【寄生獣】パラサイトの正体や目的は何?脳を乗っ取られた人間はどうなる?

寄生獣の正体に迫っていきます!岩明均による大人気SF漫画『寄生獣』には、人間に寄生し脳を喰って人間を支配下に置く謎の生命体が多数登場します。主人公・泉新一の右手に寄生するミギーを始めとして、外見も能力も多種多様なのです。この記事では、パラサイト(寄生生物)に焦点を当て、彼らの正体や目的を探るとともに、脳を乗っ取られた人間はどうなるのかについても考察していきます。

【寄生獣】パラサイトの正体や目的は何?脳を乗っ取られた人間はどうなる?のイメージ

目次

  1. 寄生獣のパラサイトとは?
  2. 寄生獣のパラサイトの正体や目的は何?
  3. 寄生獣の登場人物
  4. 寄生獣のトリビア
  5. 寄生獣のパラサイトの正体に関する感想や評価
  6. 寄生獣のパラサイトの正体まとめ

寄生獣のパラサイトとは?

寄生獣の作品情報

この記事では、『寄生獣』の作品名にもなっている寄生生物(パラサイト)にスポットを当てます。パラサイトたちは宿主を見つけると次々に寄生していきますが、特に脳を乗っ取られた人間はどうなってしまうのでしょうか?これからパラサイトの正体や目的などを考察していきますが、まずはその前に『寄生獣』の作品情報をお届けしましょう。最初に作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと続きます。

寄生獣の概要

概要のイメージ

『寄生獣』は普通の男子高校生が数奇な運命に巻き込まれる過程を描いた岩明均によるSF漫画です。1988年から1995年にかけて、講談社の「モーニングオープン増刊号」と「月刊アフタヌーン」で連載されました。

2014年にはテレビアニメ『寄生獣 セイの格率』がマッドハウスにより制作され、日本テレビ・読売テレビをはじめとする日本テレビ系列で放送されました。また実写映画2部作が制作され、2014年と2015年に公開されました。1993年に第17回講談社漫画賞一般部門を受賞したほか、1996年には第27回星雲賞コミック部門賞に輝いています。

寄生獣のあらすじ

あらすじのイメージ

ある日、平凡な高校生の主人公・泉新一は、地球に飛来してきたパラサイト(寄生生物)に襲われます。パラサイトは本来人間の脳を乗っ取りますが、新一を襲った個体は脳を奪うことに失敗し、右腕に寄生するようになります。このパラサイトは自らを「ミギー」と名乗り、新一と共生するようになります。当初は困惑した新一も、次第にミギーに対して友情に近い感情を抱くようになりました。

パラサイト(寄生生物)とは?

『寄生獣』のパラサイト(寄生生物)とは、どこからともなく降ってきた生物です。大きさはテニスボールほどで、毛でおおわれた卵から孵化します。幼体は蛇やミミズのような形態をしており、人間の脳を支配し成長します。その後、本能に従って自身が乗っ取った生物と同種のものを捕食します。

生き延びるためには、パラサイトは自身にとって危険だと判断すれば同族でもおかまいなしに攻撃します。知性は人間と同程度ですが、初期の行動はまさに動物的で、残された死体をそのままにしておくことからミンチ殺人として報道されるようになります。彼らの性質は極めて合理的であり、感情をほとんど持ちません。無表情な存在が多いのです。

アニメ『寄生獣 セイの格率』公式サイト

寄生獣のパラサイトの正体や目的は何?

パラサイトの正体や目的を考察

ここからは、『寄生獣』のパラサイトの正体や目的を考察していきます。パラサイトの行動の目的は、「この種を食い殺せ!!」という指令に従うことです。この種とは、「人間」のことです。主人公の泉新一とパラサイトの田宮涼子との会話のシーンで、パラサイトの目的がはっきりと描写されました。その時に、パラサイトの田宮涼子は泉新一に次のようなことを語っています。

「誰にも教わらないのにハエは飛べるし、蜘蛛は巣を作れる。なぜ?おそらくハエや蜘蛛はただ命令に従っているだけなのでしょう。地球上の生物はみな命令に従っているのだと思う。私が人間の脳を占領したとき、この種を食い殺せという命令が下された」。つまり、パラサイトの目的は、脳を支配したときに受けた指示「この種を食い殺せ」を果たすことだったと考察されます。

人間の脳を支配したパラサイトは、すべてこの命令にに従うのですが、新一に寄生したパラサイトだけは人間を捕食しようとしませんでした。彼には捕食は必要ないと考察されます。新一に寄生したパラサイト(ミギー)は、泉新一の血液を養分として生きています。そもそも「この種を食い殺せ」などという命令を受けたこともありませんでした。

ミギーにとっては、自分が安全に生き延びることだけが目的なので、それ以外のことには関心を示しません。ミギーという名前の由来も泉新一の右腕に寄生しているからであり、特に意味はありません。ミギーにとって名前はどうでもいいことであり、大切な目的は自分が生き延びるということだけでした。

パラサイトはどこからきた?

寄生獣の登場シーンは、夜の空で展開されます。テニスボールぐらいの大きさと形をしており、数は不明です。空から降ってきた卵のようなものには、幼虫が含まれていました。しかし、これ以外の情報は一切ありません。原作やアニメ、映画でも、パラサイトの出自や正体については一切触れられることはありませんでした。

パラサイトに脳を乗っ取られた人間はどうなる?

『寄生獣』でパラサイトに支配された人間は、正体を隠して人間社会で普通に振る舞っています。彼らは頭の中身を支配されているため、外見では気づかれません。それどころか、彼らの頭脳は人間よりも遥かに明晰で、寄生後わずか数日で日本語を習得しています。彼らは人間社会の仕組みや個々の好みまで把握し、ほぼ人間と同じように生活できると考察されます。

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寄生獣の登場人物

登場人物①ミギー

ここからは、『寄生獣』の登場人物の解説に移ります。ミギーは、主人公である新一に寄生したパラサイトです。最初は新一の耳や鼻孔から侵入しようとしましたが失敗に終わります。最後は新一の右手に突き刺さって侵入し脳を目指しますが、新一が自分の上腕を縛り上げたことで阻止され、彼の右腕に寄生することになりました。

登場人物②泉新一

泉新一は、本作の主人公であり、ごく普通の高校生です。ミギーに右手に寄生されることになりますが、頭部への侵入は免れています。それ以降、ミギーとの奇妙な共生生活が始まりました。

登場人物③村野里美

村野里美は、新一と同じ高校に通う恋人です。中学生の頃から新一を知っており、受験会場で偶然一緒になったことがきっかけで親しくなり、高校進学と同時に交際をスタートさせました。

登場人物④立川裕子

村野里美の幼なじみで、同じ高校に通っています。高校では美術部に所属しています。後述する島田秀雄に酸の入った瓶を投げつけるシーンが描かれています。

登場人物⑤鈴木アキホ

そばかすのあるポニーテールの女子高校生で、アニメオリジナルのキャラクターです。彼女は明るい性格で、新一にひそかな思いを抱いていますが、彼には気づかれていません。

登場人物⑥君嶋加奈

主人公・新一宅の隣町にある高校の女子生徒で、後述するミツオと付き合っていたスケ番です。パラサイトに寄生された新一に人間ではない何かを感じ取り、異性として惹かれるようになります。

登場人物⑦浦上

人間を虐殺することに快感を感じるサイコパスです。人間を殺して楽しんでいるうちに、パラサイト(寄生生物)を識別する能力を手に入れました。

登場人物⑧田宮良子

新一の学校にやって来た代用教員ですが、その正体はパラサイトです。数学教師「田宮良子」の名前と仕事を受け継ぎ、教壇に立つようになりました。パラサイトの中でも際立った知性を持っています。父親のわからない子供を妊娠していることが発覚した時、全てを捨てて姿をくらまし、再び現れた時には名前を「田村玲子」と変えていました。

登場人物⑨ミツオ

自称「加奈の彼氏」と名乗る北高の生徒で、体格が大きく喧嘩も強いです。新一たちの通う西高の生徒と衝突を繰り返していました。アニメでは外見が変わり、ニット帽を被った茶髪の痩せた若者になっていました。

登場人物⑩真樹子

現在中学生で、実家は伊豆の海辺で民宿を営んでいます。新一とは彼が旅の途中で乗った高速船で出会いました。生活指導教諭との問題を新一が解決してくれたので、彼に興味を抱くようになりました。

登場人物⑪宇田守

伊豆のホテルの男性従業員で、後にパラサイトに寄生されるのですが、脳を奪われることはありませんでした。見た目は小太りの男性で、温厚な性格で涙もろい一面もあります。

登場人物⑫宇田のパラサイト

宇田に取り憑いたパラサイトは、名前をジョーといいます。幼少期に宇田の体内に侵入した際、宇田が海に落ちておぼれかけたため、彼の命を救うことを優先し脳を支配することに失敗します。現在は顔の下半分から胸部にかけて寄生しています。

登場人物⑬島田秀雄

田村玲子が学校で新一を監視するために、新一より1学年上の3年2組に送り込んだパラサイトです。身体のコントロールを向上させるためにスポーツに精を出していました。

登場人物⑭広川剛志

後藤からは「ボス」と呼ばれている政治家で、パラサイト一味の後ろ盾となっています。パラサイトに寄生されていない人間ですが、この事実は物語の最後まで読者に隠されていました。また劇中でも、新一たちからパラサイト(寄生生物)だと思われていました。

登場人物⑮倉森志郎

シャーロック・ホームズに憧れ、興信所で調査員として働くようになりました。推理小説を愛読していますが、小説が作り話であることは重々承知しています。妻と一人娘を持つ平凡な父親でしたが、田村玲子から新一の身辺調査を頼まれたことをきっかけに、新一に関わる数々の謎めいた事件に興味を抱くようになりました。

登場人物⑯後藤

田村玲子によって創造されたパラサイト(寄生生物)で、『寄生獣』に登場するキャラクター中で最も高い戦闘能力を持っています。五体のパラサイトが融合したラスボスであり、強力な力を持つ一体が他の四体を支配し、無敵の殺人マシーンとなります。

登場人物⑰三木

泉新一の頭部に侵入しようと試みて失敗したパラサイト(寄生生物)です。その後、後藤が支配する体の右腕を担当することになりました。右腕に寄生することから「三木(みき)」という名前が付けられました。

登場人物⑱草野

草野は、広川集団に属する若者で、パラサイト(寄生生物)として活動しています。広川剛志の秘書として田村玲子とも行動をともにしています。剛志の選挙演説時には後藤と共に彼を支援し、その際には「柴田」という名前を使っていました。

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寄生獣のトリビア

トリビア①ミギーのモデル

ここからは、『寄生獣』のトリビアについて考察します。ミギーのベースとなったものは、鏡に映った作者の左手です。手の形がわずかに変形している時などで、ミギーの描写に作者自身の左手がモデルとして使われました。もちろん作者の人格ではなく、あくまで絵のモデルです。作者の岩明は、「キャラクターを描く際にモデルを使うことはないが、ミギーは例外だと気づいた」と語っています。

トリビア②後藤の死は予定にはなかった?

後藤は、作中で新一によって殺され最期を遂げますが、作者は最初、新一に後藤を殺させるつもりはなかったそうです。後藤の運命について、当初2つの案が考察されていました。

案その1は、後藤が完全に復活し、巨大な翼を持つ姿に変化します。そして、汚染された日本を忌み嫌い、美しい自然を求めて飛び立ちます。案その2は、後藤が完全に復活することはできず、無害な生き物として静かに暮らします。どちらの案も作者にとっては「何か違うし、甘ったるい」と感じられ、考察の結果、後藤の最期は現行のものとなりました。

トリビア③執筆終了後の作者の指

指の傷のイメージ

執筆が終了し、作者は友人との飲み会を楽しんでいました。浦上が使用していたナイフの切れ味を試すためにコンビニの袋を切っていたのですが、酩酊していて自分の小指を切ってしまいます。「酔った勢いで刃物を扱うのは危険だ」と述べながらも、その後の指の再生力に驚いたと語っています。ちなみに、このエピソードは、コミックス10巻の巻末に記されています。

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寄生獣のパラサイトの正体に関する感想や評価

ここまで『寄生獣』のパラサイト特集をお届けしてきましたが、最後に『寄生獣』のパラサイトの正体に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、実写映画を観た方の感想です。出演者の深津絵里・浅野忠信コンビは『寄生獣』での印象が強すぎて、後の出演作「岸辺の旅」でも「いつパラサイトの正体を現すのか?」との錯覚に陥ったそうです。

一般男性の髪の毛を抜いたとしても、それがパラサイトであるかどうかは確認できないし、仮にパラサイトの正体を見抜いてしまった場合、その人は殺されるリスクが高まります。確かに合理的な方法とは言えないでしょう。

最後に紹介するツイートでは、世の中にいる「やりたい放題が許される人」を皮肉っています。彼らの正体を寄生獣(パラサイト)だとした上で、やりたい放題を許さない人間を喰ってしまっていると結論付けていました。

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寄生獣のパラサイトの正体まとめ

まとめのイメージ

この記事では、『寄生獣』のパラサイト(寄生生物)に焦点を当て、ミギーたち寄生生物の正体や目的、そして脳を乗っ取られた人間はどうなるのかなどについて考察してきました。

『寄生獣』のち寄生生物は、原作でもアニメや実写映画でも正体は明かされていません。ただし、彼らの目的は田宮涼子のセリフから読み解くことができます。それは、人間の脳を支配したときに受けた指示「この種を食い殺せ!」を果たすことと考えられます。またパラサイトに脳を乗っ取られた人間は、正体を隠して人間社会の中に溶け込み、普通の生活を送っています。その頭脳は人間よりも遥かに明晰で優秀なのでした。

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