2018年10月01日公開
2018年10月01日更新
ラピュタの呪文・バルスとリーテの意味は?使用しなかったものも一覧で紹介
映画『天空の城ラピュタ』は、宮崎駿が監督し1986年に公開したスタジオジブリ制作の大ヒット長編アニメーション映画です。本記事ではラピュタの呪文の「バルス」と「リーテ」という観点に着目して本作の魅力をまとめていきます。ラピュタの呪文のバルスとリーテの意味や劇中の登場シーンの一覧、劇中には登場しなかった呪文も一覧にしてご紹介しますので、興味をもっていただけましたら、ぜひ本記事をご覧ください!
目次
ラピュタの呪文のバルスとリーテの意味?劇中未使用の呪文も一覧で紹介!
映画『天空の城ラピュタ』に登場するラピュタの呪文のバルスとリーテの意味や劇中の登場シーン、劇中未使用の呪文を一覧にしてご紹介していきます。ラピュタの呪文一覧や劇中未使用呪文一覧にはネタバレ要素を含みますのでご注意ください。
天空の城ラピュタとは?
映画『天空の城ラピュタ』とは?
1986年に公開したスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画です。本作はスタジオジブリ初制作作品でした。監督は宮崎駿で、彼の小学校時代に考えられていた架空の世界がモデルになっているのではないかと言われています。
映画『天空の城ラピュタ』のあらすじ
少女シータは、政府の特務機関に捕らえられ飛行船に載せられていました。彼らの狙いは、シータが亡き母から受け継いだ、謎の青い石でした。そこへ同じくその石を狙う空中海賊ドーラ一家の襲撃があり、逃げようとしたシーラは誤って飛行船から落ちてしまいます。シータは石が放つ不思議な光に包まれて気を失いながらゆっくりと落ちていき、鉱山で働く少年パズーに助けられます。
パズーはシータが追われていることを知り、彼女を守って共に逃げます。ドーラ一家に追われた二人は谷底に落ちますが、石の力によって再び救われます。谷底の廃坑で出会った石に詳しい老人ポムによれば、その石は昔ラピュタで作られた飛行石だといいます。ラピュタは空に浮かぶという伝説の城ですが、今は亡きパズーの父はラピュタを見ており、ラピュタへいくのはパズーの夢でした。
不思議なことに、シータの家には「ラピュタ」という秘密の名前が受け継がれておりました。そして二人は共にラピュタを目指そうと胸を高鳴らせます。
ポムと別れ、地上に戻った二人は特務機関に捕まり、軍の要塞へと連行されます。そこでシータは特務機関の指揮をするムスカ大佐から、ラピュタから落ちてきた壊れたロボット兵を見せられます。ラピュタは遠い昔に滅びしたが、かつて高度な科学力で天空から世界を支配していた強大な帝国であり、今もどこかに浮いているとムスカは言います。
そして、飛行石はラピュタの王族がいつかラピュタに帰るために代々受け継ぐものだったとシータは知ることになります。また、ムスカはシータがラピュタ王に末裔だと明かします。その名も「リュシータ・トゥエル・ウル・ラピュタ」。ムスカはパズーの命を盾として突きつけ、シータはパズーの身を案じてやむなく天空の城ラピュタを探す協力をすることを受け入れます。
牢屋から解放されたパズーと再会したシータは、ラピュタの探索を諦めるようにパズーに告げ、肩を落として去っていく彼を涙ながらに見送りました。その夜、シータは、昔祖母から教わった「困ったときのおまじない」を何げなく唱えます。彼女は知りませんでしたが、それはラピュタの封印を解く呪文でした。その言葉によりロボット兵が突如目覚めて暴れだします。また、飛行石は空に光を放ってラピュタの位置を指し示します。
一方で、ムスカに解放されたパズーは、いつの間にか自宅に入り込んでいたドーラ一家に捕まってしまいます。シータに裏切られたとふさぎ込んでいたパズーは、ドーラの叱咤を受けて、自分を突き放すような態度をとったシータの真意に気づき、飛行石を奪うために要塞へ向かうドーラたちに自分も連れていってほしいと頼みます。
ドーラも、そのほうがシータが言うことを聞くだろうと考えて同行を許し、ロボット兵によって混乱する要塞の中から協力してシータを救い出します。しかし、飛行石はムスカの手にわたり、彼はロボット兵を破壊した軍と共に先んじてラピュタに出発します。パズーとシータもドーラの飛行船に乗せてもらい、後を追う形でラピュタへと向かいます。
しかし、ドーラの飛行船は軍に発見され、雲間に逃れるも、再度遭遇し攻撃されてしまいます。巨大な低気圧の中心「龍の巣」が迫る中、ドーラの命令で見張り台を切り離してグライダーとして使用していたパズーとシータでしたが、軍の攻撃によりつないでいたワイヤーが断ち切られ、飛行船とはぐれて「龍の巣」に飲み込まれてしまいます。
雷に打たれたパズーは目の前に現れた青白い父の飛行船の幻影を目撃し、それに導かれるようにラピュタにたどり着きます。そこで出会ったロボット兵に場内を案内されたパズーとシータは、爆発音を聞いて外に出ます。するとそこには軍隊と捕まったドーラ一家にがいました。パズーはドーラ一家を助けますが、シータはムスカに捕まってしまいます。
そこでシータは、ムスカの本当の狙いとは、ラピュタの力を手に入れて世界を支配することだったのだと知ります。ムスカは、自分もラピュタ王の末裔だと明かし、飛行石の力で軍隊を皆殺しにします。それを見たシータは、ムスカから飛行石を奪って逃げ、助けに来たパズーと共に滅びの呪文「バルス」を唱えます。すると飛行石が強力な力を放ち、城は崩壊し、ムスカは瓦礫と共に海に落ちます。
パズーとシータはグライダーで島から離れ、フラップターで脱出していたドーラ一家と再会して喜び合います。そして、ラピュタを浮遊させていた巨大な飛行石の結晶は、ラピュタ全体を覆っていた大樹の根に囲まれて、城の上層部と共にさらに高空へと飛び去って行きました。
ラピュタの呪文のバルスの意味とは?
ラピュタの呪文とは、ラピュタの王族が飛行石の力を発揮するときに使う呪文です。ラピュタの一族が城を出て地上に降り立った後も、先祖代々「おまじない」として秘密裏に伝承されていきました。そんなラピュタの呪文の中で一番有名といえる「バルス」についてまとめていきます。またほかの呪文も一覧にしてまとめます。
「バルス」の意味とは?
「バルス」とは、ラピュタが崩壊することを意味する滅びの呪文で、ラピュタ語で「閉じよ」という意味の言葉です。ラピュタの王族であり代々受け継がれた者が「バルス」と発すると、ラピュタの城の中心部にある飛行石に命令を与えることで、中枢部のコンピューター回路を自戒させて城全体を崩壊へと導きます。
トルコ語の「バルシュ」からきている言葉ではないかと言われています。しかし、トルコ語の「バルシュ」は「平和」を意味することばです。「バルス」は「閉じよ、破滅」という意味であり、「平和」とは対照的な意味ですが、ラピュタが崩壊することで危険な兵器を生み出し制圧する科学が滅び、世界に平和が訪れるという考え方から、この言葉が語源なのではないかと言われています。
作中の「バルス」の登場シーンは?
ラピュタの最深部、玉座の間にてムスカに追い込まれたときに、シータとパズーが手を取りながら「バルス」と言います。「あの言葉を教えて。僕も一緒に言う。」とパズーが言ったことで、シータは決意し、二人で「バルス」という滅びの呪文を口にしました。
劇中の中盤、ドーラ一家と手を組むことになり、彼らの飛行船の上でシータとパズーが話をしているシーンで、この呪文についてシータがパズーに語っています。このシーンの前に、ムスカ率いる軍隊の基地にて捉えられたシータは、もう一つのラピュタの王族に伝わる呪文を口にし、その呪文に反応したロボット兵がシータを助けるために基地を焼き払い、ロボット自身も軍隊によって壊されてしまうところを目の当たりにします。
飛行船の上でシータは飛行石や呪文の持つ力に恐怖を感じていることをパズーに打ち明けます。そして、滅びの呪文について、「幸福になるためには、悪い意味の言葉も覚えていなければならない。でも絶対に使ってはいけない。」と母に言われたと話します。ここにある「悪い意味の言葉」というのが「バルス」という滅びの呪文です。
「バルス」という滅びの呪文を二人が口にした後、巨大な木と上部の城、ラピュタを支える飛行石の結晶だけを残し、中枢部は進歩した科学もろとも崩れ落ちます。そして、ラピュタは人間の手の届かないほど空中を登っていきました。
ラピュタの呪文のリーテの意味とは?
ここからは「リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」という呪文についてまとめていきます。その後、他の呪文も一覧にしてご紹介していきます。
「リーテ」の意味とは?
ラピュタの呪文「リーテ」の正式名称は、「リーテ・ラトバリタ アリアロス・バル・ネトリール」と言い、ラピュタ語で「我を助けよ。光よ甦れ。」という意味の言葉です。
この呪文を唱えることにより、ラピュタ帝国が滅びたことで眠りについたラピュタの力、および飛行石の力がよみがえり、ラピュタの封印が解かれます。
作中の「リーテ」の登場シーンは?
ムスカ率いる軍隊に捕らえられ、パズーと決別し部屋に閉じ込められていたシータは、幼少期に「困ったときのおまじない」として祖母から教わったある言葉を思い出します。それが「リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」という呪文だったのです。
この言葉を思い出したシータは、ふと口にしてしまいます。次の瞬間、彼女が持っていた飛行石がとてつもない光を放ちます。そして、すでに死んでいるとされ地下に保管されていたロボット兵が動き出し、軍隊の基地を焼き払いながら飛行石の持ち主であるシータを探します。
シータはロボット兵の行動に驚き恐怖しますが、自分を助けようとしていることに気づき、破壊されてしまったロボットに悲しみを感じています。そして、ムスカの手に渡った飛行石は、ラピュタの方向を光で指し示します。
ラピュタ語の解説
ラピュタの呪文に関するラピュタ語の解釈については、大きく二つに分かれています。①「ス」が否定の意味として使われている説と、②「b」が付くことで反対の意味になるという説です。
この二つの説のもとになっているのが、劇中の「ウルはラピュタ語で王。トゥエルは真。君はラピュタの正当な王位継承者、リュシータ王女だ。」というムスカのセルフと、「そうだ、いいことを教えてあげよう。困った時のおまじないさ。リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール。我を助けよ、光よ蘇れという意味なの。」というシータの祖母のセリフです。
①の場合、「バルス」と「リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」を基に考えると、「バルス」=「閉じよ」「滅び」「破滅」であり、「ス」を抜いた「バル」=「蘇る」となると言われている。しかしこの説の場合、「ウルス」=「王ではない」となってしまい、「リーテ」の中のウルスの意味として通ずるとは言えません。
②の場合、「リーテ」=「我」、「ラトバリタ」=「願う」、「ウルス」=「救済」、「アリアロス」=「そして」(接続詞)、「バル」=「光」、「ネトリール」=「再生」と考えられ、「ul(ウル)」に「b」が付いたものが「bul(バル)」となり、「ulus(ウルス)」に「b」が付いたものが「buls(バルス)」となります。
つまり、②では「ウル」=「王」=「支配するもの」=「闇」に対して「バル」=「光」、「ウルス」=「救済」に対して「バルス」=「滅び、破滅」となります。
また、「バルス」の意味である「閉じよ」とはどういうことなのかというと、「ラピュタ中枢部の開いていたコンピューター回路を閉じて、機能を停止させる」という意味であるといわれています。それに対し「ウルス」は、「閉じていたコンピューター回路を開き、昨日をよみがえらせる」となります。
ラピュタの劇中未使用の呪文を一覧で紹介!
ラピュタの呪文の「バルス」や「リーテ」ではない劇中未使用の呪文を一覧で紹介します。宮崎監督の原案にはより多くの呪文や言葉があったようですが、ここでは公開されていて現在わかるものだけ一覧にしてまとめていきます。
レヂアチオ・ルント・リッナ
出典: http://qlay.jp
「レヂアチオ・ルント・リッナ」は、「ものみな鎮まれ。」という意味で、劇中には登場せず、宮崎監督の準備稿にのみ登場しました。この呪文の意味としては、ラピュタを囲んでいる雷雨を鎮めて辺りを晴らすという効果があります。
シス・テアル・ロト・リーフェリン
「シス・テアル・ロト・リーフェリン」は、「失せしもの汝、姿を現せ」という意味の呪文です。上記の呪文同様、準備稿も中にのみ登場します。パズーとシータが凧に乗って「龍の巣」へと突入するシーンで、ラピュタの周りの雲を晴らすために作られた呪文でした。
ラピュタの呪文の意味まとめ!
ラピュタの呪文に共通して言えるのは「ラピュタ帝国及びラピュタ人の守護と破壊」のための呪文であるということです。「幸福になるためには悪い言葉も知っていなければならない。」という言葉からは、呪文のことのみならず、映画を見た人の人生に置き換えて考えることもできます。
本記事では、「ラピュタの呪文」という観点から映画『天空の城ラピュタ』の魅力をまとめていきましたがいかがだったでしょうか?本記事を読んで映画『天空の城ラピュタ』に興味をもっていただけたら幸いです。ぜひご覧になってください!