【ダンジョン飯】ケルピーと人魚について考察!モデル・元ネタになった神話は?

『ダンジョン飯』の物語にはケルピーや人魚、そしてクラーケンなどの水生モンスターが登場します。それぞれケルピーは水中に生息する馬のモンスター、人魚は部分的に人間の体を持つ魚のモンスター、イカの姿をした巨大なモンスターとなっています。本記事ではそのようなダンジョン飯のケルピー・人魚・クラーケンのモデル・元ネタを紹介します。また、人魚とギリシア神話のセイレーンの違いやクラーケンとギリシア神話のケートスの違いなどについても考察するため併せてチェックしてみてください。

【ダンジョン飯】ケルピーと人魚について考察!モデル・元ネタになった神話は?のイメージ

目次

  1. ダンジョン飯とは?
  2. ダンジョン飯のケルピーを考察!モデル・元ネタは?
  3. ダンジョン飯の人魚を考察!モデル・元ネタは?
  4. ダンジョン飯のクラーケンを考察!モデル・元ネタは?
  5. ダンジョン飯のケルピーと人魚に関する感想や評価
  6. ダンジョン飯のケルピーと人魚などのモンスターまとめ

ダンジョン飯とは?

『ダンジョン飯』の作中に登場した水の魔物、ケルピー・人魚・クラーケンですが、調べてみるとさまざまな地域の伝承がモデル・元ネタとなっているようです。そこで、ここからはケルピー・人魚・クラーケンのモデル・元ネタについて考察します。また、人魚とセイレーンの違い、クラーケンとケートスの違いなども解説するため併せてチェックしてみてください。それではまず、ダンジョン飯の作品情報から見ていきましょう。

ダンジョン飯の概要

  • 漫画タイトル:ダンジョン飯
  • ジャンル:ハイファンタジー、グルメ漫画
  • 作者:九井諒子
  • 掲載誌:ハルタ
  • レーベル:ビームコミックス(第1巻 - 第4巻)、ハルタコミックス(第5巻 - 第14巻)
  • 発表期間:2014年2月15日~2023年9月15日
  • アニメ情報:宮島善博(監督)、うえのきみこ(シリーズ構成)、TRIGGER(アニメーション制作)、竹田直樹(キャラクターデザイン)、TOKYO MXほか(放送局)、2024年1月4日~(放送期間)

『ダンジョン飯』は九井諒子先生によるファンタジー・グルメ漫画です。漫画誌『ハルタ』にて2014年2月号から2023年9月号まで連載されました。単行本は全14巻が刊行されています。2023年12月時点で累計発行部数は1000万部以上を記録。2022年にはTRIGGERによるテレビアニメ化が決定し、2024年1月4日より放送中です。

ダンジョン飯のあらすじ

ダンジョン飯はスライムや動く鎧、マンドラゴラといった、ファンタジー作品では定番のモンスターを現実に存在する調理方法によって美味しい食事へと変えていくという、アドベンチャーとグルメを混交させた作風となっています。物語の主人公は重度の魔物マニアであるライオス・トーデンです。物語はダンジョン探索中にレッドドラゴンと遭遇し、ライオスの妹が食べられてしまったところからスタートします。

TVアニメ「ダンジョン飯」公式サイト

ダンジョン飯のケルピーを考察!モデル・元ネタは?

ダンジョン飯のケルピーはアニメ第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」にて初登場しました。地下4階へ到着し、広大な湖を渡ろうとするライオスたちの前に現れたケルピーですが、果たしてケルピーとはどのようなモンスターなのでしょうか?ここではダンジョン飯のケルピーの詳細を解説しつつ、モデル・元ネタを考察します。

ケルピーとは?

ダンジョン飯のケルピーとは、水中に生息する馬のモンスターのことです。読み方は「水棲馬」。見た目は水草に似た鬣に、太い尾の先に魚のようなヒレが付いているのが特徴です。その美しい姿で相手を誘惑し、背に跨ったところで騎手もろとも水中に潜り込んで餌食にします。ただ、騎乗さえしなければどれだけ仕留めるチャンスであっても襲いません。作中に登場するケルピーはライオスたちに馬肉として解体されてしまいます。

ケルピーの故郷はスコットランド

ダンジョン飯のケルピーのモデル・元ネタとなったケルピーは、スコットランド地方の民話として、水辺に棲みついていると伝わる馬型の水精です。通常は馬の姿をしていますが、ときには美しい人間の若者に化けて無垢な乙女を誘惑したりもします。生息地は川や湖、そして沼の中です。近年の作品に登場するケルピーは海水や淡水関係なく活動していますが、オリジナルの伝承で海水に生息するケルピーは存在しないようです。

ケルピーのオリジナルの伝承では白馬?

オリジナルの伝承では、ケルピーの姿は白馬です。スコットランドの都市「フォーカーク」の郊外にある有名なケルピー像は、愛くるしい白馬の彫像となっています。オリジナルの伝承のケルピーは馬具一式を身に付けて人を誘い、騎乗したところで水の中に引き込み溺死させるようです。ちなみに「ケルピー」とはゲール語を解さない英語圏の名称であり、ゲール語での名前は「エッヘ・ウーシュウカ」と呼ばれています。

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ダンジョン飯の人魚を考察!モデル・元ネタは?

ダンジョン飯の人魚はケルピーと同じくアニメ第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」にて初登場しました。人魚の登場シーンには人魚の歌にかぶせて歌うライオスの姿が描かれ、「腹筋崩壊した」と視聴者を爆笑させています。では、ここからダンジョン飯の人魚の詳細やモデル・元ネタとなった東洋・西洋の人魚を解説しつつ、人魚とギリシア神話のセイレーンとの違いを考察していきます。

人魚とは?

ダンジョン飯の人魚とは、部分的に人間の体を持つ魚のモンスターです。オスとメスで明らかに形状が異なり、それぞれオスがほとんど魚のような形態、メスが人間の上半身と魚の下半身という典型的な人魚姿をしています。

メスの人魚は歌を聴くと魅了され、そのまま水中に引きづり込まれるとされています。一方オスの方の人魚は腕が生えており、水草を頭に生やして人間に擬態しています。人魚の歴史を調べると、ダンジョン飯のように東洋と西洋で大きな違いがあることが分かります。では、ここから東洋と西洋の人魚の違いを見ていきましょう。

東洋の人魚

ダンジョン飯の人魚のモデル・元ネタとなった東洋のうち、日本の人魚は、顔または頭だけが人間で、それ以外は魚という姿に描かれています。いわゆる人面魚です。

ただ、江戸時代中期から後期にかけてヨーロッパの文化が入ってきた影響で、近年はダンジョン飯のメスの人魚のような人間の上半身と魚の下半身を持つ人魚の絵画が描かれ始めています。一方、中国は日本と同様の人面魚、ナマズに似た体にトカゲの手足を持つ人魚、猿のような姿で海中に住む人魚、馬のような長髪に手だけが生えた人魚、四本脚を持つ人面魚など、さまざまな人魚の姿が描かれています。

西洋の人魚

ダンジョン飯の人魚のモデル・元ネタとなった西洋の人魚は、伝承によって多少の違いはあるものの、そのほとんどがダンジョン飯のメスの人魚と同様の姿をしています。基本的に若い女性の上半身に金髪もしくは茶髪、鏡や櫛を持つ姿で描かれた絵画が多く残っています。

この鏡や櫛にはキリスト教にとって、七つの大罪の一つである「虚栄心(自惚れ)」の寓意とみなされています。ルネサンス期において虚栄心はソファの上に横たわる裸の女性としてあらわされており、その女性は髪に櫛を身に着け鏡とともに描かれていました。このことから人魚を肯定的に捉えていなかったことがうかがえます。

ギリシア神話のセイレーンとは?違いを解説

西洋の人魚の伝承では、人魚の歌に魅了され、水中に引き込まれるといった話もあります。実はギリシア神話の魔物セイレーンも、自身の歌声に魅了され近寄ってきた人を殺してしまいます。果たしてギリシア神話のセイレーンと人魚の違いとは一体何なのでしょうか?結論から言うと、セイレーンと人魚の見た目です。オリジナルの伝承のセイレーンは、女性の頭を持った鳥の姿をしています。

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ダンジョン飯のクラーケンを考察!モデル・元ネタは?

ダンジョン飯のクラーケンはケルピーや人魚と同じくアニメ第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」にて初登場しました。クラーケンは水生モンスターの食物連鎖の頂点に立つモンスターで、その巨大な体は厚い筋肉に覆われています。ライオスたちを大いに苦戦させたクラーケンですが、最終的に倒され巨大なイカとして調理されました。ここではクラーケンの詳細とモデル・元ネタを解説しつつ、クラーケンとギリシア神話のケートスとの違いを考察します。

クラーケンとは?

ダンジョン飯のクラーケンとは、イカの姿をした巨大なモンスターです。作中でライオスたちが出会ったクラーケンは「ジャイアントクラーケン」と呼ばれるモンスターで、通常の数倍の大きさを持ちます。ジャイアントクラーケンはセンシの斧やマルシルの攻撃魔法によるダメージが全く効きません。ただ、両目の間が急所となっており、そこを銛で刺すと容易に倒すことができます。

クラーケンの伝承

クラーケンは北欧の伝承に登場します。映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』やゲームなどでも登場するクラーケンは、複数の触手を持つ海の怪物として描かれています。伝承におけるクラーケンの故郷はノルウェーで、ノルウェー語での名前は「クラーケ(krake)」と呼ばれています。そもそもクラーケンは近世ノルウェーに伝わっていた海の怪物であり、世界的に知れ渡ったのは1700年代中頃です。

もともとクラーケンは多頭で爪を持つ海の怪物でした。しかし、中世より北欧に伝わるとして、島と見間違えるほどの巨大な伝説上の怪物「ハーヴグーヴァ」とともに世界に紹介され、さらには巨大タコの挿絵が添付されていたことによって、2種の魔物が混同されることとなったそうです。

その結果、クラーケンが世界に知れ渡るにつれて巨大タコや巨大イカというイメージが定着します。そして、1981年のアメリカ映画『タイタンの戦い』にて上半身が人間型の胴体に下半身がタコという姿をしたクラーケンが登場したことにより、クラーケンといえばタコのような触手を持つという印象を持たれるようになったのです。

ギリシア神話のケートスとは?違いを解説

ギリシア神話にもケートスという海の怪物が登場しますが、果たしてクラーケンとは一体何が違うのでしょうか?結論から言うと、ギリシア神話のケートスと伝承のクラーケンの見た目です。クラーケンは前述通り巨大で複数の触手を持つ姿をしていますが、ケートスはトドのような大きな姿をしています。クラーケンのようなタコやイカをモデル・元ネタとした姿ではありません。

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ダンジョン飯のケルピーと人魚に関する感想や評価

ここまでダンジョン飯の人魚・ケルピー・クラーケンのモデル・元ネタについて紹介しつつ、人魚とギリシア神話のセイレーンの違いやクラーケンとギリシア神話のケートスとの違いをそれぞれ解説しました。では、最後にダンジョン飯の人魚・ケルピー・クラーケンに関して寄せられたネット上の感想や評価を見ていきましょう。ネット上では人魚の歌うシーンやクラーケンの特徴、ケルピーの馬油石鹸などに関する声があがっています。

ダンジョン飯の人魚に関する声があがっています。こちらではダンジョン飯の人魚の歌うシーンが高評価されているようです。また、ダンジョン飯のアニメのクオリティが高くて楽しいとのこと。他の感想でも定期的にライオスと人魚の歌が聴きたくなるとの声があがっていることから、人魚の歌うシーンは多くの視聴者から人気を集めていることがうかがえます。

ダンジョン飯のクラーケンに関する声があがっています。こちらではダンジョン飯のクラーケンが「イカとタコの要素が程よくミックスされていて、とてもよかった」と好評です。同時にイカとタコの違いがよく分かる画像が投稿されています。興味のある方はこちらの画像を参考にイカとタコの違いを理解し、ダンジョン飯のクラーケンをチェックしてみるとよいでしょう。

ダンジョン飯のケルピーと人魚に関する声があがっています。こちらではケルピーと人魚の登場回が「声あげて笑った」と好評です。面白いシーンとして、ケルピーの馬油石鹸で洗ったことによりセンシの髭がフワフワになったシーンと、人魚の歌に混ざってライオスが歌ったシーンが取り上げられています。感想の通りとても面白いシーンとなっているため、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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ダンジョン飯のケルピーと人魚などのモンスターまとめ

本記事では『ダンジョン飯』のケルピー・人魚・クラーケンのモデル・元ネタになった神話を考察しました。それぞれケルピーは水中に生息する馬のモンスター、人魚は部分的に人間の体を持つ魚のモンスター、クラーケンはイカの姿をした巨大なモンスターとなっています。そのモデルとなった伝承・神話は以下の通りです。

  • ケルピー:スコットランド地方に民話として、水辺に棲みついていると伝わる馬型の水精
  • 人魚:顔または頭だけが人間でそれ以外は魚の姿をした東洋の人魚(人面魚)、若い女性の上半身に金髪もしくは茶髪の西洋の人魚
  • クラーケン:近世ノルウェーに伝わっていた海の怪物

ダンジョン飯の漫画やアニメを見る際はぜひ、本記事のまとめを参考にしつつ、ケルピー・人魚・クラーケンに注目してみてください。また、これを機にケルピーや人魚などの水生モンスターだけでなく、ほかのモンスターのモデル・元ネタに注目してみるのも良いかもしれません。

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