亜人・実写版のキャスト一覧！佐藤健など原作キャラとの違いなど比較

『亜人(あじん)』とは桜井画門さんによって描かれた大人気アクション漫画です。現在は『good!アフタヌーン』に連載されています。2017年9月7日現在で既刊は11巻です。作者の桜井さんは自身のブログで亜人は2巻からすべて自分で作っていると言っています。2015年～2016年にかけて劇場版3部作でアニメ化され、2016年には2クール分割の26話でテレビアニメ化。そして、2017年にはついに実写映画『亜人』が放送されました。

『亜人』とは簡潔に言えば「不死身の人間」です。ただし寿命では死にます。外見は人間と同じですが、事故などで死亡した場合、即座に蘇ります。また、自分・その他の人間が「亜人」かどうかは1度死ぬまでわからないようになっています。死なないこと以外は人間と同じで痛みも感じます。また、切断された体の部位なども1度死ぬまで再生することはありません。原作『亜人』の最初では世界に47人、日本に2人しかいない状態でした。

最初に亜人が発見されたのは1990年代のアフリカでした。不死身の乗力から当初は恐れられていましたが、生き返ること以外は普通の人間と同じ能力ということが判明したことで、人類研究の対象とされたのが現実です。亜人は特殊能力で叫び声を聞いた相手を一時的に動けなくするというものを持っています。この叫び声は擬死状態が解除される時の生理現象とされています。また、亜人は「黒い幽霊」を持ち、人によっては操れます。

亜人は黒い幽霊というものを持っています。通称はIBM(Invisible Black Matterの略)で、亜人の分身のような存在です。透明な物質で構成されており、一般人には見えませんが、亜人同士では見ることができます。また、強い殺意はあるときは普通の人間にも視認できます。戦闘能力が非常に高く、人の体を簡単に八つ裂きにできるほど。頭部をやられると戦闘不能になります。訓練すると操ることもでき、この作品でカギとなる存在です。

原作『亜人』の主人公は高校生・永井圭です。高校から下校している時に交通事故に遭ったことで亜人であることが発覚してしまいます。亜人には1億円の懸賞金がかけられていることもあり、その後は警察などから追われてしまいます。その逃走中に永井に接近してきたのが亜人である佐藤。しかしお互いに分かり合えず敵同士になってしまいます。そんな中、佐藤は集めた亜人たちとグラント製薬爆破という大規模なテロを引き起こします。

テロにが起こった当時、永井は田舎の見知らぬおばあさんの家で生活をしていました。しかし、自分の正体に周りも気づき始め、ひっそりと暮らしていた永井もいよいよ表舞台にでることになります。いやいやではあったものの、佐藤を止めることを決めた永井は、中野と共に戸崎のところへ向かいます。戸崎は佐藤を倒すためのグループをつくっており、そこに所属メンバーとともに、佐藤のグループと全面戦争を開始します。

『亜人』はただ、コミックやアニメが実写化されたわけではありません。実写版『亜人』にはいくつか覚えていてほしい、注目すべきポイントがあります。アニメ版『亜人』で出演している声優のあの人が実写でも…。監督を務めているのは…。その他にもアニメから見ていた人はもちろん、実写版映画『亜人』で初めて『亜人』を知った人にも知ってほしいポイントがたくさんあります。今回はそのいくつかを一覧にしてまとめていきます。

実写版『亜人』を紹介するTVCMのナレーションがアニメ版で佐藤役を演じる大塚芳忠さんとなっています。大塚芳忠さんが『亜人』以外のキャラで演じているのはNARUTO・自来也役、現在放送中のアニメ・ゴールデンカムイの鶴見中尉役などがあります。CMの迫力あるシーンに佐藤の低く渋いナレーションが響き渡っています。知らなかった方、アニメを見ておらず、大塚さんを知らなかった方は是非もう一度予告CMを見てください。

実写版『亜人』でIBMの声を担当しているのは、アニメ版の主人公キャラ・永井圭(実写版・佐藤健)を演じる人気声優の宮野真守さんです。宮野さんが『亜人』以外で演じているキャラは、STEINS;GATEの岡部倫太郎役、東京喰種の月山習役などがあります。基本的に実写作品にアニメのCVを担当した声優が出演することはないので、発表当初かなり驚かれました。アニメファンにはたまらない「ダブル永井」の共演が実現しています。

映画に映るのはわずかな時間ですが、報道センターのアナウンサー役として声優の鈴村健一さんが出演しています。鈴村さんはアニメ『亜人』で戸崎の後輩キャラである曽我部を演じています。鈴村さんが『亜人』以外で演じているキャラは、Fate/Grand Orderのソロモン・俵藤太役、銀魂乱舞の沖田総悟役等があります。残念ながら、実写版で曽我部の登場はありません。そのような点を配慮しての出演となっているのかもしれません。

監督はあの『踊る大捜査線シリーズ』を担当した本広克行監督です。第22回および27回の日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞、『踊る大捜査線』の2作目においては実写邦画興行成績歴代1位を記録しているなど、申し分ないです。また、制作に『サイコパス』や『攻殻機動隊』に携わったアニメ制作会社のProduction I.Gが参加しています。本広監督が所属している会社であるため、このような普通ではあり得ないことが起こりました。

原作『亜人』は既刊11巻でまだ未完結です。アニメも13話の2クール、つまり計26話、劇場版のアニメですら3部作となりました。おまけに黒い幽霊(IBM)など現実では起こりえない設定が多いため、それを約2時間の実写映画に落とし込むのは無理があります。その他にも多くの問題があったため、ファンの方々も期待する半面、不安も大きかったでしょう。こうした理由から、実写『亜人』ではキャラなどいくつか変更点が見られます。

実写版『亜人』ではそもそも主人公・永井圭(演・佐藤健)の設定が違います。あらすじで述べたように、原作の永井圭は高校生で、事故に遭うことで亜人と判明します。しかし、実写版『亜人』の永井は研修医となっています(原作での永井圭は医学部を目指す高校生だった)。また、亜人と判明した事故のエピソードや、政府に追われて逃げるシーンはすべてカットされており、永井が研究所で実験を受けているシーンから映画は始まります。

また、実写版『亜人』には原作で主要人物となっている海人(CV:細谷佳正)や中野(CV:福山潤)は登場しません。特に海人は主人公・永井圭と重要な関わりをもつほか、男前でファンも多いキャラだったので、登場しないことを悲しむファンもいました。また、原作やアニメでは切り絵のような画で、独特な雰囲気を作り出していましたが、実写版『亜人』ではアクションに重点が置かれており、躍動感あるバトルシーンが注目されています。

最初に紹介するのは主人公・永井圭です。高校の下校中に事故に遭ったことで、国内3人目の亜人として政府から追われることになりました。医学部を目指しており、全国模試では1桁順位を持つなどかなり頭が良く、その他に観察眼や記憶力が優れています。合理的かつ利己的な性格で、妹の慧理子は永井圭を「クズ」と言っています。いわゆる陰キャラですが、佐藤の虐殺を止めにかかるなど、勇気ある行動を起こす一面も持っています。

永井圭役を演じるのは人気俳優・佐藤健さんです。佐藤健さんは実写版『るろうに剣心』の主人公・緋村剣心役を演じており、その運動神経とアクションの良さには定評があります。今後も実写版『いぬやしき』の獅子神皓役に抜擢されており、アニメの実写化に一役買っています。実写版『亜人』は永井の年齢が原作に比べて10歳ほど年上の設定であるため、佐藤健さんの配役はベストと言えます。少しかっこよすぎる部分はありますが！

永井の最大の敵となるのが佐藤です。原作では中年～初老と思われる優しそうな男です。自身も亜人であり、その他の日本に散らばっている亜人を集めて仲間にしています。亜人の国を作るために日本に宣戦布告をしています。黒い幽霊(IBM)を完全に操ることができます。その他、佐藤自身の戦闘能力も非常に高く、複数人のSATを1人で片付ける実力の持ち主。見た目とは違い、人殺しをゲーム感覚で行っている残虐な性格をしています。

佐藤役を演じているのは綾野剛さんです。現在36歳であるため、原作の佐藤に比べるとかなり若く見えます。しかし、その差を埋めるために自らの髪の色を銀色に染めて撮影に挑みました。その他にも、現場で出演者たちを積極的にまとめるなど、見た目は少し違えども、中身は「佐藤」をトレースしていたようです。また、キャラ設定を合わせるため、4か月もの間筋トレを行い、「佐藤」にふさわしいボディを作ったと言われています。

戸崎優は厚生労働省の亜人管理委員会に所属している人物です。亜人の研究データを集めており、そばに下村泉を護衛としてつけています。名前の読み方は「とさき」ですが「とざき」と間違えられることが多く、間違えられるとわざわざ訂正するような堅い人。そのことを知っている佐藤はわざと「とざき君」と呼んでいます。佐藤を倒すために、永井(演・佐藤健)と最初は敵同士であるものの、次第に協力関係へと発展していきます。

戸崎優役を演じるのは玉山鉄二さんです。原作の戸崎は髪の色が白で、口元にチャームポイントであるほくろがありましたが、玉山さんは特に髪を染めたり、ほくろをつくったりはしなかったようです。ぱっと見あまり似ていませんが、きりっとした眉毛と目、それから醸し出される雰囲気は何となく戸崎を連想させてくれます。映画出演は2014年の実写版『ルパン三世』(主演・小栗旬)以来であり、2本続けてアニメの実写となっています。

下村泉は厚生労働省で働く戸崎の専属の部下です。『亜人』の中ではかなり可愛い部類に入りますが、その正体は亜人です。戸崎の部下として護衛をすることで、亜人であることを隠してもらっています。地震が出す黒い幽霊(IBM)に「クロちゃん」という可愛らしい名前を付けています。永井圭(演・佐藤健)側としては数少ない亜人の1人であるため、佐藤側との戦いでは「クロちゃん」を出し、永井と協力するシーンが何度か見られます。

下村泉役を演じたのは川栄李奈さんです。画像は違いますが、髪型をかなり似せているのはもちろん、その他にも目の下のほくろや衣服など細部まで「下村泉」になりきっていることを感じさせるような姿です。雰囲気や顔のつくりそのものも似ており、まさに適役と言えるのではないでしょうか。「実は亜人であるが、ばれないように人間として行動する」という難しい設定の下村泉役ですが、川栄さんはしっかりと演じ切っています。

永井慧理子は主人公・永井圭(演・佐藤健)の実の妹です。幼い頃から病弱であったため、人生のほとんどを病院のベットで過ごしています。そして、このことは兄である永井圭が医者を目指す理由でもあります。昔は圭と仲がよかったものの、慧理子は海人のことが好きで、その海人が犯罪者の息子であると圭が知った途端に冷たくなったため、兄に失望しています。佐藤らに一時は拉致されますが、彼らの目的達成後には解放されています。

永井慧理子役を演じるのは浜辺美波です。原作の慧理子同様おさげをしていますが、原作がかなり強気な顔をしているのに対して、落ち着いた優しい顔をしているため病弱さが伝わる配役となっています。浜辺さんは実写化作品に多く出演しており、亜人のその他には『あの花』や『咲-saki-』、そして2017年に大ヒットした『君の膵臓を食べたい』にも出演しています。演技のクオリティも高く、今ブレイクしている女優の一人と言えます。

『亜人』の紹介から始め、その他に原作との違いやキャストの紹介を行ってきました。原作を知っている方はもちろんですが、実写映画だけに興味がある、実写映画しか見たことがないという方々は『亜人』のすばらしさをご理解頂けたでしょうか？キャストの皆さんは亜人が終わっても、その他の作品で活躍中です。また、原作亜人はまだ完結していないので、映画で興味を持った方は是非、原作に手を出してみてください！