2019年03月12日公開
2019年03月12日更新
アニマトリックスのあらすじと感想は?9つのオムニバスアニメをネタバレ解説
映画マトリックスの世界観を補完する作品として制作されたアニメ、それがアニマトリックスです。紛れもない公式が制作したアニメで、マトリックスの世界での歴史をより深く理解するには映画3部作に合わせてアニマトリックスも視聴しておくのがおすすめです。今回はアニマトリックスのあらすじをそれぞれネタバレありで結末まで紹介しつつ、触れているネタについて解説、既に視聴した人の感想も合わせて紹介していきます。
目次
アニマトリックスとは?
アニマトリックスの映画作品情報
アニマトリックスは映画マトリックスシリーズの第1作「マトリックス」と第2作「マトリックスリローデッド」の間に制作されたオリジナルアニメです。今で言う所のOVAアニメですが、映画だけでは補完、解説しきれないマトリックスの世界観、マトリックス世界の歴史などを解説する意味も含めた9つのエピソードが詰め合わされたオムニバス形式の作品になっています。
このアニメの制作には多数の日本人作家が関わり、日本のアニメ制作スタジオで制作が行われた作品もあります。これはマトリックスシリーズの監督であるウォシャウスキー兄弟が日本のアニメから多大な影響を受けたからだと言われています。
アニマトリックスの予告編動画
アニマトリックスは既に公開から10年以上経過された作品ですが、今でもその予告編をYoutubeで確認する事ができます。公開されているのは英語版だけですが、どのような内容かは十分に伝わる予告編なのでぜひ確認してみてください。
アニマトリックスの映画あらすじをネタバレ解説
あらすじネタバレ:ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス
アニマトリックス1つ目のエピソードがファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリスです。オシリス号という船を舞台にマトリックス世界への侵入方法などが語られるエピソードになっています。このエピソードで登場するのがサディアスとジュエという2人です。2人はオシリス号の乗組員で、仮想空間の道場で訓練をしていました。時間が来て現実世界に戻ると船が機械側の兵器であるセンティネルに迫っていました。
急ぎ逃走を図るオシリス号でしたが、逃げた先で見つけたのはザイオンに向かうセンティネルの群れでした。この頃の人間の後頭部には機械によって埋め込まれたソケットがありそこにプラグを差し込む事で仮想世界に入る事ができます。ジュエがザイオンに迫る危機を仮想世界経由でザイオンに伝える為に仮想空間に旅立ちます。
このエピソードで分かる事はあくまでも仮想世界に行くのは意識だけで肉体はその場に残る事、そして肉体が滅びてしまうと意識も途切れてしまう事でした。ジュエは警告を伝える事には成功しますが、その間にオシリス号がセンティネルに襲われてしまっていました。サディアスを初めオシリス号の乗組員は応戦しますが徐々に侵食されてしまいます。このエピソードの結末は仮想世界にいたジュエが突然倒れてしまう形です。
あらすじネタバレ:セカンド・ルネッサンス パート1
アニマトリックス2つ目と3つ目のエピソードはアニマトリックスの中で唯一前後編になっているセカンド・ルネッサンスです。このエピソードでは映画「マトリックス」の時点で既に機械に支配されていた人間という構図がどのような構図で生まれたのか、その歴史を解説する形になっています。パート1では人間と機械が対立するまでが描かれています。
そもそも人間達は技術が進み、意識を持ったロボットを作れるようになっていました。人間達は意識を持ったロボットを奴隷として酷使していきます。事件はそんなロボットの一体「B1-66ER」があまりの労働環境に耐えかねて主人を殺してしまった事から始まりました。この事件をきっかけにロボットを危険視した人間達により世界中でロボットを追放する運動が起こり始めます。
廃棄された機械達は自分達の国である01(ゼロワン)を建国、人間達が作るよりも精巧な製品を売り込んで繁栄していきます。その結果、ゼロワンは人間よりも優れた経済力を手にしました。再び危機感を募らせた人間はゼロワンに経済封鎖を敷きます。ゼロワンが代表者を国連に派遣し、加盟を求めましたがそれも認めませんでした。そこまでされてもゼロワンは人間との協調関係を望みましたが人間はそれを決して認めませんでした。
あらすじネタバレ:セカンド・ルネッサンスパート2
セカンド・ルネッサンスパート2ではいよいよ機械と人間による戦争が始まります。間違えてはいけないのはこの戦争、人間側から起こしたという事です。戦いは長期化し、人類は太陽光をエネルギー源とするロボットを停止させるべく、最後の手段として「ダーク・ストーム」作戦を決行します。この作戦は核を打って空を覆う事で太陽光が届かないようにするという作戦でした。
作戦は決行され地球は空を黒煙が多い太陽光が届かなくなりました。しかしロボット達は人間を動力源とする装置を作り戦争を継続、戦争の結末はロボット側の勝利に終わりました。そうして映画第1作「マトリックス」で描かれたようなロボットが動力源とする為に人間を活かす世界が生まれたのです。
あらすじネタバレ:キッズ・ストーリー
アニマトリックス4つ目のエピソードはキッズ・ストーリーと呼ばれるエピソードで、リローデッド以降活躍する事になるキッドを主人公とした作品です。キッドはとある出来事からこの世界が現実世界ではないのではないかという感覚を覚えます。ネットでそれを問いかけた所答えたのがトリニティーでした。
出典: https://coub.com
キッドはトリニティーとのやり取りを続けながらも日常に戻っていました。授業中突然携帯が鳴ってしまい教師から注意を受けるキッドでしたが、電源を切っても再度電話が鳴りました。惹きつけられるように電話に出たキッド、相手はネオでした。「バレた、逃げろ」というネオの言葉が示すように学校にはトリニティとの接触を疑ったエージェントが訪れていました。キッドは学校中を逃げ回る事になります。
数日後、キッドの葬式が行われていました。教師を初めキッドを知る者は精神のバランスを崩していたと語ります。しかしそれは真実ではありません。このエピソードの結末は現実世界のトリニティとネオの元に自力で辿り着いたキッドの姿を描く形で終わっています。
あらすじネタバレ:プログラム
アニマトリックス5つ目のエピソードはプログラムというエピソードです。このエピソードは戦国時代という設定の訓練プログラムの中で行われます。女武将となったシズは敵対者であるデュオと交戦します。交戦中デュオはシズを一緒にマトリックスに戻らないかと誘います。シズはデュオに惹かれていたので迷いましたがそれを拒否します。
拒否されたデュオはシズを殺そうとします。シズは仮想世界の中で必死に逃げ回ります。刀を折られたシズは真剣白刃取りの要領でデュオの刀を捕まえてデュオの喉元を刺しました。デュオは息絶えるその瞬間までシズとマトリックスに戻る事を望んでいましたが、シズは最後までそれを拒否し続けます。
このエピソードの結末はシズが現実世界に戻ってから行われます。シズのトレーニングを担当していたトレーナーから「デュオはシズの気持ちを試すプログラムだった」と明かされ合格を言い渡されるのです。非情なやり方をするトレーナーをシズは素手で殴り倒してしまいました。
あらすじネタバレ:ワールド・レコード
アニマトリックス6つ目のエピソードはワールド・レコードというエピソードです。このエピソードではマトリックス世界から目覚めてしまうきっかけの1つとなる出来事が描かれます。このエピソードの主人公ダンは陸上の選手でした。世界記録を記録するほどの偉大な選手でしたが、ドーピング疑惑で記録を抹消されてしまいます。
数年後再びレースで自分が正しかったことを証明しようとするダン。ダンは一度転倒しながらも最初のレースの記録をも上回る記録をマークします。しかしそれはマトリックスの世界の限界に触れた為でもありました。結果としてダンはエージェントによって廃人同様にされてしまい、目覚める事が出来ないように現実世界の肉体にも苦痛が与えられました。マトリックス世界の闇を描いた結末となるエピソードです。
アニマトリックスの映画結末をネタバレ解説
結末ネタバレ:ビヨンド
アニマトリックス7つ目のエピソードはビヨンドというエピソードです。アニマトリックス自体の多くのエピソードが日本制作である事を象徴したエピソードで舞台はマトリックス世界の中での東京の下町を模した場所となっています。同時にマトリックス内のバグを描いたエピソードにもなっています。
主人公の陽子は逃げ出してしまった飼い猫のユキを探し回っていました。そこで出会った子供達に「お化け屋敷」と呼ばれる場所に案内されます。そこは非日常的な空間となっており、重力も無く、子供達が割ったガラス瓶がすぐに元に戻るなどの不思議な現象が起こっていました。ユキをそのお化け屋敷の中で見つける事が出来た陽子でしたが、そこに害虫駆除と称して大人たちが入ってきます。その中にはエージェントも混ざっていました。
数日後、陽子が子供達と一緒に再びお化け屋敷を訪れるとそこは工事現場に変わっていました。中を覗き込んでも起こっていた非日常的な現象はすっかり起こらなくなっていました。重力も元通りになっており、缶の蓋で指を切ってしまった陽子の血も缶の蓋も地面に落下する形でエピソードが締めくくられています。
結末ネタバレ:ディテクティブ・ストーリー
アニマトリックス8つ目のエピソードはディテクティブ・ストーリーです。このエピソードの主人公アシュは探偵として働いていましたがあまり仕事に恵まれていませんでした。そこに天才ハッカートリニティを探してほしいという依頼が舞い込みます。元々ハッカー探しを得意としていたアシュはすぐにトリニティの足取りを掴みトリニティと接触する事に成功します。
トリニティは自力で自分の元に辿り着いたアシュを仲間に引き入れようとしますが、それはコンピュータのし掛けた罠でした。列車の乗客は皆エージェントに身体を乗っ取られ銃撃戦が始まってしまうのです。さらにアシュまでエージェントに身体を乗っ取られかけてしまったのでトリニティはアシュを諦め1人脱出を図ります。それをサポートしたのがアシュでした。実はアシュはマトリックスの存在にも気づいていたのです。
結末ネタバレ:マトリキュレーテッド
アニマトリックス最後のエピソードはマトリキュレーテッドです。本編でも描かれていない1個体の機械視点の物語です。現実世界の一角にある小さな人間の砦がありました。そこの人間達はマシンを生け捕りにして寝返らせる事で戦力としていました。寝返らせる方法としてはマシンの意識の中にダイブして友好関係を築く事です。
砦のメンバーの1人であるアレクサがマシンの生け捕りに成功し、寝返らせた結果マシンはアレクサに好意を持ちました。しかしそのマシンには発信機が取り付けられており、機械側に基地の場所がバレてしまいます。そこにセンティネルが侵入、人間達は寝返られたマシンを全て起動してこの襲撃に応戦しますがアレクサの仲間は次々殺されてしまいます。
マシンはアレクサを助けますがその時に残っていたのはもうマシンとアレクサだけでした。マシンはアレクサを電脳世界に導き2人の世界を楽しもうとしますが、アレクサはマシンを拒んでしまいます。このエピソードの結末はアレクサから拒否された事でショックを受けたマシンがそっとアレクサの元から去る形です。マトリックス世界における機械と人間の関係を逆転したような世界観のエピソードになっています。
アニマトリックスの登場人物・キャスト
トリニティ/キャリー=アン・モス
映画第1作から登場しているシリーズ通してのヒロインがトリニティです。アニマトリックスでは「キッズ・ストーリー」「ディテクティブ・ストーリー」で実際に登場する他、他のエピソードでも伝説のハッカーとして名前が度々登場しています。アニマトリックスはアニメですが、実際にトリニティ役を演じたキャリー=アン・モスさんがそのまま声優を務めています。
ネオ/キアヌ・リーヴス
映画マトリックスシリーズ通しての主人公といえるのが救世主と呼ばれるネオです。アニマトリックスでは「キッズ・ストーリー」で登場している他、名前だけは他のエピソードでも登場します。トリニティと同じく声優は実際にネオ役を演じているキアヌ・リーブスさんが担当しています。
サディアス/ケヴィン・マイケル・リチャードソン
アニマトリックス最初のエピソード「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」で登場したキャラクターがサディアスです。オシリス号のリーダー格でジュエを電脳世界に送り出してジュエの身体を守るべくセンティネルと交戦しました。映画本編には登場していないキャラクターで、声優はケヴィン・マイケル・リチャードソンさんが担当しています。
アニマトリックスに関する感想や評価は?
ここからは既にアニマトリックスを視聴した人の感想を紹介していきます。現在こそ珍しくはないOVA作品という事もあって映画マトリックス3部作に比べれば知名度の低い作品ではありますが、アニメ独特の表現やそれまであまり行われてこなかった表現方法を積極的に取り入れた挑戦的作品として今でも多くの感想を集めています。
アニマトリックスはたくさんのクリエイターさんが集まって作ったものだから10作品くらいはあったはず
— こはく (@Amber_Lily_42) February 26, 2019
どれも短編で、あんまりセリフはないけれどすごい
元々アニマトリックス自体が公開された時点では映画第1作「マトリックス」と第2作「マトリックスリローデッド」の間だった事もありそのあらすじ、世界観を補完、解説するような内容のエピソードも多く、その事にふれる感想が多いです。マトリックスが好きならぜひ抑えるべきだとする感想も見られます。
皆さんどうせ一生観ないと思いますが、アニマトリックスのビヨンドってエピソードがマトリックスの世界を巧みに表現してて面白いんすよ。他にもキッズストーリーだの実験的な作品が揃っていて見応えあるんすけどね…
— うたまろ (@NFFY_martin) January 26, 2019
またそれぞれのエピソード毎に異なる表現方法を取り入れる形で様々な事に挑戦している事からその解説的な内容はもちろん表現にも注目して見てほしいという感想も多いです。それぞれのエピソードのあらすじの結末を楽しむというよりもマトリックスの世界観により浸る為の作品だとする感想も見られます。
アニマトリックスの映画ネタバレまとめ
出典: https://coub.com
アニマトリックスは世界を騒然させたマトリックスの世界観を補完、解説する作品として作られたオムニバス形式のアニメ作品です。OVAという形式だった為に知名度自体は映画のマトリックス3部作に比べれば低い物の、マトリックスの世界観が好きならぜひ抑えるべきだとする感想を多く集める作品でもあります。
マトリックスを視聴した事があるという人でもアニマトリックスを見た後に視聴すればより深くマトリックスの世界を楽しむ事が出来るという感想も多い作品なのでまだ視聴していないという人はぜひ1度視聴してみてはいかがでしょうか?