マギ・アリババがモルジアナと結婚！その正体はハニワだった？

マギは大高忍原作、週間少年サンデーで連載されていました。2017年に連載を終了し、漫画は全部で37巻発行されています。アラビアンナイトにちなんだ登場人物が多く登場し、古代の文明をモデルにしたファンタジー世界が舞台になっています。 「ルフ」と呼ばれる特殊な力を利用し、人々は魔法を使うことができます。また、「ダンジョン」と呼ばれる迷宮をクリアした者は攻略者として、金属器という強力な武器を手にします。

マギの壮大な世界観を読者と一緒に解き明かしてくれるのが主人公の一人、アラジンです。タイトルにもなっているマギという作中3人しか存在しないという特殊な立場で、もう一人のメインキャラクターであるアラジンを信頼し、支える人物です。アラジン、アリババ、モルジアナを加えた3人の時にコミカルなやりとりは作中に笑いを与えてくれます。原作漫画はとても人気で、二度アニメ化されとても話題になりました。

マギの作中でも屈指の実力者であり、また謎も多いシンドバットを中心としたスピンオフ作品です。マギの本編の主人公であるアラジンやアリババに多大な影響を与え、ストーリー的にも最重要人物であるシンドバット。彼の幼少期から「七海の覇王」と呼ばれるに至るまでにスポットをあてたスピンオフです。アニメ化もされ、謎多きシンドバットを掘り下げることでマギの本編に更なる深みを与えています。

マギの主人公アラジンと最初に出会い、仲間になるアリババ。本名はアリババ・サル―ジャという名前です。バルバット王国出身で、父は前バルバット王です。つまり、アリババは王族出身でした。初登場時は16才で、まだ少年ぽっさが残る容姿をしています。身長は168cm、体重は64㎏で王宮剣術や火の魔法を使う「アモン」という金属器を使って戦います。

マギの主要人物であり、16歳の少年らしく一攫千金をねらいモテたいという願望をもつアリババ。作中幾度か大金を手にした際はアラジンと一緒にきれいな女性がたくさんいるお店に足を運びます。お店でナンバーワンのホステスを要求しますが、接待してくれたのは屈強な肉体をもつホステスでした。もみくちゃにされボロボロになった姿は、マギのシリアスなストーリー展開の中に笑いを添えてくれます。

マギの作中で、アリババの成長に大きな影響を与えた人物が彼の幼馴染である友人・カシムの存在です。幼少期を貧民街で一緒に過ごし、アリババのよき悪友であり、家族のような存在であったカシム。再会し、行動を共にしますが、出自、運命に対する考え方の違いなどから二人は袂をわかちます。和解はできましたが、アリババはカシムと悲しい最期を迎えてしまいます。この出来事はアリババの後の成長に大きく影響しました。

マギは連載開始時は16才だったアリババは終盤では22歳になります。初登場時のような幼さも残しつつ、作中終盤では成長した姿のアリババを見ることができます。アラジンに王の器として見いだされ、数々の戦闘や修行を経て成長し、暗黒大陸から帰還したアリババはとても頼もしい姿になっています。

紅梅色の髪と目尻が印象的なマギのヒロイン、モルジアナ。狩猟民族ファナリスの出身で、肉体強度は作中でもトップクラスです。公開されているプロフィールでは、趣味は筋トレ、とあることからも日々鍛錬を怠らない真面目な性格のようです。好きな食べ物は魚全般、嫌いな食べ物はトウモロコシです。好きなタイプについては「わかりません」と回答しています。

戦闘中は頼れるモルジアナ。本人も女の子扱いを好みません。マギはキャラクターの衣装もとても考えられていますが、モルジアナの衣装は常にシンプルです。ですが、シンドリア王国の謝肉宴（マハラガーン）では胸元が大きく開きへそ出しの踊り子衣装を身に着け、可憐な踊りを披露してくれました。原作でもアニメでも、この回でモルジアナを可愛い女の子と再認識した方も多いのではないでしょうか。

垂直の壁を駆け、数百体の猛獣を一発で吹き飛ばすほどの強靭な脚力をもつモルジアナ。また、嗅覚・腕力もすぐれ、その咆哮で猛獣の戦意を喪失させてしまうほど。そんなモルジアナの戦闘力を目の当たりにし、アリババはおののきます。しかし、戦闘を経て不遇だった奴隷身分から解放してくれたアリババに対してモルジアナは恩を感じます。旅に同行し、後にアリババの眷属になります。

金属器をもつアリババと、その主の力を受けて「眷属」になったモルジアナ。アリババに対して恩を感じているモルジアナはアリババを「守るべき大切な仲間」として誇りと意識を強くしていきます。物語中盤では信頼関係を作り、アリババとモルジアナの仲は良好ではありますが、まだ恋愛関係には至ってはいませんでした。

マギの作中でのアリババとモルジアナの最初の出会いはオアシス都市、チーシャンの街中でした。ジャミルという領主の奴隷だったモルジアナが大きな荷物を運んでいた際にぶつかってしまった出来事が二人のファーストコンタクトになります。このとき、モルジアナのアリババへの印象はわかりませんが、アリババは一目見てモルジアナのことを「可愛い」と思いました。

マギの物語序盤でモルジアナがシンドリアで開かれたお祭りで踊り子の衣装を着て躍るシーンが出てきます。普段の質素な服装ではなく美麗な衣装に身を包み、躍るモルジアナにアリババは素直に褒め言葉を投げかけます。それを聞いてモルジアナも嬉しそうに笑いますが、アリババが他の女性にも同じことを言っているのを聞いて地団太を踏みます。このエピソードからも、モルジアナがアリババに惹かれていることがわかります。

魔法を使って戦うという点ではアリババは優れていますが、単純な肉体強度ではファナリスであるモルジアナが圧倒的に上なのも特徴的です。そのことを象徴するように、マギのストーリー中にアリババがモルジアナにお姫様抱っこで運ばれるシーンが何度か出てきます。その際、アリババも「強者の腕に抱かれているような」という感想をもらしていることから、モルジアナのたくましさが伺えます。

マギの原作の第203夜ではアリババの仲間で、付き合っているオルバとトトが船上でイチャつき始めます。その様子にうらやましさが隠せません。そんな時にモルジアナに「大事な話がある」と切り出され、「告白ではないのか」と内心動揺が隠せないアリババ。モルジアナはアリババを慕う人もこれからどんどん増えるだろうと言います。しかし、当のアリババは「何を言っているのか全く頭に入ってこないぜ!」と話についていけません。

勘違いを加速させているアリババを余所に、モルジアナは「仲間が増えても自分をそばに置いてほしい」と懇願します。モルジアナにしてみれば従者としての願いを口にしたのかもしれませんが、その言葉を結婚のプロポーズと捉えたアリババ。「ずっとそばに居てほしい。これから先、何があってもおまえと一緒だ」と返します。その言葉に、モルジアナは「うれしい」と涙をこぼします。

マギの203夜ではモルジアナから結婚の申し出をされたと思い、彼女ができたと喜びを隠せないアリババ。次の話ではアリババはべったりとモルジアナにはりつきます。その距離の近さを注意するモルジアナに、恋人なら普通だと言うアリババですが、モルジアナは「一緒にいたいというのはあくまで眷属として」であり、結婚の約束ではないという衝撃の事実が告げられます。

勘違いしていた羞恥から発狂するアリババ。そんな様子をみて、モルジアナは自分がアリババに誤解を与えてしまったことを知り詫びます。アリババの醜態と対比して、モルジアナの冷静で大人な対応が印象的です。モルジアナは結婚するということがまだどういうものかわからないので、時間が欲しい、アリババのことは好きなので「待っていてほしい」と真摯な気持ちを伝えます。アリババは歓喜に震え、「待ってもいいよ」と返します。

マギの主人公格であるアリババですが、たびたび情けない姿をさらしています。魔装（金属器を武装した状態）は格好いいのに、戦闘時以外はモテないことを卑下したり、屈強なホステスにボロボロにされたり、ほぼギャグ担当になっています。そして、なんとマギの原作27巻ではハニワに変貌しています。アリババの正体はハニワだったのでしょうか?ファンの間ではハニワのアリババ、略して「ハニババ」とも呼ばれているようです。

なぜアリババはハニワになってしまったのでしょうか?それは、白龍の金属器べリアルの攻撃を頭に受け、アリババの精神が肉体から切り離されてしまったことに起因しています。切り離された精神が飛んでいった先の世界で、アリババはハニワになってしまいます。 魔法が使えない凡人レベルの戦闘力のジュダルに反して、ハニワ姿のアリババは剣術を極めており、ジュダルにも「今の俺より強い」と言わしめます。

もはや正体がハニワの方が納得できる頼りがいです。表情豊かだった人間の頃と一変して、ハニワの状態では全く表情が変わりません。同じ世界で出会った煌帝国のマギ、ジュダルに馬鹿にされても、首がもげても表情はコピペしたかのように一定です。飛ばされた世界が暗黒大陸の南端であると知り、元の世界に戻る方法があると知ると、ハニワ姿でも変わらない決意を語ります。姿が変わっても魂の正体は優しく強いアリババなのでした。

アリババの正体はハニワ説も出てしまうほどハニワ姿が堂に入っていましたが、正体はもちろんハニワではありません。何とかアリババは元の姿に戻ります。マギの開始当初の少年っぽさを残しつつ、背が伸び、世界の広さを知り肉体・精神的にも成長したアリババとして元の世界に戻ってきます。しかし、戻った先では世界の情勢は大きく変わり、一息つく暇もなく時に力を貸してくれたシンドバットと衝突することになります。

アリババが元の世界に戻った時にはマギの作中では3年という月日が流れており、彼の関係者には死亡したと思われていました。暗黒大陸から戻り、再会した人々には生きていたことを驚かれます。アリババ自身も平和になったように見える世界に戸惑いつつも、かつての仲間を探すために旅立ちます。その後、ルフに還ることをモルジアナを含むほぼ全ての人間が望むように仕組まれていることを知り、アリババは戦う意思を固めます。

マギの原作314夜では約三年ぶりにアラジンたちと再会したアリババが、チーシャンの酒場でモルジアナに結婚してほしいとプロポーズします。一度目はモルジアナから（勘違いでしたが）だったことを考えれば、アリババが行動を起こしたことに彼の精神的な成長を感じます。モルジアナを真っすぐに見つめ、本心からの「結婚してくれ。絶対に幸せにする」という、一時はハニワの姿になっていたとは思えない男らしさを感じる言葉です。

「結婚してくれ」というアリババの言葉に、モルジアナはファナリスの女性は二度、死ぬよりも悲しい思いをさせた男を許さないという風習があると前置きします。一度アリババの喪失に深い悲しみを覚えたモルジアナ。そんな辛い想いは二度とさせないと決意を語るアリババに、モルジアナは自分が死なせない、夫婦になりましょうと結びます。アリババもモルジアナも、成長し男気溢れる婚約の瞬間です。

アリババがモルジアナへのプロポーズを受け入れられるも、結婚式は騒動の終息がつくまで見送られることになります。落胆するアリババでしたが、復興事業にいそしみ、くたくたで家に帰ると、モルジアナの姿を目にして固まります。花嫁衣装に身を包んだモルジアナが目の前に現れ、言葉が出なくなるアリババ。アラジンや仲間の粋な計らいで、サプライズ的に結婚式が行われます。

一時は正体がハニワではと疑われたアリババですが、晴れてモルジアナと結婚し夫婦になりました。結婚後の二人の私生活も気になると話題です。マギの開始当初は男女が逆転したようなパワーバランスでしたが、成長した二人が結婚し、どう変わっていくのかもファンの気になる所でしょう。スピンオフや、アニメ化されていない原作の話もあります。今後何らかの形でマギの世界が描かれることに期待しましょう。