もののけ姫のエボシ御前には意外な裏設定が?サンとの関係は?名言や声優も紹介

日本だけでなく世界的に親しまれているジプリ作品で、「もののけ姫は」は今や時代を超えた不朽の名作となっています。主役以上にインパクトあるキャラが登場するジプリ作品の中で、「もののけ姫」のエボシ御前は実力派女優の田中裕子さんの声優も相まって、アシタカやサンよりもインパクトがあるキャラだと言えます。圧倒的なカリスマ性を放つエボシ御前の名言や、裏設定について迫っていきます。

もののけ姫のエボシ御前には意外な裏設定が?サンとの関係は?名言や声優も紹介のイメージ

目次

  1. エボシ御前とは?
  2. エボシ御前の裏設定とは?
  3. エボシ御前とサンの関係を考察
  4. エボシ御前の名言&声優紹介
  5. エボシ御前のモデルとは?
  6. エボシ御前に関する感想や評価は?
  7. エボシ御前の裏設定や声優・名言まとめ

エボシ御前とは?

もののけ姫の作品情報

1997年に公開された宮崎駿監督の「もののけ姫」は、スタジオジブリ制作の長編アニメ作品です。当時の邦画興行記録を塗り替える193億円を記録する大ヒットとなり、アニメや映画関連の賞を受賞しています。声優はジプリ作品に縁がある石田ゆり子さん、上條恒彦さん、島本須美さん、松田洋治さんが起用されています。

もののけ姫の概要

右腕にかけられた死の呪いを断つ旅をしていたアシタカは、道中の村で「もののけ姫」と呼ばれる人間の娘サンと出会います。山犬に育てられたサンは、自然を侵すタタラ場やエボシ御前に何度も襲撃を繰り返しています。対極の立場にいるアシタカとサンの心が触れ合っていく中、人間ともののけとの対立は大きな争いへと発展していきます。

エボシ御前とは?

エボシ御前の基本情報

冷静沈着で明晰な判断力でタタラ場(製鉄所)を率いているエボシ御前は、必要とあれば部下を簡単に見捨てる冷酷さがあります。石火矢の名手であるエボシ御前は、山犬に育てられ動物並みの身体能力があるサンと互角以上に戦うことができます。 サンとエボシ御前の関係性に、「風の谷のナウシカ」のナウシカとクシャナを連想するファンもいるようです。

エボシ御前の年齢は?

犬神モロの君は300歳を超えているようですが、その他のキャラに関しては明確な年齢設定はないようです。外見から判断するとエボシ御前は、10代らしいアシタカやサンがよりは年上のようなので20代という意見が多いようです。

タタラ場のリーダー

タタラ場の統治者エボシ御前は、戦で売られた女たちと社会から迫害されてきた癩病患者とみられる者たちに対しては温情をかけています。それ以外の男たちに対しては、戦略の駒として見ているようです。

コスプレでも大人気

日本のアニメのコスプレは世界的に人気がありますが、「もののけ姫」のエボシ御前の和風な雰囲気は、外国人コスプレイヤーのイマジネーションを刺激し人気があるようです。しかし、エボシ御前のあの髪型を再現するのに四苦八苦するようです。

アシタカ目線だと悪役?

悩み多き主人公アシタカ目線で見ると、冷酷な面があるエボシ御前は悪役となるかもしれません。しかし、人生の酸いも甘いもかみ分けているエボシ御前は人望が厚く、一概に悪役とは言えないでしょう。

エボシ御前のその後とは?

改心するエボシ御前

終盤、エボシ御前が率いる一団がシシ神の首を取ったことにより、森や人々に甚大な被害及びます。しかし、アシタカとサンが首をシシ神に返し事態は収束します。善人が死に悪人が生き残る世の不条理さを表現した「もののけ姫」で、タタラ場が破壊されすべてを失いエボシ御前は生き残ります。そして、仲間と一緒に人と自然が共存できる新たな村作りを決意します。 

エボシ御前の裏設定とは?

裏設定①死ぬはずだった?

テーマの「生きろ。」

コピーライター糸井重里さんによる「もののけ姫」のキャッチコピー「生きろ」に決まるまでには、相当の苦労があったようです。「生きろ」というキャッチコピーには、絶望の中にも生きるに値することはあるというメッセージが込められているのではないでしょうか。

食いちぎられた右腕

エボシ御前に殺意を抱くモロは首だけになっても、エボシ御前に食らいつきます。しかし、エボシ御前は腕を食いちぎられるだけで死にません。「もののけ姫」の裏設定では、エボシ御前が殺されるはずだったのですが、制作陣の熱い議論の末、生き残るという結論に達したようです。エボシ御前は、それだけ重要なキャラだったのでしょう。

裏設定②近代人&革命家

人身売買の被害者となり、いわれのない差別の中で生きてきたエボシ御前には、「世の権力の影響を受けない平等で差別のない社会を作る」という目的に辿り着きます。歴史の教科書に出てくる近代の革命家のようなエボシ御前が興したタタラ場は、そんな彼女の理想郷だったのでしょう。

裏設定③ハンセン病患者との関係

エボシ御前は、タタラ場の重要な担い手である体中に包帯を巻いている一団を「業病」と言っています。意味は「前世の悪行の報い・難病」なのですが、日本ではハンセン病患者も似たような意味合いで差別を受けていた歴史があります。「もののけ姫」では、「業病」とされる彼らをハンセン病患者として描いていると言われているようです。

裏設定④人身売買の被害者

少女時代に人身売買の被害にあったエボシ御前は、倭寇の頭目に買われ妻となります。そんなエボシ御前は、自分を同じように人身売買の被害にあった女性たちに情けをかけているのでしょう。倭寇(わこう)とは海賊を言意味し、13世紀〜16世紀にかけて朝鮮半島や中国大陸、東アジア諸地域で活動していたようです。

裏設定⑤夫を殺害した過去

倭寇の頭の妻という地位を得たエボシ御前は、徐々に支配力を増していき、夫である頭目を殺害し日本に戻ってきたようです。エボシ御前は、金品だけでなく当時の最新式の武器「石火矢」を日本に持ち込んでいます。

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エボシ御前とサンの関係を考察

エボシ御前の娘はサン?

生贄として山犬に差し出された人間の娘サンの実母が、エボシ御前という説があるようです。そう見ると、サンとエボシ御前の一騎打ちの場面は見応え感が増しそうです。外見から判断するにエボシ御前が、10代のサンの実母という設定は無理がありそうです。

モロがエボシ御前を恨む理由

モロがエボシ御前を恨む一般的な理由としては、タタラ場により森が侵されつつあるからだと考えられます。しかし、サンの育ての親モロの熱すぎる言動を深読みすると、サンの実母はエボシ御前であるのではと勘繰ってしまいそうです。

サンは生贄だった?

生贄として差し出された赤子サンは、危険と隣り合わせの森でモロに我が子同然に育てられます。サンは自分を追いやり、自然を侵す人間に憎しみを募らせながらも森や動物たちに受け入れられていきます。

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エボシ御前の名言&声優紹介

名言①「みんなはじめ…」

辛い境遇を切り抜けてきたエボシ御前だからこそ、説得力のある名言だと言えるでしょう。目的のためには手段を選ばないエボシ御前でしが、壊滅した村を再興させるという裏表のない情熱がタタラ場の人々に伝わっています。

「みんなはじめからやり直しだ。ここをいい村にしよう」

名言②「男はたよりに…」

そんな上から目線的な名言を、エボシ御前の側近ゴンザのようなタイプの男性に言ったら怒りを露わにすることでしょう。しかし、エボシ御前レベルの女性から言われたら、言い返せないのが現状でしょう。

「男はたよりにできない。しっかりやりな、みんな」

名言③「皆よく見とどけよ!…」

巨大化したシシ神の前に恐怖を感じるのは当然の事ですが、エボシ御前は自ら先頭に立って戦うという気概を見せる名言を言い放ちます。真のリーダーの器であるエボシ御前に触発された仲間は共に戦おうとするのです。

「皆よく見とどけよ! 神殺しがいかなるものなのか。シシ神は死をもつかさどる神だ! おびえておくれをとるな!」

名言④「こわいのは…」

謀略策略の中でタタラ場を率いているエボシ御前は、ジコ坊のように羊の皮を被った狼タイプ人間の方が怖いのを十分に理解しています。この名言を現代風に置き換えると、人の善意に付け込んだ振り込め詐欺などは人間の怖さを露わにしています。

「こわいのはもののけより人間のほうだからね」

名言⑤「賢しらに僅かな不運…」

人身売買の末に倭寇の妻となり、夫を殺害するという壮絶な背景があるエボシ御前は、呪いがかけられた右腕をタタラ場の人々に安易に見せたアシタカの行為に腹を立て発した名言なのでしょうか?

「賢しらに僅かな不運を見せびらかすな。」

エボシ御前には代役がいた?

代役声優は島本須美

田中裕子さんのエボシ御前は見事にマッチしていたのですが、「もののけ姫」のアフレコ前にはエボシ御前を演じる自信がなかったようです。代役として、ジプリ作品になじみがあるベテラン声優・島本須美さんが候補にあがっていたようです。ちなみに島本須美さんは、タタラ場の女衆のリーダーおトキ役を演じています。

エボシ御前の声優は田中裕子

田中裕子のプロフィール

女優としての功績が認められ、2010年に紫綬褒章受章した田中裕子さんは、1979年のNHK連続テレビ小説「マー姉ちゃん」で主人公の妹役として女優デビューしています。その後、映画やテレビドラマで注目されるようになります。1983年のNHK連続テレビ小説「おしん」で主人公を演じた田中裕さんは、日本だけでなく「おしん」が放送されていたアジアやイスラム圏を中心として世界にも知られるようになります。

田中裕子の出演作品

「マー姉ちゃん」「おしん」以外にもNHK連続テレビ小説と縁がある田中裕子さんは、「わがば」「まれ」にもメインキャストの一人として出演しています。1979年にデビューしてから間もなく、1981年の映画「ええじゃないか」「北斎漫画」で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、新人俳優賞を受賞しています。

1983年の「おしん」が大ヒットした同年の映画「天城越え」で、モントリオール世界映画祭主演女優賞を受賞しています。近年では、映画「いつか読書する日」「火火」やテレビドラマ「Mother」なので、テレビ映画関連の賞を受賞しています。アニメでは「もののけ姫」だけでなく、2006年のジプリアニメ「ゲド戦記」にも声優として出演しています。

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エボシ御前のモデルとは?

エボシ御前のモデルは立烏帽子

エボシ御前のモデルとされる立烏帽子(たてえぼし)は、日本の伝承上の魔王の娘です。父・第六天魔王の命で立烏帽子は、神国日本を魔国にするために鈴鹿山へ天下ってきます。立烏帽子を討伐しに現れた田村将軍は観音の系譜であり、立烏帽子と似たような目的があったようです。

いつしか日本を守護しようとする考えになった田村将軍に、立烏帽子は一目惚れし改心します。二人は夫婦となり、共に日本を守護したと伝えられています。立烏帽子は基本的には愛情深い女性のようで、クールなエボシ御前にも反映されているようです。

エボシ御前に関する感想や評価は?

歌舞伎版「風の谷のナウシカ」をやるのなら、次は歌舞伎版「もののけ姫」を期待してしまいます。日本が舞台の「もののけ姫」の方が、歌舞伎にはマッチしそうな気がします。歌舞伎映えしそうなエボシ御前を見てみたいものです。

現代と比べ女性の選択肢が皆無だった「もののけ姫」の舞台となった室町時代において、タタラ場で働く彼女たちは力強く生き生きとしています。これこそが人間のあるべき姿なのでしょう。そんな当たり前のことを実現したエボシ御前は、理想のリーダーだと言えるでしょう。

エボシ御前のように、女性でありながら男前なキャラは数多く存在しています。しかし、田中裕子さんよる静寂の中に在る情念のこもった演技で、エボシ御前の奥深さが増し観る者のハートを掴んでいるのでしょう。

エボシ御前の裏設定や声優・名言まとめ

エボシ御前について迫ってみましたがいかがだったでしょうか。波乱万丈すぎるエボシ御前の過去や、裏設定だけで映画が一本制作できそうです。アシタカやサンの行方に目がいきがちになる「もののけ姫」ですが、魅力的でカッコいい謎めいたエボシ御前にも是日注目してください。

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