犬夜叉の映画のあらすじや見どころまとめ！登場キャラや公開の順番も紹介

『犬夜叉』は、1996年から2008年まで週刊少年サンデーで連載された漫画です。作者は『めぞん一刻』や『境界のRINNE』などで有名な高橋留美子さん。現代から戦国時代にタイムスリップした少女・日暮かごめが、人間と妖怪の間に生まれた半妖の少年・犬夜叉や仲間たちと、「四魂（しこん）の玉」という秘宝の欠片を探し旅をする戦国御伽草子です。四魂の玉を狙う妖怪とのバトルや、かごめと犬夜叉の恋愛模様が人気を集めました。

『犬夜叉』は、2度アニメ化されています。最初のアニメは2000年から放送開始され、原作に展開が追いついたことから2004年に放送終了しました。2度目のアニメ化は連載完結から1年後の2009年に行われ、『犬夜叉 完結編』として、2004年に終了したアニメの続きから完結までが描かれました。この他ゲーム化や、2000年と2017年には舞台化もされており、連載終了から10年たった今でも根強い人気のある作品です。

そんな『犬夜叉』は、今までで4作品の映画が公開されました。映画では本編エピソードの間にあった映画オリジナルのストーリーが描かれ、映画オリジナルのキャラクターや、映画でしか見ることのできない展開など、見どころ抜群の作品となっています。今回は、映画『犬夜叉』4作品のあらすじと登場キャラクター、見どころの紹介に加え、映画の公開された順番を紹介します！

『犬夜叉』の主人公である犬夜叉は、人間の母親と妖怪の父親の間に生まれた半妖の少年です。アニメでは、『名探偵コナン』の工藤新一や『ONEPIECE』のウソップ役で有名な声優の山口勝平さんが、犬夜叉を演じられています。

長い銀髪と犬耳に、赤い水干という特徴的な姿をしています。好戦的な性格で、口より先に手が出る乱暴者ですが、無意味な殺生を嫌い、不器用ながら仲間を気遣う優しい一面も持ちます。戦闘では、高い身体能力や父親から受け継いだ妖刀・鉄砕牙（てっさいが）の技の数々で戦います。犬夜叉は50年間、時代樹という御神木に封印されていました。その封印を現代からタイムスリップしたかごめが解いたことで、物語が動き出します。

首から下げた勾玉の首飾りは「言霊の念珠」という呪物で、かごめの「おすわり」という合言葉とともに犬夜叉を思いっきり地面に叩きつけるという効果があります。かごめにデリカシーのない行動をしたり、他人に迷惑をかけるような行動をしては、お仕置きされるという、文字通りかごめには頭が上がらない犬夜叉です。

『犬夜叉』のヒロインである日暮かごめは、現代に生きる明るく活発な中学3年生の少女です。アニメでは、『ひぐらしのなく頃に』の園崎魅音・詩音姉妹や『プラテネス』の田名部愛の声を担当されている、声優の雪野五月（現・ゆきのさつき）さんが、かごめを演じられています。

普通の中学生だったかごめは、15歳の誕生日に、実家の神社に祀られている涸れ井戸「骨喰いの井戸」から、500年前の戦国時代にタイムスリップしてしまいます。そこで封印されている犬夜叉と出会い、彼の封印を解きました。その後、妖怪との戦いの中で、かごめの中から現れた四魂の玉が砕け、欠片が日本中に飛び散ってしまったことから、犬夜叉とかごめの旅が始まります。

実はかごめは、500年前に犬夜叉を封印してすぐ亡くなった桔梗という巫女の生まれ変わりで、高い霊力を持ち、破魔の矢などさまざまな神通力で犬夜叉たちを助けます。また、「骨喰いの井戸」から自由に現代と戦国時代を行き来でき、自転車や救急セットなど現代の物を持ち込んでいます。犬夜叉との関係は、最初は口喧嘩の絶えない険悪なものでしたが、一緒に旅をして危機を乗り越えていくうちに彼を意識するようになります。

七宝（しっぽう）は子狐の妖怪で、犬夜叉の旅仲間の1人です。アニメでは、『ケロロ軍曹』のケロロ軍曹や『ドキドキ! プリキュア』のレジーナの声を担当されている、声優の渡辺久美子さんが、七宝を演じられています。

七宝は可愛らしい子どもの姿をしたお調子者の妖怪で、「～じゃ」という年寄りのような喋り方をします。犬夜叉が七宝の父親の仇である妖怪を倒したことがきっかけで仲間になりました。臆病な性格で、自分より強い妖怪相手には弱気になったり逃げ出しそうになりますが、犬夜叉たち仲間が戦っているときは戦いに加わり、変化の術で変身して空を飛んだり、幻術で敵を惑わせるなどでサポートします。

弥勒は妖怪退治を専門とする法師の青年で、犬夜叉の旅仲間の1人です。アニメでは『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のバーナード・ワイズマンや『機動戦士ガンダムF91』のシーブック・アノーの声を担当されている、声優の辻谷耕史さんが弥勒を演じられています。

弥勒は、犬夜叉一行の最大の敵・奈落から「風穴（かざあな）」の呪いを受けており、その呪いを解く旅の途中で犬夜叉たちの仲間になります。風穴は弥勒の右手の平に空いた黒い穴で、ブラックホールのようにあらゆる物を吸い込み、やがては持ち主すら吸い込んでしまう死の呪いです。

弥勒は普段は紳士的な美形の好青年ですが、かなりの女たらしで、美女を見れば手を取り「私の子を産んでくだされ」と言うなどのセクハラ行為を行ないます。その度に珊瑚に殴られるというのが、かごめと犬夜叉の「おすわり」と並んで『犬夜叉』のお約束パターンです。

珊瑚は妖怪退治を生業とする妖怪退治屋の少女で、犬夜叉の旅仲間の1人です。アニメでは、『ONEPIECE』のゴーイングメリー号や『BLEACH』のチルッチ・サンダーウィッチの声を担当されている、声優の桑島法子さんが珊瑚を演じられています。

珊瑚は、奈落の策略によって故郷が滅ぼされ、その犯人が犬夜叉であると騙されて、犬夜叉の命を狙っていました。誤解が解けたあとは、本当の仇である奈落を追うため犬夜叉たちの仲間になります。巨大なブーメラン・飛来骨（ひらいこつ）で妖怪を豪快になぎ払うほか、相棒である猫又の雲母（きらら）に跨がり空を飛ぶなど、多彩な戦いができる頼れる存在です。

妖怪退治屋としての強い面が目立つ珊瑚ですが、繊細で心優しく弟思いな少女でもあります。死んだ弟の琥珀（こはく）が奈落によって生き返り、しもべとして操られていることに心を痛め、弟を取り戻すためにも、奈落を追っています。弥勒のことが気になっていますが、弥勒の女たらしな性格に怒ったり呆れたり、気苦労が絶えないようです。

殺生丸（せっしょうまる）は、犬夜叉の異母兄です。母親も妖怪のため犬夜叉と違い純粋な妖怪で、半妖の犬夜叉を疎ましく思い、鉄砕牙を奪うため幾度となく犬夜叉たちと戦います。アニメでは、『コードギアス 反逆のルルーシュ』のジェレミア・ゴットバルトなどの声を担当されている声優の成田剣さんが、殺生丸を演じられています。

犬夜叉と同じ長い銀髪の美青年で、従者の妖怪・邪見と阿吽、途中で拾った人間の少女りんをお供に、鉄砕牙を手にする方法を求め旅をしています。強大な妖気を持つ大妖怪で、その強さは作中でもトップクラスです。犬夜叉同様、父親から受け継いだ、あの世のものを斬る妖刀・天生牙（てんせいが）に加え、倒した妖怪の牙から削り出した妖刀・闘鬼神（とうきじん）や、強大な妖気による技で、犬夜叉を苦しめました。

桔梗は、四魂の玉を守る巫女で、犬夜叉を封印した、犬夜叉のかつての恋人です。アニメでは、『タッチ』の朝倉南や『らんま1/2』の天道あかねなどの声を担当されている声優の日高のり子さんが、桔梗を演じられています。

桔梗は、犬夜叉を封印してすぐに亡くなり、亡骸は四魂の玉とともに灰にされました。しかし500年の時を経て、四魂の玉とともに現代に生きる日暮かごめとして転生します。その後、妖怪・裏陶（うらすえ）の術により、かごめの魂の一部を使った死人として復活しました。犬夜叉を恨みながら死んだため、復活後は犬夜叉には愛憎を、犬夜叉を支えるかごめには嫉妬の感情を抱き、たびたび犬夜叉たちの前に現れます。

奈落は強力な力を持つ半妖で、犬夜叉たち最大の敵です。特定の姿を持たずさまざまな姿に变化し、犬夜叉たちを罠にかけようとします。アニメでは、变化していない奈落を主に洋画の吹き替えで活躍されている声優の家中宏さんが、变化した奈落を『遊☆戯☆王』の城之内克也などの声を担当されている森川智之さんが演じられています。

奈落は権謀術策に長けた妖怪で、人の絆を引き裂くような策を巡らせ、犬夜叉たちを苦しめます。犬夜叉と桔梗が憎しみあうようになったことや、珊瑚の故郷が滅びたことも、全て奈落の計画でした。また、奈落は自分の分身を作り出し、自らが直接動くこと無く計画を進めます。奈落の分身である「神無（かんな）」や「神楽（かぐら）」、珊瑚の弟の琥珀が、奈落のしもべとして、よく犬夜叉たちの前に現れます。

『犬夜叉』の映画は4作品公開されました。その公開された順番と、どのタイミングで見るといいかを紹介します。公開順番1番目の『犬夜叉』の映画は、2001年公開の『犬夜叉 時代を越える想い』です。大陸からやってきた妖怪・瑪瑙丸（めのうまる）との戦いが描かれます。

ストーリーの順番としては、犬夜叉が鉄砕牙の奥義「爆流破（ばくりゅうは）」を習得してからの話なので、アニメ第59話「美少女姉妹の弟子入り志願」と60話「黒巫女 五十年の呪い」の間でこの映画を見るのがオススメです。

公開順番2番目の『犬夜叉』の映画は、2002年公開の『犬夜叉 鏡の中の夢幻城』です。満月が何日も続く異変を起こり、かつて弥勒の祖父が封印した恐るべき妖怪・神久夜（かぐや）との戦いが描かれます。ストーリーの順番としては、犬夜叉が「結界破りの赤い鉄砕牙」を習得してからの話なので、アニメ78話「珊瑚目指してオンリーユー」と79話「邪見の鉄砕牙ぶんどり作戦」の間にこの映画を見るのがオススメです。

公開順番3番目の『犬夜叉』の映画は、2003年公開の『犬夜叉 天下覇道の剣』です。かごめの実家の神社で見つかった魔剣・叢雲牙（そううんが）をめぐり、犬夜叉出生の秘密や兄・殺生丸との関係、そして兄弟の父親と因縁のある敵・刹那猛丸（せつなのたけまる）との戦いが描かれます。順番としては、アニメ133,134話「殺生丸を愛した女」と135話「弥勒の師匠 最後の宴」の間にこの映画を見るのがオススメです。

公開順番4番目の『犬夜叉』の映画は、2004年公開の『犬夜叉 紅蓮の蓬莱島』です。50年に一度姿を現す蓬莱島の、半妖の子を助けた犬夜叉一行が、4人の妖怪・四闘神（しとうしん）と戦います。順番としては、犬夜叉が「金剛槍破（こんごうそうは）」を習得してからの話なので、アニメ第166,167話「二人の絆 四魂のかけらを使え!」と『犬夜叉 完結編』第1話「奈落の心臓」の間に、この映画を見るのがオススメです。

『犬夜叉』の映画第1作目として2001年に公開された『犬夜叉 時を越える想い』は、大陸の妖怪・瑪瑙丸（めのうまる）との戦いが描かれます。犬夜叉とかごめの時代を越えた絆など、見どころ満載の映画です。また、主題歌の「no more words」を、歌手の浜崎あゆみさんが歌われています。『犬夜叉 時代を越える想い』のあらすじと映画オリジナルのキャラクター、そして映画の見どころを見ていきましょう。

四魂の玉の欠片を探す旅を続ける犬夜叉一行は、あるとき瑪瑙丸（めのうまる）という妖怪と、その下部の瑠璃（るり）と玻璃（はり）に出会います。瑪瑙丸はかつて犬夜叉の父親に敗れた妖怪・飛妖蛾（ひょうが）の息子で、封印された飛妖蛾の力の解放と、犬夜叉一族への復讐を望んでいました。瑪瑙丸の策略により封印は解かれ、さらに犬夜叉一行はバラバラに。かごめは現代に帰され、現代と戦国時代の道も閉ざされてしまいます。

現代に戻ってしまったかごめでしたが、神社のご神木（犬夜叉が封印されていた樹）を通じて戦国時代の犬夜叉と心を通わせ、戦国時代に戻ることができました。かごめが戻ったことで犬夜叉一行は再び終結し、瑪瑙丸との最終決戦に挑みます。飛妖蛾の強大な妖気を継承し、圧倒的な力を見せる瑪瑙丸でしたが、かごめの矢と、犬夜叉の爆流破によって討ち滅ぼされ、物語は大団円を迎えます。

瑪瑙丸は、かつて犬夜叉の父親に敗れた大陸の妖怪・飛妖蛾の息子で、犬夜叉の一族に復讐を望んでいます。声優は『新世紀エヴァンゲリオン』の鈴原トウジや『Fate/stay night』のギルガメッシュなどを演じられている関智一さんです。

かごめを攫い犬夜叉に鉄砕牙を使わせることで、瑪瑙丸は封印されていた飛妖蛾の力を手に入れます。さらに、周囲の生けるもの全ての霊魂を吸収しながら強大な妖気を持つ妖怪に变化します。また、かごめを操り犬夜叉を始末させようとしました。最後はかごめの破魔の矢と犬夜叉の爆流破のコンビネーションに敗れ、消滅します。

瑠璃は瑪瑙丸の手下の妖怪で、青い髪をお団子に結った女性です。長槍を使うほか、相手の能力を写し取る「複写」の力を持ち、弥勒の風穴をコピーしました。弥勒との戦いで自ら風穴を広げ長時間使用したために、風穴を制御できなくなり、最後は自らの風穴に飲み込まれて消滅します。声優・歌手として活躍されている椎名へきるさんが声を演じられました。

玻璃は瑪瑙丸の手下の妖怪で、薄紫色の長髪の女性です。双剣で戦うほか、勾玉を埋め込んだ相手を操る力を持ち、雲母を操り珊瑚と戦わせました。かごめを操ったのもこの力ですが、巫女の力を持つかごめには普通の支配は効かず、瑪瑙丸の血と四魂の玉の欠片を使っています。最後は支配を破った雲母と珊瑚に敗れ、瑪瑙丸に霊魂を奪われました。声優は『ヒカルの碁』の進藤ヒカル役などで活躍されていた川上とも子さんです。

瑪瑙丸に操られたかごめは、犬夜叉に襲いかかります。かごめに手を出すことのできない犬夜叉は、やがて犬夜叉が桔梗に封印され、かごめと出会った時代樹にたどり着きます。そこでかごめは、犬夜叉に弓矢を向けました。それは犬夜叉と桔梗の最後の光景そのものです。引き裂かれた2人はどうなってしまうのかとハラハラしてしまうシーン。生まれ変わっても宿命に縛られるかのような、2人の戦いが見どころです。

瑠璃と戦う弥勒は、互角の接近戦の後、勝負を終わらせるべくお互いの風穴を解放します。最初は互角の戦いでしたが、瑠璃が無理やり風穴を広げて力を増大。死を覚悟した弥勒でしたが、瑠璃の風穴が暴走を始め、瑠璃自身を飲み込みました。弥勒は辛くも勝利しますが、奈落を倒さなければ自分もこうなるのだと、恐れを新たにします。映画でしか見ることのできない、風穴と風穴の戦いが見どころです。

玻璃と戦う珊瑚は、玻璃に操られた雲母を攻撃できず、苦戦を強いられます。玻璃は珊瑚にとどめを刺すよう雲母に命じますが、雲母は力を振り絞り、自分の身体を傷つけることで玻璃の支配を打ち破りました。そして絆を取り戻した2人は玻璃を倒します。人間と妖怪という違う存在であっても、深く結ばれている珊瑚と雲母の絆が見どころです。

桔梗に「犬夜叉と同じ時間を生きることはできない」と言われ、現代に帰されたかごめ。しかし、御神木の時代樹を通して犬夜叉とかごめの心が繋がり、2人は言葉を交わします。犬夜叉の不器用ながらもかごめを想う「俺にはお前が必要だ」という言葉に勇気づけられたかごめは、再び犬夜叉のいる戦国時代へとタイムスリップしました。時代が離れても繋がり合う、2人の絆が見どころです。

『犬夜叉』の映画第2作目として2002年に公開された『犬夜叉 鏡の中夢幻城』は、天女の妖怪・神久夜（かぐや）との戦いが描かれます。「竹取物語」になぞらえた物語の仕掛けや、犬夜叉とかごめの恋の行方が見どころの映画です。また、主題歌の「ゆらゆら」を、Every Little Thingさんが歌われています。『犬夜叉 鏡の中夢幻城』のあらすじと映画オリジナルのキャラクター、そして映画の見どころを見ていきましょう。

宿敵・奈落を倒した犬夜叉一行は、それぞれ故郷に帰り平和な時間を過ごしていました。そのころ、奈落から自由になった神無と神楽は、富士山の麓に眠る神久夜の封印を解きます。神久夜の復活から満月の夜が続き、それが祖父・弥萢法師の封じた妖怪に関わる異変と知った弥勒は、解決のため行動を開始します。同じころ、犬夜叉とかごめ、七宝は、野盗に襲われていた北条秋時（ほうじょうあきとき）という青年を助けました。

秋時は、先祖の言いつけによって家宝の「天女の羽衣」を富士山に捨てに行く途中でした。そこに羽衣を狙った神久夜が襲いかかります。犬夜叉は応戦しますが、羽衣とかごめを奪われてしまいます。かごめを取り戻すべく、神久夜の居城・夢幻城にたどり着いた犬夜叉は、弥勒や珊瑚とも合流し、神久夜との戦いに挑みます。

神久夜の陰陽術や時間を止める呪法「明鏡止水の法」に翻弄され、さらには幻術によって完全な妖怪になりかけた犬夜叉でしたが、かごめの献身によって人間の心を取り戻します。そこに、死んだと見せかけ神久夜の力を我が物にしようとしていた奈落が復活し、三つ巴の戦いに。神久夜は奈落を退けるも、犬夜叉とかごめに敗れ、弥勒の風穴に吸収され消滅しました。神久と奈落の企みを阻止し、奈落を追う犬夜叉一行の旅は続きます。

神久夜は、かつて弥勒の祖父である弥萢（みやつ）法師によって命鏡（みかがみ）の祠に封印された妖怪です。天女をつなぎとして生まれた強力な半妖で、かつては奈落・弥萢法師と三つ巴の関係にありましたが、強大な力を得た奈落を恐れ、今まで身を潜めていました。女優の原田美枝子さんが、神久夜の声優に挑戦されています。

奈落が死んだと思った神久夜は、奈落の分身である神無と神楽を手下にして復活し、時間を止める呪法「明鏡止水の法」で世界を支配しようとします。数々の陰陽述や、命鏡によって犬夜叉の爆流破を吸収・反射する、幻術で犬夜叉を完全な妖怪にしようとするなど、さまざまな力で犬夜叉一行を苦しめますが、最後は犬夜叉とかごめに倒され、ガス状の霊体に变化したところを、弥勒の風穴に吸い込まれ消滅します。

『犬夜叉 鏡の中夢幻城』は犬夜叉一行が宿敵・奈落を討つという衝撃の展開から始まります。奈落は鬼蜘蛛の本性を表し、その無限の生命力に犬夜叉たちも苦戦を強いられますが、力を合わせることで、この最強の敵を討ち倒しました。後にこれは神久夜をおびき出すための奈落の計画だったと判明するのですが、『犬夜叉』の大ボスである奈落を最初に倒してしまうという驚きの展開は、映画ならではの見どころです。

奈落の死によって自由を得た神無と神楽は、神久夜を復活させるため、「竹取物語」に登場する宝物「龍の首の玉」「仏の御石の鉢」「燕の子安貝」「火鼠の皮衣」「蓬莱の玉の枝」を集め、富士五湖に投げ入れます。その際、普段は無口な神無が「竹取物語」にある和歌を詠みます。普段と違うキャラクターの一面が見られる映画ならではの見どころ。この映画の後から、アニメの神無はよく和歌を詠むキャラになりました。

『犬夜叉 鏡の中夢幻城』では、犬夜叉とかごめの恋の行方も見どころです。神久夜の幻術により人間の心を奪われ、完全な妖怪に变化しつつあった犬夜叉を、かごめは命の危険もかえりみず抱きしめ、「私は今のままの犬夜叉が好き」と言ってキスをします。そのかごめの想いが犬夜叉に人間の心を取り戻しました。神久夜を倒したあとも2人の関係は曖昧なままですが、危機を乗り越えて絆が深まっていく様子を見ることができます。

『犬夜叉』の映画第3作目として2003年に公開された『犬夜叉 天下覇道の剣』は、妖刀・叢雲牙（そううんが）により蘇った、刹那猛丸（せつなのたけまる）との戦いが描かれます。原作で語られない犬夜叉の出生譚や、殺生丸との関係が見どころです。また、主題歌の「Four Seasons」を安室奈美恵さんが歌われています。『犬夜叉 天下覇道の剣』のあらすじと映画オリジナルのキャラクター、そして見どころを見ていきましょう。

戦国時代よりさらに200年前、十六夜（いざよい）という貴族の女性と大妖怪・犬の大将の間に半妖の子が生まれ、「犬夜叉」と名付けられました。妖怪と愛し合った十六夜を許せない刹那猛丸という武士は、十六夜を襲い、駆けつけた犬の大将と戦い死亡します。

所変わって現代。日暮神社には「叢雲牙」という刀が伝わっていました。それは「一振りで百体もの亡者を蘇らせる」という鉄砕牙・天生牙と並ぶ犬夜叉の父親の妖刀でした。叢雲牙を手にした犬夜叉は、叢雲牙に宿る悪霊に憑かれ、戦国時代に戻り殺生丸と戦います。犬夜叉はかごめの助けによって叢雲牙の支配から逃れますが、叢雲牙は刹那猛丸を冥界から蘇らせ、かつて犬夜叉が切った殺生丸の左腕を与え、新たな持ち主とします。

叢雲牙を封じるためには、鉄砕牙と天生牙を持つ犬夜叉と殺生丸が協力しなければなりませんが、お互いを認められない2人は協力しようとしません。猛丸の身体を捨てた叢雲牙は、冥界の道を開き、生けるもの全てを殺そうとしますが、最後は「守るべきもの」という想いが重なった犬夜叉と殺生丸の、爆流破と蒼龍破が叢雲牙の必殺技・獄龍破を打ち破り、叢雲牙は冥界へと封じられました。

刹那猛丸は、犬夜叉の母親・十六夜に仕えていた武士です。『マギ』のバルカークや『ドラえもん』の野比のび助を演じられている声優の松本保典さんが、刹那猛丸を演じられています。

刹那猛丸は十六夜に好意を寄せていましたが、妖怪の子を産んだ十六夜を許せず、彼女を一度殺し（十六夜は天生牙で蘇生）、犬の大将と戦って死亡しました。それから200年後の戦国時代に、叢雲牙によって冥界から蘇り、天下を支配しようとします。十六夜への憎しみで動いていた猛丸でしたが、犬夜叉の人間の心に触れたことで、十六夜への想いを思い出し、成仏しました。

叢雲牙は犬夜叉の父親・犬の大将が持っていた妖刀です。『名探偵コナン』のウォッカや、さまざまなテレビ番組でナレーターとして活躍されている、声優の立木文彦さんが、叢雲牙を演じられています。

叢雲牙には、太古の悪霊が宿っており、犬の大将か殺生丸以外が持てば破壊と殺戮の鬼に変わり、また叢雲牙に切られたものは、動く屍となり叢雲牙に支配されます。刹那猛丸を蘇らせて殺生丸の左腕を与え、彼を操って天下を支配しようとしましたが、犬夜叉の爆流破と殺生丸の蒼龍破によって冥界に送られ、封印されました。

『犬夜叉 天下覇道の剣』では、原作で描かれることのなかった、犬夜叉が生まれた日のことが語られます。今まで巨大な骨としてしか登場しなかった犬夜叉の父親・犬の大将の生前の姿や、犬夜叉の母親・十六夜も、この映画でしか見ることができません。また、犬の大将と十六夜に対する、犬夜叉と殺生丸それぞれの想いも語られます。犬夜叉の家族について知ることのできる、ファン必見の見どころです。

鉄砕牙をめぐり殺し合う関係にある犬夜叉と殺生丸ですが、叢雲牙を倒すために今回ばかりは共闘しなければならない状況となります。しかし、お互いを認められない2人は、たとえ敵を倒すためという理由であっても自分から相手に合わせようとはしません。いがみあいながら戦い、それでも最後は「守るべきもの」という想いをひとつにして叢雲牙を滅ぼす、兄弟の微妙な共闘関係が見どころです。

『犬夜叉』の映画第4作目として2004年に公開された『犬夜叉 紅蓮の蓬莱島』は、50年に一度現れる幻の島・蓬莱島を舞台に、蓬莱島を支配する四闘神（しとうしん）との戦いが描かれます。立ちはだかる四闘神はいずれも強敵で、ド派手な戦闘シーンが見どころです。主題歌の「楽園」はDo As Infinityさんが歌われています。『犬夜叉 紅蓮の蓬莱島』のあらすじと映画オリジナルのキャラクター、そして見どころを見ていきましょう。

50年に一度海上に現れる幻の島・蓬莱島。そこでは四闘神を名乗る龍羅（りゅうら）・凶羅（きょうら）・獣羅（じゅうら）・剛羅（ごうら）という4人の妖怪が、半妖の子どもたちを支配していました。子どもたちは50年に1人「鳴動の釜」に生贄に捧げられ、島を隠す結界の再生と、四闘神が生きながらえる燃料に変えられています。その蓬莱島から逃げ出してきた半妖の少女・藍に助けを求められ、犬夜叉一行は蓬莱島に向かいます。

蓬莱島で四闘神の圧倒的な強さに撤退を余儀なくされた犬夜叉一行。さらに、島の少女・浅葱と犬夜叉が「鳴動の釜」に落ちてしまいます。釜の中で犬夜叉は、島を守っていた巫女の奏（かなで）に会い、四闘神の力のを封じた箱を託されますが、四闘神が作り出した桔梗のコピーに奪われ、四闘神は力を取り戻します。

仲間と協力し、犬夜叉は龍羅・獣羅・剛羅を倒します。また、凶羅は近くにいた殺生丸に倒されました。全てが解決したかに見えたその時、四闘神が合体し、真の姿を現します。驚異的な力で犬夜叉たちを追い詰める四闘神ですが、生贄になった半妖たちの魂である蛍の力を貰ったかごめの破魔の矢と、犬夜叉の金剛槍破によって倒されました。役目を終えた蓬莱島は消滅し、子どもたちは外の世界で平和に暮らすことになりました。

龍羅は四闘神のリーダーです。雷刃牙、風刃牙という二振りの妖刀を使って戦い、雷と竜巻を操ります。鉄砕牙の必殺技・金剛槍破すら防ぐ力で、犬夜叉を圧倒しましたが、渾身の力を込めた鉄砕牙の一撃によって倒されました。他の四闘神の力を吸収し、復活しますが、かごめの破魔の矢と犬夜叉の金剛槍破によって消滅します。龍羅の声を担当されているのは、『NARUTO』の薬師カブトなどを演じられている神奈延年さんです。

凶羅は四闘神の1人で、炎を操る妖怪です。非常に残忍な性格で、蓬莱島の近くにあった村に火を放ち、村人を皆殺しにしました。犬夜叉の父親のしもべであった紅邪鬼（くじゃく）を倒して奪った紅邪鬼扇を使って戦います。凶羅は殺生丸を殺そうと戦いを挑みますが、殺生丸の奥義・蒼龍破によって一撃で倒されました。凶羅の声を担当されているのは、『NARUTO』のゼツなどを演じられている飛田展男さんです。

獣羅は四闘神の1人で、四闘神一の怪力を持つ大男です。犬夜叉の父親のしもべが使っていた、斉天砲という大砲を武器に使っていますが、本来のスタイルは接近戦。スピードとパワーで犬夜叉一行を苦しめますが、最後は弥勒と珊瑚のコンビネーションに敗れました。獣羅の声を担当されているのは、『SLAM DUNK』の桜木花道などを演じられている草尾毅さんです。

剛羅は四闘神の1人で、小さな島ほどもある巨大な亀の姿をした妖怪です。甲羅に空いた穴や口から火炎の玉を飛ばす砲撃を得意とします。映画冒頭で藍を追って現れたところを犬夜叉たちに倒されますが、力の封印が解かれた際に復活し、凄まじい砲撃で島を破壊しようとしました。最後は犬夜叉の爆流破によって倒されます。剛羅の声を担当されているのは、『ドリフターズ』の島津家久などを演じられている西前忠久さんです。

犬夜叉一行の前に立ちはだかる四闘神は、全員が強力な妖怪で、犬夜叉1人では全く歯が立たないほどです。そんな強大な力を持つ四闘神と、今まで以上に力を合わせて戦う犬夜叉一行のコンビネーションが見どころです。たった1人で凶羅を倒してしまう殺生丸もカッコイイですが、それぞれの武器を合わせることで強敵を撃破していく様子は、犬夜叉一行が旅の中で積み上げてきた絆の力を感じさせてくれます。

以上、『犬夜叉』の映画4作品のあらすじや登場キャラクター、そして映画の見どころと公開の順番を紹介してきました。『犬夜叉』の映画には、アニメや原作では見ることのできない映画ならではの展開や、犬夜叉の世界をさらに深く味わうことのできる、さまざまな見どころが詰まっています。映画単体としても面白く、アニメや原作と合わせるとより『犬夜叉』の世界を楽しむことができます。

『犬夜叉』はもう10年以上前の漫画や映画ですが、今でも色褪せることのない面白さを持つ作品です。まだ原作を読んだことがない、アニメや映画を見たことがないという方は、ぜひ戦国時代を舞台にした犬夜叉一行の物語に触れてみてください。そして、『犬夜叉』の世界をより堪能するためにも、映画『犬夜叉』は欠かせません！