【ハンターハンター】ネオン＝ノストラードの最期は？死亡の理由やその後を考察

漫画『ハンターハンター』は漫画家・冨樫義博の代表作で、1998年に『週刊少年ジャンプ』で連載を開始、『ONE PIECE』に次ぐ長期連載記録を誇っています。生まれてから見たことのない父を探して主人公のゴンがハンターとなり、ざまざまな試練を乗り越えて成長していく姿を描いたスペクタクル冒険アニメです。

残酷な描写やストーリー展開が多いことでも知られるハンターハンターですが、少年漫画の枠を超えて物語は細部にいたるまで精緻に作りこまれていて、複雑なキャラクター設定や独自の世界観を持っています。そのためイラストだけでは説明に限界があるのか文章での説明が多くなっているのが特徴です。また読者のために公式の解説ブックまで用意されています。

ネオン＝ノストラードは「ノストラードファミリー」のボス、ライト・ノストラードの娘で10代後半のかわいい少女です。マフィアに多数の客を持つ占い師でもあります。ハンターハンター「ヨークシン編」に登場、自動書記により他人の未来を詩として表わす特質系能力を持っています。かわいい容姿とは裏腹にダルツォルネやバショウら厳つい護衛団を振り回すほどのわがまま振りを発揮します。

これは単にボスの娘だからというだけではなく、ネオン＝ノストラードの能力がなければファミリーの存続が危うくなるというお家事情から相当甘やかされて育てられた影響が大きいと考えられます。一方で恋人を失い悲嘆にくれるエリザを思いやり、自分の気持ちを抑えて屋敷に戻ることを選ぶなど優しい一面もあります。そんなかわいいだけでないところが多くのファンから熱い支持を集める要因となっているのでしょう。

とてもかわいいネオン＝ノストラードですが、性格は相当わがままなようです。父親がファミリーのボスということもあり、幼いころから何不自由ない環境の中で欲しいものは何でも与えられるなどかなり甘やかして育てられてきたのでしょう。とくに物欲はとても強く、なかでも”緋の眼”など人の身体に強い執着心を示します。
 

かわいいネオン＝ノストラードの特筆すべきもう一つの特徴が、人の死に対して無関心な点です。長年彼女のボディガードを務めてきたダルツォルネが幻影旅団に殺されたと聞いた時も悲しむでもなく平然としていました。それよりもオークションに出品されたミイラが手に入らないことにやきもきしており、それを見たクラピカも驚いたほどです。

皆に愛されているかわいいネオン＝ノストラードですから、もちろん悪いところばかりではありません。上でも述べたとおり、エリザの恋人騒動の時には女性ならではの優しさや気づかいを見ることができました。

かわいい見た目と時折垣間見せる優しさにファンはメロメロ！決してメインキャラではないのにファンの多さでは突出しているかわいいネオン＝ノストラード。人の死にキョトンとしている彼女の性格もファンの目にはかわいいと映るのではないでしょうか。

かわいいネオン＝ノストラードにはかなり変わった趣味がありました。それは人間の身体を収集するという趣味でした。一般人からするとちょっと引いてしまう趣味です。マフィアのボスの娘という血がそうさせるのでしょうか？かわいいネオン＝ノストラードのこの趣味にかかる経費はしだいに膨れ上がり、それがファミリーの破産につながったと見る向きもあるぐらいです。

収集活動の延長でネオン＝ノストラードは「緋の目」にも興味を持つようになります。そして趣味のコレクションを増やすため、ネオンは増員した護衛団を従えてヨークシンシティのオークションへと向かうことになります。

かわいいネオン＝ノストラードはコレクションの収集のためヨークシンシティへ向かいますが、そこでクロロに出会います。クロロの未来を予言しようとしたのが運の尽き、クロロに自動筆記（ラブリーゴーストライター）の能力を奪われてしまうことになります。

クロロの「盗賊の極意（スキルハンター）」は、ある条件を満たすと元の能力保持者の念能力を本に取り込み盗むことができる能力です。能力を盗まれた者はその能力を使えなくなりますので、ネオンもそれ以降この大切な念能力を発動することができなくなりました。彼女の実家ノストラードファミリーもその恩恵にあずかることができなくなり大打撃をこうむってしまうのでした。

クロロを占った時に初めて白日のもとにさらされたネオン＝ノストラードの念能力。奇妙な生物が現れて自動筆記をおこなう驚くべき様子が描かれていました。機を織る鶴の姿を目にした老夫婦の昔話しを思い起こさせる光景でした。改めてすごい能力だと感銘を受けた方も多かったのではないでしょうか。

読者の人気ランキングで常に上位に位置するかわいいネオン＝ノストラード。ファンはその後「ネオンが死んだ」という衝撃的な展開に直面することになります。それはハンターハンター377話のことでした。幻影旅団の団長クロロの手帳から何とネオンの念能力が消えていたのです。

クロロの「盗賊の極意（スキルハンター）」は元の持ち主が死んだ場合、能力が本から消えてなくなることになっています。ネオンの能力が本から消えたということは、元の持ち主であるかわいいネオンが死んだということになるのです。クロロが自分で能力を消したのではなく自然消滅してしまったと言っていたこともネオン死亡説を有力にしています。

ここからは、ハンターハンターの重要なキャラのひとりネオン＝ノストラードがその後死んだと言われているのを前提に死亡の理由について考えてみることにしましょう。

ネオン＝ノストラードがその後死んだ理由、まず考えられるのは自ら命を絶ったという自殺説です。しかしこの説で死んだ理由を説明するのには無理があります。未来を占う念能力を失ったからと言ってそれが命を絶つほど彼女にショックを与えるとは思えないからです。なにしろネオンの生きがいは占いではなくあくまで人体を収集することでしたから。

事実念能力を失った時も取り乱していたのはネオンよりもむしろ父親のライトの方でした。父のライトにとっては、彼女の能力を失うことは飯のタネであるファミリーの力を失うことになり死活問題でした。いままでネオンの望むものを何でも与え、わがまま放題を許してきたのもひとえに彼女の能力のためでした。

あるいはネオンは今までの来し方と行く末を考えたのかも知れません。上で述べたようなことを彼女自身理解したのです。この念能力がなくなれば今までのように好き勝手に振舞うこともできなくなる、好きな人体収集も叶わなくなるかもしれないと絶望したのかも知れません。

さらには、このような邪念で頭が一杯になり精神的に追い込まれ、ストレスから体調を崩して死んだとか…。しかし、いずれもそれまでの天真爛漫なネオンを見る限り可能性としては低いと言わざるをえません。やはり自殺で死んだ線は弱いと考えられます。

ネオン死亡の原因、次の容疑者は何と父親です。ファミリーのドン、ライト＝ノストラードは最初は小さな組だったファミリーをネオンの念能力を使って一大組織にまでたたき上げた人物です。娘のために競売にかけられた「緋の眼」を29億も出して手に入れますが、それもその後十分に元が取り戻せると踏んでのことでした。ネオンを大切にするのも娘を愛していたというより娘の能力を愛していたという方が正確かも知れません。

ネオンがクロロに能力を盗まれたときには、父ライトの取り乱しようは尋常ではありませんでした。なにしろファミリーの大切な収入源を失ってしまったのですから。周りの物に当たり散らして部屋は散らかり放題、クラピカもとんだとばっちりを受けてしまいます。

そんな状態の父ライトであれば、能力を失って役に立たなくなった娘に今までの鬱憤もあり勢いあまって死亡させてしまったり、思い詰めて心中を図り死んだりすることも十分に考えられることではあります。しかし役に立っとは言え一粒種の娘に手をかけるのには無理があります。ネオンがその後死んだ理由として父親の線もやはり弱いと言えるでしょう。

ネオンがその後死亡した理由、続いてはクラピカに殺されたです。クラピカは緋の目を取り戻すため、緋の目を手に入れたネオンに接近します。345話でクラピカはこう言っています。『「死んでも渡さない」と言った奴が二人いたがどちらも死ぬ事なく心変わりしたよ』。頑固なネオンのことですから、クラピカから緋の目をよこすよう脅されたとしても「死んでも渡さない」と拒んだことでしょう。

クラピカにはネオンがその後死んだことに関わった動機が十分あることになります。しかし彼の言葉をよく見ると「死ぬ事なく心変わりした」と言っています。また、過去にクラピカが緋の目を取り戻すために取った手段は「おどし、すかし、金を渡す」の3つに限られ、殺害はしていません。動機は十分にあったもののクラピカがネオン死亡に関与した可能性は低いのではないでしょうか。

次なるネオン死亡に関わる容疑者はヒソカ＝モロウです。まずヒソカはネオンが「天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)」の持ち主であることを幻影旅団団長クロロから聞いて知っていました。また目下（もっか）のヒソカの使命は幻影旅団のメンバーを残らず倒すことでした。

ハンターハンターの戦いは情報戦と言ってもよいくらいで、相手の能力や体調などの情報を知っているか否かが勝敗を分けるカギとなります。未来のことを正確に言い当てられる自動筆記の能力はハンターにとって脅威となります。その能力が最大の敵、クロロの手にあることはヒソカにとってどうしても解決しておきたい事柄だったのではないでしょうか。

クロロから自動筆記の能力を奪い去ること、それがこの時点でヒソカの最優先課題だったと考えられます。クロロの能力「盗賊の極意」の特徴というより弱点といえるのが、元の持ち主が死んだ場合には能力が消え使えなくなるというものでした。このことを知っていたヒソカの頭に浮かんだクロロから能力を奪うための方法とは、言うまでもなくネオンを殺すことになります。

しかも、ヒソカにとっては護衛と言ってもたかがマフィア、ネオンを殺すのは赤子の手でもひねるように容易いことでしょう。こうしたことから考えるとヒソカの容疑は濃厚と言わざるを得ません。

ネオン＝ノストラードが死んだ理由、最後の説は作者の富樫先生が物語のストーリー展開の都合から彼女を亡き者にしてしまったというものです。ネオンの念能力「天使の自動筆記」がハンターの戦いにおける影響力が強過ぎて面白くなくなってしまう恐れをはらんでいます。「過ぎたるは…」ということわざを待つまでもなく何事も「過ぎる」のは良くないことです。

クロロがネオンの能力を手にしている以上、ヒソカがどんなことをしても幻影旅団を倒すことはできません。今後だれも幻影旅団の暴走を止めることができなくなってしまいます。それでは自ら物語の展開に足かせをはめてしまうようなもの。そんな状況に陥るのを富樫先生は避けたかったのではないでしょうか。

そこで物語の展開にドキドキ感を出し面白くするために、力のバランスを維持する調整役として作者自らが乗り出し、ネオンを退場させてしまったのではないかと考えられるのです。

ここで改めてネオンの念能力について考えてみましょう。ネオンの念能力は「特質系」と呼ばれるものです。念能力者を持つに至った彼女は、特別な修行を受けたわけではありません。なにしろネオンは念能力のことを全く知りませんでしたし、自身に念能力があるという自覚も持っていませんでした。クロロに能力を奪われたときも父のライトが真っ青になっていましたが、ネオン本人は何食わぬ顔で心を乱すこともありませんでした。

このように「特質系」念能力者の特徴として、まず無自覚であることがあげられます。そしてこの能力は修行などで取得することは絶対に不可能とされ、先天的に特質系の性質に生まれついたか何らかのきっかけにより後天的に能力が特質系に変化するかのいずれかとされています。ネオンの場合には「銀河の母」という占い師に出会ったことが漫画で紹介されていました。これが彼女の念能力発動のきっかけとなったと考えられます。

ネオンの念能力は「天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)」と呼ばれるものです。これは自動筆記で他人の未来を占うことができる能力で、占い結果は四行詩という形式で書き出されます。 この占いをするのに必要なのは、予言を書き込む用紙に相手の姓名、生年月日そして血液型を記入してもらい、本人もしくは本人の写った写真を目の前にして見ることです。

また、予言の内容は占いを行った本人の記憶には残りません。仮に予言の四行詩を読んだところで抽象的な暗喩のため意味を理解するのは困難で推測の域を出ないのが実情です。ネオンは「占い結果に自身が関与しないほうがよく当たる」ことからあえて四行詩を見ないことにしているようです。

ここからはネオンの父が組織したノストラードファミリーについて紹介していきます。趣味の人体収集癖からヨークシンシティへと出かけたネオン＝ノストラード。そこで幻影旅団の襲撃を受け団長のクロロに命より大切な？念能力を奪われてしまいます。そのため占いは封印せざるを得ず、ノストラードファミリーは貴重な収入源を失うと言った設立以来の危機に直面することになります。

その後のグリードアイランド編では、ネオンの能力が失われてしまったことやそのために父ライト＝ノストラードがファミリー運営に頭を悩ませて精神を病んでしまった姿が描写されていました。ネオンの大切な能力ですが、クロロが自主的に返してくれない限り使うことはできません。事実上ネオンやファミリーにはなすすべのない状況でした。

ライト＝ノストラードが片田舎の小さな組からはじめたノストラードファミリー。不動のボスの座を占めてきたライトにも異変が起こります。娘ネオンが予言能力を失うとファミリーの将来を案じて精神を病んでしまいます。そんなライトに代わり台頭してきたのが若頭のクラピカでした。

暗黒大陸編に入ると若きエース・クラピカが、事実上ノストラードファミリーのボスに就きファミリーを牛耳ります。クラピカは傾きかけたファミリーを立て直すため大ナタを振るいました。収入源をネオンに頼った占いから適法な賭博と要人警護にシフト、ケチることなく税金も納めるなど黒いイメージを払拭し出直していきました。この時点で創業者ライトと娘のネオンは行方知れずに。

ハンターハンター第1作でネオン＝ノストラードの声を担当したのは前川優子。彼女は1971年10月8日大阪に生まれた声優です。当初芸能事務所メディアフォースに所属しますが、その後フリーとなり現在に至っています。youtubeなどのコンテンツでもおなじみの声優さんです。1995年テレビアニメ「愛天使伝説ウェディングピーチ」で声優デビューを飾りました。

声優としての代表作は、今回紹介しているハンターハンターのネオン＝ノストラード役やカルト＝ゾルディック役です。芸歴20年のベテランとなる前川は、アニメ声優に止まらずゲームやラジオ番組出演など活躍の幅を広げています。

ハンターハンター第2作でのネオン＝ノストラードの声は植田佳奈が務めました。彼女は1980年6月9日奈良県生まれで大阪育ちの声優、歌手、ナレーターです。芸能事務所アイムエンタープライズに所属しています。タカラジェンヌに憧れていた彼女は、小学生の時には宝塚音楽学校予備校に通っていたと言います。その後2001年にトーキョーN◎VAのドラマCD「ナイフエッジ」で声優デビューします。

テレビアニメ『サイボーグ009』で初レギュラーを獲得し「FF：U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜」ではテーマ曲を歌い歌手デビューを飾りました。百合キャラの声を数多く担当していることから「百合四天王」とも呼ばれることもあります。

ゲーム好きとしても知られ、特にボードゲームの「麻雀」に寝食を忘れるほどハマっており、それが縁で麻雀をテーマとしたアニメ「咲」の主役に抜擢されることになります。好きが高じて自宅には雀卓まであるとか。出演した作品は数多く、ここに列記しきれないほどです。特定のキャラに限定することなくオールラウンドに活躍する声優さんです。

「見た目は可愛いけど性格が悪いから嫌い」と言ってしまうのは簡単ですが、それでは表面的な見方でしかないという感想です。過保護で育てられ幼児期から成長できていない10代の少女、ネオン。父親とか他者の都合で弄（もてあそ）ばれている、ある意味可哀そうな女性です。

この記事でも紹介したネオンが死亡した理由が気になるという感想が多かったです。公式には明らかにされていませんから、なおさら想像が膨らむのかも知れません。④の実は生きていた！となることを期待している方も多いことでしょう。

かなり面白い見方です。ネオンが父ライトの知り合いということで占った顧客には世界的な要人が含まれていたというのです。こうなると占いの内容も知りたくなるところです。

ここまで「ネオン＝ノストラードの最期は？死亡の理由やその後を考察」と題してネオン＝ノストラードを中心に彼女の念能力や死亡理由の考察、さらにはノストラードファミリーのその後などを解説してきました。この記事が複雑なキャラクター設定や独自の世界観を持つハンターハンターの”行間”に込められた意味を理解する一助になれば幸いです。