【もののけ姫】タタリ神になる原因とは?その正体や理由をネタバレ考察

スタジオジブリ作品『もののけ姫』は宮崎駿監督が脚本も手掛けて構想16年、制作に3年が費やされた当時の興行収入歴代1位を記録し、日本のみならず海外でも大ヒットした映画です。『もののけ姫』に出てくるタタリ神(祟り神)という化け物について気になるところです。『もののけ姫』では冒頭でナゴの守がタタリ神(祟り神)となって登場します。一体、タタリ神の正体とは何なのか?また、タタリ神(祟り神)になってしまった原因とは?タタリ神(祟り神)のその正体とそうなってしまった理由をネタバレ考察してまとめていきます。

【もののけ姫】タタリ神になる原因とは?その正体や理由をネタバレ考察のイメージ

目次

  1. タタリ神が登場するもののけ姫について
  2. タタリ神(祟り神)になる原因や理由
  3. タタリ神(祟り神)の正体をネタバレ考察
  4. タタリ神(祟り神)ナゴの守を紹介
  5. タタリ神(祟り神)からアシタカは呪いを受ける?
  6. タタリ神(祟り神)のようなジブリ作品登場の怪物達
  7. タタリ神(祟り神)に関する感想や評価は?
  8. タタリ神になる原因や正体まとめ

タタリ神が登場するもののけ姫について

スタジオジブリ作品『もののけ姫』は宮崎駿監督によって手掛けられた作品で、1997年に劇場公開されて以来、興行収入193億円、観客動員数1420万人を記録し、当時の日本映画の歴代興行収入の第1位を記録した超大ヒット映画です。その『もののけ姫』に登場するタタリ神の正体やタタリ神(祟り神)になってしまった理由について考察してまとめていきます。

もののけ姫作品情報

  • 監督/脚本:宮崎駿
  • 製作:鈴木敏夫
  • 音楽:久石譲
  • 声優:松田洋治/石田ゆり子/田中裕子/小林薫/美輪明宏/森繁久彌/西村雅彦/上條恒彦/島本須美/渡辺哲/森光子/他
  • 主題歌:米良美一「もののけ姫」
  • 制作会社:スタジオジブリ
  • 上映時間:133分
  • 製作国:日本

もののけ姫のあらすじ

舞台は中世(室町時代頃)の日本。エミシの村の長である少年アシタカは村を襲うタタリ神を弓で退治しますが、アシタカは苦しみもがくタタリ神に右腕に死の呪いを受けます。タタリ神と化した生き物の正体は、巨大イノシシの神、ナゴの守でした。ナゴの守の腐った体の中からは鉄の礫が出てきました。村の巫女ヒイからは「西で何か不吉なことが起こっている」と告げられたアシタカは呪いを解くために村を出て西へと旅立ちます。

アシタカは道中、地侍との戦に遭遇したり謎の男、ジコ坊に出会います。アシタカはジコ坊から神々が住む森の話を聞くとその地に向かいます。向かっている途中で山奥で倒れていた男を救い、タタラ場という彼らの村へ送り届けます。

そこは鉄を作る村で治めているのがエボシ御前という女でした。エボシ御前は石火矢衆という鉄砲隊を引き連れて村を守り、村の更なる発展のために「もののけ退治」をしていました。ナゴの守の体内から出てきた鉄の礫はエボシ御前が放ったものだと分かります。

アシタカはこれ以上の怒りや憎しみを増やさないようエボシ御前に話しますが、エボシ御前は「森を切り開き、ここを豊かな国にする」と言って聞き入れません。エボシ御前はタタラ場の村人にとっては救世主でした。そしてついに、もののけたちがエボシ御前の命を狙ってタタラ場に踏み込んできます。そこには山犬に育てられた人間の娘、もののけ姫のサンもいました。サンは小刀を持ってエボシ御前に襲い掛かります。

アシタカはこの事態を治めるべく、サンとエボシ御前の間に割って入りますが、石火矢の鉄の礫に当たり重傷を負ってしまいます。しかし、アシタカは倒れることなくサンを担いでタタラ場を後にします。途中で目覚めたサンはアシタカが重傷を負っていることに気づきます。悩んだ末、アシタカを生と死を司る神、シシ神の元に運びます。シシ神がアシタカをの傷を癒したのをみたサンは、アシタカを生かし介抱します。

そうするうちに、サンはアシタカに次第に心を開いていきます。アシタカは「人と森が争わずに共に生きていく道はないのか」と思いを巡らせます。タタラ場では、エボシ御前にシシ神を殺させようとしているジコ坊率いる師匠連がいました。彼らはシシ神の首を取って不老不死を手に入れようとしていたのです。こうして人間ともののけの最終決戦が幕を開けます。

師匠連たちは、ダイダラボッチから元のシシ神の姿に変わる直前を狙ってシシ神の首を跳ねることに成功します。すると、シシ神の体内から不気味な液状のものが溢れ出し、森中にどんどん広がっていき、それに触れたものの生命を奪っていきます。シシ神の首をもって逃げ惑うジゴ坊をサンとアシタカが追います。

ジゴ坊は逃げますが、シシ神の不気味な液体の広まるスピードが速く逃げ切れず、サンとアシタカに行く手を阻まれると観念します。首はサンとアシタカの手によってシシ神に返されました。そして、アシタカの右腕の呪いはシシ神に「生きろ」と言われて解かれたのです。森には今まで以上に緑が広がっていきます。サンは「人間は許せないけど、アシタカは好きだ」といいます。

アシタカは「それでもいいから共に生きよう」といい、サンは森で、アシタカはタタラ場で暮らし、アシタカはサンに会いに行くと約束を交わします。シシ神の一件でタタラ場が壊滅してしまったエボシ御前たちは、新たにいい村を作ろうと村人たちに語りかけるのでした。

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タタリ神(祟り神)になる原因や理由

タタリ神になるのは憎しみや怒りが原因

アシタカの村を襲ったタタリ神(祟り神)は、人間が森を破壊し、生き物の命や住処を奪っていくのを阻止しようと懸命に守ろうとしていましたが、人間の放った鉄の礫に重傷を負わされたことで死への恐怖心が芽生え、人間に対しても更に怒りと憎しみを覚えたことが理由で、行き場のないやり切れない気持ちが最高潮に達し、ついに守り神からタタリ神へ変貌してしまったと考えられます。

サンの育ての親でもある巨大な山犬、モロの君は、自分の役割は全て果たしたとし、己を見つめて死を恐れていなかった為、タタリ神になることはありませんでした。物事を怒り、憎むことは自らの身を滅ぼす、自殺行為だというメッセージも込められていると察することができます。

タタリ神(祟り神)の正体をネタバレ考察

タタリ神は恐怖を覚える外見

アシタカの村を襲ったタタリ神(祟り神)の正体は、巨大なイノシシ神、ナゴの守でしたが、タタリ神の真の正体は人間に対する恨みつらみの怨念と死に対する恐怖心という負のエネルギーが可視化されたもののようです。

西の方から来たタタリ神となったナゴの守のその外見は、赤黒い粘り気のある粘土質のようなもので覆われ、変幻自在で見た目は土蜘蛛のように触手が8本あります。目は真っ赤でタタリ神を目にした人々は恐怖に慄きます。凄まじいスピードで移動し、一気に村を襲います。

タタリ神が起こす公害

荒ぶる神とされたタタリ神(祟り神)となったナゴの守は、人間が身勝手に文明発展のために森などの自然環境を破壊していくのに怒りや憎みを抱いて恨んでいました。人間の文明の発展を阻止ようと村や人々を襲っては壊滅にまで追い込みます。

タタリ神を覆っている粘土質に触れると、人の体に焼き付き痣となって最終的には骨の髄までいきわたり、じわりじわりと身体を蝕み死へ至らしめる呪いを受けてしまいます。それはまるで、実際に公害病として大きな問題となっていた水俣病や四日市ぜんそく、イタイイタイ病を連想させます。

タタリ神(祟り神)ナゴの守を紹介

ナゴの守(かみ)とは?

タタリ神となったナゴの守は、元々シシ神の森に住でいる古の神です。人間が自然を破壊するのが理由で怒ったナゴの守は、森を守るために人々を襲いますが、その際に重傷を負ってしまいます。死に恐怖したナゴの守は、生と死を司るシシ神から命を奪われると予感し、それから逃れるために走り続けて徐々にタタリ神と化し、北の地へたどり着いたときには我を忘れてアシタカの村を襲うのです。

イノシシの様に猪突猛進で強力で、様々なものをなぎ倒していきます。人間に対して憎しみや恨み、辛みを抱えてタタリ神になっていたナゴの守は、さらに力が増して動くスピードも更に素早くなり、発展しようとする村を襲っては人々に恐怖を与えて苦しめます。

ナゴの守の名前の由来

ナゴの守のナゴは、古語の『霧(なご)』からきているそうです。古語では『霧(きり)』のことを『なご』と呼ぶそうで、現在でも方言で『霧(なご)』と呼ぶ地域もあるそうです。他にも、『なご』には、「土地が崩れて崖になった場所」という意味があるそうです。ナゴの守とは土地が崩れて崖になった場所を守っていた、あるいは、それほどに厳しい自然を守っていたという意味が込められて名付けられたと考えられそうです。

そして、ナゴの守の姿がイノシシな理由ですが、実はイノシシは太古の昔から様々な神様の使いとして、世界中の人々から信仰の対象として大切にされていたことにあるようです。古来の人は、イノシシの迅速で素速い動きが人々には尋常ではない特別な生き物に感じられ、神仏の使いと考えられていました。『もののけ姫』のナゴの守の姿がイノシシになった理由はここにあると推測されます。

ナゴの守の同族がいる

ナゴの守には同族がいます。それが、全身真っ白で2対4本の牙を持つ齢500歳のイノシシ神の王、鎮西(九州)の乙事主です。かなりの高齢なので目はすでに見えていませんが、それを補うように嗅覚が発達しており、仲間の臭いや周囲の臭いをかぎ分けて自由に動くことが出来ます。

ナゴの守の最後をアシタカの右腕の痣の臭いを嗅ぐことで察知します。乙事主は、「悲しいことに我が一族からタタリ神を出してしまった」と語っています。乙事主もまた、シシ神の森を破壊していく人間に怒りや憎しみを抱いていました。

乙事主はイノシシ神の姿が段々に小さくなっていることから、イノシシ神たちの力が徐々に弱まっていることが分かっていました。それでも「たとえ我が一族悉く滅ぶとも、人間に思い知らせてやる」と死ぬと分かりながらも部族の誇りを最後まで守ろうとする乙事主には、どこか人間臭いところを感じさせます。目の見えない乙事主は石火矢の鉄の礫に当たり重傷を負い、同胞も無残に殺されてしまいます。

サンが乙事主の目になって側に寄り添いますが、イノシシの毛皮を被ってイノシシに化けた人間を同胞と勘違いした乙事主は、我を忘れて仲間が返ってきたと更に人間への怒りと憎しみが膨れ上がらせて触発し、タタリ神と化してしまいます。乙事主の最後は、完全にタタリ神になる前にシシ神の力によって命を落とします。

ナゴの守の呪い

アシタカは暴走して村を襲おうとするタタリ神の正体のナゴの守から村を守るために、「鎮まり給え」と何度も語りかけますが、我を失っているタタリ神には届きません。アシタカは致し方なく、弓を構えてタタリ神の目を目掛けて矢を放ちます。すると、タタリ神の粘土質がアシタカの右腕に触れると纏わり付き、アシタカの右腕に焼けるような激痛が走ります。しばらくすると、アシタカの右腕には大きな痣が残っていました。

村の巫女ヒイは「その痣がやがて骨の髄まで達し、アシタカを死に至らしめるであろう」といいます。これがタタリ神の正体のナゴの守がアシタカに与えた呪いです。村を救った英雄ともいえるアシタカですが、どんな理由であれ神を殺してしまったことは村の掟を破ることになり、アシタカは村を追われて呪いを解くための旅に出るのです。

ナゴの守は北の果てに逃れる

タタリ神となったナゴの守が逃れ着いた先の「北の果て」は、アシタカの住む「エミシ村」で歴史上で大和政権に敗れ、散り散りになった蝦夷(えみし)の末裔が住む村です。現在でいう東方や北海道地方を指しています。古墳時代の畿内(現在の京都辺り)に大和朝廷を成立し、東西に勢力を伸ばしていった大和民族は500年以上も前から蝦夷を征討する「征夷(せいい)」と名乗り、幾度となく東北に攻め入っては降伏させていました。

大和に抵抗を続けたので有名なのが、平安時代初期の蝦夷の軍事指導者、阿弖流爲(アテルイ)です。エミシの一族が大和との戦に敗れて「北の果て」に着いてから500有余年の歳月が流れていると、エミシ村の巫女・ヒイが語っていることから、アシタカ達の先祖は蝦夷の軍事指導者である阿弖流爲と一緒に大和王権に抵抗して立ち向かい戦っていたと推測できそうです。

そんな「北の果て」に逃げ辿り着いたナゴの守ですが、遥か西から来たと言います。「遥か」というほどですから、近畿地方よりも更に先の中国地方から来たという可能性が高いようです。もし、中国地方から北海道付近まで来たとなるとかなりの移動距離です。深手を負いながら死への恐怖と人間への憎悪が原動力となっていたと考えると、タタリ神となったナゴの守の持つ負のパワーの強大さが伺えます。

ナゴの守の死因

タタリ神(祟り神)となったナゴの守にとどめを刺したのは、アシタカの射た矢でしたが、それ以前に、エボシ御前が放った鉄の礫で重傷を負っており本来ならば、アシタカの村に着く前に既に息絶えていたかもしれません。しかし、死を感じ取ったナゴの守は、死を恐れて逃げ惑い、人間への憎しみや恨み、辛みを膨らませているうちにタタリ神となり、恐怖心が原動力となって遥か西の方から北の地までたどり着いたと考えられます。

ナゴの守の最後の言葉

「汚らわしい人間どもよ我が憎しみと苦しみを知るがいい」、タタリ神(祟り神)となったナゴの守が最後に残した呪いの言葉です。本来、守る神であるナゴの守が完全に祟り神に堕ちてしまったことが伺えます。アシタカの村の巫女・ヒイがナゴの守を最後まで神様として祀ることを話してもナゴの守には届きませんでした。人間を恨み、死を恐れていたナゴの守の最後にどこか憐みを感じさせるようです。

タタリ神(祟り神)からアシタカは呪いを受ける?

タタリ神の呪いでアシタカはどうなった?

タタリ神(祟り神)の暴走を止めるべく、アシタカはタタリ神の目に矢を放って暴走を食い止めますが、タタリ神から呪いを受けてしまいます。粘土質がアシタカの右腕に絡みつき、焼けるような激痛に襲われ、痣は日に日に濃くなり、痣の範囲も広くなっていき少しずつ蝕まれていきます。

旅の途中では、戦に出会い道を阻まれたアシタカは押し通るために弓を引きますが、その瞬間、右の手が疼きます。アシタカが構わず矢を射ると人の腕を2本切断してしまうほどの威力を見せます。タタリ神の呪い(祟り神)は人に尋常じゃない力を与えますが、引き換えに命が削られていくのです。

タタリ神の呪いは解けていない?

タタリ神(祟り神)の呪いを解くために、アシタカは村の掟に従って村を離れ、何か事が起こっているという西の地へ向かいます。その道中で仕入れた情報でシシ神の森があると聞き、森に入ったアシタカでした。その森でけが人を見つけたアシタカは、そのけが人たちを救い、タタラ場まで送り届けます。そこは製鉄所でエボシ御前が治める村です。

アシタカはその村で歓迎を受けますが、その夜、もののけたちがタタラ場に侵入し、騒ぎになります。アシタカは忍び込んできたサンとエボシ御前が戦っているところの仲裁に入りますが、石火矢で撃たれて重傷を負ってしまいます。それでも、アシタカは気絶したサンを担ぎ、村を出ていきます。目覚めたサンは重傷で倒れ込んだアシタカを生かすか殺すか迷い、判断をシシ神に託すことにします。

アシタカはシシ神に石火矢で撃たれた傷口は癒してもらえましたが、右腕の呪いは解いては貰えませんでした。神を殺したことを理由に「苦しみ生きろ」と言われたのです。しかし、不老不死をになるためにシシ神の首を狙っていたジコ坊たちから、シシ神の首を取り返してシシ神に首を返すことで、「生きろ」とシシ神に呪いを解いてもらえたのです。

しかし、アシタカの手の平には少し薄っすらと痣が残っており、見る側からは完全に呪いが解けていないのではと心配の声があがります。この手の平に痣がまだ残っている理由は、完全に痣をなくしてしまうと人間は同じ過ちを繰り返すため、忘れないようにとのメッセージが込められているようです。

タタリ神(祟り神)のようなジブリ作品登場の怪物達

宮崎駿監督が手掛けたスタジオジブリ作品には『もののけ姫』に出てくるタタリ神(祟り神)のような怪物がいくつかと登場します。その怪物について作品と共にご紹介していきます。

風の谷のナウシカ:巨人兵

『風の谷のナウシカ』に登場する巨神兵です。1000年前に産業文明を崩壊させた「火の七日間」で世界を焼き払ったとされる巨大な人型人工生命体でナウシカのことを母だと思っています。その理由は、ナウシカが風の谷の秘石を持っていたからです。ナウシカはこの人工生命体の巨神兵に「オーマ」と名付けます。

滅亡の書によると、巨神兵の名前の由来は「光を帯びて空をおおい死を運ぶ『巨いなる兵の神(おおいなるつわもののかみ)』」から名付けられ、あらゆる揉め事や紛争に対処するための「調停と裁定の神」としての役目を担っていました。その巨神兵の正体は、旧世界の人類が大量創造した人工の神と言われています。巨神兵の大きさは手の平に人を乗せることが出来るほどで、人体模型の様に皮膚はなく、筋肉組織などが露になっています。

肩や背骨には複数の突起物があり、それを伸長することで飛行が可能です。飛行中は光が発せられます。ヘルメットの様な頭部には2つの丸い眼球があり、口腔部には牙が生えています。歯を含めた骨格は超硬質のセラミックで出来ており、牙には古代文字の商標が記されています。オーマは持っていませんが、巨神兵は槍のような長い棒を手にしています。

漫画では巨神兵のオーマとナウシカがコミュニケーションを取って実際に動く巨神兵が描かれていますが、映画では、早い段階で卵から孵してしまったことで下半身は腐り果てて歩けず、二回ほど目から光線を出して破壊すると、その後はドロドロに溶けて息絶えてしまいます。

千と千尋の神隠し:カオナシ

『千と千尋の神隠し』に登場する「カオナシ」です。『千と千尋の神隠し』には様々な神様が登場します。カオナシは唯一の正体不明の登場人物です。カオナシは白い面をつけ黒いマントで身を包んでいます。扉を通ることなく、突然出現したり何もないところに物を出現させることが出来るので魔力を備えていると考えられます。言葉が話せず、弱々しく「あ、え」と千尋意外とはコミュニケーションが取れないようです。

カオナシは自分を理解してくれる千尋のことを気に入り、千尋の願いを叶えようとあれやこれやと千尋に見せたりしますが、千尋の心には届かず、終いには砂金をみせますが千尋は「いらない」と突っ撥ねます。傷ついたカオナシは湯婆婆の油屋で暴れ出し、油屋のスタッフやあらゆるものを食べ始め、「千尋を出せ」と激しく要求するのです。

そんなカオナシの正体は、神ではなく、人間の欲が実体化したもの、或いは人間そのものであるという解釈が有力のようです。その理由は、カオナシが千尋に見せる物が人々が一般的に欲しいと思うようなものであったりするからなようです。また、正体については別の解釈も寄せられています。話中に千尋とカオナシが電車に乗って走っているシーンのある部分で「サタン」という文字が写っています。

これを理由に、カオナシの正体は「サタン」「悪魔」であると解釈した方もいるようです。カオナシは千尋の気を引きたくて、構ってほしくて色々していたように捉えられていましたが、あの手この手で千尋を誘惑しようとしていたと考えると、カオナシの正体が「サタン説」というのも全くないとは言えないようです。

スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

タタリ神(祟り神)に関する感想や評価は?

子供の頃に『もののけ姫』をみて、最初から迫力のあるタタリ神の登場シーンで恐怖心を抱き、トラウマになってしまったという感想を持つ方がいたようです。大人になって再度見てみると、ただ単に怖いのではなく『もののけ姫』の作品の意図に気づき、好きになったという方が多くいたようです。

『もののけ姫』に出てくる神々の怒りなどの内面を「タタリ神」という表現で見せることで神々の真意が分かりやすかったという感想が上げられています。タタリ=公害とも置き換えられる表現で、自然環境破壊と自然と人とが共存する術はないのかと問題提起しており、観る側には伝わりやすい演出だったようです。

タタリ神になる原因や正体まとめ

『もののけ姫』でタタリ神になる原因とタタリ神の正体やタタリ神になってしまう理由について考察し、物語のあらすじなどをネタバレ紹介してきました。タタリ神の正体はイノシシ神のナゴの守でした。タタリ神になってしまった理由は、死への恐怖心と人間への憎悪などからくる負のパワーが影響したようです。

シシ神の首を狙って不老不死を得ようとしていたジコ坊たちも、死を恐れていたのかもしれません。そう考えると、誰もがタタリ神に成り得るということや、誰かから何かを奪えば憎しみが憎しみを生み、そのループは延々と繰り返され、どこかで止めなければならないということなのでしょう。

『もののけ姫』の物語は人間が文明を発展させることで多くの自然を犠牲にしてきた環境問題をテーマにした作品ともいえるようですが、単なる自然破壊を訴える物語ではなく、人間、自然、その他の生き物がうまく共存していく道はないのかというメッセージを汲み取ることも出来そうです。話中にアシタカが「双方共に生きる道はないのか」ともののけ達やエボシ御前らに言う場面が出てきます。

文明が発展していく中で、神を崇めるという信仰心も薄れてきている現代、文明の発展は決して悪いことでは無いですが、古より伝わる守べきものは守るということも必要なのだと考えさせられるストーリーで、スタジオジブリ作品の中でも人気の高い作品と言えるようです。

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