【もののけ姫】シシ神の正体は何だったのか?モデルやシシ神の森が実在する?

もののけ姫に登場するシシ神は、昼には人面の鹿のような姿をしており、夜にはダイダラボッチになる不思議な存在です。命を与えたり、吸い取る能力があり、人間達はその首を狙っていました。シシ神の最後は日の光に当てられて消滅してしまうのですが、本当にシシ神は死んでしまったのか、ここではシシ神の正体や気になる最後を紹介します。またシシ神の森のモデルとなった場所や、シシ神と共通する神話や叙事詩などをまとめています。

【もののけ姫】シシ神の正体は何だったのか?モデルやシシ神の森が実在する?のイメージ

目次

  1. シシ神とは?
  2. シシ神の正体や謎を考察
  3. シシ神のモデルやシシ神の森が実在?
  4. シシ神に関する感想や評価は?
  5. シシ神の正体まとめ

シシ神とは?

もののけ姫の作品情報

もののけ姫はシシ神が登場するアニメ映画作品です。ここではシシ神について詳しく紹介する前に、まずはもののけ姫がどのような作品なのか、作品概要やあらすじをまとめています。

もののけ姫の概要

もののけ姫はスタジオジブリで制作され、1997年に放映されたアニメ映画作品です。宮崎駿監督によって、制作に3年をかけた超大作となっています。米良美一が歌う主題歌の「もののけ姫」も話題となりました。

もののけ姫のあらすじ

もののけ姫の主人公であるアシタカは、エミシの村を襲うタタリ神を倒しました。しかし、神殺しによってタタリ神の呪いを受けてしまい、アシタカは村を追い出されてしまいます。アシタカは呪いを解くために、タタリ神の正体であったナゴの守というイノシシの神が住んでいた西の地へと向かいます。

旅の途中ではジコ坊という男と出会います。アシタカはジコ坊からシシ神の存在を聞き、そこへ向かうことにしました。その途中、アシタカは倒れている男たちを救い、彼らの住む村へと送り届けます。タタラ場というその村はエボシという女が統治しており、山を切り開いて鉄を作って暮らしていました。

タタラ場では動物達や周りの村から守るために、石火矢も作っていました。ナゴの守がタタリ神になってしまったのも、エボシが撃った石火矢が原因だったのです。アシタカはエボシに、これ以上恨まれるようなことをするなと忠告します。そんな時、エボシの命を狙いに、シシ神の森に住むもののけ姫が村を襲います。

もののけ姫と呼ばれるサンは村人に追い込まれてしまいます。アシタカはサンを助け出しますが、それにより重症を負ってしまいました。サンはアシタカを殺そうとしますが、「そなたは美しい」と言われて動揺し、サンは瀕死のアシタカを連れてシシ神の元に行くのでした。

シシ神の基本情報

シシ神とはサン達が住む山の神で、昼には人面鹿の姿をしています。夜になるとダイダラボッチになり、大きな半透明の人型になります。ダイダラボッチとは「巨人」のことで、巨大な図体で山をつくったり足跡を残すなどの伝承がある妖怪や神のことをいいます。

もののけ姫のシシ神も、夜の姿はこのダイダラボッチだといわれています。シシ神は夜そのものでもあり、ダイダラボッチになると森を徘徊して育てます。このように生命の授与と奪取を行うことができ、首には不老不死の力があるといわれています。

スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

シシ神の正体や謎を考察

考察①名前の由来

シシ神の姿はダイダラボッチや人面鹿の姿をしています。また、「シシ」は「獅子」や「猪」、「四肢」などに漢字変換することができます。しかし、シシ神の名前の由来は、その姿や現代で使われている漢字の意味から由来しているわけではありません。

なぜシシ神なのかというと、日本の古語で「シシ」は「食肉」や「獣」という意味があります。つまり、獣達の神様であることからシシ神だと呼ばれているのです。

考察②ダイダラボッチになる理由

作中でもシシ神は山の神だといわれています。実ははるか昔から、国づくりの神が巨人であるという信仰が強くありました。この信仰がダイダラボッチ伝承の元になっています。そのため、山の神であるシシ神もダイダラボッチの姿になるのではないかといわれています。

考察③命を司る理由

シシ神の存在はもののけ姫の中で、絶対的な神として描かれています。下位の神ではありますが、すべての命そのものでもあるシシ神を私利私欲のために奪おうとすれば、すべての人間や動物、植物達を破壊することになるのです。

つまりシシ神によって、すべての生物が「命を与えられている」ということを表現したかったのではないかといわれています。

考察④もののけ姫のテーマから考える正体

もののけ姫では動物と共に暮らすサンとは対象的に、自分達は自然界の最高位であると勘違いしたエボシ、私利私欲のためにシシ神をも利用しようとした師匠連達が描かれています。そこに現れるのが、人間も動物も自然もすべての命を司るシシ神です。

命を司り、奪うシシ神の存在は、私利私欲にまみれた人間も自然の一部にしか過ぎないということを物語っています。シシ神の正体は人間達を含めた命そのものであり、それに抗い、冒涜すればその一部である人間はそれ相応の報いを受けるというわけです。

シシ神の正体は命そのものだといわれているだけあり、その命を奪取することもあります。乙事主が人間との戦いで恨みや怒りが増幅し、タタリ神に成り果てようとした時、シシ神は乙事主の命を吸い取りました。タタリ神になる寸前でその生命を吸い取る描写は、乙事主を罰したようにも救い出したようにも見えます。

考察⑤シシ神の最後

命そのものが正体であるようなシシ神でしたが、首を盗られてしまったことで暴走し、それまで育ててきた森を破壊し始めます。物語の最後にアシタカとサンはシシ神の首を取り戻し、ダイダラボッチに繋げようとしますが、間に合いませんでした。

シシ神は消滅してしまいましたが、その存在がなくなってしまったわけではありません。最後にサンは「もうここはシシ神の森ではなくなる」と言いますが、アシタカは逆に「シシ神様は生命そのものだから死なない」と言います。

つまり、シシ神は生と死を司ると同時に、生命がある限り存在し続けるものだということが分かります。しかしサンの言うように、最後に生まれたのは新しい森で、失われたシシ神の森が復活したわけではありません。シシ神は消滅してしまったものの、その存在は生き続けているとアシタカは言いますが、だからといってかつてのシシ神の森が戻ってくるとは限らないということなのです。

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シシ神のモデルやシシ神の森が実在?

シシ神のモデルはいない?

シシ神は明確なモデルがいるとは言われていません。しかし、ダイダラボッチや鹿など、ある程度共通点が見られる神や動物達はいます。日本神話に登場するアマテラスやイナガミは、歩いた後に草木が生えます。シシ神もまた同様の描写がありました。

また、北欧やロシアなどに生息するヘラジカはその外見がシシ神にそっくりだと話題になりました。ヘラジカの名前には「木を喰う者」という意味もあり、「森の王」ともいわれています。また、体長は3mを超える巨大な体躯をしています。

シシ神とギルガメッシュ叙事詩の共通点

シシ神のモデルになった話とまではいきませんが、実はギルガメッシュ叙事詩には似たような物語があります。ギルガメッシュ叙事詩にはフンババという生き物が登場します。このフンババは森の番人や森の精霊、自然の神といわれています。

フンババの姿は、「獅子の前足と鷲の後足を持っている」と描写されています。シシ神も鹿の身体に人面、さらには鳥のような足と、ちぐはぐな姿をしている共通点があります。またギルガメッシュ叙事詩には、フンババの首をはね、皮袋に入れる描写があります。これはもののけ姫の最後にシシ神の首が盗られてしまう場面と似ています。

シシ神の森は実在していた?

シシ神の森は実在はしないものの、そのモデルとなった地域や森はあります。シシ神の森のモデルとなったのは、鹿児島県の屋久島にある「白谷雲水峡」という森です。「木霊の森」といわれており、シシ神の森との共通点も存在します。

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シシ神に関する感想や評価は?

シシ神が首を盗られてから暴走し始める場面は、とても恐ろしい描写になっています。シシ神に手を出すということは、人間だけでなく全ての生命に罰が下ることを表現しているようです。

最後にシシ神が消えてしまってから再び森は戻るものの、ずっと守られてきた原生林はなくなってしまいました。サンが言ったように、一度なくなってしまった森は再び完璧に戻ることはないのです。

最後に放ったこのサンの深い一言がとても印象的だという人がたくさんいました。しかし、残念ながらアメリカではこの尊さが伝わらず、最後に自然が新しく芽生えるシーンはただのご都合主義と批判もされてしまいました。

シシ神は最後に全てを終わらせてまた新しい命を与えました。芝生は植物界の最低ラインで、これから森や自然をどうしていくのかは、そこに住む人間や動物達次第でもあるという意味を持っていると考察されている方もいました。

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シシ神の正体まとめ

シシ神の正体は生物の命そのものでした。だからこそ人間が手をかけてしまえば、それは全ての生命に影響を及ぼしてしまうのです。もののけ姫では、そんな生と死を司るシシ神に多くのことを考えさせられます。ぜひシシ神の正体に注目しながらもののけ姫を観てみてください。

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