進撃の巨人のOP曲・紅蓮の弓矢の歌詞を考察！Linked Horizonも紹介

進撃の巨人は別冊少年マガジンで連載されている漫画です。原作者は諫山創で、巨人と人間の戦いを中心にストーリーが展開するダーク・ファンタジーです。

主人公のエレンは幼少の頃に巨人によって母親を目の前で殺されます。エレンは巨人を駆逐することを決意し、調査兵団に入るために訓練兵に入りました。訓練兵を卒業する年、今度はエレンの目の前に超大型巨人が現れます。それからエレンは巨人との戦いに身を投じていくことになります。

進撃の巨人のアニメは1期が2013年に放送されました。2017年には2期、2018年から2019年には3期が放送されています。主人公のエレン役は梶裕貴、ミカサ役は石川由依、アルミン役は井上麻里奈、リヴァイ役は神谷浩史が担当しています。

進撃の巨人には様々なスピンオフ作品があります。「悔いなき選択」ではリヴァイの過去を中心としたストーリーが描かれており、このスピンオフはアニメ化もされています。また小説化もされており、小説では調査兵団が出来るところから始まり、調査兵団の発足や過去が書かれています。

Linked Horizonが歌うアニメ進撃の巨人1期OP曲の紅蓮の弓矢は、ストーリーにマッチした歌詞も注目を集めました。ここでは進撃の巨人のOP曲にもなった1番の歌詞にどんな意味があるのかを紹介します。

まず、紅蓮の弓矢はドイツ語の「Seid ihr das Essen? Nein, wir sind der Jäger!」というフレーズから始まります。これは「お前たちは獲物か? いや、私たちは狩人だ!」という意味です。まさに捕食される人間に戦う意思を確かめているような歌詞となっています。その後に「祈ったところで何も変わらない、≪不本意な現状≫を変えるのは戦う覚悟だ…」と続きます。

進撃の巨人では本編で、何度も祈りを捧げている人が登場していますが、それに対してエレン達は戦いに身を投じることを選びます。この歌詞からは戦い続けるエレン達の覚悟が感じられます。しかし、壁の外に出る者は変人だと笑われてしまいます。実際にエレンが壁の外に出たいと言った時は、笑われたり反対されたりしていました。その時に壁の中の人間のことを「家畜」と皮肉っているシーンもありました。

「進む意思を嗤うぶた豚よ」「家畜の安寧…虚偽の繁栄…死せる餓狼の『自由』を!」という二つのフレーズは、まさにそのシーンを思わせます。そしてサビの部分では、「獲物を屠る≪狩人≫」という歌詞があります。ここの歌詞の狩人は「イェーガー」と歌い、進撃の巨人の主人公の名前と掛け合わせた歌詞となっています。

サビ部分は進撃の巨人のOPを見ても分かるように、戦闘中の勢いを感じさせる曲調となっています。「迸る≪殺意≫に」という歌詞があり、ここでの殺意は「衝動」と歌います。エレンの強い巨人への殺意とその衝動で戦う姿を彷彿させます。

進撃の巨人のOPでは披露されていない2番の歌詞にも注目していきます。2番からは暫く巨人との戦いを思わせる歌詞が続きます。「≪標的≫が息絶えるまで何度でも放つ」という歌詞からも並々ならぬ殺意が感じられます。

その後「何かを変える事が出来るのは何かを捨てる事が出来るもの」という歌詞があります。この歌詞はエレン達が始めて壁外調査に出た時に、アルミンがエルヴィンの作戦を語る時にあったセリフと同じです。次の歌詞には「何ひとつ≪危険性≫等背負わないままで何かが叶う等…」と続きます。現状を打破するためには、それだけのリスクとも戦わなければならないということが伝わってきます。

紅蓮の弓矢の歌詞を見ても分かるように、特に1番では巨人との戦闘に対する覚悟が描かれていました。シガンシナ区が襲撃され、母を殺されてしまったエレンが「駆逐してやる」と言った場面や、トロスト区襲撃の時の死に急いでるようなエレンの特攻がイメージできます。また「死せる餓狼の『自由』を!」という歌詞からは、どんなに笑われても自由を求めて戦う意思が伝わってきます。

この歌詞の意味は、飢えて死んだとしても自由な狼のようでありたいという意味も込められているのではないかと考察されています。食べるのに困らない家畜のような生活よりも、リスクの大きい自由を選んだ覚悟も感じ取れます。

紅蓮の弓矢はエレン達、壁の中の住人視点の歌詞として見られるのですが、考察の中にはベルトルトやライナー達視点なのではないかというものもあります。この考察では、紅蓮の弓矢がOP曲となった1期よりもあとのストーリーを交えて考察されています。ベルトルトとライナーの正体が巨人であると判明した時、ベルトルトは104期のメンバーから責められました。その時「誰か僕たちを見つけてくれ」と願っています。

このセリフが「祈ったところで何も変わらない」という歌詞とリンクしているといわれています。残酷な世界で助けを待つベルトルトですが、祈るだけでなく戦わなければ状況は打破できません。そして「嗤う豚よ」のという部分は、ベルトルト達が必死にあがいている姿を世界が嘲笑っているという解釈がされています。

この考察では、他にも「餓狼=座標」として座標を取り戻すことでベルトルトやライナーが自由を掴むという意味を持っているのではないかといわれています。「其の身を灼きながら」は超大型巨人の能力でもある蒸気で灼かれることを意味していると考え、「紅蓮の弓矢=超大型巨人」なのではないかと考察されています。

紅蓮の弓矢のタイトルにも入っている「弓矢」ですが、進撃の巨人では弓矢を使って攻撃をしたのはサシャくらいでほとんど出てきません。しかし、歌詞の中では度々弓矢を使って獲物に対して攻撃しているような描写があります。なぜ弓矢なのかを考察すると、そもそもこの曲の歌詞には狩人が出てきます。狩人は弓矢を使って獲物を狩ります。

紅蓮の弓矢では狩人のことを「イェーガー」と言います。そう考えると「狩人=エレン」で「弓矢=エレンが使っている武器」なのではないかと考察できます。また、歌詞の中には「獲物を殺すのは≪凶器≫でも技術でもない、研ぎ澄まされたお前自身の殺意だ」というフレーズがあります。この歌詞の中で登場する武器、つまり「弓矢=殺意」とも考えられます。

紅蓮の弓矢では「赤」を思わせるワードが沢山出てきます。タイトルにもなっている「紅蓮」は猛火の炎という意味があります。「弓矢=殺意」という考察を当てはめてみると「猛火の炎のような殺意」という意味になります。燃え尽きることのない殺意を感じさせます。

そして歌詞には「黄昏に緋を穿つ」とあります。黄昏の意味は夕暮れ、緋は火のような濃い赤色を意味します。この歌詞の意味をあわせると、「夕焼けの中を突き進む」という情景が浮かんできます。その他にも「黄昏時の日の色でさえ貫くことができる弓矢」とも感じ取ることができます。

紅蓮の弓矢は、進撃の巨人のアニメ放送開始から大きな反響があり、たくさんの替え歌やMAD動画が作られました。そんな紅蓮の弓矢を扱ったコンテンツから面白い替え歌を紹介します。

この動画は、えぬじんというゲーム実況や歌ってみた動画を投稿されている方が歌った「【進撃の巨人】リヴァイと同じ背の僕が替え歌ってみた【えぬじん】」の替え歌です。この替え歌は身長に悩むリヴァイ視点の歌詞となっており、Youtubeでは海外からも大きな反響が寄せられています。

紅蓮の弓矢の歌詞はアニメとあわせてみることでより深い意味が分かります。アニメで紅蓮の弓矢がOP曲として使用されているのはトロスト区奪還の13話までです。特に、物語序盤でシガンシナ区を襲撃された時のエレンの心境や、死に急ぎ野郎と言われるほど特攻的な戦い方をするエレンに注目すると歌詞が解釈しやすくなります。

Linked Horizonとは、アーティストのRevoが他の作品とコラボをする時に使用するプロジェクト名のことです。2012年に発足し、進撃の巨人とは2013年にコラボが実現しました。Linked Horizonの楽曲は全てRevoが手がけています。

Linked Horizonはコラボ専用のプロジェクトですが、その他にも「Sound Horizon」通称サンホラという楽団の主宰をしています。サンホラの曲では、歌だけでなく語りや詩を織り交ぜており、一つの物語のような表現が特徴的です。

また、一般的な歌よりも非常に音の数が大きく、参加しているアーティストの数や性別は限定していません。そのため、曲によっても参加アーティストやその人数が変わります。Linked Horizonは、コラボする作品によってサンホラとはまた別の世界観を持っています。

Linked Horizonは2ndシングルで「自由への進撃」というCDを出しています。「自由への進撃」では、アニメ1期のOP曲の「紅蓮の弓矢」、アニメ2期のOP曲の「自由の翼」、そして柳麻美が歌う「もしこの壁の中が一軒の家だとしたら」が収録されています。

Linked Horizonは第64回NHK紅白歌合戦に出場しました。2013年に紅白出場者が発表された時、Linked Horizonは仕事で欠席しており、メッセージだけの発表となったので何者なのかと話題にもなりました。紅白主催側のNHKは取材で紅蓮の弓矢2013年に最も売れたアニソンとして評価したと答えています。

Linked Horizonの公式でのコメントでは、年末に海外で友人と過ごす約束をキャンセルして紅白に出場することと、これまで制作などに関わってきた方への感謝や恩返しの意味を込めて出場すると書かれていました。

この動画は、進撃の巨人のアニメで使用されたOPです。OPでは「獲物を屠る≪狩人≫」の部分にあわせてエレンが巨人を討伐しています。そして最期の「紅蓮の弓矢」のところでエレンは超大型巨人と対峙しています。実際にストーリーの中でもトロスト区襲撃の時にエレンが超大型巨人に立ち向かうシーンがあります。歌詞と実際のストーリーがマッチしていることが分かります。

マツコの知らない世界というテレビ番組では、アニソン特集で紅蓮の弓矢が紹介されました。このアニソン特集では、アニソン評論家の富田明宏がプレゼンをしました。紅蓮の弓矢は実際のOP映像とあわせて解説されています。

マツコは紅蓮の弓矢を聞いて、昔のアニメのように主人公の名前が登場しているところに注目しました。実は1970年代のアニメでは主人公の名前が入ったOP曲がたくさんありました。富田明宏は、紅蓮の弓矢はサビの一番良い部分で主人公の名前が出てくるところが気持ちいいと評価しています。

Linked Horizonは進撃の巨人のアニメOP曲やED曲を担当しています。その中でもいまだに人気が強いのが紅蓮の弓矢です。他の曲に比べても歌詞のインパクトが強いといわれています。Linked Horizonが紅蓮の弓矢の歌詞を制作側に見せた時、もっと過激な歌詞にしてほしいという要求があったという制作秘話もあります。強いインパクトを与えたのもあり、進撃の巨人といえば紅蓮の弓矢と言われるほど人気です。

紅蓮の弓矢は疾走感のあるサウンドが特徴的です。コーラスやパーカッションなど音の数が多く迫力もあります。特にサビ部分は、進撃の巨人のOPとあわせて聴くとキャラクターが立体機動装置で飛び回るシーンとマッチしています。

紅蓮の弓矢はカラオケで歌詞が表示されません。CDに書かれていた歌詞も記号や絵文字を使って暗号化されていました。カラオケではこの記号や絵文字を再現するのが難しいため表示されないのだといわれています。そのかわりにジョイサウンドなどでは、歌詞カードを映像化したものが配信されています。

カラオケでの紅蓮の弓矢は様々なバージョンがあります。進撃の巨人のアニメが始まってすぐは、先行配信されたテレビサイズver.が人気でしたが、現在ではアニメver.が人気です。

アニメver.では、実際に進撃の巨人のOPで使用された映像が流れます。また、テレビサイズではなくフルで歌えるので、1番が終わっても歌っている間はずっと1期のアニメシーンなどを観ることができます。進撃の巨人のファン同士でカラオケに行くのであればアニメver.がおすすめです。

紅蓮の座標は「劇場版進撃の巨人 前篇〜紅蓮の弓矢〜」で使用されたアニソンです。紅蓮の座標では、より進撃の巨人のストーリーに沿った内容となっています。「美しく残酷な世界で」というフレーズは、日笠陽子が歌う進撃の巨人1期のED曲である「美しき残酷な世界」を思わせます。

「美しき残酷な世界」は進撃の巨人のために制作された曲です。進撃の巨人のストーリーだけでなく、それまで使用されたアニソンとリンクしているところにも注目です。

自由の翼は、進撃の巨人1期の2クール目のOPで使用されたアニソンです。自由の翼も紅蓮の弓矢同様にドイツ語から始まります。この曲の特徴は、絶望から湧き出てきた殺意を歌っているような紅蓮の弓矢よりも、エレンという新しい可能性を得て戦いに希望が出ているような印象があります。

ファンファーレのような爽やかな出だしも特徴的です。「崩れ去る固定観念 迷いを抱きながら それでも尚「自由」へ進め」という歌詞は、女型の巨人を前に仲間を信じるか巨人化して戦うかというエレンの葛藤が見えます。2クール目のストーリーにもマッチした曲です。

心臓を捧げよは、進撃の巨人2期のOPで使用されたアニソンです。進撃の巨人2期では女型の巨人の捕獲をしている間の、他の104期達のメンバーの動向が描かれています。そこでは、アニに続いてベルトルトやライナーが巨人であることが判明しました。

心臓を捧げよの歌詞では、「過ぎし日を裏切るもの」という部分があり、まさにベルトルトやライナーのことを指しているようだといわれています。また、OP映像は迫力のあるアクションシーンとなっているので、OP映像とあわせて観ることをおすすめします。

暁の鎮魂歌は、進撃の巨人3期のEDに使用されたアニソンです。3期では王政へのクーデターを中心に描かれています。そのため、EDではヒストリアを中心として描かれています。「なぁ…友よ 壁のない 暁に逢おう」という歌詞がありますが、ヒストリアとユミルの友情を感じさせるフレーズとなっています。

So ist es Immerでは、リヴァイのスピンオフ作品である「悔いなき選択」で使用されたアニソンです。進撃の巨人の本編でリヴァイのテーマソングを制作した澤野弘之がプロデュースした曲です。リヴァイの当たり前だった日常を歌っており、「悔いなき選択」を観てから歌詞の意味を見ると歌詞の深さを感じ取れます。

great escapeは、進撃の巨人の1期の2クール目のEDで使用されたアニソンです。great escapeの歌詞に「生きた屍みたいだった俺達は、壁の外へ」というフレーズがあります。ちょうど2クール目では壁外調査が描かれており、家畜のような暮らしから脱するエレン達を思わせます。

YAMANAIAMEは「劇場版進撃の巨人 前編〜紅蓮の弓矢〜」のEDで使用されたアニソンです。So ist es Immerをプロデュースした澤野弘之が手がけています。歌詞は全て英語で、光を追いながら戦うような描写があります。

美しき残酷な世界は、進撃の巨人の1期のEDに使用されたアニソンです。美しき残酷な世界で生きる意味を問うような独特な歌詞が特徴です。進撃の巨人ではフリーダ・レイス役で出演している日笠陽子が歌っています。

夕暮れの鳥は、進撃の巨人2期のEDで使用されたアニソンです。進撃の巨人2期のEDの映像では、巨人が捕食し続ける描写が続いているのが特徴的です。独りになった少女が歌を歌うような悲しげな歌詞となっています。

Red Swanは、進撃の巨人3期のOPで使用されたアニソンです。YOSHIKIとHYDEがコラボしたことでも注目を集めました。また、第69回NHK紅白歌合戦でも歌われた曲です。さらには、iTunesでは世界各国で1位を獲得しました。

紅蓮の弓矢はかっこいいから歌いたいという方も多いのですが、ドイツ語が難しくて簡単に歌えないという声もあります。そんな時に、空耳で聞こえる冒頭部分のドイツ語を「すいません、そこに右に家が」と言うとそれっぽく聞こえると話題になりました。

紅蓮の弓矢は紅白でも歌われたため、多くの方に知られる曲となりました。ただ、Linked HorizonのRevoがどんな人物なのか、紅白に出場したにも関わらず不明なままです。紅蓮の弓矢で知れ渡ったのに、未だに素顔も分かっていないところが逆にすごいという方もいました。

カラオケで歌詞が表示されないことを知らない方にとっては、紅蓮の弓矢や自由の翼は初見殺しだと言う方もいました。CDの歌詞が表示されても簡単には読めない仕様になっているのですが、中には全ての歌詞を覚えているという方もいました。

進撃の巨人のOP曲である紅蓮の弓矢には、深い意味が隠されていることが分かりました。また、紅白に出場するほどの人気曲で、ネットではあらゆる替え歌やMAD動画が作られています。まだ紅蓮の弓矢をフルで聴いたことがないという方はぜひ一度聴いてみてください。