【キングダム】王翦（おうせん）と息子・王賁の関係は？態度が冷たい理由や史実は？

こちらの記事では、『キングダム』に登場する王翦（おうせん）と、王翦の息子である王賁（おうほん）の関係について紹介していきます。キングダムの読者からは「王翦の王賁に対する態度が冷たい」という意見があがっています。なぜ、王翦は息子の王賁に冷たいのか、その理由を考察を交えて紹介しています。

王翦（おうせん）と息子・王賁（おうほん）の関係が気になっている人は『キングダムの王翦と息子・王賁の関係』の項目で確かめてみてください。また、王翦と息子・王賁の親子が史実に実在したのかといった疑問についても調査しました。気になった人は、そちらにも目を通してみてください。

王翦（おうせん）や、彼の息子である王賁（おうほん）が登場する漫画・キングダムは、中国の春秋戦国時代に実際にあった史実をモデルにした歴史漫画です。作者・原泰久先生はキングダムが初の連載作品ですが、2006年から連載を開始し、2023年9月現在も連載が続く人気作となりました。2023年9月時点では、コミックスが69巻まで刊行されています。

キングダムは、手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞した経歴があり、マンガ好きな人や漫画関係者から高く評価されています。コミックス60巻は初版100万部を突破し、コミック累計発行部数は9900万部を超えています。キングダムは2012年からアニメが放送され、2022年までに第4期まで制作されています。また、2019年には映画も公開され、こちらの作品も興行収入57億円を突破する人気を見せました。

古代中国の春秋戦国時代には、多くの戦災孤児がいました。そのなかには、信と漂という2人の少年もいました。2人は大将軍になることを夢見ており、日々剣術の鍛錬に励んでいました。ある日、自国の大臣・昌文君が現れ、漂を仕官にするため連れて行きました。しかし、漂はぼろぼろの姿になって、信の元に戻ってきます。そして、信にある地図を手渡すと、そのまま息絶えてしまうのでした。

王翦（おうせん）は、キングダムの主人公・信が所属する秦国の武将です。キングダムのモデルとなった中国の史実にも実在した人物で、秦の中華統一に貢献した人物として知られています。キングダムでの王翦（おうせん）は、史実に基づいた部分が多く、息子として作中に登場した王賁（おうほん）も、史実に実在した人物です。

キングダムでは、利己的で野心家な性格として描かれており、これは史実の王翦（おうせん）が秦国を防衛する任にあたった際に「戦に勝利したら褒美が欲しい」と願い出たことが理由なのではないかと予想されます。史実でもキングダムでも国のために大いに活躍した王翦ですが、謀反を恐れられたのか、将軍になるまでに時間を要しました。

戦いにおいても、史実のエピソードを元に、堅実で確実に勝利できる方法を好んでいます。またキングダムの作中では、自分の戦術とは逆に、勢い任せな戦法をとる王賁（おうほん）に対して、辛辣な言葉を投げかける様子が見られています。

キングダムには、王翦（おうせん）の妻が登場しています。名前は朱景といい、史実には名前が残されていないため、キングダムのオリジナルキャラクターである可能性が高いでしょう。朱景は息子である王賁（おうほん）を産んだ直後に他界しています。関家という名高い貴族の家柄の出で、王翦と夫婦になる前は、多くの男性から言い寄られていました。

キングダムの作中では故人として登場しますが、見目も麗しく、教養も備わった人物であったとされています。朱景の男性から引く手あまただったエピソードに加え、王翦（おうせん）の王賁（おうほん）に対する態度が冷たいことから、キングダムの作中では「王賁の父親は王翦ではないのでは？」という噂が流れていました。

王賁（おうほん）は、秦国の武将・王翦（おうせん）と、その妻である朱景の間に生まれました。武勲を残す強い父と、美しい名家の母の元に生まれたと聞くと、幸せな幼少期を過ごしたように思えますが、実際の王賁（おうほん）の幼少期は寂しいものだったと考えられます。なぜなら、王賁（おうほん）は生まれたと同時に母親を亡くしているからです。

また、父である王翦（おうせん）とは、幼少期にはほとんど顔を合わせたことがありませんでした。そのため、王賁（おうほん）は両親からの愛情を受けずに育ちました。しかし、王賁は幼少期に1度だけ父・王翦と話したことがあります。それは、王賁が槍の稽古をしていた時でした。

1人で槍の稽古をしていた王賁（おうほん）の元に王翦（おうせん）がやって来て、コツを教えたのです。この出来事が嬉しかったのか、王賁はさらに鍛錬に励むようになり、その後名高い武将として活躍することになります。

王翦（おうせん）は野心家です。敵であろうと、他の者の息がかかっていようと、自軍に必要な人材であると思えば誘いをかけます。蒙恬も、そのように王翦から誘いを受けた人物でした。しかし、蒙恬は王翦からの誘いを断ります。蒙恬は、キングダムの主人公である信、そして王翦の息子である王賁（おうほん）のライバルとして切磋琢磨しています。

王賁（おうほん）と近い距離にいる自分が、王賁（おうほん）よりも先に王翦の元で戦うことはためらわれたのでしょう。蒙恬は王翦に「自分よりも先に声をかける相手がいるのではないか？」と王翦に告げ、誘いを断ったのでした。また、蒙恬は名家・蒙の嫡男という立場のため、家名のためにも王家の下につくことはできなかったのだと予想されます。

王翦（おうせん）が息子の王賁（おうほん）に冷たいと思われるきっかけとなったシーンの1つが、鄴攻めの将交代です。鄴攻めを始めて9日目、秦軍の大将として出陣していた亜光が趙国の攻撃によって討たれてしまいます。司令塔を失った部下たちは、王翦に事態を伝え、新たな大将として王賁をあてがってほしいと願い出ます。

しかし、王翦（おうせん）はその願いは受け入れず、そのまま進軍するように指示します。この王翦の判断は、亜光軍だけではなく、飛信隊など、他の者たちをも戸惑わせました。朱景の過去によって、王賁（おうほん）が王翦の息子ではないと思っていた人は「この王翦の判断には私怨が絡んでいるのではないか？」と頭をよぎったのではないでしょうか？

王翦（おうせん）は、作中で趙国の李牧と対峙します。いくつもの戦場を駆けてきた王翦ですが、趙国最強の武将である李牧との戦いで、王翦は討ち取られる寸前まで追いやられました。しかし、そこに王賁（おうほん）が現れます。王賁の助けによって、死を免れた王翦ですが、王翦は助けてくれた王賁に「愚か者」と言い放ちます。

王賁（おうほん）は王翦（おうせん）の危機を知りかけつけましたが、その時の騎兵は僅か20騎ほどでした。下手をすれば王翦共々、敵に討ち取られていてもおかしくありません。王賁が来たことで命を助けられた王翦ですが、無謀な王賁の行動に対して、冷ややかな目をするのでした。

キングダムの作中では、王賁（おうほん）の父親は王翦（おうせん）ではないという疑惑が浮上しています。王翦の妻である朱景は名家の出で、美しさも知性も持ちあわせています。そのため、王翦の元に嫁ぐまでは、多くの男性に言い寄られていました。そのような過去があったため「王賁は、朱景が王翦と結婚する直前に好いていた男性との子供なのではないか？」という噂が流れていたのです。

そのため、王翦（おうせん）も王賁（おうほん）のことを自分の息子だと思って折らず、冷たくしているのだと考える者も少なくありませんでした。しかし、王翦の性格を考えると、その可能性は低いのではないかと予想されます。王翦は、他の男性の子供だからではなく、王賁の未熟さゆえに冷たく接しているのではないでしょうか？

王翦（おうせん）は、幼い王賁（おうほん）に1度だけ声をかけたことがあります。もし自分の息子だと思っていないのであれば、利己的な王翦がそのような行動をとることはないでしょう。王翦は、不器用ながらも王賁のことを気に掛けていたのではないでしょうか？しかし、王賁の戦術は感情まかせのところがあるため、同じ国の武将として認めるわけにはいかないのではないでしょうか？

王賁（おうほん）が王翦（おうせん）の息子ではないという噂が流れた際に、母親である朱景に直接真実を聞いた人がいます。しかし、朱景はその質問に対して答えを口にすることはありませんでした。そのような朱景の態度を肯定と受け取り、王賁（おうほん）を他の男性との子供だと信じた人もいたことでしょう。しかし、朱景の本心は別にあったと考えられます。

もし、自分が同じ質問をされた時、人はどのような心情になるでしょうか？夫を騙していると言われ、侮辱のように感じるのではないでしょうか？もしくは、おもしろ半分に夫婦の関係を詮索され、辟易するかもしれません。朱景は、そのような呆れや怒りのような感情によって、口を閉じた可能性もあるでしょう。

キングダムに登場するキャラクターには、史実に実在した者が多く、王翦（おうせん）と王賁（おうほん）も実在の人物となっています。王翦の妻である朱景は、キングダムのオリジナルキャラクターのため、王賁が王翦の息子ではないという噂は、キングダム独自の創作設定だといえるでしょう。

また、史実で王翦（おうせん）と王賁（おうほん）が親子関係であるとされているため、キングダムでも血の繋がった実の親子である可能性が高いでしょう。王賁は、史実でも名将・王翦の息子として期待され、その声に応えています。

キングダムのアニメで王翦（おうせん）の声を演じたのは、ベテラン声優の堀内賢雄さんです。堀内賢雄さんは、キングダムの王翦（おうせん）役以外にも『ONEPIECE』の錦えもん、『NARUTO』のペイン、『孤独のグルメ』の井之頭五郎などの役で活躍されています。

王翦（おうせん）の息子である王賁（おうほん）役は、『ちはやふる』の綿谷新、『マギ』のマスルール、『進撃の巨人』のライナー・ブラウンなどの代表作をもつ声優・細谷佳正さんが担当しています。声優アワードでは2度助演男優賞を受賞している、人気声優です。

息子である王賁（おうほん）に対して冷たい態度をとっている王翦（おうせん）ですが、そのような不器用さや寡黙さが「かっこいい」と人気です。キングダムの公式人気キャラクターランキングでは、第14位を獲得しています。

王翦（おうせん）は、歴史に名を残す名将として、史実に記録されている人物です。史実では、大軍を任された王翦（おうせん）が、謀反を企てないと信じさせるため「戦いに勝ったら褒美がほしい」と願い出たという記録が残っています。そのような逸話が元となり、キングダムでは野心家で利己的な人物として描かれているようです。

王翦（おうせん）は、勝てると見越した戦いだけをする人物として描かれています。そのため、李牧との戦いでは読者から「何か秘策があるのだろう」と思われていたようです。実際は李牧に討ち取られる危機を迎えましたが、王賁（おうほん）の助けによって生き残ることができました。

以上、キングダムの王翦（おうせん）と王賁（おうほん）の関係について紹介してきました。王翦は王賁の父親で、両者とも史実で記録の残っている人物です。キングダムの作中では、王賁が他の男性との子供疑惑が浮上していましたが、史実を元にしているため、王翦の実の息子である可能性が高いでしょう。

また、作中では「王翦（おうせん）が王賁（おうほん）に冷たく接しているのは、王賁が息子ではないから」と噂されていますが、実際は王翦が不器用な性格が災いした結果だと予想されます。キングダムは、原作漫画が69巻まで刊行されているほか、アニメや実写映画も制作されているので、この機械に手に取ってみてはいかがでしょうか？