闘病中とのことです。

北斗の拳のヒロインでありながら、南斗六聖拳の一人南斗最後の将でもあるユリアをめぐって男たちは戦いを繰り広げ、様々な名エピソードや名セリフが生まれました。北斗の拳は現在でもパチンコやゲームといったメディア展開がなされ、ネット上のやりとりの中でも画像が引用されるなど世代を超えて愛され続けている作品です。こういったきっかけを入り口に、北斗の拳を読んでみるのも良いのではないでしょうか。