【うる星やつら】最終回でキスするのはアニメだけ？原作との違いやリメイク版を考察　

'70年代後半から80年代にかけて一世を風靡した漫画『うる星やつら』ですが、2022年に再アニメ化され大きな反響を呼びました。ネットでは、リメイク版アニメ『うる星やつら』の中でも、最終回のキスが検索キーワードの上位に入る健闘を見せています。

そこで、この記事では、『うる星やつら』の最終回のあたるとラムのキスシーンの話題を中心に、原作との違いやリメイク版について考察していきますが、まずはその前に『うる星やつら』の作品情報をお届けしましょう。最初に『うる星やつら』の作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと続きます。

『うる星やつら』は、高橋留美子による日本の漫画で、小学館の「週刊少年サンデー」にて1978年39号から1987年8号まで連載されました。この物語は、浮気者の高校生である諸星あたると、宇宙からやってきた一途な宇宙人美少女のラムを中心に展開されるSFラブコメディとなっています。

また、1980年度の第26回小学館漫画賞少年少女部門を受賞した作品であり、発売から40年以上が経過した2020年11月時点で単行本の総発行部数は3500万部を突破しました。1981年にアニメ化されて以来、1980年代を代表する人気アニメ作品となり、2022年にはリメイク版アニメが放送され話題になりました。

強力な軍事力を背景に、宇宙人・鬼族が侵略を目指して地球にやって来ました。地球の代表者と1対1で戦い、地球代表者が勝利すれば撤退するが、負ければ地球を支配するというのです。地球代表に選ばれた高校生の諸星あたるは、最初こそ低モチベーションでしたが、恋人の三宅しのぶが「勝ったら結婚してあげる」と約束すると、打って変わってやる気をみなぎらせます。しのぶと結ばれるため鬼族代表ラムとの対戦を決意しました。

ここからは、この記事のメインテーマである『うる星やつら』の原作漫画とその後制作されたアニメ『うる星やつら』との違いについて考察していきます。結論から言いますと、『うる星やつら』の原作漫画の結末と、1981年版のテレビアニメの結末は大きな違いがあります。

実は、『うる星やつら』のテレビアニメ版は、原作漫画の連載終了の前年に放送されていたため、最終回はアニメオリジナルにせざるを得ないという事情がありました。アニメが漫画に追いついてしまうのはよくある話ですが、『うる星やつら』では結果として原作と内容の違いが出てしまいました。ここでは、原作とアニメの最終回の違いを解説します。

まず違いを考察するために、『うる星やつら』の原作漫画のあらすじを説明します。ある日、ラムが学校に行くと、ルパと名乗る闇の世界から来た宇宙人が現れました。ルパはラムの許婚を名乗ります。かつて二人の曽祖父が、「娘が生まれたらその子を嫁に迎える」という契約を交わしていたのです。ラムは成長を促進する指輪をはめさせられ、特殊能力・電撃を失ってしまいます。そして、ラムは闇の宇宙へ連れ去られてしまいました。

あたるはラムを助けに向かいますが、ルパが仕組んだラムの偽物に騙されてしまい、結局ラムと大喧嘩に発展してしまいます。あたるは、ルパの幼なじみのカルラと結婚すると言い出し、地球へ戻ってしまいました。

帰還後、あたるは諸星家でカルラと食卓を囲んでいました。カルラがお土産として持ち込んだキノコを鍋に入れると、それがなぜかいくら食べても減りません。このキノコは、熱や光を浴びると瞬く間に大きくなる特性を持っていたのです。気づいた時には手遅れで、巨大化したキノコは胞子をまき散らし、町中をキノコで埋め尽くしてしまいました。

キノコを取り除く唯一の方法は、ルパが飼っている豚にキノコを食べさせることでした。あたるはラムにルパを説得してほしいと頼みます。ラムはあたるの頼みを受け、条件を一つ提示しました。その条件とは、鬼ごっこであたるがラムを捕まえ、「好きだ」と告げることでした。好きだと言えば地球が救われ、言わなければ宇宙人に関する記憶を消され地球を去らなければなりません。再び、地球の運命を賭けた鬼ごっこが始まりました。

鬼ごっこが始まっても、あたるはなかなか言葉を口にしません。傷だらけになったあたるはつまずいて何かを落としてしまいます。それは、ラムの角でした。あたるはラムの角を大切に持っていたのです。ラムは感動してあたるに抱きつき、「きっといつか、好きだと言わせてみせるっちゃ」と言いました。その言葉に、あたるは「死に際に言ってやるからな」と返したのでした。以上のことから原作にキスシーンはありません。

続いて『うる星やつら』の旧アニメ最終回の解説に移ります。果たして最終回にキスはあるのでしょうか？登場人物全員に宛てた仮装大会の招待状が届き、物語が動き出します。あたるのクラスは日本神話のキャラクターに仮装することになりましたが、アマテラス役のおユキが当日体調不良で参加できなくなります。ところがそこに、本物のアマテラスが登場したのです。

しかし、ラムとあたるはいつもの喧嘩を始めました。それに怒ったアマテラスは、携帯用の天岩戸に隠れてしまいます。暗闇が世界を覆います。日本神話どおりに宴会が始まり、神様さえも宴会に加わります。外の様子を知りたくなったアマテラスが天岩戸を開けたところ、携帯用の天岩戸は吹き飛ばされてしまいました。

その後、仮装大会用の天岩戸が落下し、あたるとラムが閉じ込められました。その際に2人はキスを交わしましたが、岩が崩れ落ち、そのキスシーンが目撃されてしまいました。すると、面堂をはじめとする多くの登場人物が嫉妬による騒ぎを引き起こし、混乱の中で物語は幕を閉じました。『うる星やつら』の旧作アニメは原作とは違い、キスシーンがありました。

旧アニメ『うる星やつら』のオリジナル結末が一部のファンに受け入れられず、猛烈な抗議の嵐が巻き起こりました。ファンの署名活動も行われ、結果的に原作漫画の最終章「ボーイミーツガール」が映画化されることになりました。その作品こそ、『うる星やつら 完結編』となります。この映画は、シリーズ中唯一原作を基にしており、オリジナルの要素は一切含まれず、原作を忠実に再現しています。

2022年10月から放送された『うる星やつら』のリメイク版アニメは、昭和の雰囲気を残しつつ、現代的なアプローチで古さを感じさせないように制作されました。特にリメイク版アニメの最初のクールのOPは、レトロな雰囲気の中にスマートフォンやオタク文化など現代の要素を取り入れ、『うる星やつら』の雰囲気を保ちつつもリメイク版として現代の魅力を表現しています。

この『うる星やつら』のOPやEDの主題歌は大きな反響を呼び、『うる星やつら』の再熱ブームを加速させました。リメイク版は全4クールの予定で、現在は2クール目までが放送されています。おそらく2024年に放送されるリメイク版2期で最終回を迎え、原作との違い問題が決着することになるでしょう。

旧アニメ『うる星やつら』の最終回が議論を巻き起こしたことを考えると、リメイク版アニメ『うる星やつら』の最終回は原作漫画に忠実で、違いのない結末になると見込まれます。原作がすでに完結しているので、あえてオリジナルのエピソードを入れる必要はありません。

リメイク版『うる星やつら』のテレビアニメ最終回を予想すると、あたるとラムがキスするような展開はないでしょう。令和時代のアニメは、『うる星やつら』の原作者である高橋留美子の作品を最大限にリスペクトし、原作に忠実でほぼ違いのないリメイクアニメ化を目指しています。そのため、アニメの最終回でキスシーンを挿入し原作との違いを際立たせる可能性は低いはずです。

ここからは、『うる星やつら』のその他のキスシーンを紹介していきます。まず、『うる星やつら』の第9話では、学校で仲良くしているあたるとラムに、クラスメートから罵声が飛びます。「なんでそんなこと言ったの？ 勝手についてくるんだから！」とあたるが言うと、ラムは「夫婦はいつもそうするんだよ」と言いながらキスをしました。

あたるは喫茶店で「組野おとこ」との待ち合わせをしていましたが、現れたのは変装したラムでした。あたるはラムだと気づきながらも、ラムの言葉に従いそのまま芝居を続けます。そして、「諸星さんは私が想像していたような人だわ」と言われ、キスをされました。

ある日、あたるたちは、優勝者には「ミス雪の女王のキッス」が贈られるという宝探しイベントに参加しました。あたるは宝を手に入れ、見事ゴールに到達しますが、驚いたことに女王はラムでした。結局あたるはラムにキスされてしまったのです。

ラムの従弟のジャリテン（テンちゃん）が「こんなバカに見切りをつけて、星に帰ろう」と言ったのを聞いたラムは、電撃を放ち、彼を吹き飛ばしました。それから、電撃を使ってあたるを引き寄せると、周囲の混乱に紛れてキスをしました。

原作漫画33巻の「愛と勇気の花一輪;前・中・後編」では、二人の間に愛が芽生えます。因幡くんは運命製造局の昇進試験を受けるための条件として女性の同伴が必要だと知り、しのぶを誘って試験に臨みます。試験で課せられたのは、時空の森に咲く花を摘むことでした。その花は女性の恋心を感じて開花する特性があり、どうしても女性の同伴が必要だったのです。

後編の終盤で、因幡くんとしのぶは恋人同士になります。二人は何とか時空の森に到達しますが、目指した場所には花はありましたが、まだつぼみの状態で開いていませんでした。因幡くんがしのぶに言葉を告げると、しのぶは感動し涙を流しました。すると、花がきらめき始め開花したのです。それが二人の関係が恋人同士になった瞬間でした。

原作漫画の最終回では、あたるとラムが仲良く登場しています。この最終回では、あたるとラムの追いかけっこが描かれていて、あたるが負けたら地球人の記憶からラムや他の宇宙人たちのことが消されるという設定でした。

地球の上空には、記憶を消去する大きな顔のような装置が出現しており、あたるとラム以外の仲間がその装置を停止させようと必死になっていました。その中にはしのぶや因幡の姿もあり、みんなと協力して装置を止めようとしていました。

旧アニメの最終回でも、二人は一緒に登場していました。因幡くんは、いつもうさぎの着ぐるみを身に纏っている青年です。運命製造管理局で働き、亜空間のドアに取り付けるドアノブを作っています。

運命工場で製造されるドアノブには、作った人の望む未来を創り出す力が宿っており、因幡くんは自身が描く未来を創り出す力を持つ、特別な人物です。彼が常にうさぎの着ぐるみを身に着けているのは、それが運命製造管理局の制服であり、亜空間を自由に移動できるためなのです。

因幡くんは、しのぶと出会い一目惚れしてしまいます。道端でお腹を空かせて座り込んでいたとき、しのぶから生の人参をもらい、命を助けられたことがきっかけでした。お礼にデートを申し込んだところ、しのぶの怪力によって飛ばされてしまい、亜空間に消えてしまいました。

しのぶは因幡くんが落とした鍵を拾い、ラムが作ったドアを開けて亜空間に入ります。そこで因幡くんと再会し、『うる星やつら』の主要キャラクターたちの未来を探索します。しのぶとあたるが結婚している未来も見られましたが、最終的にそれらの未来へ続くドアは使えなくなってしまいました。

ちなみに映画「うる星やつら完結編」では、二人が親しくデートする場面が描かれています。この映画では、しのぶと因幡くんがいつも一緒に登場します。他の重要なキャラクターたちに紛れて何度も登場しており、物語終盤まで関わりを持ち続けました。

諸星あたるは、『うる星やつら』の主人公で、東京・友引町の友引高校に通う高校生です。凶相の持ち主であり、さらに極度の女好きです。最初はラムに対して鬱陶しいと感じ、冷たく接していました。しかしだんだん彼女が重要な存在になり、他の男性に取られる可能性があると不安になるようになっていきます。ラムがピンチの時には助けに行くなど、勇敢な側面も見せています。

ラムは『うる星やつら』のメインヒロインで、地球を侵略しようとしてきた鬼族の宇宙人です。鬼らしく2本の角を持つ美少女で、抜群のスタイルを誇ります。語尾に「だっちゃ」または「～っちゃ」を付けて話すのが特徴となっています。あたるに心を奪われ、彼の婚約者として諸星家に押しかけ居を構えました。

あたるを真剣に愛し、もし彼が他の女性に興味を示せば「浮気者！」と電撃を浴びせることもありました。多少乱暴ではありますが、ラムの一途な愛情表現は多くのファンの心を捉えています。ちなみにラムの名前の由来は、70年代に日本にビキニの流行をもたらしたとされるグラビアアイドルのアグネス・ラムと言われています。

友引高校に通う女子生徒で、最初は1年4組に所属し、その後2年4組に進級しました。2年生の時はクラスの書記を務めました。あたると同じクラスで、幼馴染です。最初はあたるの彼女でしたが、あたるとラムの関係を見ていくうちに、あたるを取り戻そうという気持ちは薄れ、恋愛感情は消えていきました。面堂終太郎が登場してからは、彼に熱中するようになりました。

清楚な美少女で、セーラー服がよく似合います。男子生徒によるクラス内での美女投票では2年4組の中で第3位に選ばれ、「ミス4組」と呼ばれることもあります。おかっぱ頭で、初対面の際にはクラマに座敷童子と間違われたこともありました。また身長は小柄で、男子の中では平均的なあたるよりも頭半分ほど背が低く、ラムよりもさらに少し低いです。

アニメのオリジナルストーリーの「しのぶのシンデレラストーリー」では初めて主役に抜擢されました。後半になると長々と独り言を言ったり、妄想にふける癖が目立つようになり、次第にシリアスなキャラクターに変わっていきました。

面堂終太郎（めんどう・しゅうたろう）は友引高校に転校してきたあたるのクラスメイトで、彼の最大のライバルでもあります。クラスでは副委員長を務めています。面堂財閥の跡取り息子であり、容姿端麗で運動神経も抜群です。

最初は家柄と容姿の良さからクラスの女子に大人気でしたが、徐々にアホな本性が顔を出し、「面堂からお金や権力を取るとあたるになる」と評価されるようになってしまいました。

ここまで『うる星やつら』の最終回特集をお届けしてきましたが、最後に最終回に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するのは、『うる星やつら』ファンの集いでの、『うる星やつら』最終回の話題からです。マニアックな謎に湧くファンたちの熱い思いがよくわかるツイートではないでしょうか？

続いて紹介するツイートでは、『うる星やつら』が当時いかに大人気だったかを物語る内容となっています。最終回に至るまで『うる星やつら』を読むために週刊少年サンデーを購読し続けていたため、その間は当時から人気のあった週刊少年ジャンプの漫画を一切知らないという驚くべき事態となっていたようです。

最後に紹介するのも、『うる星やつら』をこよなく愛するファンのツイートです。令和のリメイク版アニメを見ているのですが、テレビ放送が後半に入り最終回が近づいてくると、何とも言えないもの悲しさが襲ってくるとのことでした。

この記事では、「うる星やつらの最終回でキスするのはアニメだけ？」と題して、原作とアニメの違いや令和時代のリメイク版アニメについて考察してきました。

『うる星やつら』の旧アニメと原作の違いは、最終回にラムとあたるのキスシーンがあるかどうかです。原作にはキスシーンはありませんが、旧アニメでは、仮装大会会場に閉じ込められたあたるとラムがキスを交わすのです。このシーンはファンの間で大論争を巻き起こし、猛烈な抗議がテレビ局に寄せられました。

そこで、2022年に始まったリメイク版アニメ『うる星やつら』では、二人のキスシーンを見直すのではないかと言われています。新作リメイク版では作者へのリスペクトから原作との違いを抑え、原作に忠実に描かれるようになりました。そうしたことから、2024年に予定されている第2期でも問題のキスシーンは登場しないと考えられます。